知事定例記者会見(2024年3月28日)

令和6年3月28日(木)午前10時~
 県政記者室(本庁舎3階)

 皆様、おはようございます。このたび、2月の定例県議会が終了しました。新年度に向けまして議会とともに、初めての当初予算編成、本格的に臨んだところでございました。議会の賛同も得まして、新年度、我々としての本心の今期のスタートを切ることになるのかなというふうにも思います。これまで1年間、4月の統一地方選挙以来、私ども県政を議会とともに進めてまいりました。そのとき、私自身、選挙では35の公約を掲げましたが、そのうち、大体8割台の半ばぐらいはめどが立ってきていると思います。30程度ですね。あと残り5つにつきましては、これ、ちょっと時間がかかるものがもともとありまして、そうしたものを今、手掛けていく、本格的にまた始動させていくということかなと思っております。

 

 そのように選挙前に見通していたことについては、一定程度見えてきているところがあると思っています。具体的には、[新型]コロナから脱却をしていく、それで、新しい鳥取県の姿をつくっていく、それが大きな今期のテーマというふうに考えておりました。おかげさまで昨日は台湾のチャーター便が来まして、これの搭乗率も85、6%ぐらいあったと思います。また、韓国のエアソウル便につきましても9割ほど2月も乗っかっていただいたというようなことであるわけでありますが、これに象徴されますように、コロナからだんだんと経済、それから社会は戻りつつあるというところだと思っています。

 

 しかしながら、この1年で新しい政策課題に向き合わなければいけないというのが見えてきたと思っております。それは、1つには災害対策であろうかと思います。この災害対策は8月の15日に台風7号災害という、本県としては非常に大きな災害を受けたわけであります。これから新年度以降、本格的に復旧事業などを進めていくことなどがテーマになってまいります。それと併せまして1月に能登半島の地震がありました。いまだに多くの方が避難生活を強いられているわけであり、大分フェーズ(局面)は変わってきているわけでありますけれども、ただ、私たちとしての教訓ですね、これは同じ日本海側として考えなければいけないことが多々あるのではないか、こういう新たな防災危機管理というテーマがのしかかってきているだろうと思っています。

 

 これは、海外における戦争状態にある地域もございまして、そういうような不安定な自然やあるいは世界の情勢の中で、私たち安心をきちんと勝ち取っていかなければならない、確立していかなければならない、これが一つには大きく立ち現れてきたテーマとなり、この私どもが4年間議会と共有している任期の最大のテーマは1つになると思います。

 

 あと、もう1つですね、重要になってきたのは、コロナのときには見えなかったテーマ、見えなくなりかけていたテーマ、これが人口減少という課題であります。このたび、人口戦略についての民間中心の会議が出された2100年には8,000万人という目標を掲げて頑張ろうと、こういう問題提起がありました。そこには少子化対策であるとか、それから移住定住ということ、こうしたテーマが盛り込まれているわけであります。私自身、仲間の知事とも話をしますが、賛同するものでありまして、今、この漫然と人口減少社会で問題が大きくなること、これを放置していくわけにはいかないだろうと、そういう意味で我々として一緒に声を上げていくべきではないかという話合いも始まっています。そんなようにこの人口減少と立ち向かっていくこと、これをできれば政府を巻き込んでやっていく、それが2つ目に大きなものになってくるのではないかと考えております。

 

 後者のほうに関連しましては、新年度、私ども鳥取県も県庁の体制を改めまして、いわば2頭立ての馬車を作って動かしていこうと、1頭はその人口減少に伴う様々な弊害、中山間地を中心とした弊害、これを乗り越えていく、これまでにはあまり補助制度だとかそういうものがなかった分野に切り込んでいくということでありまして、これは従来から取組させていただきました買物支援、あるいは交通、医療ということであります。あともう1つには、もう一度てこ入れをしなければいけないわけでありますが、若者世代、特にZ世代[1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代]の皆様にも加わっていただきながら、戦略的に人口減少に歯止めをかけていく、移住定住を進めていく、それからまた、そうした弊害が起こってくる要因に立ち向かっていくような、そういう人口減少そのものを起こしていく社会減、こちらのほうに立ち向かっていったり、少子化対策、自然減、これに立ち向かっていく、こういうようなことが2つ目には大きなテーマなんだろうと思います。

 

 この2つのテーマに即して、この人口減少社会に立ち向かっていくというのが、今期の私たちの共通の明確なテーマになったんではないかなというふうに考えております。そういう意味で、県民の皆様、[県政]記者クラブもはじめ、いろんな御意見も取り込みながら鳥取県だからこそ機動性のある、小回りの利く政策展開、これに挑戦していきたいというふうに考えております。


 そういう中、災害の問題について、これは今、防災計画、地域防災計画を見直すだとか、アクションプランと言われます減災計画、これを見直すなどの作業をしているわけでありまして、順次、手をつけられるところからやっていこうというふうに考えております。この間、[3月]26日の日に国のほうに議会での議論も踏まえて出かけてまいりました。それで、今枝[文部科学]副大臣、文[部]科[学]省、また国[土]交[通]省など、訪問させていただきました。

 

 それで、やはり日本海側でそうした津波やあるいは地震のメカニズムがまだ十分解明されてないんではないか、また、観測の問題もあるんではないか、こういうことを訴えかけさせていただきました。それで、今枝副大臣のほうからは、科[学]研[究]費、これを追加して使っていくという、そういう考え方が示されました。こういうものを活用しながら新年度中に一定程度成果を出していきたいと、それで、津波や海底の地形などについて公表していくことを考えているというようなお話をいただきました。

 

 また、潮位観測については日本海側が立ち遅れていると思います。これは国交省と継続して今後も話合いをしていこうという方向性でありますけれども、残念ながら、じゃあ、増設しますということを簡単に言うわけではなかったです。それで、そういう意味で、これに代わるような、潮位観測に代わるような県独自でのやり方、例えば今の河川の水位、これを観測していますけども、こうしたものを転用するというか、汎用性持たせてこういう津波の潮位観測などにも役立つようなことを考えていくだとか、そうした代替策も含めて我々のほうでも独自に考えていく必要があるんだろうと。それで、それを国のほうの気象庁なりのほうでもタイアップ[協力]してやっていくということもありかなと思います。

 

 いずれにいたしましても、こうした大きな課題について、国にも今、働きかけをしてまいりました。それで、今度、また今、原子力発電所の影響についても取り沙汰をされていますし、それで、この辺は議会でも議論が代表質問も含めてございました。それにつきまして国のほうやあるいは中国電力にも我々としての意思表示、見解を求める等をやっていく必要があると考えております。これについては境港市、米子市とも話合いを始めたところでございまして、整いましたら国や中国電力のほうに、この能登半島地震を踏まえてどういう考え方で国や中国電力対応していくのか、それで、また、我々がやっているその複合災害を前提とした避難計画などを実は用意をさせていただいていますが、これが果たして十分なものなのか、あるいは見直すべき点があるのか、その辺はやはり今回の能登半島地震ということも踏まえて考えていただく必要が国としても、中電としてもあるだろうと思っています。

 

 この辺は今後考え方を正していくことにしておりまして、追加して、さらに来週以降ですね、対応を考えていきたいと思っております。それからいろんなことを、いろいろこれから減災、特に救助活動など、迅速化して初動から動いていけるような体制をつくることに向けていきたいと思うんですが、1つ、今、庁内でも話をまとめてきておりますのが、ドローン・レスキューユニット、これを創設をしようと、それで、従来、職員災害応援隊の中にドローンのチームもあります。それで、これは今、32名職員が加わっていまして12台のそれに使えるドローンというものをこれまでに保有してきました。

