令和6年度地域県土警察常任委員会議事録

令和6年9月13日会議録(確定版)

開催概要、資料はこちらです。
出席者
(8名)
委員長
副委員長
委員
安田 由毅
東田 義博
前住 孝行
伊藤  保
川部  洋
中島 規夫
斉木 正一
銀杏 泰利


欠席者
(なし)


説明のため出席した者
 渡邉原子力規制庁原子力規制部実用炉審査部門安全規制管理官、
 福原内閣府政策統括官(原子力防災担当)付参事官(地域防災担当)付地域原子力防災推進官、
 前田資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力立地政策室長、
 三村中国電力株式会社常務執行役員電源事業本部島根原子力本部長ほか

職務のため出席した事務局職員
 藤田課長補佐、山田係長、河田主事
 

1 開会  午後1時00分

2 休憩  午後2時06分/午後2時40分/午後2時59分

3 再開  午後2時10分/午後2時41分/午後3時00分

4  閉会  午後3時59分

5 司会  安田委員長

6 会議録署名委員  斉木委員  銀杏委員

7 付議案件及びその結果
    別紙日程及び下記会議概要のとおり

会議の概要

午後1時00分 開会

◎安田委員長
 ただいまから地域県土警察常任委員会を開会いたします。
 本日の日程はお手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。
 会議録署名委員は、斉木委員と銀杏委員にお願いいたします。
 それでは、ただいまから所管事項に係る参考人の方からの意見聴取を行います。
 本日は、島根原子力発電所2号機の安全対策の確認等について、参考人の皆さんから意見を求めることとしております。当該案件の関心の高さを鑑みて、本委員会以外の議員の皆さんにも幅広くお声がけをさせていただきましたところであります。
 また、前回の委員会でお諮りし、御異議ございませんでしたので、委員外議員の発言を許可することといたします。
 それでは、議事の順序等について申し上げます。
 参考人については、原子力規制庁、内閣府、資源エネルギー庁、中国電力株式会社の順で入替えを行います。
 まず、参考人の方からそれぞれの議題について簡潔に御説明いただき、その後、質疑を行っていただきます。質疑については、地域県土警察常任委員会の委員を先に受け付け、その後に委員外議員の皆さんからの質疑を受け付けます。
 質疑応答は、限られた時間の中でなるべく多くの方に質問してもらうため、また、時間切れで答弁できないといった状況を回避するため、原則、一問一答形式で質問していただくようお願いをいたします。
 委員及び委員外議員の皆さんに改めてお願いを申し上げます。
 参考人に対する質疑は、島根原子力発電所2号機の安全対策の確認等について述べられた意見、これについての疑問点を解明することにありますので、この件とは関係ない発言をしないようお願いをいたします。
 また、委員会が要請して出席していただいているものですので、参考人の意見が意に沿わないものであっても、礼儀を失した発言をすることがないよう、また、不規則発言などで議事の進行を妨げることのないようお願いをいたします。
 それでは、最初に、原子力規制庁に係る意見聴取を行います。
 原子力規制庁については、オンラインでの意見聴取となります。
 お手元の日程にもありますように、本日は、原子力規制庁から原子力規制部実用炉審査部門安全規制管理官、渡邉桂一様、安全規制調整官、齋藤哲也様、専門検査部門管理官補佐、鈴木雄二様、地震・津波審査部門安全規制調整官、名倉繁樹様、主任安全審査官、中村英樹様、以上の皆さんに参考人として出席をしていただきました。
 それでは、参考人の皆様におかれましては、事前にお伝えしている島根原発2号機に関する審査概要(設計・工事計画認可、保安規定変更認可)について、25分をめどに説明をお願いします。質疑については、説明終了後、一括して行います。
 それでは、お願いいたします。

