書名
鳥取県史ブックレット第1巻『織田vs毛利 ―鳥取をめぐる攻防―』
概要
いわゆる「秀吉の鳥取城攻め」は、従来、江戸時代の軍記類を中心に語られていました。これらの書物は信憑性に疑問があり、また鳥取城の攻防にのみ関心が集中し、この戦争の全体像は明らかでありませんでした。
このブックレットは、同時代の確実な史料にもとづいて、山陰地方全体さらに日本海を含めた広い範囲を視野に、新たな視点で織田・毛利戦争の全体像に迫ったものです。
目次
はじめに
1 織田・毛利の対立
戦国時代の幕開け/毛利の因幡・伯耆進出/織田・毛利の対立/毛利の但馬戦略/八木豊信について
2 有力武将の寝返り
信長の戦略/南条元続/宇喜多直家/草苅重継
3 秀吉の第一次因幡攻め
秀吉軍の但馬進出/第一次因幡攻め/因幡の城と道/鳥取城の攻略/因幡の平定と山名豊国の降伏
4 吉川経家の鳥取城入城
吉川元春の伯耆進出/長和田合戦/毛利方の鳥取城奪回/吉川経家の入城
5 秀吉の第二次因幡攻め
深刻な兵糧不足/経家の戦略/第二次因幡攻め/三重の包囲網の完成
6 羽衣石・吉岡をめぐる戦い
羽衣石城周辺の戦い/因幡吉岡表の戦い
7 日本海域をめぐる戦い
兵糧船・警固船の派遣/石見諸浦の動き/警固船調達・派遣の実際/松井水軍の活動
8 鳥取城落城とその後
経家切腹と鳥取落城/羽衣石城の攻略/戦後の領地交渉と草苅氏/統一政権と因幡・伯耆
おわりに
参考文献/引用史料出典/写真所蔵・提供者/あとがき