 

 ただ、今回の能登半島の地震見ますと、初動でどうやってその被災状況を確認をするのか、それから緊急の物資輸送ということもそれぞれの集落へ持っていく、あるいは病院との間、孤立した場合に考えなければいけないわけです。ですから、この機能をきちんとこう確立をして、今はちょっと職員ボランティアみたいな形でやっていますけれども、明確なそうした、いざというときに対応していくドローン・レスキューユニットとして創設をしていきたいと考えております。

 

 それで、そのためにパイロットを育成する、これに職員のレベルアップを考えていきたいと思いますし、ドローン機器、これも従来のもの以上に対応力のあるものをそろえていくとか。あと、もう1つ、これはこのドローン・レスキューユニットをさらに拡大して対応できるようにってことなんですが、今、実は民間の会社さんと、いざ災害のときにはドローンを活用して応援してもらうっていう協定を結んでおります。その協定を結んだ会社、企業さんだとか、それからまた、最近もセイノーホールディング[株式会社]さんなど、そうしたドローンでのこの協力ということはできるんじゃないかというお話をいただいたケースもございまして、それで、そうしたいろいろと今は例えば田んぼでもドローンを使うようになっていますし、それで、担い手も増えてきていると思います。

 

 それで、災害のときには、いざというときは応援してくださいと、そういうドローン活用推進協議会というのを設立しようと考えておりまして、関係先に呼びかけて、こうしたものを発足させていきたいと思っております。それで、これによりまして災害時には活用することができますし、それで例えばドローンの整備だとか、パイロットの育成、こういうものを災害時に対応してもらうということを条件に、応援をすることによりまして、例えば産業利用だとか、あるいは例えば宅配便みたいなそういう生活利用、こういうのは買物支援なんかにも役立つかもしれません。

 

 それで、そのような産業・生活などの利便性向上、これにも役立つのではないかと。いわば自衛隊の予備役みたいな形で、いざというときは招集しますよというようなことを我々としてもお願いをしながらドローン活用を推進していきましょうという、そういう県内の関係団体の組織を立ち上げて、空からの機動性を高めてまいりたいと思っております。

 

 それでまた今回能登半島地震でも安否不明者の氏名公表というのがございました。これにつきまして、ちょっとここに書いていませんけれども、市町村と、ちょっとこれ、ちょっとあれですね、市町村ともう既に今、合意を進めていますので、協議会を、新年度ですね、まずさせていただこうというふうに思っております。その中で、例えば石川県では48時間ということがありましたが、速やかな公表ということをやはり目指していこうと。それで、遅くともその人命救助72時間には間に合うような形でこの氏名公表ということをやっていけばいいんではないかと思っております。これちょっと書いてませんけども、言わば市町村とそうした協議の場を先に持つことにさせていただきました。

 

 それから能登半島地震の被災地支援ですけど、フェーズ(局面)が変わってくることになります。今、例えば物資の管理で志賀町の町長さんからも御評価いただいていますが、これ民間の運送会社のほうに業務を引き継ぐことにさせていただくことで、これ任務完了ということになります。また、職員災害応援隊についても、大分ボランティア、志賀町の場合は進んでまいりまして、対応すべき案件が減ってきているということでありまして、こうしたところについては終了していくないし民間のボランティアのほうに移行していくということになるかと思いますが、他方で長期的な派遣を必要とされました。それでこれによりまして、志賀町のほうに土木復旧だとか、それから農地の関係、こうした災害復旧支援要員、これをつくらせていただこう。また、石川県にも長期派遣1年間させていただこうと。それでこういうようなことにだんだんとフェーズを、この年度末またいで切り替えていくことになります。

 

 また、併せまして、今回被災して倒壊した家屋がありました。そこのところでどれだけ速やかにで助け出すかということが重要であります。それで、そういう意味で空からのということをこれからまた強化していこうということがあるんですけども、やはり隣近所、消防団などの組織でこうした救助活動、救出活動の能力をさらに高めていただく必要があるんではないかということでありまして、消防学校で、今年度新たな研修事業をスタートさせていただこうと。それでこういう支え合い救出活動研修、こういうものを始めさせていただこうと考えております。


 それから先般、私どものほうでも生成AIについて、いろんな議論を提起させていただいたり、こういう技術革新ということは必要だろうと。それで、私もかつて申し上げましたけど、ChatGPT(チャットジーピーティー:幅広い分野の質問に人間が自然と感じる回答を生成する人工知能)が大いに話題になっていたときでありますが、そういうもので議会答弁をつくるとか、そういうのは民主主義の放棄、住民自治の喪失につながるんじゃないかというようなことの問題提起をさせていただいて、ちゃんと地道にやるんだというお話を申し上げました。

 

 それでその後、慶応[義塾]大学の山本先生など、そうした全国的な活動されておられます研究者の皆様、こうした方々に加わっていただきまして、研究会を実は進めてまいりました。それで本日、一応その最終日になります。それで、これまで議論をしてきまして、今日また先生方で御議論いただいて、最終的に文案調整させていただきますが、方向性がほぼ見えたと思いますので、今、我々がどういう話合いをしているのかということを、若干報告をさせていただこうと思っております。

 

 自治体デジタル倫理原則、こういうものが必要じゃないかと。これをぜひ、我々鳥取県としても実践していくプリンシプル(原則)にしたいと思いますし、また、国や全国各地の自治体でも、ぜひ、こうした問題意識を共有していただいてはどうかなというふうに考えまして、有識者と一緒に、今、幾つかのメルクマールを抽出をさせていただきました。結局、デジタルというのは非常に便利なもので、これは、有用性はあると思います。これは住民生活を支える行政サービスの向上にもなるかと思いますし、うまくこういうものが活用できれば、住民の皆さんとの距離間を縮めたりして、それで、新しい地方自治の形、そういうものをつくることができるかもしれないと。ただ、現状どうかというと、誹謗中傷がネット上あふれて、場合によっては命を絶つような方もいらっしゃったり、それから、今アメリカでも大統領選挙が言われますが、その中でこうした先端技術の活用につきまして、一定程度やはり制限もする必要があるんじゃないかと。

 

 それで、どういうことかというと、いずれいろんなことが見えてくるだろうと、この年思われますけれども、やはりネットの場合はデマゴーグ(嘘を流して人々の行動や考え方に影響を与えようとすること)が非常にやりやすいというのがあるんですね。それで、今、ここにお集まりのメディアの皆さんというのは、社内的にも一応1つの方針といいますか、編集方針なり、それからその視座の中には購読者や視聴者というものを考えながら、やはりその情報について精選してされるわけですよね。しかし、ネットを中心とした社会の場合には、そうしたものが、言わば単純にクリック1つで送り込むことができるわけです。

 

 それで、しかもたった1人、あるいは数名であってもそれが100人、1000人であるかのように見せかける技術、特に拡散してくれみたいなことは当たり前にやる社会になって、そうすると、何が本当に多くの方々が考えているのかというのが錯覚しやすいわけです。その中にフェイク情報も入ってくるということが民主主義にも影響を与えるかもしれない、そういうことが真剣に今、大統領選挙を前にアメリカでも懸念されているということであります。

 

 生成AIもそういう面がありまして、多くの情報を集約するということはあるかもしれませんが、その拾い方によっては、プライバシーや著作権を侵害するんではないかということが言われますし、また、そこを悪用して、言わば詐欺に活用するというようなことも、現実に今この国でも起き始めている。それで、これは行政としても、やはり考えなければならないテーマという面があります。それで、1つには住民自治の原則ということがあるのではないかというふうに考えております。

 