●渡邉(桂)参考人
 改めまして、原子力規制庁で実用炉審査部門というところで安全規制管理官を担当しております渡邉桂一と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 私のほうから、まずは、別添1-1に基づきまして、島根原子力発電所2号炉に関する審査の概要ということで、令和3年のときに説明をさせていただいたかとも思いますけれども、そこから保安規定と言われるものについての結果概要を御説明させていただきます。それから、最近のトピックスとして、別添1-2としてお配りしております島根原子力発電所2号機の特定重大事故等対処施設、それから、いわゆる第3電源と呼ばれているものがございますけれども、こちらについての審査の概要も併せて御説明をさせていただきます。
 それでは、まず、別添1-1に基づきまして御説明をさせていただきますが、本日の御説明内容のところで、設計及び工事計画の認可、保安規定の審査についてなどとなってございます。
 まず、はじめにのところでございます。
 説明の参考としてお配りしております参考資料というものがございます。これは令和3年の11月に、許可の段階で一度御説明をさしあげたものですけれども、こちらの5ページ、スライドの番号の5番を一度御覧いただいて、新規制基準がどういうふうになってるかをいま一度御説明をさせていただきたいと思います。こちらは、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえまして、新しい規制の基準というのを定めたものでございます。もともと従来あった基準の、概念が左側にありますけれども、そちらは起こり得る事態を想定して、そこから重大事故の発生を防止するための基準のみが定められておりました。これに加えて、新規制基準では、まず、防止する基準を大幅に強化した上で、さらに万一重大事故が発生したとしても対処できるように、黄色の部分になりますけれども、設備や手順の整備をいたしました。さらに、赤の部分ですけれども、それでも重大事故が防げないようなときには、できる限り放射性物質の拡散を抑制するための対策を設ける、あるいは、テロや航空機衝突への対応を求めるという構図になってございます。
 次のページの6番でございます。こちらは、今申し上げたようなことを簡単に概念にしているものでございますけれども、従来の緑の要求範囲を強化した上で、重大事故の発生をそれでもあえて想定します。そのときに、原子炉を止める、それから、燃料が溶けることを冷やす、そして、放射性物質を格納容器内に閉じ込めるという、いわゆる3つの安全機能について、緑のところの施設とはまた別の設備で行われるということを確認してございます。さらに、それでも放射性物質の放出を防げないようなことも想定して、できる限り抑え込むための対策を設けているというものでございます。
 参考資料での御説明は以上でございまして、別添1-1のほうに戻っていただけますでしょうか。
 3ページ目でございます。新規制基準に係る審査及び検査の進め方・状況というところでございますけれども、こちらは、先ほど申し上げたような新規制基準への適合性を確認するために、大きく3つの段階に分けて審査をしてございます。図を御覧いただきますと、ピンク、青、緑というふうに線を描いてございますけれども、1つが設置変更許可、こちらは基本的な設計の方針を確認するものでございます。それから、2つ目の設計及び工事計画の認可、これは詳細な設計を確認するもの。それから、保安規定の変更の認可、こちらは機器などを動かすに当たっての運用のルールを定めているものでございます。これらの審査が終了いたしますと、実際に、事業者が検査したものを原子力規制庁のほうで確認すると、そういうふうな行為になってございまして、こちらが今進んでいるという状況でございます。
 続きまして、4ページでございます。では、この3つの段階でどういうようなことをやっているかというのを、実施対策の例を挙げて御説明いたします。まず、許可の範囲内では、敷地の周辺でどのくらいの大きさの地震が起こるか、できるだけ大きな地震を想定すると、そういうふうなことがございます。断層などの調査を行いまして、大きな影響を与えると予想される地震を推定した上で、基準地震動と呼ばれる設計に用いる地震動を定めます。その基準地震動に対して、重要な施設がちゃんと耐震性を有するというような基本的な設計をまず確認するというものが許可の段階でございます。それから、工事計画の段階に入りますと、それぞれの設備、建物ですとか、機器、いろいろございますけれども、これが基準地震動に対してちゃんと耐えられるかどうかということを一つ一つ計算によって確認をするものでございます。そして、3つ目の運用ルールのところですけれども、こちらは、例えば地震が発生したときに、その原子炉の停止などをきちんと行うようなルールになっているかとか、あるいは、後ほど御説明しますけれども、重大事故等対象設備など新たに設けたような設備をどういうふうに運用していくかというルールを定めているものでございます。
 5ページは、参考でございますけれども、設置許可、設計及び工事計画の認可、保安規定で、数千から数万ページぐらいの資料を確認しているというものでございます。
 続きまして、6ページを御覧いただけますでしょうか。こちらは、平成25年7月に新規制基準の施行がなされておりまして、同じ平成25年12月に中国電力から変更の申請が出てきております。まず、令和3年9月に、設置許可、令和5年8月に設計及び工事計画の認可、それから、令和6年5月に保安規定の変更認可を行ったところでございます。
 続きまして、設計及び工事計画の審査について御説明をいたします。8ページを御覧いただけますでしょうか。まず、地震対策のところでございまして、こちらは、主な審査結果として、1、2、3というふうな形で上げております。
 次のページに参りまして、9ページ目でございます。原子炉建物に係る審査結果ということで、こういう原子炉建物のような重要な建物については、まず、形や構造などをちゃんと反映したモデルというのがつくられているかどうか、それに対して、許可の段階で求めた基準地震動から、その建物を揺らすような地震の揺れみたいなものを適切にモデル化しているか、それから、最後、計算をして、その建物の頑健性が保たれるかと、そういったようなことを一つ一つ見ていくものでございます。こちらの結果については、材料の不確かさなども考慮した上で、建物のひずみが許容範囲内に収まるということを確認しているものでございます。
 10ページでございます。こちらは、建物の中に入っている、止める、冷やす、閉じ込めるに関わる重要な機器について、それぞれ地震動を入力して、それが許容値を満足するのかということを確認してございます。例えば冷やすのところで、残留熱除去系の熱交換器とかありますけれども、こういったものが地震によって揺らされて、その分、力がかかりますので、その力がどのくらいの発生をして、それが許容範囲内に収まっているというようなことを確認しているものでございます。
 続きまして、次のページ、11ページ目でございます。こちらは、島根2号機の特徴の一つでございますけれども、三軸粘性ダンパという制震装置を入れてございます。これはどういうものかと申しますと、最近、免震の建物などございますけれども、基礎の部分にこういうダンパというものを入れまして、前後左右の揺れを吸収いたしますこの三軸粘性ダンパというのは、それに加えまして、上下方向の揺れも吸収できるようになっているものでございます。こちらは、屋内の原子力発電所には初めて導入されるものですので、我々としても慎重に確認をしたところでございます。
 次のページ、12ページ目を御覧いただけますでしょうか。こちらは、左側の図がございますけれども、この原子炉には、もともと原子炉圧力容器から格納容器の外に出てきて、タービンのほうに大量の蒸気を送り込む主蒸気配管というものがございます。こちらは、口径がとても太いものでございまして、これに対する耐震性を確保するというのが従来のいろんなサポートを入れていくだけでは難しいということで、この三軸粘性ダンパで揺れを軽減するという対策を中国電力は示してまいりました。なので、我々は、まず、その三軸粘性ダンパの性能というのがきちんと発揮できるかどうかというのを性能試験によって確認してございます。それを解析の中に入れたときに、実際に揺れが軽減されて、それで、配管に対する許容値を満足できているかどうかというのを確認したということでございまして、こちらは、その主蒸気系の配管に生じる応力が許容値を満足していることを確認してございます。
 地震に関しては以上でございまして、続きまして、津波に関するものでございます。
 13ページ以降、14ページを御覧いただけますでしょうか。こちらは、島根原子力発電所の敷地の前面には、右下のほうに少し小さい図で描いてございますけれども、3つ色分けされたような防波壁を構築しております。これが構造によって3種類に分けられているのですけれども、これらのそれぞれの構造の部分について、津波が来たときに、津波の力に対してちゃんと耐えられるか、まず、防波壁自体が壊れたりしないかどうか、それから、多少ゆがみが生じますけれども、そういったときに、間から海水が入り込んできて、敷地に入り込んでこないかとか、そういったことを確認するものでございます。確認結果のところですけれども、入力津波と書いてありますが、これは敷地の前面15メートルのところまで防潮壁を造っておりますけれども、この入力津波は、敷地の前面にどのくらいの津波が来るかという想定をしているものでございまして、これが11.9メートルでございます。このときに先ほど申し上げたような津波を防ぐ機能というのがきちんと保持できるという設定になっていること。それから、津波の荷重に加えて、当然、余震なども同時に起こり得ます。それから、雪が降っている場合がございます。これらの荷重もきちんと組み合わせて考慮しているのか。そして、津波は繰り返し襲ってきますので、こういう繰り返しのときにでも、再使用にきちんと耐えられるということを確認しているものでございます。
 15ページでございますけれども、こちらは、こういう構造で造りますという方針をあらかた示していただいていたのですけれども、これを、中に詰める材料を改良して、さらに強化をするというふうな説明が設計及び工事計画の段階でなされましたので、ここについても、耐震補強を実施して、しっかり造られている容器であるということを確認したものでございます。
 続きまして、16ページ以降、その他の自然現象というところですけれども、こちらは、火山事象、島根の原子力発電所の場合、近くの火山から火山灰が飛んできて、敷地に積もるということを想定してございまして、一番大きな影響があるだろうというふうに対象になっているのが三瓶山でございます。三瓶山が噴火したときに、56センチの火山灰が堆積するということを最大想定いたしまして、その荷重に対しても耐えられる。それから、火山灰が入ってこないようにフィルターを設置するとか、そういった対策を講じております。続きまして、竜巻に関しても、風速92m/sという、相当強い竜巻を想定いたしまして、物が飛んできても防げるように、竜巻の防護ネットをつけるとか、あるいは、それよりも大きなもの、例えば、今回いろんな対策のために構内に車両などを配備してございますけれども、こちらについては、鎖などで固定をするとか、そういったことで飛来物とならないような設計であるということを確認してございます。
 続きまして、17ページでございます。こちらは、重大事故発生を防止する対策、緑のところで強化をしたところでございまして、火災、溢水で機器に影響を与えないかどうか、それから、電源に関するような対策などにつきましても、これは許可の段階でどういうところにつけますとか、こういうことをやりますという方針はあらかた示されてございますけれども、これらの対策についての設置場所やどういうものをつけるか。例えばポンプだったら大きさがどのくらいのものかとか、それから、利用する材料、最後に、地震のときにそれが壊れないかどうかというようなことを一つ一つ確認していったものでございます。
 あと、18ページでございますけれども、こちらは、重大事故発生を想定した対策、先ほどの説明、黄色の部分でございます。こちらについても、許可ではどういう対策を取ります、例えばもともとあったポンプが使えなくなって、原子炉に水を入れなければならないというときに、消防車を用意して、それをつなぎ込んで、水を供給するというような対策をやるという、許可の段階では確認しているのですけれども、これらについて、では、実際に消防車をどこに配備するか、それから、そこに到達するためにアクセスルートがありますけれども、そこが例えば地震のときに損害することがないかとか、雪が積もったときにどういう除雪をするか、それから、実際にホースなどをつなぎ込むのだけれども、その経路というのはしっかりできているのかどうかとか、そういったことを一つ一つ確認してございます。
 以上の結果、19ページになりますけれども、令和5年8月30日に技術基準に適合しているものと判断して、設計及び工事計画の認可をしたものでございます。
 続きまして、20ページ以降、保安規定の審査でございます。
 まず、21ページを御覧いただけますでしょうか。こちらは、保安規定の審査の大きなところで、まず、一つ上げられるのが手順や体制の整備ということでございます。こちらは、許可の段階で、どういう対策を行うかというのは確認をしているのですけれども、これらに対して、では、手順をどういうふうに整備するか、それから、要員の配置ですとか、あるいは、要員に対する教育、訓練の実施というのをどういうふうにやるかということを規定している保安規定が適切に定められているということを確認してございます。例えば手順の整備のところですと、複数の対策があったときにどれを優先して使うかですとか、あるいは、体制の整備ということであれば、指揮命令系統の明確化、どの手順のときに誰が命令をするかというようなこと。それから、アクセスルート、先ほど少し申し上げましたけれども、右下にあるような、ホイールローダーなどを用いて、障害物を除去するような手順が定められております。最後に、緊急時に実際に運用ができるように、しっかり訓練を行うのですが、訓練を行うときに、例えば先ほど申し上げた水を原子炉に入れるためにホースをつなぎ込むような手順がございますけれども、炉心が溶けてしまう前にやらないと意味がないので、それぞれの手順に対して制限時間を設けています。なので、これらの制限時間というものを訓練の中できちんとクリアできるかということを最終的に確認します。これは、最後にも検査の中で確認しますけれども、保安規定の中に何分でやります、何時間でやりますということを書き込んで実現可能かどうかということを確認してございます。
 22ページが、その手順などに関連するものでございます。これは、先ほどもちょっと紹介した、火山が噴火したときのための対応というものでございますけれども、これが56センチの降灰が起こるということを想定していますが、これらの火山灰が短時間で降ってきたときでも対応できるような手順を定めているということを確認してございます。電源がなくなったときに、非常用ディーゼル発電機が立ち上がるということなのですけれども、これに灰が入り込まないように、改良型のフィルターを取り付けるとか、例えば、電源が要らないような注水手段として、高圧原子炉代替注水系ですとか、原子炉隔離時冷却系というのがございますけれども、こちらを使って炉心の冷却を行うことができるかとか、こういったような手順の確認です。
 23ページ目でございますけれども、こちらは、原子炉建屋の水素防護対策ということで、東北電力の福島第一原子力発電所の事故の後も、我々は、事故の原因とか、その時の対応についての調査を続けておりまして、その中で出てきた教訓の反映として、原子炉建屋の中、島根では原子力建物と呼んでいますけれども、その炉心が溶けるようなことが起こると、原子炉格納容器から周りの建物の中に水素が漏れまして、それで、福島の事故のときのように、原子炉建物が水素爆発をする、こういったことを防いでいくための手順というのをしっかり定めるということが述べられてございます。こちらは、原子炉の建物の中で水素の濃度が上がって、2.5vol%、燃えるよりも相当低いレベルになるのですけれども、こちらに到達したときには、躊躇なく、格納容器ベントを実施すると書いてあります。格納容器の中の水素を逃がすことによって、建物に漏れてくる水素の量を減らすと、そういうふうな手順が取られると。
 24ページでございます。こちらは、運転制限というものがございまして、もともと原子力発電所にある重要な機器については、例えば2台設けられているうちの1台故障してしまったときには、もう1台のがきちんと動作ができるということを確認する、あるいは、何日までに復旧させるという決まりを定めてございます。これを運転上の制限と言っているものでして、今回、新しく整備した重大事故対策に必要な設備、先ほど申し上げたような消防ポンプとか、そういったものについても、運転上の制限が定められているということを確認してございます。
 続きまして、25ページでございます。安全文化の育成及び維持活動体制の見直しということで、こちらは、島根に特有の追加項目でございまして、令和3年6月に、我々が秘密保持契約に基づいて、非公開ガイドと書いていますけれども、これを貸し出しております。これは何かと申し上げますと、特定重大事故等対処施設は、大型航空機の衝突のようなテロが起こったときに、それでも耐えられるような注水手段というのを別に持っておこうというようなものでございますけれども、そのときにどのくらいの大きさの飛行機を想定したらいいですかということが書いてあるものであります。これは、まさにテロの強度に関するものなので、非公開とさせていただいているのですけれども、これを事業者と秘密保持契約を結んで、事業者に貸与しているものであると。ただ、これを、もう6年ぐらい前に、誤ってシュレッダーで廃棄をしてしまったのではないかという旨の連絡が令和3年にございました。そのときに、規制委員会の中でも、これは安全文化の劣化の兆候だと考えられる。それから、保安規定の審査の中で改善がなされているかどうかしっかりと確認していくべきだというふうなこともございまして、保安規定の審査の中でこれらについても確認しているものでございます。
 次のページ、26ページでございます。中国電力からは、上に囲ってある(1)から(7)の対策をやりますというふうなものが出てまいりまして、保安規定の変更を伴うものは(5)、(6)、(7)ということなのですけれども、最初、対策、どういうことをやりますというのが出てきたのですが、なぜそれをやるのかという、その原因の分析からどういうふうに対策を導いていったのかとか、そういったところも説明をしてくださいというふうな指摘をしてございます。
 それから27ページでございますけれども、27ページの表が分析対象要因、それから、原因の追及、特定、それから対策していくというような形で、原因分析、それから対策を導出しているというようなことを確認してございまして、それが対策の1から4のようなものが出てきてまいりました。
 続きまして、28ページでございますけれども、先ほど、(1)から(7)の対策について、例えば、(1)だと、文書の管理のプロセスを見直しますと。あるいは、本社の組織に対してきちんとこういう文書とか登録するような制度がもともとあるのですが、発電所では比較的できていたけれども、本社の中では徹底していないということで、こういう教育を追加するですとか、あるいは、安全文化に対する教育を本社にも実施するというようなことをやってございます。それから、安全文化に対する監視・評価活動の一環として、強み、弱みの分析をやる、そういったこともやってございます。
 その試行の結果、29ページにもありますけれども、特に弱みの部分として、積極的に他者に関与する姿勢が不足していると。要は、それぞれの仕事というのは比較的、責任感を持って真面目にやるのだけれども、隣でどういうことをやっているかとか、隣で何か問題がありそうだなというときに、積極的に声を上げるというようなところが不足しているのではないかというのが、中国電力が自ら観察をした上での弱みというふうな形で出ていて、それを解消するための取組というのを今後行っていきたいというふうな話がございました。
 それで、30ページでございますけれども、こちらは、そういう安全文化を育成、維持していくための体制の見直しというところでございます。見直し前と見直し後が下の図の左側と右側にありますけれども、これは、左側に強化プロジェクトというものがございます。これは、2012年の福島の事故の前ですけれども、点検不備の問題がございました。平成22年でございます。こちらのときに、この強化プロジェクトというものをつくって、原子力発電所なり、電源事業本部の運営について、外側から監視をして、どういう改善策があるかという施策をプロジェクトのほうで決めて、指示をする。こういうようなことを取っていたのですけれども、こういう改善活動というのは、まずは右側にある原子力事業を直接やっている電源事業本部が自らやるということ、それから、それに対して、では、外側から監視をするために、社長直属の原子力安全管理部門というのを設けて、そこが評価をした上で、フィードバックをしていく、そういうふうな形に改めるというふうなものでございます。
 31ページですけれども、最後に、教訓の継承ということでございまして、安全文化について絶えず育成し、それから、維持すると。これはもう社長自らが行うというようなことを保安規定に明記するというふうにしてございます。これに反するようなことがあれば、保安規定違反ということにもなりますので、我々も原子力検査官などに発電所の近くにも常駐しておりますし、あるいは、安全評価などに関しても、専門の検査チームみたいなものがございますので、こういったところを活用して、引き続き中国電力の改善というのが着実に行われているかどうかというのは、引き続き我々としても注視したいというふうに思ってございます。
 32ページでございます。以上の確認の結果、保安規定についても、災害の防止上十分でないものに該当しないと判断しまして、保安規定の認可を行ったところでございます。
 34ページでございます。以上のことから、許可、設計及び工事計画の認可、保安規定、全て認可をして、審査という段階は令和6年5月に終了させていただいたところでございます。
 36ページでございます。今後の予定で、使用前事業者検査を今行ってございますけれども、これは事業者が行うものです。これに対して、規制委員会は、この検査が適切に実施されて、設備が基準を満足しているかということを引き続き確認してまいります。また、重大事故の訓練の実施状況、安全文化の改善についても引き続き監視をしてまいります。
 最後に、37ページで、今、使用前確認はどういうふうになっているかという状況でございます。こちらは、使用前で事業者検査は、2023年から始まっておりまして、今年の12月まで行うというふうなことを聞いてございます。炉内に燃料体を挿入した状態で試験を行う時期が10月、それから、臨界させて行う試験が12月、それから、使用の開始、最終的な全ての検査が終わるのが25年1月を予定しているということで、今、事業者から計画が出てきてございます。この中で、工事がちゃんと行われていると、技術的な基準に適合しているものというのを最終的に確認していくということを行ってまいりますので、引き続き厳格な監視を行っていきたいというふうに思ってございます。
 まず、別添1-1に関しては以上でございます。
 続きまして、別添1-2ということで、いわゆる特重施設などについての審査の概要を簡単に御説明させていただきます。
 まず、1ページ目でございますけれども、こちらは、特定重大事故等対処施設と、所内常設直流電源設備の3系統目、これはほぼ設置するという申請が一つの申請として出てきております。許可では、平成28年7月の段階で申請受理しているのですけれども、こちらはまだ本体のほうの新規制基準の適合の許可のほうもまだ審査中でございましたので、こちらの結果を反映するような形で、令和4年2月に補正が出てきております。ここから本格的な審査を行いました。現地に担当の委員も連れて現地調査に行ったりとか、そういったことも繰り返しながら、ちょうど先週の9月4日に審査の案を取りまとめました。9月11日に第3電源も含めた審査の案を取りまとめまして、今、原子力委員会と経済産業大臣に対する意見聴取を行っているところでございます。これらの結果を踏まえて、最終的に、この設置の許可をするかどうかということについては、原子力規制委員会で判断をするというふうな状況でございます。
 続きまして、2ページでございます。この特重施設というのはどういうものかということを簡単に御説明させていただきますと、故意による大型航空機の衝突その他のテロリズムが起こった場合に、ここに書いてございますような幾つかの設備を設けることによって、炉心に水を入れる、それから、格納容器圧力逃し装置を使って冷やすというふうなことで、原子炉格納容器が壊れることを防ぐというふうなものでございます。これらについては、大型航空機が衝突した場合でも、この新しくつけた設備について耐えられるというふうな方針であるというようなことを確認してございます。詳細な説明つきましては、テロ対策も関連した設備でございますので、割愛させていただきます。
 続きまして、3番目のスライド、第3電源でございます。こちらは、もともと常用の設備として蓄電池が設けられておりまして、それらに対して、新基準の先ほどの本体の審査の中でも、蓄電池の容量が適切であるか、それから、それらの電源がなくなりそうなときにも、可搬型の発電機車などをつないで、バッテリーが充電できるか、そういったものを確認してございますけれども、さらなる信頼性を高めるために、バックアップとして、もう1系統つけるということは上乗せで要求してございます。これが、その第3電源と言われるものでございまして、この図でいうと赤のところでございます。これらについては、新しく蓄電池を設置いたしまして、それがもともとあった黄色のようなものに対して、独立した電路でつなげるようになっているかとか、容量に関しては、24時間連続して、その必要な設備、ここで書いてある赤の枠で囲ってあるところがその給電する設備なのですけれども、原子炉の圧力を逃して、水を入れられるようにする。それから、高圧原子炉代替注水系電源、これはHPACと呼んでいるものですけれども、電源がなくても、直流電源があれば、蒸気の力で水を入れることができるような設備でございます。こういったもの、それから、計装設備といったものに対して、24時間給電をすることが可能であるというようなことを確認してございます。
 私からの説明は以上でございます。

