○建築基準法第19条第4項に基づく擁壁にかかる安全上必要な技術的基準について

昭和42年10月2日

発建128

鳥取県土木部長から米子・倉吉土木所長宛

 建築基準法第19条に敷地の衛生および安全の規定が設けられていますがこのうち第4号において「建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならない。」とされており建築基準法第88条(工作物の準用)同法施行令第138条により2m以上の擁壁の技術的規準は同令第142条に一応規定されているものの、2m以下のものについては、技術的規準もなく、又2m以上のものについても詳細な規定がない。前記敷地の安全を確保し災害防止に資するを以って、別添の内規を制定しましたので運用、指導について遺憾なきよう取り扱われることを通知します。

 

別 添

  建築基準法第19条第4項に基づく擁壁とかかる安全上必要な技術的規準(昭和42年10月1日)

第1(目的) 建築確認の際の建築基準法第19条第4項の運用方針とする。

第2(適用の範囲) この規準は、鉄筋コンクリート造、コンクリート造、ブロック造、石造及びその他一切の擁壁について適用する。

第3(技術的基準) 建築基準法施行令第142条によるほか、次の各号によらなければならない。

  1 鉄筋コンクリート造の擁壁は直高1m以上のものについては原則として構造計算によりその安全性を確かめなければならない。

  2 鉄筋コンクリート造以外の直高2m以上の擁壁については、次の各号によるものとする。

   イ 擁壁の勾配は1:0.4以上にゆるくすること。

   ロ 石造等の擁壁については、原則として胴込めコンクリート及び厚さ10cm以上の裏込めコンクリートで補強し、かつ、敷地の排水が良好になるよう裏込め栗石を用いるとともに擁壁面3uに一箇所以上の割で排水孔を設けなければならない。

   ハ 直高3mをこえるときは、3m以内ごとに水平距離1m以上の犬走りを設けなければならない。

   ニ 擁壁が沈下するおそれのある地盤には原則として厚さ20cm以上の基礎を設けなければならない。

  3 鉄筋コンクリート造以外の2m以下の擁壁については、次の各号によるものとする。

   イ 擁壁の勾配は1:30以上にゆるくすること。

   ロ 建築物が擁壁近く築造される場合においては、原則として胴込めコンクリートで補強し、かつ、敷地の排水が良好になるよう裏込め栗石を用いるとともに擁壁面3uに一箇所以上の割で排水孔を設けなければならない。

  4 その他の場合においては、空積、羽取石積、及びその他適当な方法で敷地の崩壊を防止するように努めなければならない。