 地域のことはみんなで話し合って決めるというのが、民主主義であり地方自治であります。それで、その地方自治というものを基本にして、そのツールとしてこのAIをはじめとした先端技術を使うんだと。それで、適正な活用というものに徹するんだと。それで、これがやはり我々自治体としては、向き合うべきプリンシプルではないかということです。

 

 それから、人権保障の原則。この生成AIをはじめとするものは、個人情報をわーっと集めかねないわけですよね。それは、必ずしも必要なものではなくて、そういうような個人情報など住民の皆様の人権を守るということをやはり考えながら運用しなきゃいけないのではないか。また、SNSなど、いろんな情報が出ます。それは皆さんも経験されたこともいろいろとおありだと思いますし、多くの方々が実はいろんな体験を共有されていると思います。そういう中で、やはり必要に応じて、そういう一人一人が大切にされる社会、それで、ネット上現れてきて、例えば掲載されるコメントの数がこうだと、だけど、それが実はある意味、書いているグループがある程度限られていれば、本当はそれ社会の投影でないかもしれないんですけど、それが社会の投影であるかのように思えてしまうんですよね。

 

 それから、特にアルゴリズム(手順や計算方法)などの要素もあったりしまして、そういうバーチャル世界の中でゆがんだ情報共有、情報というものがやっぱり出てきかねないということですね。特に一人一人が大切にされるということが、守るべき大きな原則ではないかということです。それで、インクルーシブ(すべてを包括する)の原則、これも先生方のほうからこうした言葉も出てきたわけでありますが、生成AIをはじめとした先端技術、こういうものはやはり多様な人たちが共に暮らしていく、そういう社会を実現するように使われるべきであって、偏見だとかを助長するために使われるべきではないというものであります。また、デジタルについてのアクセスできる、言わば経験だとかそうしたもの、例えばお年寄りは一般にデジタルの機器を使いこなせてないのではないかというようなことも言われたりします。そういう意味で、そうしたスキルの有無で行政サービスが受けられる、受けられないということにならないようにする、そうした意味でインクルーシブということが大事ではないかということです。

 

 また、多様な主体が支え合っていく、協働していく、そのためのツールとしてこういう先端技術というのが活用される必要があるのではないか、そういうパートナーシップの原則、それから、住民起点の原則というふうに書かせていただいていますが、住民の皆様が一連の行動に着目して、それで、本当の課題はどこにあるのか、そういうようなニーズを抽出をしていく、そういうことによりまして、住民の皆様が抱えている課題というものをあぶり出してそれを解決へとつなげていく、そうやってウェルビーイング(心身ともに満たされた状態)というものを図っていく、そういうような道具として、こうした先端技術が使われるべきではないかということです。

 

 それから、人間主導の原則であります。シンギュラリティ(人工知能が自己により改良を繰り返し、人間を上回る知性が誕生するという仮説)ということが今、言われるわけであります。恐らく数年後には機械、コンピューター、AIなどそうしたものが人間を追い越してしまいかねないと、それで、そうしたことの中でどうやって社会というものを維持していくことができるのか、それについてはやはり人間が決定権を持っている、そういうやっぱり世界観で私たちはこうした先端技術に向き合わなければならないのではないかということであります。

 

 その機械が端末で出してきたその答えが本当に正しいかどうか、それで、そこでやっぱり人間が判断をしなければいけない。また、使うに当たりましてもそういうような前提で考えていく、それで、やはり決定権、社会を動かす、あるいは我々の個人個人の生活の決定権、こういうものは機械に委ねるものではなくて、やはり人間が持っているものであって、そこの基本をやはりしっかりしておくべきではないかということであります。

 

 また、リテラシーの原則というふうに書かせていただきましたが、これは県庁の中の庁内的なことで言えば、我々、行政サービスを提供するものとしてそのデジタル技術について十分な理解をして、そしてまたリテラシーというものを我々も醸成していかなければならないだろうと。また、住民の皆様のそうしたリテラシー向上に向けまして、我々としてもそうした情報発信などをしていく必要があるのではないかと思います。それで、先生方が批判的思考力ということをおっしゃるんですね。これはcritical thinkingという英語であります。これは批判するということを言っているわけではなくて、その対象にちゃんと向き合って、自分で判断していくと、そういうcritical thinkingというものがやはり住民の皆様のこのデジタル社会の中の基本的な素養として持っていただく、それでデマゴーグ、偽情報に惑わされて、今回、能登地震でもそういうものは出てきました。そういうことを選別する力、こういうものをしっかりと持っていただくように我々も環境づくりをしなければいけないんじゃないかということです。

 

 それから、透明性の原則であります。例えば、AIで実はここ使ってこの情報を収集しましたというようなことはやっぱり明らかにする、それによってもしかしたらそこは不正確なものが入っていたり、不適切なものが入っているかもしれないと。ただ、そういう情報ですよという前提で見ていただく、こうした説明責任をきちんと果たせるような、そうしたやり方が大事だということであります。

 

 それから、ガバナンス(統治)の原則というものでありまして、生成AIなどこうした先端技術というものは、これは便利なものであろうかと思いますが、そうしたものについて、例えばAIなどのアルゴリズムがあったり、それから見られた数を競うがために、それで偽情報を出して、そういうことは今回、能登半島地震でも海外からアプローチがありました。それで、そういうようなものだということなので、そういうもので左右されないような、そういうしっかりとしたガバナンスというものをこのバーチャル社会に対して我々も持っていくべきではないかということです。

 

 それから、10番目として機動性の原則というふうに書いてありますが、恐らくこれ、ものすごいスピードでこれから生成AIをはじめとして技術革新が進んでいくと思います。そういうものでありますから、すぐに我々がつくったルールというのは陳腐化するわけですよね、その使い方も変わってくると。ですから、今ある状況でこれがもう到達地点だというふうに思うのではなくて、試行錯誤、それから再挑戦など繰り返して、それで本当に役に立つものとして活用していくことが大切であります。

 

 また、いろいろと使ってみていただいてのフィードバックなどをしながら、アジャイル(素早い)な発展を遂げていく、こんなような方向性というのは必要ではないかと、それで、そうした言わばethics、倫理としてやはり我々向き合うべき姿勢というものを鳥取県としても今後確立していく必要があるのではないか、デジタル倫理原則として世に我々も問うていきたいというふうに思っております。それで、こうしたものにつきましてシンポジウムを来年度開催させていただきたい、できるだけ早い時期にと思っておりますし、それから今、申したこのリテラシーの原則に照らしまして住民の皆様、そして職員も含めてリテラシーを高める、こういう活動していきたいと思いますし、また、フェイク情報について検証していくような、そういう実証的なチームも動かしていきたいと考えております。


 それから先ほど申しました人口減少社会での課題・解決、我々としては課題先進県を目指していこうというふうに思いますが、買物環境については今年度中に、結局Aコープ系のものは全て終焉ということになりました。ただ、そういう中でだんだん今、後継を決めたりとしているわけであります。それで、最近の動き、下のほうにありますが、今週末関金ストア、これは岡山県のほうのスーパーの御協力もいただいて地元で誘致をするものがオープンすることになりますが、今、丹比、用瀬トピア、大高、これら東中西のAコープやトスクにつきましては、まだ交渉が継続されていまして、今後何らかの承継というものも視野にやっているという状況でございます。

 

 それで、こういうような最近の動きの中で新年度に向けて、幾つかこうバージョンアップをして応援を高めていこうと考えております。1つは、市町村ごとに今、対応していただいていますが、市町村またいだ広域的な移動販売というのがあります。それで、これが継続していけるようにしなきゃいけませんので、これについては継続支援を県として行っていきたいということであります。また、買物環境確保推進交付金というもので今、2分の1市町村支援をさせていただいますが、先導的なものにつきましては補助率を引上げを、これを4月から適用してまいります。