◎安田委員長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について、委員の皆さん、委員外議員の皆さんから質疑があればお願いいたします。
 なお、質問が説明内容の範囲を超えている場合、答弁は不要ですので、その範囲を超えていると判断されましたら、参考人はその旨をお答えください。

○川部委員
 先日もちょっと視察に行ってきて、本当、二重にも三重にもいろんな手当てがしてある、フェイルセーフがしてあるということは確認してきたのです。あの中で働いている方というのは、中国電力の職員の方だけではなくて、関連企業の方がたくさんいらっしゃる中で、保安規定の審査について、時々、関連企業の方の事故の話も聞くのですけれども、その辺りの審査はどのように確認されたのか、お聞きしたいと思います。

●渡邉(桂)参考人
 協力会社さんも含めた日常的な、特に今、工事が進捗している状況でございますので、こちらについて、保安規定の中で何か定めているというものではございません。これらは、どちらかというと労働安全の観点から、労働安全衛生法などに基づいて管理をしているところでございます。ただし、特に放射線の被曝などについては、保安規定の中にも、被曝管理についてしっかり定めて、遵守するということを確認してございます。今、委員がおっしゃったような労働管理のところについては、別途手当てをしているというものでございます。

◎安田委員長
 ほかにございますか。
 ないようですので、では、山川議員。

○山川議員
工事認可と保安規定の説明は、基準地震動が820ガルを前提とされていますが、これは、宍道断層が39キロ、宍道断層と鳥取沖断層が連動しないという評価と算出されています。ただ、これは能登の地震が起きる前の過去の知見であって、能登地震では想定以上の連動があったのではという専門家の指摘があります。そして、国も連動についていまだ審議検討中で、まだはっきり分かっていない状況です。能登は、別の断層と20キロ離れていますが、連動がありました。宍道断層と鳥取沖断層は6キロ離れていますが、これは大丈夫と言えるのかという住民の声が相次いでいます。規制庁の立場としては分かるのです。過去の知見であっても、認定だったり、審査をして、地震のことだから有効とせざるを得ない、言わざるを得ない。ただ、地震のことで専門家としてもはっきり分かっていないので、新しい知見が出たら見直すというふうにされています。
 そこで、専門家ではないので、シンプルな質問をしたいと思います。宍道断層、鳥取沖断層が絶対連動しないということをはっきり言えるでしょうか、はいか、いいえでお答えください。そして、新しい知見が出たらと言われますが、稼働後に地震が起きてからなのか、それとも、国が調査をきちんとした上で中電に対して改めさせる、修正をさせるのか。この新しい知見が出たらというスケジュール感が全く分かりません。そのスケジュール感について、あるのか、ないのか、お答えいただきたいと思います。難しい回答ではないと思いますので、住民の不安に対して……。

◎安田委員長
 そこまでにしてください。

○山川議員
 よろしくお願いします。

●渡邉(桂)参考人
 まず一言申し上げたいのは、絶対というのは、我々はあり得ないと思っています。これは、何重にも対策を講じて、慎重に、例えば地震の連動などについて調査をしたとしても、絶対に起きないとか、そういったことを我々は申し上げるつもりはございません。その上で、今の調査、評価などが適切かどうか、それから、十分に保守的なものになっているかどうかということについては、我々はしっかり確認をしたつもりでございます。これがまず1点でございます。
 宍道断層に関しては、まず、中国電力が持ってきた評価について、不確かなところはできるだけ伸ばしました。それで、22キロと申請されていたものが、一番端っこのほうがまだ不明瞭なので、そこについては、保守性をどうするのですかというふうな指摘をした上で、さらに39キロまで伸ばしました。
 鳥取沖西部断層との連動のところについては、海上の音波探査、それによって地下の深部の構造がある程度見えますので重力探査や速度構造の調査も踏まえると、連動しないというふうな評価を中国電力はしてございました。これについては、我々としても、慎重に審査をした上で、こちらの中国電力の評価というのは妥当であるというふうなことを確認しているものでございます。
能登に関しましては、これはもともと能登の半島にはいろんな断層があって、それが連動して動くのではないかということは言われておりました。その上で、例えば志賀の原子力発電所に関する審査を今やってございますけれども、その中でも、事業者の連動の評価というのがまだ十分ではないのではないかということで指摘をしていたところで、残念ながら地震が起こったというようなものもございます。いずれにしましても、連動については、調査の結果について、妥当であるかというのは、我々としても慎重に確認をしているところでございます。それがまず1点目のお答えかと思います。
 2点目ですけれども、見直しに関するスケジュール感、能登の知見がある程度分かってきたら、見直しをするということでございます。これは、どういうものが出てくるかにもよりますけれども、やはり島根のサイトにおいて適用すべきようなものが出てきたら、それは我々としても躊躇なく見直しをするというところでございます。しかし、今のところ、例えば連動するとか、そういったものについては、もともと志賀の原子力発電所の近くでも連動はある程度するだろうというふうなことも考えておりましたし、あの地震そのものが何か特異なものではないと。それなりに大きな断層のところでは起こり得るような地震でもありますので、そういったところから、我々として何か能登半島の地震からの知見をこの島根原子力発電所の評価に直接適用するところは、今のところないというふうに考えています。

◎安田委員長
 ありがとうございました。
 それでは、島根原発2号機に関する審査概要に係る意見聴取をこれで終わりたいと思います。
 続きまして、県からの申入れに対する文書回答に係る各議員からの事前質問に対して、20分をめどに回答をお願いします。
 なお、事前に御案内しておりますとおり、原子力規制庁からの説明に対する新たな質疑は受け付けませんので、御承知おきください。
 それでは、よろしくお願いいたします。

●渡邉(桂)参考人
 それでは、質問事項に対する御回答をさせていただきます。結構重複するところもございますので、幾つかの質問についてまとめて御回答させていただきたいと思っております。
 まず、1つ目のトピックスです。今先ほど質疑の中でもございましたけれども、宍道断層と鳥取沖断層の連動等というところでございます。別添1-4の1ポツのところについて、(9)番まで御質問がございますけれども、こちらは、質問の趣旨をある程度まとめますと、能登半島地震のときに幾つかの断層が連動したということでございますけれども、こちらの連動については、あらかじめ分かっていたようなことなのか、分かっていなかったから今回問題になったのではないかというような御質問。それから、では、それを翻って考えると、宍道断層の評価というのは本当に十分なのか、鳥取沖西部と連動させなくていいのかと、そういうような御質問だというふうに理解をしてございます。
 まず、能登の地震の連動でございますけれども、先ほども申し上げましたけれども、能登半島のところには複数の活断層が分布しておりまして、これらが連動するということは、ある程度認識をされておりました。例えば北陸電力ですけれども、こちらは、志賀2号の原子力発電所の審査を今やってございます。その設置変更許可の申請の中では、連動の範囲、これは半島の北部に長い断層がございますけれども、こちらの連動の範囲を96キロというふうにしているのですけれども、これは、地震の前に、我々の審査の中では、この連動の範囲、長さについてはまだ、96キロで収まるということの根拠が不十分なので、もう一度きちんとと論拠を説明してくださいというふうな指摘をしておりました。その後に、1月に地震が起こったというところでございます。最終的に能登の地震に関しては、地震調査研究推進本部では、この地震の大きさから判断すると150キロ程度の連動があったのではないかというふうな評価もしてございます。いずれにしても、こちらの志賀の2号炉については、まだ審査中でございまして、まさに我々としても96キロでは収まらないのではということで指摘もしておりましたので、まだ今後引き続き審査の中で確認をしていくと、そういうふうなものだというふうに思ってございます。
 では、宍道断層のほうは本当にその評価が十分なのかというところですけれども、こちらは、先ほど御説明もしたように、鳥取沖西部断層との連動というのは、もともと大きな論点の一つでございましたので、慎重に審議させていただきました。ただ単に海上音波探査で、深部の海底の断層の痕跡とかが見えるのですけれども、こういったものだけではなくて、重力探査ですとか、あるいは、地下構造ですね、地下の速度構造などもありますけれども、そういったところから、この2つの断層の間に別の構造があって、そこが連動しにくいというようなことを併せて確認しているものでございます。
 あとは、能登半島の地震について、新たな知見が出て、反映すべきものは反映すべきではないかというところでございますけれども、今のところ、直ちに反映すべきものはないと思っていますけれども、もし本当に適用が必要なものがあれば、そこは我々としても反映をしていきたいというふうに思ってございます。
 その関連で、(7)番のところで、活断層から20キロ離れた富来川南岸断層が連動して動いたというふうなことでございますけれども、こちらは、確かに富来川南岸断層の評価区間の中で、地表面に変状、要は地表のちょっとした段差とか、そういったものが発生しているようなところというのは、確かに確認されていることは承知しています。ただ、断層自体が地下からそのまま動いたとかということについては、まだ学会とかでも相当議論があるところだというふうに認識をしてございます。なので、ここについては、まだ引き続き北陸電力のほうにも知見を収集するようにというふうに指摘をしてございます。もともとこの富来川南岸断層自体は、12から13万年以降の活動が否定できない。要は地震を起こし得るような断層であるという評価をもともと北陸電力がやっておりますけれども、こういう能登半島地震で得られたような新たな知見については、評価に反映するというふうなことを行っていく予定でございます。
 地震関係のところ、1ポツについては以上でございます。
 次の2ポツ、能登半島地震を受けての故障等というところでございます。
 こちらは、大きく3つに分かれてございまして、1つは、使用済燃料プールの溢水対策のところでございます。(10)番から(13)番の関係について、御回答させていただきます。まず、能登半島地震のときには、もともと志賀の地震はかなり大きな地震でございましたけれども、使用済燃料プールについては、スロッシングといいまして、地震で揺らされたときに、プールの端から水があふれるというふうなことがございました。ただ、その量はごく僅かでございまして、安全に影響を与えるようなものではない。使用済燃料の冷却などに影響を与えるようなものではないというところでございます。その上で、志賀の2号機に、福島第一原子力発電所事故の後に、原子力安全・保安院の指示で緊急安全対策というものを命じておりまして、これは全ての発電所に対してなのですけれども、可搬型の取水設備、海水を取るようなポンプとか、それから、使用済燃料プールなどに水を入れるような大型ポンプ車とか、ホースも配置するように、平成23年の段階で指示を出してございまして、各発電所にはそのようなものが設置をされております。いざとなったら、そういうものを使うということもあるのですけれども、今回の能登半島地震のときには、特にそういうものは必要なかったというところでございます。
 では、仮に燃料プールが壊れて、水位が低下したときにはどうなるのかというお話でございますけれども、こちらは、能登ではなくて、先日、中電に尋ねたらというふうなことでございます。(12)番ですけれども、こちらは、島根の対策について御回答させていただきますと、まず、使用済燃料プールには幾つかの配管が通じておりますので、これらが破損して、水の漏えいがそこから漏れるようなことがあったとしても、燃料体を継続して冷却する。それから、使用済燃料プールの水には放射性を遮蔽する効果がありますので、この遮蔽が維持されるか、こういったことを確認しております。一つ目には、まず、ある漏えいの範囲を一定程度に抑えるためにサイフォンブレーク配管というものをつけまして、ある程度のところまで行ったら、そこで止まるような仕組みにしている。それから、もう一つは、送水車をつないで、使用済燃料プールに注水するような対策が整備されているということを確認してございます。さらに、これは原因は問わないのですけれども、何かのことで大量の水が漏えいして、水位が異常に低下したとしても、燃料体が最終的には壊れていくことになってしまいますので、この進行を緩和するために、大容量の送水車や常設のスプレーヘッダーなどによって、使用済燃料プールに大量の水を供給できるような対策を整備しているということも併せて確認をしてございます。
 あとは、能登半島地震で4メートルの地盤隆起があったが、海水の取水ができたのかということなのですけれども、そもそも志賀原子力発電所のところでは、地盤の隆起は起きていないということでございます。海水の取水についてはできたというところでございます。この4メートルの隆起というのは、能登半島の地震の断層のごく近いところで、最大4メートル程度の隆起があったというものでございまして、発電所の周りでこういうような大規模な隆起が起こったというところではございません。
 続きまして、能登半島地震での電気の関係、外部電源の喪失についてでございます。今回、外部電源が2つ喪失した原因ですけれども、こちらは、志賀の原子力発電所の外部電源を取り入れるための変圧器が地震のために故障いたしまして、外部電源の供給が、5回線あるうちの2回線が受電不能になったというものでございます。それから、その変圧器ですけれども、油がこぼれて、この油漏れというのは、もともと変圧器の中には、電気が絶縁するために大量の油が入っております。それが地震で揺らされたときに、圧力が上がるのを防ぐために、圧力の開放盤みたいなやつがありまして、そこから油が流れ落ちるというふうな仕組みになってございます。今回の地震では、それだけではなくて、配管の一部が壊れて、そこから油が漏れたと、そういうような事例がございます。変圧器には、高い耐震性を求めていないというけれども、今回の油漏れの件を受けて、高い耐震性を求めないのかというような御質問でございます。これについては、まず、外部電源ですけれども、これは要は遠くの別の発電所から長大な送電線を通って、それから所内に入って変圧器を介して受電をするというふうになってございますけれども、これらの全て、耐震性を上げないと、外部電源の耐震性を上げることにはならないということでございます。なので、変圧器のみの耐震性を引き上げたとしても、外部電源自体の信頼性を高めるということにはならないため、新規制基準においては、むしろ外部電源に頼らずに、所内で耐震性の高い発電機を置くことによって電力をカバーしようというふうな思想になってございます。こちらの発電機には、もともと非常用ディーゼル発電機が基本的に備わっておりますけれども、さらに別の高圧の発電機、それから、可搬でつなぎ込めるような電源車、こういったものを複数用意して、対策を取っているということを確認してございます。では、こちらの、つなぎ込みのときに、例えば雨が降ったりとか、放射線が高いような状況においても本当にできるかという、(20)番のところでございますけれども、こちらについて、炉心損傷したような後にでも、要因の被曝線量が全部で100シーベルト超えることはないというふうなことを確認していたり、あるいは、豪雪のときにも、持っていくためにホイールローダーなどで除雪をしたりとか、そういったことが取られるということを確認してございます。なので、外部電源に頼らずに、中で電力を供給するということでございますので、今回、能登の半島の地震によって、その変圧器に対して、何か新しい対策を上乗せで要求するということは我々として現時点では考えていないということでございます。
 あとは、変圧器から漏れた油というのは大丈夫なのかということでございますけれども、こちらは、島根の発電所に関しては、油が出たときにも、その油を防ぐための防油堤というものですとか、あるいは、それを下に、地下に流し込んでためるような廃油だめみたいなものを設置していて、それが変圧器の中に入っている油の全量分確保されているということを確認してございます。それから、そういったところに流しますので、火災の発生の可能性は十分小さいのですけれども、消火のための装備、あるいは消火栓が設置されているというようなことも併せて確認をしてございます。
 変圧器に関しては以上でございまして、続きまして、㉑番、㉒番でモニタリングの関係でございます。志賀の原発周辺の能登半島地震で通信ができなくなったんだけれども、そのような不備は想定していたのかと、それから、その備えとして、可搬型とかもあるけれども、豪雪などのときには対応できるのかというところでございます。こちらは、通信不備については、これは平成30年に北海道で胆振東部地震というかなり大きな地震がございました。こちらのときにも、やはり通信の不備などがありましたので、こちらは、各都道府県さんとともにデータの伝送の多重化とか、そういったものについて現在取り組んでいるところでございます。しかしながら、令和6年度の能登半島地震でも、やはり回線が物理的に切断されたりとか、あるいは、電源がなくなってしまったりというようなことで、通信ができなくなったということがございました。なので、電源の強化とか、あるいは、新たな通信技術、1方向だけではなくて、低電力で幾つかの基地局を結ぶような技術というのも開発されつつありますけれども、こういったものの導入ですとか、あるいは、ドローンによって運ぶことができるような小型のモニタリングポストの開発、導入とか、そういった測定手段の多様化というのを引き続き進めているところでございまして、こちらは都道府県さんとも協力をしながら、一層の充実に努めてまいりたいというふうに考えてございます。豪雪などのときにも、モニタリングポストによる測定を継続的に行いますけれども、やはり地震と同じように欠測なども発生する可能性って、これはもちろんございますので、もうそのときには、近隣のポストから放射線量などを総合的に判断したり、あるいは、ある程度、天候の回復を待って、可搬型での調査に行ったりとか、そういったことを組み合わせながら、測定を行っていくということでございます。
 最後に、3ポツでございます。㉝番以降のところでございまして、これは、避難計画の関係でございます。複合災害が起こったときの避難計画の在り方とか、あるいは、放射線のリスクと自然災害に対する考え方、そういうような御質問かと思っております。
 まず、申し上げたいのは、これは、㉝番の御質問のところにありますけれども、放射線の被曝リスクというのは完全にゼロにすることというのはできません。先ほどの絶対はないというふうなことを申し上げましたけれども、それと全く同じでございまして、原子力災害対策指針、あるいは、そこで考えられている防災計画など、一連の対策というのは、まず、国民の生命、身体の安全を確保する、これが第一でございまして、その観点から、できるだけ放射線を浴びる量を減らす、リスクを小さくするということが対策の基本になってございます。なので、まず、緊急事態になったら、一番近い、PAZと呼んでございますけれども、5キロ圏内の方々については、避難をお願いする。これは、確定的影響と呼ばれる放射線による重篤なリスクというのを避けるためで、回避するため。それから、UPZ圏内、30キロ圏内、今回の鳥取に関しましては、米子市ですとか、あるいは、境港市のところが含まれますけれども、こういったところについては、確率的な影響のリスクをできるだけ減らすために、まず最初に屋内退避をお願いするとか、そういったような対策を講じていくところでございます。なので、被曝のリスクを完全にゼロにするというふうな考え方はもともと取っていないところでございます。さらに、複合災害との関係で申し上げますと、まず、防災基本計画というのがございます。これは原子力災害だけではなくて、ほかの自然災害、あるいはテロも含めて、そういった災害に対する対応を総合的に定めている国の計画でございますけれども、その中に原子力災害に対する考え方もございまして、人命最優先の観点から、まず、自然災害に対する安全の確保というのを最優先にして、それから、原子力災害に対する対応を行うというのが基本であるというのが複合災害のときの対応の考え方でございます。なので、例えば自然災害、特に地震だとかが起こって、屋内退避が実際に御自宅でできないとかいうふうなことがあれば、まずは、身体の安全を確保していただくために、避難所とか、そういった耐震性がある程度確保されたところに避難をしていただいて、そこで屋内退避をする。あるいは、そこがなかなか継続することが難しければ、一時移転も検討するとか、そういったような対策、まずは、身体に対する人命を守った上で原子力防災、被曝の低減ということを図っていくというふうな順序かというふうに思ってございます。いずれにしても、まずは、国としては、自然災害ですとか、原子力災害に対して、原子力災害対策本部が情報収集や意思決定で、ここを一元的に行った上で、地方自治体とも御相談をしながら、計画の緊急時対応に基づいて、住民の皆様に情報提供をしたり、あるいは、避難指示を行ったりというふうなことでございます。
 最後に、屋内退避研究チームのところでございますけれども、こちら、今何をやっているかと申し上げますと、屋内退避については、なかなか長時間にわたって継続するのが難しいので、どういったところで、例えば屋内退避を解除してもいいかとか、あるいは、それをどうやって実際の事故対応との関係をどうするのかとか、そういったことを今現在議論しているようなものでございます。