 

 また、医療関係につきましては、4月に入りまして鳥[取]大[学]のほうに、この総合診療専門医を配置して、それで、その学生を育てていく、それから実際に現場のほうと関係持っていただいている専攻医だとか、専門医、こうしたものの指導や応援をしていただくことなどをまず手始めに始めていこうと考えております。


 また、医療関係につきましては、4月に入りまして鳥大のほうに、この総合診療専門医を配置をして、それで、その学生を育てていく、それから実際に現場のほうと関係持っていただいている専攻医だとか、専門医、こうしたものの指導や応援をしていただくことなどをまず手始めに始めていこうと考えております。

 それからあいサポート運動も15周年を迎えますが、ちょうど4月から[障害者]差別解消法が全面的に適用されまして、企業、中小企業も含めて障がい者に対する合理的配慮義務、これが生じることになります。それで、この機会にこのあいサポート運動の考え方とドッキングさせて展開を図ったほうがよいのではないかということであります。それで、その合理的配慮の話とあいサポート運動とこれをドッキングしてハイブリッドキャンペーン、これを行っていこうということにいたします。それで、キャラバン隊を早速つくりまして、商工会議所などに対する要請活動、周知徹底を始めてまいりたいと思いますし、それで、あいサポート運動に認定された企業さんは積極的に我々もホームページ等でアピールをさせていただきまして、こういうところが合理的配慮もやれますよということで、企業の拡大を図っていければと思っています。

 また、社会で合理的配慮などの考え方を再生産していくためにあいサポート学習を小中学校、特に小学校で展開しようということでありまして、これちょっとここに書いていることだけじゃないですが、教材づくりなどを今、始めることにいたしております。

 それから孤独・孤立について我々鳥取県条例をつくりまして、この対応、対策を始めていましたが、国のほうでも孤独・孤立の法律(孤独・孤立対策推進法)ができました。それで、これ4月から施行されるに当たりまして、[孤独・孤立対策]地域協議会、これを設立をすることにいたします。ここで法律が求めているような個別案件への対処もできるようにしながら、それで、この運動に関わっていただく団体を広く募集していこうというふうに考えております。

 


 それからシン・子育て王国、4月[1日]からいよいよ18歳以下の医療費が市町村と共同事業で完全な無料化ということになります。それで、この機会に4月1日から24時間受付するとっとり子ども救急ダイヤル、これをスタートさせます。今までは日付限定、時間限定であったですけども、要は、子どもの無料化が進むと乱診乱療ということが起きないかということでありまして、小児科の先生方も心配されていますので、こうした相談ダイヤルというのをぜひ住民の皆様には来週から活用していただきたいと思います。

 それから今週末[330日]、こどもの国で新しい遊具、これ50周年記念事業の1つがオープンをします。また、子育て王国のアプリ、このリニューアルに着手をさせていただきます。

 それからオミカレという、こういうマッチングサイト、それからいろんな婚活イベントなどをされる事業者と提携を今週末[330日]にさせていただきまして、5月[25日]には砂丘を舞台にした大掛かりな[婚活]イベントもやっていこうと考えております。

 なお、このたびメタバース(インターネット上の仮想空間)の婚活イベントを初めて先週末[320日]させていただきました。それで、3組ですね、カップルが成立をしまして、その後、リアル対面というように展開をしたところでございます。こんなことなど本格的なシン・子育て王国に2.0として向かっていきたいと思います。


 それから経済関係でありますけども、運輸業[物流の]2024問題がございますが、ロジスティックス(原材料調達から生産・販売に至るまでの物流、またはそれを管理する過程)・物流の困りごと相談窓口、こういうものを設けて専門家を派遣する、こういうようなことを展開をさせていただくとともに、これ地域交通の問題ですけど、コミュニティ・ドライブ・シェア(とっとり型ライド・シェア)、これにつきまして対象事業の拡大を図ることなどを盛り込ませていただきまして、こういう2024問題の脱却を図ろうということです。

 

 そしてゼロゼロ融資(新型コロナの影響によって売り上げが減少した個人事業者や中小企業に対して、実質無利子・無担保で融資を行う仕組み)でありますが、本県はもう1年先に本格的な返済になろうかと思います。ですから、新年度は仕込みの時期ですね、軟着陸へ向けた仕込みの時期になろうかと思います。そういう中で、このたびの議会で通りました借換資金、最大15年で[利率]1.78%ですかね、それの融資制度をスタートをさせていただき、従来の一括返済資金やあるいは物価変動の無利子・有利子なども組み合わせて、何とかその軟着陸に向けた活用を図っていこうとしておりますし、企業支援のネットワークを強化してまいりたいと思います。それで、こういうようなことなどがござまして、新年度になりましたらまた商工関係団体や金融機関などと一緒になりまして、こういう2024問題、あるいは今、ちょっと円安が152円伺うような形で進んできております。そういう経済の今、変動時期なのかもしれません。それで、それをちょっと見定めながら、新年度大事な年度だということで、その対応する組織的な対応、ちょっと商工団体や金融機関と一緒になったそういう活動を新年度入りましたら検討していくことにいたしております。

 

 それから交通関係で2点ですね、東部地域、従来若桜谷のほうでやっていましたが、その智頭谷のほうも含めまして、共通パス、我々のMaaS(住民や旅行者一人一人の移動ニーズに対応して、複数の公共交通等を最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービス)でありますけども、これを拡充させていただくことにいたしました。それで、これにつきましては「[tabiwa by ]WESTER」というJR[西日本]のアプリでお買い求めができます。これは4月1日から年度前半(10月31日まで)行うことといたしました。

それから新型やくも、これは4月6日に[運行開始記念]セレモニーをすることになりますが、最初は15往復のうちの6往復でスタートをすることになります。それで、6月15日には完全に新型車両化というふうにお伺いをいたしております。それで、私どももこの機を捉えて山陰への旅、これをぜひ呼びかけていこうと。そのセレモニーに県も市町村と一緒に参加をさせていただくことにいたしました。


 それから新年度のそうした中で[県の組織]体制ですけども、先ほど申しました大きなテーマ、人口減少問題に正面から向き合うとっとり若者Uターン・定住戦略本部というものを、これ若い方々にも参加していただいてやっていこうと。それに向けまして例えば[とっとり]若者活躍局、これも[令和]6年度のメンバーを今、募集を始めました。[4月]11日まで募集しています。こういう方々にも参加をしていただこうと。それから例えば東京[都]のほうで「若い鳥取県応援団」っていう組織があるんですけども、こうした方々にも参画をしていただく。それで、そうした若者世代、Z世代(一般的に1990年代後半から2012年頃に生まれた世代)も含めまして加わっていただいて、その目線で移住定住対策、あるいは就職の機会などを展開していこうというものでございます。これは4月1日の組織改正と同時に設置をすることにいたしました。

 

 また大阪・関西万博については、関西本部のほうに中心を移すわけでありますが、本庁のほうでもチーム編成でこれに協力をしながら1年後に迫った大阪・関西万博の準備、また、観光誘客、交流にもつなげていこうということであります。

 また、名古屋代表部は、このたび中日ビル(愛知県名古屋市中区栄)のほうに4月から移転することになります。これは新しいランドマーク的なところでございまして、恐らく中京圏のメディアも注目するところであって、いろんなイベントなどにも参画をしながら、我々のプレゼンス(存在感)を高めていこうと考えております。