◎安田委員長
 ありがとうございました。
 これで原子力規制庁の意見聴取を終わりにします。
 渡邉安全規制管理官はじめ、原子力規制庁の皆様、本日はお忙しい中に御対応いただきまして、ありがとうございました。
 参考人の入替えを行いますので、暫時休憩いたします。再開は2時10分といたします。

午後2時06分 休憩
午後2時10分 再開

◎安田委員長
 再開いたします。
 引き続き内閣府に係る意見聴取を行います。
 本日は、内閣府から、地域原子力防災推進官、福原和邦様、専門官、籔本順一様、参事官補佐、渡邉慎也様、以上の皆様に参考人としてお越しをいただきました。
 それでは、参考人の皆様におかれましては、県からの申入れに対する文書回答について5分をめどに説明していただき、続けて、各議員からの事前質問に対して10分以内をめどに回答をお願いいたします。
 質疑については、説明終了後一括して行います。
 それでは、お願いいたします。

●福原参考人
 内閣府の地域防災推進官の福原です。本日はよろしくお願いいたします。
 最初に、4月5日付鳥取県知事、米子市長、境港市長の申入れに対する8月8日付内閣府の回答、別添2-1になると思います。それについて説明させていただきます。
 3つの質問がございまして、1点目は、島根地域の緊急時対応及び避難計画に関することでございます。
 まず1点目の御説明です。島根地域の緊急時対応は、大規模な自然災害と原子力災害との複合災害を想定した上で取りまとめられたもので、島根地域原子力防災協議会で原子力災害対策指針等に照らして具体的かつ合理的であることを確認するとともに、総理を議長とした原子力防災会議にて了承を得ております。
 その緊急時対応では、具体的な防護措置として、代替経路を含むあらかじめ設定した複数の避難経路の活用、陸路に加えて、海路避難や空路避難の活用、必要な場合には、警察、消防、自衛隊などの実動組織が地域避難の支援をすること、UPZ内において家屋倒壊などにより屋内退避が困難な場合は、近隣の避難所へ避難。そして、そこで屋内退避していただき、さらに、それも困難な状況であれば、30キロ圏外の広域にあらかじめ定めてある避難先へ速やかに避難を実施していただくことを想定しています。
 島根地域の緊急時対応は、原子力災害対策指針等に照らして、具体的、そして、かつ合理的であることについては、今日でも何ら変わることはなく、現時点で島根地域の緊急時対応の改定が必要とは考えておりません。他方で、原子力防災の備えは、終わりや完璧はありませんので、緊急時対応についても不断に見直しを行い、改定すべき事項があれば、適切なタイミングで改定を行う必要があると考えています。
 また、避難計画の改定につきましては、各自治体において御判断いただくことでございますが、少なくとも島根地域の緊急時対応に盛り込まれている事項については、先ほど申し上げたとおり、国として現時点で改定する必要はないと思っております。
 2点目の質問で、実動組織の支援に関することでございます。
 自然災害により屋内退避や避難が困難になるなど不測の事態が生じた場合には、島根地域の緊急時対応に記載のとおり、原子力災害対策本部が中心となり、政府を挙げて全国規模の実動組織により、道路啓開を含む必要な支援を実施いたします。
 なお、実動組織には、毎年の原子力総合防災訓練をはじめ、各自治体における訓練への積極的な参加のほか、定期的な意見交換を行うなど、万一の原子力災害の際に、的確に対応できるよう、日頃から連携しているところであり、引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
 3点目は、原子力防災対策に関する支援についての御質問です。
 従来から、原子力防災対策に必要な資機材整備、避難経路の改善、放射線防護対策など、関係自治体が行う原子力災害対策に必要な経費について支援をしてきております。引き続き緊急時安全対策交付金や原子力災害対策事業補助金により、継続的な支援を行ってまいります。
 内閣府の回答、別添2-1の説明は以上です。
 続きまして、事前にいただきました質問、別添2-2に対して回答させていただきます。
 まず、質問(1)、(4)、(14)につきましては、原子力規制委員会での屋内退避の在り方の検討と緊急時対応等に関する質問ですので、まとめて回答させていただきます。
 原子力規制委員会の原子力災害時の屋内退避の運用に関する検討チームでは、屋内退避という防護措置を最も効果的に運用するため、屋内退避の対象範囲や実施期間等について検討しているものと承知しております。同検討チームでの検討が決まった2月14日の原子力規制委員会において、原子力災害対策指針について議論がなされ、避難と屋内退避を適切に組み合わせることによって、被曝線量の低減と健康等への影響を抑えることができる防護措置の考え方は引き続き有効であるとの認識は、その後も全面緊急事態においてUPZでは一律に屋内退避を実施する考え方が示されるなど、変わっていないと承知しているところでございます。
 なお、緊急時対応については、国と自治体が協議を重ねて取りまとめられたものでございまして、国として現時点で必ず改定が必要であるとは考えておりませんが、自治体の側から改定が必要という意見があれば、それを否定するものではなくて、一緒に検討していくことになるかと思います。
 次に、質問(2)について回答いたします。
 緊急時対応は、複合災害を考慮して、環境自治体の地域防災計画と実動省庁を含む関係省庁等、国の支援を併せたもので、地域原子力防災協議会にて確認し、原子力防災会議にて了承されたものです。道府県及び市町村は、防災基本計画等に基づき、地域防災計画、避難計画を作成することとされています。その上で、関係省庁の各主体が地域原子力防災協議会の枠組みの下、原子力災害対策指針等に照らして、具体的かつ合理的であることを確認するとともに、総理を議長とする原子力防災会議で了承しており、この確認、了承のプロセスは、国が責任を持って行っているものでございます。
 続きまして、質問(3)について回答いたします。
 避難計画は、原子力災害特別措置法第28条の規定により、防災基本計画及び原子力災害対策指針に基づき、地域の実情を熟知するとともに、地域住民の安全確保を一義的に担う自治体が策定することとなっております。このため、避難計画においては、まず、自治体において見直しの要否が検討されるものと認識しております。
 なお、原子力防災対応には、終わりや完璧はありません。避難計画についても不断の見直しが必要であるほか、物的基盤や研修、訓練を通じた人的基盤の充実により、原子力防災対応の実効性を高めていくことが重要であり、内閣府としては、引き続き支援を行ってまいります。
 質問(5)について回答します。
 緊急時対応については、内閣府の回答で御説明したとおり、地域原子力防災協議会で原子力災害対策指針等に照らして、具体的かつ合理的であることを確認され、原子力防災会議で了承されたものであります。その上で、装備資機材の充実やインフラの整備、継続的な訓練、研修を通じ、関係者の対応力のさらなる向上を図るなど、不断の取組により、原子力災害対応の実効性向上を図っていくことが必要と考えております。
 質問(6)について回答します。
 島根地域の緊急時対応では、避難行動要支援者について、例えば医療機関や社会福祉施設であれば、施設ごとの避難計画に基づき、鳥取県が関係機関と調整した避難先に避難する。何らかの事情であらかじめ選定した避難先施設が使えない場合には、鳥取県等が受入先を調整することとなっております。
 なお、UPZ外の避難先については、全員の受入れが可能となるだけの十分な人数の避難先を確保しております。また、不測の事態が生じた場合には、島根地域の緊急時対応に記載しているとおり、原子力災害対策本部が中心となり、政府を挙げて全国規模の実動組織により、必要な支援を実施することとしております。
 質問(7)について回答します。
 屋内退避が困難かどうかについては、施設や各家庭の判断が尊重されることと考えており、困難と判断された場合には、近くの避難所等に避難していただくことになります。避難行動要支援者の避難につきましては、先ほどの質問6で回答したものに加え、在宅の避難行動要支援者については、支援者や自治体、関係機関の協力を得ながら避難先に避難することとなっております。
 質問(8)について回答します。
 質問(2)で回答したとおり、地域防災計画、避難計画については、自治体が策定することとなっております。しかし、原子力災害の特殊性に鑑み、国の専門的知識が必要と認識しております。国としては、自治体任せにせず、自治体と連携し、地域防災計画、避難計画の具体化、充実化に向けて取り組んでいるところでございます。
 質問(9)について回答します。
 避難行動要支援者の避難に関しては、質問6、それから8で回答したとおりでございます。国としては、自治体任せにせず、自治体と連携して地域防災計画、避難計画の具体化、充実化を支援してまいります。
 質問(10)について回答します。
 屋内退避が困難かどうかにつきましては、各施設や家庭の判断が尊重されることと考えております。原子力災害対応の実効性向上のために、継続的な研修や訓練等を通じ、自治体担当者や住民等関係者の原子力防災に係る対応力や理解の維持、向上に努めていくことは重要です。このため、屋内退避や避難の考え方はもちろんのこと、その背景にある原子力災害対応全体の考え方、放射線についての基本的な知識等について、これまでも住民に理解をしていただくための周知、研修、訓練といった活動に取り組んでおり、今後ともしっかりと継続してまいります。
 質問(11)と(13)は、全国レベルでの実動組織の支援についての質問ですので、まとめて回答させていただきます。
 島根地域の緊急時対応では、地域レベルで対応困難な支援要請があった場合には、鳥取県及び関係市からの各種要請を踏まえ、政府を挙げて全国規模の実動組織による支援を実施することとなっております。具体的には、警察では、現地派遣要員の輸送車両の先導や避難住民の誘導、交通規制、消防では、避難行動要支援者の搬送の支援や疾病者の搬送、それから、海上保安庁では、巡視船艇による住民避難の支援や緊急時モニタリング支援、自衛隊では、避難の援助や人員及び物資の緊急輸送などを実施することとなっております。
 質問(12)について回答いたします。
 平井知事の発言の趣旨については、すみません、詳細は承知しておりません。島根原発、島根原子力発電所が立地する松江市は、南海トラフ防災対策推進地域指定市町村に含まれていないものと承知としております。
 質問(15)、(16)については、支援に関する質問ですので、まとめて回答させていただきます。
 内閣府では、能登半島地震の経験を踏まえて、大規模な自然災害との複合災害を考慮した原子力防災を強化すべく、令和7年度の概算要求では、原子力災害時の避難や屋内退避の対策として、原子力発電施設等緊急時安全対策交付金について、155億円を要求しております。従前より、大臣からも自治体への支援の強化を進めたい旨の発言がなされているように、自治体への支援の強化に向けてしっかりと取り組んでまいります。その上で、内閣府では緊急時避難円滑化事業により、原子力災害時に避難経路とされている道路について、主に都道府県道や市町村道を対象に一部拡幅、のり面補強など、避難の円滑化に資する取組を支援してきたところです。本事業は、原子力発電施設の周囲、おおむね30キロ圏内において実施できるものであり、避難経路改善、孤立対策として活用していただくことができると思います。今後とも、地域の声をしっかりお聞きし、関係省庁とも連携しながら、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
 質問(17)について回答いたします。
 原子力防災対策に必要な経費については、補助職員等の人件費や事務負担軽減につながる業務外注費を含め、緊急時安全対策交付金により支援をしております。
 質問(18)について回答いたします。
 これまでの回答でも申し上げてきましたが、国としては、自治体任せにせず、自治体と連携して地域防災計画、避難計画の具体化、充実化を支援してまいります。具体的には、財政的支援のほか、災害対策要員への訓練、研修、住民の理解促進などの支援により、原子力災害対応のさらなる実効性の向上に取り組んでまいります。
 以上で事前にいただきました質問、別添2-2の回答を終了いたします。