 それから新型コロナの関係でございますけども、これにつきましては一旦ここで区切りということに国全体もなります。全国知事会としてもこのたび村井[嘉浩]会長(宮城県知事)のほうの御判断で3月いっぱいで新型コロナ対策本部は終了しようというふうにこのたび決まりました。それで、今後に向けて、どういうことを反省しながら持っていくのかということでございます。それで前半と後半があったと思うんですね。それで令和2年、3年、これが前半で第1波~第5波でありました。それでだんだんと第1波からこう上がっていったわけですね。それで第1波のときなどは[新規感染者数が]最大でも2人、1日に見つかったというのが最大でありました。本県は割と積極的に医学調査を展開をしまして、事前に広がるのを抑えていくと。それで感染者数だとか、死亡者数を抑えていく、そういう手法を重点的に取りました。

 

 それでこの手法は前半戦ではずっと続いていくことになります。それで第2波、第3波、そして第4波がアルファ[株による]波でかなり感染力も上がってきて、第5波デルタ[株による]波ということになります。でも、デルタ波でも[新規感染者数が]最大で50名弱、1日当たりということでございました。その後は何百人だとかそういうことが起こってくるオミクロン[株]の世界になってくるわけですね。それで、今から考えるとここに大きな断絶、切れ目があったんです。それで前半戦で我々の積極的医学調査や早期発見、早期入院、早期治療、こういうものを中心としながらそこに在宅支援やあるいは施設支援などを組み合わせていくやり方がありました。それで、そういう第6波以降はうつり方が変わって、子どもたちだとか、職場を通じて一気に広がるということになっていきました。ただ、今から考えますと、例えば死者[数]のカウントを常に公表させていただきました。これは国の指導であったし、多分その背景にはWHO(世界保健機関)があると思うんですけど、実は第5波までと第6波以降は全く様相が異なってまして、第5波までは我々もレントゲンの状況などを見ると肺が真っ白っていうのがありました。しかし、第6波以降はそういうものは本当に消えてったですね。

 

 それで、死亡率とかそういう世界だと0.6%とか、かなり低いです。そういうようなふうに、実は、病状が変わったわけですね。喉から上のインフルエンザと同じようなうつり方で広がっていく、それで感染力が高くて恐らくエアロゾル感染などが主流になってくる。それで、ただその片方で、実際に亡くなったとしてカウントされた方が増えたように見えますけども、ただ、実は、それは老衰であるだとか、それから誤嚥性肺炎であるだとか、それから基礎疾患のほうで亡くなられるということが主因である。そういう方々が圧倒的に中心になりました。ですから、ここでターニングポイントを迎えたわけでありまして、第6波から第8波そして第9波、第10波というふうに今きていますけども、後半ではもっと効率的に対策を取るようにしようというように変わっていったわけであります。

 

 それで、そういうようなことで、今回一旦閉じるということになりますが、これ以降は感染症対策センター(県版CDC)、これを中心にして学者の皆さんにも加わっていただいて対応していくことになります。従来どおり何かあれば御相談は当然やっていきますので、御安心いただければと思います。それで、国全体、他の都道府県も全部そうですが、通常の医療体制へとこれから移行していくことになります。そうした中で、今、第10波大体今、収束しかけているかなと、今、減少局面にありますが、やはりその重症化というものはかなり限定的でありまして医療機関のほうも非常に落ち着いております。ですから、ある意味エンデミック(感染症が恒常的に存在する状態)になっているとういうふうに考えられますが、なかなかそこを国も言ってくれませんけども、実際はそうだということです。

 

 それで今、昨日ですかね、おととい[326日]ですか、新型インフルエンザ等対策推進会議(第10回)、それから[武見敬三]厚[生]労[働]大臣中心にした国の日本版CDC、これに向けた[国立健康危機管理研究機構]準備委員会(第3回)に私も出席させていただきました。こうしたことなどで今後の今、感染症対策を国全体で今、考えようと、政府の行動計画とかですね、そういう局面になってきておりまして、私どもも新年度はそうした動きに対応していくフェーズだというふうに考えております。


 そして、小林製薬によります紅麹(米などの穀類に紅麹菌を繁殖させたもの)、これは非常に残念な事態だというふうに思います。亡くなられた方をお悔やみ申し上げたいと思いますし、今、結局それで、体調不良を訴えられている方、入院されている方が出てきております。それで、本県として今日[328日]、対策の連絡会議をさせていただくことにいたしておりますが、東・中・西部[地区]の保健所、これ、鳥取市保健所さんにも御協力いただく、それからあと、県の消費生活センター、こちらのほうでも相談を受け付けております。何かありましたら御連絡をいただければというふうに思います。

 これまでのところ体調不良を訴えた方、本県はまだ出ておりません。それから製造関係を調べているんですが、本県では製造、これを使って製造しているというものは今のところないところでございます。ただ、我々としても、しっかりと全国でこの流通してかなり多くの量がまだ、どういうふうに消費されていったのか分からないということもありますので、ぜひ、県民の皆様にもお心配事などがあればお問い合わせ、御相談をいただければと思います。


 4月からサンド、これは鳥取の[ふるさと]大使さんにもなっていただいておりますけども、サンドを巡って歩く旅をこれは[株式会社]ポケモン社と共同して[スマホアプリ「ポケモンGO」内に]設定をさせていただくことになりました。鳥取サンド巡ルートというものでありまして、例えばサンドのいそうな砂丘だとか、それから新しく倉吉に建設が進んでおります県立美術館の辺りだとか、それから米子城付近だとか、そこにルートを作ります。それで10のルート、これ、地元とも調整させていただきまして、ぜひここで作ってくれというところで10のルートを作りました。それで、ここでポケモンの探索をしていただく。そうすると、今回御協力もいただきまして、ここでサンドが出てくる出現率がアップをします。

 それで、このルートを完遂しますと、ゲーム上も一定の何かうれしいことがあるんだそうです。ちょっと私はこれ以上言えないんです。それで、県のほうはタイアップ(協力・提携)をしまして、1ルートをクリアすればこういう壁紙をプレゼントさせていただいたり、それから抽選で旅行券などが当たる、こういう仕組みでございまして、ぜひまた遊びに来ていただければなというふうに思います。去年までやってました、ポケふたのトリパスのこのスタンプラリー、これもやっていますので、ぜひ今年度いっぱいこれも楽しんでいただければと思います。両方2月[10日]まで展開をしています。

 それでこのようなお話をさせていただきましたら、ゲーム会社に勤めようかとも言っておられた入江聖奈さんが賛同していただきまして、鳥取サンド巡ルート楽しみ大使にこのたび御就任いただくことになりました。[4月]21日の日に任命式をさせていただきますが、その後、早速サンドを訪ねる冒険の旅に鳥取砂丘で出ていただけるということになりました。ぜひ、また新年度、これからいろんな展開がありますけれども、また鳥取のほうにも、春、これから桜の季節になりますが、お越しをいただければと思います。私のほうからは以上です。

○日本海新聞 福谷二月 記者

 知事、ありがとうございました。それでは、質問のある社は挙手の上、お名前、社名を名乗っていただいた上で、よろしくお願いいたします。


○読売新聞 山内浩平 記者

 

 読売新聞の山内と申します。生成AIに関しての質問です。この報告書の中で、自治体デジタル倫理原則というものを提言としてまとめて報告するということだと思うんですけれども、この原則について、まず、ほかの自治体に対してとか、どのような効果をまず期待されるのかというところと、まず、この原則をどのように今後活用していくのかというところをちょっと教えていただけないでしょうか。

●知事

 