◎安田委員長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について、委員の皆さん、委員外議員の皆さんから質疑があればお願いいたします。
 なお、質問が説明内容の範囲を超えている場合、答弁は不要ですので、その範囲を超えていると判断されましたら、参考人はその旨をお答えください。
 それでは、どうぞ。

○市谷議員
 内閣府で了承された避難計画であったり、屋内退避ということなのですけれども、さっき屋内退避できない場合に、自分の家庭で判断してくださいとか、要支援者の方などについては、施設や個人で対応してくださいという、つまり、そういうことが起きたときに被曝をするというようなことは、これは内閣府が責任を取ってくれるのでしょうか。避難計画の見直しは必要ないということで言われているわけですけれども、だから、この避難計画は自治体がつくるものだと言いながら、了承したのは内閣府ですから、この避難計画の最終責任、避難の責任は内閣府がちゃんと取るのかどうか、ちょっとそこを確認させていただきたいですし、今回の……。

◎安田委員長
 それでは、そこまで一旦。

●籔本参考人
 今、責任に関する問題ですけれども、これは災対法とか、減災法において、各組織、例えば事業者に対する責務、国に対する責務、あと、自治体に対する責務がそれぞれ決まっております。もちろん国もしっかりと責務を果たしてまいりたいと考えておりますけれども、少し了承については説明をしたいと思います。
 了承というものについては、緊急時対応を、自治体も参加する協議会においてしっかりと取りまとめたもので、この取りまとめた行為について確認をしておりまして、その確認した結果を総理が議長となる原子力防災会議に報告して了承を得たものになっております。避難に関する責任ということについてでございますけれども、基本的に各組織が責任を持って対応するとなっておりますけれども、基本的に避難計画をつくるのは自治体が責任を持ってつくるということになっております。今質問があった件で、屋内退避ができないような状況はどうなるのかということの例を参考にしてお答え申し上げますと、まずは、屋内退避というのが、今例えば地震が起こったときに家が崩れそうだ、もうどうしても家の中にいられない、そういうときになった場合には、近くの近隣の指定避難所等に行ってもらって、そこで自治体がしっかり支援をするという。場合によっては、そこに行けないような状況であったら、UPZ外の30キロ圏外の指定避難所等へ行ってもらう。もちろん屋内退避ができないような状況、避難もできないような状況、いろんなケースが考えられることが想定できますけれども、そういった不測の事態が起こった場合には、我々は、実動組織も通じてしっかり支援をしてまいるという、こういった取組について、我々は緊急時対応において取りまとめてございます。

◎安田委員長
 かなり手が挙がっていますので、市谷議員、あと1問にしてください。

○市谷議員
 それで、今、規制庁のほうで、この屋内退避については検証チームをやって、能登半島地震を受けて、まだ途中なのですよね。そうしますと、能登半島地震を踏まえての屋内退避や避難の在り方というのは、もう一回、原子力防災会議をやって検証し直さないといけないのではないかと思うのですけれども、規制庁はまだ検証中なのですよ。なぜ防災会議を開いてもう一度検証するということをされないのでしょうか。

●籔本参考人
 もう一度きちっと丁寧に説明を申し上げますと、まず、屋内退避というのは、これは、こちらの鳥取県のUPZ内、30キロ圏内でございますけれども、いつ放射性物質が出るか分からないような状況で、外に出ることは非常によろしくないということで、被曝を防ぐ観点から屋内退避をしていただくと、こういったやり方で、基本的な考え方については、我々は、一切今のところは変えることはないと思っています。規制庁がやっている屋内退避の検討について、こちらは、屋内退避の期間、要するにずっと屋内退避し続けるのがいいのか、または、一旦屋内退避というのを解除した上で避難、ないしは別の方策があるのか、その屋内退避の期間とか、その後の対応とか、そういったことを含めて、しっかり検討していただいているものと思っておりますけれども、基本的な考え方、要するに全面緊急事態になったときには屋内退避をする、そういう運用について、基本的な枠組みは変更することはないと思っておりますので、現在の緊急時対応、また、避難計画については有効であると考えております。

○尾崎議員
 御説明ありがとうございました。
 大体において回答は分かったと思いますが、やはり一つ懸念するのは、この計画が健常者に向けてというのを非常に感じるのです。医療的ケア児ですとか、重心の方ですとか、小さいお子様を何人も持っていらっしゃる方ですとか、高齢者、そんなに自宅が崩壊したから、では、次に行こうか、では、30キロ圏以外に行こうかと、そうそう動けるものではないと思います。その辺をどう認識しておられて、どう支援されていこうかと思われるかということと、あと、家庭が判断するとおっしゃいましたけれども、高齢者一人とか、医療的ケア児を見ていらっしゃる方とかに、どう判断していく支援をされるのか、その辺をお聞かせください。

●籔本参考人
 こちら、鳥取県に関してはUPZ内ということでございますけれども、UPZ内の基本的な考え方というのは、全面緊急事態になったときに、まず、屋内退避をしていただくと。もし万が一、放射性物質が飛んで、沈着をして、どこかの区域の線量が高くなった場合には、長期間そこにいるとなかなかよろしくないということで、一時的に移転をしてもらう。基本的には、線量の基準としては20マイクロシーベルト/アワーというふうに決まっておりますけれども、こういった線量がある一定を超えた場合には、長期間、もう何百日とか数年単位でございますけれども、ずっとい続けたら、放射性物質が体に蓄積していくということはよろしくないということで、一時移転してもらうという運用をしております。なので、急いで一時移転するとか、避難するということは考えておりませんけれども、まず、健常者については、基本的に1週間以内、また、そういった何らかの都合がある場合については、もちろん1週間以内をめどにやろうと思っています。なかなかうまくいかない場合には、我々はしっかりとした避難手段とか、避難先とかを確保する。また、場合によっては、支援者が必要な場合には支援者をつけていただく、その支援者がいない場合には、自治体と協力してその方たちを安全な形で避難していくと、そういった取組をしっかりと推進していきたいと考えております。

○河上議員
 説明ありがとうございました。1点、説明を受けまして、質問させていただきたいと思います。
 島根地域の緊急時対応については、大規模な自然災害と原子力災害の複合災害を想定して取りまとめられており、能登半島地震を踏まえても、改定の必要がないという説明を受けて、理解はいたしました。そこで、さらに避難計画を実効性があるものにするためにも、例えば避難道路について、地元が熱望しております高規格道路の整備など、そのような整備の課題解決に向けて、どのように取り組んでいかれるつもりなのか、つなげていかれるつもりなのか、お伺いしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

●籔本参考人
 避難道路の話でございましたけれども、今ある道路を使って、例えば複数経路も設定しておいて避難をするということはもう既に決まっております。一方で、さらに実効性を高めるという観点から道路整備についてでございますけれども、こちらについては、自治体の要望等をしっかりと確認しながら、地域防災協議会の枠組みを通じて、国交省とか経産省をはじめとする関係省庁と一体となって自治体の要望を踏まえながらしっかりと検討していきたいと考えております。

○河上議員
 ありがとうございます。

◎安田委員長
 しっかり検討してください。

○村上議員
 (3)番について、後段の御説明が微妙になかったのかなと思いながら聞くのですけれども、我々、自治体、鳥取県でいえば米子、境港市の両市が、避難計画の実効性を判断するとは思いますが、足りない場合は、国と一緒に努力していただけるということで頼もしく思うところではありますが、能登半島地震で閉じ込められるとかということがあって、我々の判断での避難が難しい場合に、国としては、例えば原子力発電所の再稼働を思いとどまるとか、我々が逃げられないと言っている場合はやめてくださるのかというところを、どういう判断をされるのかというのが聞きたいです。
 もう一つ、(17)番のところなのですけれども、説明の中で人件費分については、一部は含まれるけれども、ほとんどは含まれないというような内容だったかなと聞かせていただきましたが、これからもその部分については、出す必要がなくて、いろんな出どころはあるかもしれませんが、基本的には内閣府と県の関係においては自治体負担だということが続くのかということを確認させてください。