 正直申し上げて、以前記者会見で、ちゃんと地道にやるべきだというふうに申し上げた頃は決死の思いでございました。ただ、今、大分、例えばG7であるとか、それから国連もそうですし、それからこのたびのアメリカ大統領選をめぐる動きもそうなんですけども、あの頃ちょっと勇気を持って発言したことにだんだん世の中も動いてきたかなと思っております。それでその当時、こういうことはやっぱり問題だなということをやはり言っておられる方々、それから専門の領域の方々、こうした先生方も加わっていただきまして研究会を通じてこのような、我々はそのデジタルに対する倫理、これ一種の規制じゃないのかもしれません、我々自治体としてはですね。ただ、向き合い方、1つのモラル、道徳として、やはりこうした先端技術に対峙、対峙というか、その向き合っていかなきゃいけないということでありまして、このことの大切さをぜひ社会全体やそれから他の自治体でも考えていただく必要があるのではないか。

 

 それで、もちろんこういうお話を申し上げると、このインターネット、デジタルに関わるところというのは、わっと批判も巻き起こると思います。しかし、私は一石を投じる価値のある大事な問題だというふうに思っています。それは、やはりこの今、世界の状況を見ても人が主役となって、それぞれが大切にされて社会を形成していくと。それで民主主義、地方自治というツールの下に我々が主権者として、みんなで行政、政治というものを運営していくと。この当たり前のことが、1つは戦争という形を通じて、それで1つはデジタル社会の反面として生じかけているのではないかという、そういう危惧を持っています。

 

 ただ、人間というのは、やはりいろんな危機を克服していくことのできる理性と知性のある、そういうホモサピエンスであると思います。ですから、そういう意味で、社会として、我々行政、地方自治体として、こういう先端技術、どういうふうに向き合うべきなのかというのを、メルクマール(中間目標)を抽出してみたわけであります。それで、そういう自治体デジタル倫理原則、これまずは、小さな鳥取県からスタートをさせていただきながら、こうした考え方で、真の人類の発展、それから円滑な社会の運営、それから一人一人が大切にされるそういう基本的人権の確立、こうしたことにつながっていけばというふうに願っております。

 

 やはり便利なものは便利だと私たちも思っていますし、それは使うべき場面というのはいろいろとあると思います。ただ、その中で新しい課題が発生してくるのではないか、特に、シンギュラリティ(技術的特異点)と言われるような、そういう1つの歴史的な境目をここ数年のうちに人類、この地球は迎えるかもしれない、そういう時代の中で我々がその社会を次の世代、その次の世代に引き継いでいけるようにしていく、そういう運動を私たちは展開していく必要があるのではないかと思っております。

 

 ただ、最後にありましたように機動性の原則というのを掲げています。ですから、ここに掲げているようなことも時代の変化や社会状況の変化とともに、柔軟に見直していくこと、これは大切だと思っておりますが、まずはこの10のプリンシプル(原則)を世に出させていただいて、それでスタートしようじゃないかというのが今日の[先端技術を民主主義のあり方を考える]研究会だと思っています。先生方のいろんな御意見をこのように取りまとめているところでありまして、今日、夕方の議論を通じて最終的に確定をさせていければと考えております。


○山陰中央新報 岸本久瑠人 記者

 

 山陰中央新報の岸本です。よろしくお願いします。地震と原発について、ちょっと少し言及があったのでそれに関連してなんですけども、能登半島地震を受けて、島根原発への影響については、現状はどのようにこう考えていらっしゃるのかというのと、あと、中電や国に見解を求めていきたいというところでしたが、何に対する見解というふうに今、お考えかどうかというところでお願いします。

 

●知事

 

 能登半島地震が原子力発電所サイトにどういう影響を与えたのかというのは、やはり国やそれから北陸電力[株式会社]、そうしたところで明らかにしていただき、原子力安全対策に何が重要であり、必要であるのか、今回、その対策が有効だったのか、あるいは修正の余地があるのか、この辺は、私はいまだ明らかにされていないと思っています。ただ、このたび我々県議会でも議論させていただきましたが、やはりそうした津波、本当にやって来るんだとか、地震動の影響で、それで受電施設等の障害ということも現実にあったということなどから学び取るものというものもあるのではないか、特に我々は山陰地域でありまして、実は断層の仕組が北陸とは違います。ですから、それがどう影響するかということも考える必要はあるのではないかと思っています。

 

 巷間いろいろと報道されていたり、関係者のコメントもいろいろと出ていたり、分析も出たりしています。津波については7メートルまでさかのぼったんではないかということが言われ、11メートルという枠内に入っていて、そこは防御できたというお話もあります。それから、電源についても一部支障は出ましたけれども、その他の系統が生きていて、そういう意味では支障なく乗り越えることができたというような話もあります。

 

 ただ、片方で、例えばモニタリングの計測について通信障害、機器自体は生きていたというふうに伺っていますが、通信に障害があって、それが実際使えなかった状況のサイトもあったと、ただ、これは原発のすぐ近くではなくて、原発から若干遠いところの機器においてそうした障害があったというふうにも伺っております。これをどう考えるかということだと思うんですね。だから、今まで取ってきた複合災害を想定した対策が有効で防御できたのか、それが山陰についてはこうであるというところは、正直我々もちょっと判断しかねるところがあります。

 

 ですから、国やそれから中国電力に対して正していくべきだと、それは周辺地域としての住民の皆様、また議会の議員の皆様の思いの中に共通しているところではないかと思います。ですから、そうした答えをやはり国や中電からももらいながら、我々としてこの原子力発電所島根2号機についても向き合い方を考えていく必要があるのではないかと思っています。

 

 なお、本県は、実は津波の被害は想定をしています。ですから、内浜道路[県道米子境港線]というんですけども、要塞地でないところをあえて避難路としても設定をしております。それで、津波の生じ方ですけど、我々が想定している学者さんの導き出したところでは、目の前にあるF55断層、これは最近の研究では伯耆沖断層という呼び名されています。それは横ずれ断層型でありまして、津波の高さは大きくはない、ただあります。あるけどそれがじゃ、例えばどこまで届くかということだろうと思います。

 

 それから、一番大きなのは佐渡沖、佐渡北方沖断層、こちらは逆断層型でございまして、横ずれ断層型ではないんですね。その分津波が大きくなると、今回の能登半島地震もそうでありました。こうしたところの津波が大和堆を経由して押し寄せてきた場合に増幅をされて大きくなる傾向があるのではないか。これは学者さんが指摘されていまして、シミュレーションの結果、7メートル、8メートル程度の津波が来る可能性があると、そういうような今、予測情況を本県としては立てているわけですね。

 

 ただ、その場合でも[国道]431[号]は届くかもしれませんがJR[境線]までは届かないです。それで、その佐渡沖の大きなほうの津波が来たときは地震の被害はこっちはないですよね。地震の被害が起きるのはF55断層、伯耆沖断層のときに、例えば家屋被害が起こるとかいうことは想定されますが、そのときは比較的津波は小さめになるということであります。それで、この辺がちょっといろいろと混同されて議論されているところもあってですね、その辺をちゃんと整理した上でやはり説得して、説明責任ですね、やはり国や中電のほうでも果たしていただく必要があると思いますし、我々は住民の命や健康を守る意味で改めるべきところがあったらやっぱり改めていかなきゃいけないと思っていますので、この辺は早急にお答えをいただきたいというところであります。

 

 ただ、ちょっと今、まだ正直、米子市、境港市と協議しているところでありまして、どういうような内容で投げかけをしていくかというのを、ちょっと年度またぎますが、今、調整中であります。


山陰中央新報 岸本久瑠人 記者

 

 ありがとうございます。ちょっと別の内容の質問で教員の確保についてなんですけども、2月定例県議会の一般質問の中で、鳥取大の教員養成課程の復活の必要性について言及される場面があったと思うんですが、大学側との協議の進捗や今後県としてどのように働きかけていきたいかというところを、現状の考えを教えてください。