◎安田委員長
 ちょっと村上議員、最初の質問が不明瞭なのですけれども、もう少し整理して言っていただけませんか。

○村上議員
 避難計画の実効性は市町村、県が判断をするということでよろしいですね。できない場合、能登半島地震を踏まえて、もし仮にですが、我々は避難計画の実効性が有効であるものを立てられませんという場合は、内閣府としてどうするのかというか、その場合はどういう対応を国として進められるかということをお伺いしたいです。

◎安田委員長
 当初、文面の説明のときに、支援するというふうにおっしゃいましたけれども、それでは足りないということでよろしいですか。

○村上議員
 支援していただくのはありがたいのですけれども、それまでの間は逃げられない状態が続くわけですから、その間はどうするのかということが聞きたいです。

◎安田委員長
 計画ですよね。

○村上議員
 はい。計画に実効性がない場合。

◎安田委員長
 お答えいただけますか。

●籔本参考人
 こちらの境港市さんと、あと、米子市さんが避難計画、地域防災計画を作成しておりますけれども、現時点において、しっかりとした避難計画というものをつくられていると内閣府としても承知をしておりまして、こちらについては、今現時点ではしっかりとUPZについては一時移転できるという解釈をしております。これについては、現時点においては最善のものと考えております。もちろんいろんな、今後見直しをするに当たって、実効性をさらに高めるという観点からいろんな改善事項が出てくると思いますけれども、それについては、自治体としっかりと調整しながら実効性を高めていく努力をしたいと思います。再稼働については、申し訳ないです、ちょっとここではコメントを差し控えさせていただきます。
 あと、人件費についての財政支援等でございますけれども、こちらについては、内閣府としては、今現時点においては職員の人件費、これについては支援の対象とはなっておりません。引き続き、我々は交付金とか補助金とか、そういった財政支援の枠組みを持っておりますので、しっかりと自治体の要望を聞きながら財政当局にしっかりと要求をしてまいりたいと考えております。

○村上議員
 ありがとうございます。

○山川議員
 今の話で、職員の人件費は支援の対象になっていないので、これから要望を聞いていきたいというふうなことを言っていられるのですけれども、島根と鳥取、事故が起きたら避難する場合の放射性被曝というリスクは、風向きによっては同じか、それ以上だと思います。しかしながら、令和4年末までの累計の交付金額は、島根県が1,426億円に対して、鳥取県は65億円、対約4%です。この差の根拠は何でしょうか。そして、要望に応じるということですが、鳥取県には交渉する余地はあるのでしょうか。先ほど人件費が駄目ですよというふうな形で言われたのですけれども、やはり避難計画は自治体に義務づけされ、受入先の調整等、いろんなことで人件費がかかってきます。これについて交渉の余地はあるのか、ないのか。島根県においては、電気料金の割引だったりがこの補助金、交付金で使われておりますが、それについて、内閣府の考えはどうなのか、教えてください。

●籔本参考人
 先ほど職員の人件費については、交付対象外と言いましたけれども、こちらについては、原則として、今の現時点の考え方としては、各自治体さんの経費においてしっかりとやっていただくものと考えており、現時点においては対象外となっております。
 一方で、その他の交付金、補助金について、防災の面だけで見ると、別にこちらについてはPAZ、UPZ、要するに立地自治体関係なく、我々としてはしっかりと地元の要望を聞きながら支援してまいるというのが我々の方針です。
 一方で、先ほどのおそらく経済産業省さんの交付金とか、いろんな話がありましたけれども、その他の質問については、内閣府としては所管外でございまして、お答えは控えさせていただきます。

◎安田委員長
 それでは、予定された時間となりましたので、これで内閣府の意見聴取を終わりにします。
 福原地域原子力防災推進官はじめ、内閣府の皆様、本日はお忙しい中、御対応いただきましてありがとうございました。
 参考人の入替えを行いますので、暫時休憩といたしますが、再開は入替え次第とさせていただきます。

午後2時40分 休憩
午後2時41分 再開

◎安田委員長
 それでは、再開いたします。
 引き続き資源エネルギー庁に係る意見聴取を行います。
 本日は、資源エネルギー庁から、原子力立地政策室長、前田博貴様に参考人としてお越しをいただきました。また、質問対応として、必要に応じてオンライン接続により御回答をいただく場合がありますので、御承知ください。
 それでは、参考人の皆様におかれましては、県からの申入れに対する文書回答について5分をめどに説明していただき、続けて、各議員からの事前質問に対して10分以内をめどに回答をお願いいたします。
 質疑については、説明終了後一括して行います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

●前田参考人
 本日は、このような機会をいただきまして、大変ありがとうございます。また、平素よりエネルギー政策、原子力政策に多大なる御尽力を賜っておりますことを改めて御礼を申し上げます。
 それでは、座らせていただきまして、お手元の別添3-1、それから、別添3-2に基づきまして御説明のほうをさせていただきます。
 別添3-1、私どもから御提出をさせていただいた回答文書のほうでございます。全部で8項目ございまして、3番から8番までは原子力規制庁、それから、内閣府原子力防災と同様の項目でございますので、項目の1番と2番を中心に説明のほうはさせていただきます。
 1番でございますけれども、この原子力についての安全性の考え方ということでございますけれども、いかなる事情よりも安全性を全てに優先させるということは、これは一貫した方針でございます。高い独立性を有する原子力規制委員会の判断に委ねるという方針は変わってございません。その上で、万が一のときでございますけれども、政府として関係法令に基づいて、責任を持って対処するという方針でございます。この中国電力島根原子力発電所2号機につきましては、既に新規制基準適合との判断が出ているところでございます。このたびの令和6年能登半島地震を受けての規制委員会の見解については、先ほど御説明があったところのとおりでございますので、詳細については割愛のほうをさせていただきます。
 2つ目でございます。おめくりいただきまして、2ポツでございますけれども、その上で、私どもがこの業界に対してどう向き合うかということでございます。この不断に安全性を向上していくということは非常に大事な取組でございます。エネルギー基本計画におきましても、そうした安全文化の醸成に取り組む必要がある旨を明記してございます。また、電気事業連合会などの業界を通じてもそうした取組の横展開を日々行っているところでございます。私どもとしても、中国電力を含めた原子力事業者全体に対して、今般の能登半島地震での経験や知見も踏まえつつ、安全性向上に向けて不断に取り組むよう、引き続き指導をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 3ポツについてでございますけれども、特にこの後段でございます。私どもが中国電力に対して、先ほどと同様でございますけれども、ゼロリスクはないという認識に常に立ち続けることは非常に大事なことだと思ってございますので、引き続き安全性向上に不断に取り組むよう指導してまいるという方針でございます。
 4ポツでございます。この原子力発電所の運営に当たっては、地域や社会の皆様に丁寧に御説明をして、そして不安を与えないようにしていくことは非常に大事なことというふうに考えてございます。今般の能登半島地震における情報発信の在り方につきましては、この検証のほうも進めておりまして、災害情報発信の一元管理などの対応策、業界においてもまとめたものというふうに承知をしてございます。引き続き原子力事業者に対して、トラブル時において可及的速やかに、そして、信頼できる情報を丁寧に発信していくことを徹底するよう、引き続き指導してまいりたいというふうに考えてございます。
 モニタリングポストの関係につきましては、先ほど規制庁のほうから説明のあったとおりでございます。
 5ポツでございます。屋内退避の運用の検討に関することでございますけれども、この検討が行われている中におきまして、この5月の例えば規制委員長の定例会見におきましては、現時点で地域防災計画等を見直していただくということにはならないといったような見解が示されているというふうに私どもは承知をしているところでございます。その上で、6ポツ以降、この緊急時対応ということでございますけれども、先ほど内閣府原子力防災のほうからも御説明があったかと思いますけれども、この緊急時対応につきましては、複合災害をそもそもにおいて想定して策定してございます。そして、原子力防災会議において、指針に照らして具体的かつ合理的であるという確認を行っているというものでございます。その上で、この原子力防災につきましては、終わりや完璧はないという認識の下、引き続き不断の改善、充実に取り組んでまいりたい、関係省庁連携して取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
 7番でございます。不測の事態が生じた場合ということでございます。私どもも、関係省庁の一員でございますので、連携をして、状況に応じた迅速な避難の対応に当たることとなっておりますし、警察、消防、自衛隊等の実動組織もその一環として対応していくということになってございます。
 8ポツでございますけれども、さらなる充実、強化というところにつきましては、必要な支援、実情を踏まえて、しっかりと検討していくということは非常に大事なことというふうに考えてございます。
 いただきました御質問事項、別添3-2に、全部で11項目ございますので、御説明のほうを申し上げます。
 (1)の御質問でございますけれども、安全性向上につきましては、御指摘のとおり、安全神話に陥るということはあってはならないということでございます。基準の充足に満足せず、安全性向上に不断に取り組むということが重要ということでございます。こうした観点から、私どもも審議会のほうでも議論を行っておりますし、また、そうした議論の結果なども、この業界団体での協議会がございます。そういったところを通じて、事業者に指導をしていくということ、日々様々な形でお伝えをしているというところでございます。
 (2)でございます。(2)につきましては、福島第一原子力発電所の反省から、エネルギー政策と規制の分離ということがなされました。具体的には、規制行政を一元的に担うために、独立した原子力規制委員会が設置をされまして、そちらで福島の教訓も踏まえた新規制基準の策定が行われてきたというところでございます。したがいまして、この原子力については、安全性が最優先でございますけれども、安全につきましては、規制委員会の判断を尊重して進める、これが政府の一貫した方針ということでございます。
 (3)でございますけれども、こちらについても同様で、安全性については、規制委員会に判断が委ねられておりますので、資源エネルギー庁としても、当然のことながら、その判断を尊重して、地域の御理解が得られるよう取り組んでいくということでございます。
 (4)でございます。他の電力源での自治体の意見を取り入れる仕組みということでございますけれども、この電力源、それぞれにおきまして、環境アセスメントの手続といったものがございます。こうした中で、環境の観点から、住民や自治体の御意見を伺っているという仕組みがございます。その上で、この原子力につきましては、炉規正法に基づく原子力規制委員会の判断を尊重し、そして、地域の御理解を得られるよう、国が前面に立って取り組むという方針でございまして、地域の幅広い御理解が得られるよう、丁寧に説明をしてまいるという方針でございます。
 (5)でございますけれども、能登半島地震での経験、知見ということでございまして、この業界の中でも様々な議論がなされてございます。例えばということでございますけれども、変圧器保護のための停止手順の整備、それから、早期復旧対策、あるいは、非常用ディーゼル発電機の運転操作等、そうしたことの水平展開を行っていこうということ、あるいは、状況確認、情報発信についての関係者間の認識の相違がないように、そして、情報管理を課題として抽出して、情報収集、その一元管理、運用管理を推奨していこうということがまとめられているところでございます。こうした議論を原子力事業者の中でしっかりと横展開されていくということが重要でございますので、そうした観点から、引き続き指導をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 (6)番でございます。能登半島地震に限らず、不断の安全性向上に向けて取り組むことは、先ほども申し上げたとおり、非常に大事なことでございます。この能登半島地震を受けて中国電力におきましても、専門機関による調査結果を踏まえ、改めてこの結果として地震動、津波評価の見直しを要する喫緊の課題はないということを確認したというふうには聞いてはございますけれども、引き続き不断の安全性向上を目指して取り組むよう指導をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 (7)ということでございます。このゼロリスクはないということの国の考え方に対する御質問ということでございますけれども、私どもは、あえて、このゼロリスクはないという考え方を取っているところでございます。それは、安全神話に陥ってしまったということが福島事故の大事な反省の一つだからでございます。その上で、この福島事故の教訓を踏まえて、新規制基準は非常に世界で最も厳しいという、規制委員長、かつてのお言葉もございましたけれども、教訓を取り入れられた基準というものが適用できてございます。その基準を通らない限り、再稼働は進まないという仕組みになってございます。その上で、この基準に充足すれば満足ということではあってはならないということで、安全性向上に向けて不断に取組を指導するということ、先ほど申し上げたとおりでございますので、しっかりと対応してまいりたいと思います。
 なお、新しい知見が生まれれば、遡って考えるという方針でございますので、私どもとしても、その方針に従って、原子力はあくまで安全を最優先に活用していくという方針でございます。
 (8)番でございます。核燃料サイクルの六ヶ所村の再処理工場の延期のお話でございますけれども、このサイクル政策含め、エネルギー原子力政策、これは事業者においても丁寧に御地元の皆様に説明をしていくということも大事でございますし、私ども国としても、様々な機会を捉まえて、国民の皆様に、地域の皆様に説明をしていくということが非常に大事というふうに考えてございます。引き続き様々な機会を捉まえて、私どもは説明を丁寧に行ってまいりたいというふうに考えてございます。
 (9)でございますけれども、緊急時対応ということでございます。先ほど申し上げたとおり、既に複合災害を想定しているものです。例えばということで、原子力防災のほうからも、先ほど説明がございましたように、複数経路の設定ですとか、様々な手段等々が考えられているところでございます。その上で、原子力災害の備えに終わりはないということ、そういった考えの下、この充実、強化に向けて関係省庁と連携してしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
 (10)番も同様でございまして、実効性については、ここで終わり、ここであるというものではなく、この実効性の向上に向けて、改善、充実を不断に行っていくということが重要というふうに考えてございます。
 (11)番でございます。屋内退避が困難になった場合、その体制に誰が責任を持ってくれるのかということでございますけれども、万が一の場合においても、原子力災害においても、国民の皆様の生命、身体、それから財産を守っていくこと、これは国として大事な責務でございます。原子力災害対策特別措置法など、関係法令に基づいて、住民の避難支援ですとか、あるいは物資の円滑な供給ですとか、様々なことに国として責任を持って対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 いただいた御質問については以上でございます。