 

 

 

知事

 

 [令和62月県]議会が先般終了しました。その中で教員の採用について、本県の場合、倍率はかなり高い県です。しかし、結局最終的に教員として就職していただくと。そこのところで流出をしたということがありまして、これについてのやっぱり問題意識というのがやはりあります。その原因は、やはり地元でやはり養成された教員っていうのがなかなか減ってきたと。それで過去、山陰両県の大学でその辺の調整が行われまして、鳥取大学からはそうした教育学部がなくなった、地域教育科学部というのがかつてあったんですけど、その教育が途絶えてます。それで今、地域学部になっていると。

 

 ですから、これまで教員を目指す高校生が、県内から受けに行っていた人たちが県外へ流出しています。その人たちが実習先の県外で採用試験を受かったらそっちに行ってしまうというのは当然ありがちなことであります。ですから、やっぱり県内養成という機能をやはり鳥取大学ももう一度ちゃんと取ってもらう必要があるんじゃないかと。教育学部復活ということがあれば望ましいですけども、せめてその教育という看板をかけたそうした高校生が目指せる、そういう大学というものを再構築していただきたいと。それでこれが議会との議論の中で急浮上してきたところであります。

 

 その後、私は鳥取大学の経営協議会という組織、これ鳥取大学という国立大学法人が設置しなければならない、そういう地域と共同の場がございます。それでそこで強くこのことを主張させていただきました。それでまた、昨日は急遽、学長さんがそれを受けて来られたりしております。正直、今、結論はまだまだちょっと出ていません。話合いが始まったところでありますが、学長ともお話をしたり、経営協議会でも大分強く申し上げて、緊張感がある空気の中で御了解いただけたと思っているんですけども、何らかの協議組織をつくってこの教育機能、教員養成機能、これを確保することを、また今後、場づくりから始めていきたいと思っています。

 

 ただ、残念ながら大学側のおっしゃりようとしては、文[部]科[学]省の姿勢だとか、それから今後の大学改革の行方なども絡んでその教育というところについては必ずしも積極的とは言えないと思いますが、ただ、私たち地元としては、それは鳥取大学の言わば入試倍率も上がってくる、入学生確保にもつながることですし、それから地域の教育機能を引き上げていく、教員養成機能を引き上げていくことによりまして、それで地域としての人材育成にも大学として寄与していただくことにもなりますので、我々としては今後しっかりと交渉したいと思っております。

 

 それでまた、国のほうにも必要なら当然働きかけをしていきなきゃいけないと思いますし、環境整備として、こういうことが必要だというような要請なり議論があれば鳥取県としては積極的に今後も考えていきたいと思っております。


山陰中央新報 岸本久瑠人 記者

 

 ありがとうございます。あともう1点、広島県と岡山県を結ぶ芸備線で再構築議会が先日初めて開かれました。鳥取県内でも赤字路線を今抱えている中で、どのような議論に期待していきたいかというところと、あと、平井知事これまで知事会で届出による路線廃止を何か改正するように国に要望したこともあったと思うんですが、現状の考えと今後の働きかけについてどのように考えているかお願いします。

 

●知事

 

 [JR西日本]芸備線が、今、その存廃も含めた協議の場が国土交通省の主催の下に始まりました。それで、この枠組み自体は、実は湯﨑[英彦広島県]知事や伊原木[隆太岡山]知事、あるいは島根の丸山[達也]知事も含めていろんな話をこれまでもしてきておりますけども、我々自身も地域でJRと自治体が話し合うということだけではなくて、やはり国も責任を持ってもらいたいと、関与すべきだということを申し上げてきましたので、こういう協議会が設置されること自体は、私は一歩前進なんだろうと思います。

 

 ただ片方で、これが何らかの結論ありきの話合いであってはいけないと思います。このたび発足したところでも両県から副知事が出られたということであり、それでいずれの県もこの廃止ということには反対するという立場を明確におっしゃっておられます。それで、片方で鉄道事業者のほうではバスやタクシーやらそうした交通全体の中で議論すべきという主張をされて、言わば平行線ということではないかと思います。3年という年限はございますが、いろいろと立場の違いはあれ、議論は尽くすこと自体は私は大切だと思いますし、その中で何らか結論といいますか、進展が出てくれば、それはやはり会議を持つ意義もあるということではないかと思います。

 

 現在、例えば九州のほうで肥薩線の問題があって、それでこれも今の蒲島[郁夫熊本県]知事が県政担当の最終盤に差しかかっていますが、このタイミングで災害で運休、休止せざるを得なくなっている、これ200数十億[円]かけて復興するかというところで、それに今前進しかけている状況も出てきております。やはり持続可能な交通の在り方というのをやはりいろんな角度で議論すること自体はいいことなので、こうした協議の場も活用していただければと願っております。

 

 それで、ちなみに私どもも県東部におきまして2つの区間がこの議論に関連します。それは因備線の智頭以南のところ、それから鳥取浜坂間の山陰線でありますが、これらを含めて県東部ではJR、それから我々自治体などの関係者が入った協議組織を既に設置しておりまして、先ほどのパスがありましたけれども、あれもそうした話合いの中で生まれてきたアイディアでございますけども、このような形で、いろんなその交通の活性化というものを図っていくこと、胸襟を開いた議論もするような場は、鳥取県は先行的につくらせていただいております。それで本県としてはその場で今後も協議をしていけばよいのではないかなと思っております。

 

 そして最後に御質問がございました届出で廃止できる制度でありますけども、これやはり運用によっては、地域としは一方的な判断を投げかけられないという危惧があります。それで現状この制度自体は変わってないと思います。ただ、そういう中で今回の協議会という組織が出てきたのは、それの歯止めという面があるだろうと思っています。それで、私もかつて三江線の動きを隣県として拝見をさせていただいたり、関係の方のお話なんかもね、当時伺ったものでありますが、やはり最後皆さんどうしても頭の中にあるのは、届出されてしまったら廃止されちゃうという思いでございまして、その無力感というか、なかなか地方側であらがう余地がなかったことに曲がりなりにも今こうして協議会をつくって、まずは議論しなさいという手続ができたことで、そこがまとまらなかったときに、じゃあ、本当にJRが届出をして廃止をするのか。それでそこが事実上抑制されるのではないかということを我々は期待しているということです。

 

 ただ、そういうふうになるかどうかというのは、今後の制度運用を見てみなければいけませんし、法律自体が変わったわけではありませんので、やはりこないだの協議会の議論というのも警戒感というものがあったんではないかなと思っています。


○日本海テレビ 月森七海 記者

 日本海テレビの月森です。よろしくお願いします。先日ですね、地価公示がありまして、全国的には非常にバブル後最高出て上がっている方向に行っているにもかかわらず、鳥取はもう26年ですかね、ずっと下落が続いている。人口減少もそうですけど、歯止めが全くかからない状況に思えるんですが、そこについて今後どういったことをやっていくべきなのかというのを改めて伺いたいんですけども。

●知事

 はい。こないだ地価公示がありまして、山陰両県はそれぞれやはり下落傾向ということは止まっておりません。それで、我々のところでは住宅地とそれから商業地がありますが、商業地の多分加藤紙店のあの辺だと思います。それであそこが基準地になっていまして、その分がやはり下がり方としては全国的にも高いという結果でありました。それで、それは今、鳥取市が進めているこれからもう一度、じゃあ、[鳥取]駅前をどうしようかと。それでそのにぎわいづくりと関係してくるというふうに思います。それで結局、商業地というのはやはりその投資に見合うリターンがあるかどうかと。それで、そういうことで土地の値段とか賃料っていうのは決まってくるわけですよね。そこが影響してきて、今、下落傾向に歯止めがかかるかっていうのは、今、鳥取市が主導して動いておられます駅前の再開発、このビジョンの行方にかかっているんじゃないかなというふうに思っていますし、これが反転の材料になればというようにも期待をいたしております。

 恐らく今後、例えば駅前が活性化してくることになれば、境港の商店街のように、もう一度復活をしてきて地価としても安定してくるということはあるかもしれませんが、まだ駅前でのそうした商業活動のテーマがまだ十分見えてないというのがあると思うんですよね。今回そうしたにぎわいの拠点づくりというものが始まってくれば、それで飲食店であるとか、物販であるとか、そうした動きに変わってくればなというふうに思っております。

 また、我々広域自治体としても、そういう意味で例えば交通の在り方、バス交通なども含めた結節点としての駅、この機能強化であるとか、それから海外からのインバウンドのお客さん、この方々は結構そうした公共交通を活用されるものでありまして、そうしたインバウンドでは国内旅客、そうした方々の獲得など私たちもその地価の下落、経済の停滞に対する歯止めをしっかりとこれから追及していきたいと思っています。


○日本海テレビ 月森七海 記者

 ありがとうございます。もう1つ、全国でそのリチウムイオン電池、バッテリーですね、ちっちゃな家電なんかに入っているようなものですけれども、あれによる火災が結構相次いでいて、先日も愛知県の豊橋で大きな火災があって、テレビなんかも中継されていたのが記憶に新しいんですが、それでそういうのを受けて、県内の自治体さんも4月から電池の捨てるのにリチウムイオン、バッテリーをつくったり、あるいは有害ごみという新たなくくりを新設したりというのをやられて対策を進めておられるということです。

 それで関連して、今週の月曜日に県庁の循環型社会推進課みたいなのがあられて、そこに業界団体と意見交換をやられていて、ちょっと隅っこで聞かせていただいてたんですけども、そういった火災を起きるようなところっていうのは、法令に触れる不適正ヤード、安全管理や施設基準満たしてないようなものがあるんじゃないかと。そういったとこで火災が起きる傾向、可能性、恐れが強いっていうことを言われてですね、県のほうもある程度把握されているようなんですが、十分にそこを取り締まるようなスキームがないようなお話を少しされていたんですが、そういった火災が1回起こってしまうと施設にも、これ民間、公設いろいろあると思うんですけど、施設にも大きなダメージが入ってごみ処理行政に影響が出る、あるいは周辺住民の方も非常に困られると思うんですよ。いろんな問題があると思うんです。そこへの対策十分にできてないように思ったんですが、知事のお考えはどうでしょか。

●知事

 この辺はまだちょっとたしか未解明なところがありまして、国全体の例えば安全対策などもそうだろうと思います。そういう中、このたび、あれは発電施設で、やはり蓄電の関係でそれが原因として火災が発生をしたりしております。ですから、やはり危険性がやっぱりあるもんだということで、今、鳥取市さんもそうでありますけども、有害ごみ、こうしたものの収集方法を変更することを自治体としてもされていること、これも一つの対策としてはあるだろうなと思っています。それでそうしたところが今後よく検証されように、これ関係者ともちょっと協議もちゃんとしっかりさせていただいたりして、レベルアップを図っていかなければいけないかなというふうに考えております。実際火災などが起きていますので、そうした原因究明が大切だと思うんですよね。それでこのことを我々としてもしっかりと情報収集をしながら、対応策をそうしたリチウム電池なども含めてやっていきたいと思っております。

 先般、21日の日ですかね。バイオマス発電所の火災、爆発火災につきまして、事業者のほうから国のほうに報告がなされたようでありますが、若干我々もまだちょっと疑問もあって、少なくとも先生方が言っていたことに完全に答えているのかなということもありますので、そういうのもこれから事業者側から専門家交えて聞く必要があるかなというふうにも思ってるんですが、こうした電池による火災、こうした事象も含めて、安全対策というのは基本に立ち返って強化してまいりたいと思っています。


〇日本海テレビ 月森七海 記者

 

 ありがとうございます。最後に、ちょっと順番が前後して恐縮なんですけども、5期目の最初の年というのを終えられるわけですけども、政策課題などは冒頭伺ったんですが、知事にとってどういう1年だったかというのを改めて教えていただきたいんですが。

 

 

●知事

 

 はい。5期目、県民の皆さんや多くの関係団体等、お力をいただきながら1年を運営してまいりました。コロナからの脱却については、大分対策も終焉に向けて、通常医療に向けて動いていったり、また、飲食店や宿泊観光、この辺の活気を取り戻すなど一定の成果を上げつつあるかなとは思います。ただ、片方で、想定外の災害が頻発をしていることなどで、大変にですね、非常に厳しい課題を突き付けられてきた、そういう思いもございます。そういう意味で、これから残る3年間に向けまして、そういう新たな課題をまた加えて全力投球をして、しっかりこの任期を全うしてまいりたいという決意であります。

 

 今、能登半島の地震についての様々な分析やらその課題をあぶりだしていく作業を始めておりますが、こうしたことを加速して、スピーディーにそうした新たに立ち上がった課題に取り組んでまいりたいと思います。そういう中で、人口減少などが特にそうでありますが、私はZ世代を中心とした若い方々の活用やその皆さんが希望を持って住み続けたいとか、働いてみたいだとか、子育てをしてみたい、そういうように考えていただける鳥取県づくりが非常に重要かなと思っていまして、残る任期をこちらのほうにも全精力傾けてまいりたいと思います。

 

〇日本海テレビ 月森七海 記者

 

ありがとうございます。


〇共同通信 堀内菜摘 記者

 

 共同通信社の堀内といいます。今の質問に加えてなんですけれども、県としてというところを伺いまして、平井さんとして、この1年思い出深かったこととか、印象的だったことを伺いたいなと思いまして、お願いします。

 

 

●知事

 

 はい。令和5年度でいきますと、非常に印象的だったのは、4月に統一地方選挙をやりましたときに、結果として91.8%の得票をいただきました。仲間の知事からは、5期目で、何でそんなに支持があるのと大分揶揄されたものでございますけれども、非常にありがたかったですね。私自身は躊躇して選挙戦に臨み、むしろ身を引くことも選択肢に入れながら、昨年度を過ごしていたわけでありますけども、図らずももう一度選挙に出ることになりまして、その結果として、もう1回頑張れよという強い県民の皆さんのメッセージがあったわけでありまして、このことに非常に身を熱くしたという思いがございました。

 

 また、2つ目には、やっぱり8月の台風災害であります。今シーズン、唯一ですね、大きな被害のあった台風、その中心が鳥取県でありました。これに地元の住民の皆さんや、あるいは市町村、そして事業者の皆さんも本当に精力的に動いていただきました。それで、3日間で1,800人という大きな孤立も解消することができました。当たり前のように思われるかもしれないんですけども、これができる地域というのはすごいなとも思います。こういうようなことでやはり鳥取県の災害対応力、官民挙げての力というのを見た気もしますし、また、自然の猛威の恐ろしさ、これも背筋が寒くなりながら強く持ちました。そういう中で、能登半島の地震もありましたので、やはり今期の重要なテーマとしては、本当に行政の基本でありますこの災害対策、これを据えるという必要性を認識しているところでございます。

 

 

〇日本海新聞 福谷二月 記者

 

 ほかにありませんでしょうか。それでは以上で終わりたいと思います。知事、ありがとうございました。

 

 

●知事

 

どうもありがとうございました。
  

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