◎安田委員長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について、委員の皆さん、委員外議員の皆さんから質疑があればお願いします。
 なお、質問が説明内容の範囲を超えている場合、答弁は不要ですので、その範囲を超えていると判断されましたら、参考人はその旨をお答えください。

○市谷議員
 規制の分野は独立をさせて、規制委員会がということなのですけれども、ただ何かあったら、資源エネルギー庁として、経産省としても判断をするということを冒頭おっしゃいました。それで、能登半島地震を受けまして、今、規制委員会としては、避難計画などを見直しする必要はないということを言いながら、屋内退避などについては、検討チームをつくったりして見直しをしている最中なのです。ですから、そういうことを考えますと、やはり資源エネルギー庁のほうから、この見直しをまだ規制委員会がやっているのであれば、一旦立ち止まって、その検証結果が終わってからのエネルギー供給、島根原発2号機の再稼働という判断をされるべきではないかと思いますけれども、その点をお伺いしたいです。

◎安田委員長
 では、答弁をお願いいたします。

●前田参考人
 御意見ありがとうございます。
 安全性につきましては、規制委員会の判断を尊重するということ、全てに通じてございますので、何かあったら、私どものほうで安全性について判断をするということではございません。避難につきましては、指針がございます。その指針につきましては、原子力規制委員会のほうで策定をしてございまして、今回、屋内退避の運用についての検討がなされているというふうに承知をしてございますけれども、その過程におきまして、原子力規制委員長のほうは、この地域の防災計画見直しをしていただくという必要性はないというふうにおっしゃっているというふうに承知をしてございます。今回の能登半島地震での教訓を踏まえて改善すべき点があれば、しっかりと改善をしていくということ、これはこの様々な形において重要なこと、一般論として重要ということかと思います。その上で申し上げますと、脱炭素、あるいは安定供給の観点から、再生可能エネルギーと同様に、原子力についても非常に重要なものでございますので、安全を最優先に活用していくと、こういう方針でございます。

◎安田委員長
 あと1問。

○市谷議員
 電力会社の安全性向上のことについてもお答えの中にありましたけれども、中国電力についてどう見ておられるのかなと。安定供給のためには、電力会社の安全に対する考え方ってとても大事なのですが、この2号機の審査が始まって以降も、テロ対策のシュレッダーを廃棄して、それを報告していなかったとか、それから、火災事故について、この20年間の間に8回起きています。先日も火災事故があったわけであります。だけれども、これは保安規定の審査はもう終わっているのですよ。こんなに事故を審査中にも続けているにもかかわらず、どうしてこれで安全保安規定が満たされているというふうに判断できるのかと。エネルギーの安定供給に責任を持っておられる資源エネルギー庁として、この中国電力のこの実情、保安規定が認可されたからといって、実情としては改善されていない。ここについて、どうお考えでしょうか。

●前田参考人
 御意見ありがとうございます。
 安全性につきましては、原子力規制委員会のほうで確認を行っているわけでございますけれども、御指摘のとおり、様々な事案の中で、地域の皆様、多くの御不安を抱えているというのも一方であるかと思います。こうした地域の不安にしっかりと向き合って、丁寧に説明をしていくということは非常に重要だというふうに考えてございますし、この安全文化については、しっかりと意識をして、安全性向上に向けて不断に取り組むということを常々重要だというふうに考えてございます。引き続き緊張感を持って取り組んでいただきたいというふうに考えてございます。

◎安田委員長
 ほかにございますか。
 それでは、予定された時間となりましたので、これで資源エネルギー庁の意見聴取を終わります。
 前田原子力立地政策室長はじめ、資源エネルギー庁の皆様、本日はお忙しい中にありがとうございました。
 参考人の入替えを行いますので、暫時休憩いたします。再開は入替え次第とさせていただきます。

午後2時59分 休憩
午後3時00分 再開

◎安田委員長
 再開いたします。
 引き続き中国電力株式会社に係る意見聴取を行います。
 本日は、中国電力株式会社から島根原子力本部長、三村秀行様、鳥取支社長兼島根原子力本部副本部長、森田秀樹様、島根原子力本部副本部長、井田裕一様、以上の皆様に参考人としてお越しをいただきました。
 それでは、参考人の皆様におかれましては、県からの申入れに対する文書回答についての説明、能登半島地震を踏まえた島根原発の確認結果及び安全対策工事の実施状況の説明について、25分をめどに説明していただき、続けて、各議員からの事前質問に対して10分以内をめどに回答をお願いいたします。
 質疑については、説明終了後一括して行います。
 お願いいたします。

●三村参考人
 初めに、御説明の前に一言御挨拶を申し上げます。
 議員の皆様方には平素より、当社事業運営に御理解をいただきまして、本当にありがとうございます。
 初めに、本日の山陰中央新報の中にプルサーマルについての記事が掲載をしてございました。皆様に誤解を与える内容ということで御心配をおかけしてございます。プルサーマルにつきましては、当社が以前より申し上げておりますとおり、島根2号機の今回の再稼働時に実施する計画はございません。再稼働時に使う燃料につきましては、通常のウラン燃料でございます。したがいまして、現在、皆様方に対応いただいておりますこの2号機の再稼働に関する一連の手続につきましては、本プルサーマル計画が含まれているとは考えてございません。島根2号機のプルサーマル計画実施につきましては、再稼働後に改めて関係の皆様方に丁寧に御説明をさせていただきたいと考えてございますので、よろしくお願いをいたします。
 また、今月7日でございます。発電所構内において火災が発生をいたしました。溶接作業をしておったところ、コンクリートの養生マットから出火をしたというものでございました。直ちに消火をしておりまして、外部等への影響はございませんでしたけれども、皆様方に御心配をおかけしたということで、おわびを申し上げます。今後、原因をしっかり調査しまして、再発防止策を講じてまいります。
 現在、島根2号機、設備の設置等安全対策につきましては、ほぼ最終盤ということで、現在は工事の残作業、それから、使用前事業者検査、それと、国の行う使用前確認の実施を受けていると。また、いろいろな訓練もしてございます。こういったことを1つずつ積み重ねながら、12月の目標は立ててございますけれども、工程ありきではなく、1つずつ準備を着実に進めてまいりたいと思ってございます。
 それでは、4月の申入れに対する回答、それから、能登半島地震に対する島根の対応につきまして、副本部長の井田から御説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

●井田参考人
 すみません、座って説明をさせていただきます。恐れ入ります。
 まずは、別添4-1に基づきまして御説明を始めさせていただきます。
 御回答は、大きく1、2、3、4項目からとなってございます。
 まず、1点目につきましては、能登半島地震を踏まえた島根2号機の安全確保対策に関する回答というふうになります。
 能登半島地震につきましては、北陸電力の志賀原子力発電所におきまして、安全上、重要な機器において、問題となる被害は確認されていないというふうに承知をしているところでございます。能登半島地震による影響につきましては、当社を含みます原子力業界全体の取組としまして、検証結果を取りまとめているというところでございますけれども、この中では、例えば地震動、津波評価の見直しを要する喫緊の課題はないこと、外部電源の多重性が地震に対しても有効であること等を確認しているところでございます。島根原子力発電所におきましても、安全性のさらなる向上を図っていくというような観点から、自主的な取組としまして、変圧器の内部損傷を防ぐためのオイルレベルが低下した際の停止手順、そういったものの整備を行うということとしてございます。また、このほか、4メートルの地盤隆起の発生を仮定いたしまして、そういった場合にでも海から海水がくみ上げられるのか、そういった訓練など、新たな取組も実施をし、対応能力の向上に努めてまいりたいと考えてございます。
 続きまして、裏面になります。2番目としまして、情報発信とモニタリングポストの欠測に関する事項でございます。
 情報発信につきましては、このたびの検証結果も踏まえまして、電気事業連合会において作成される標準的なガイド、こういったものを活用しまして、検証をし、継続的な改善を図る、教育訓練を実施してまいるというふうにしてございます。また、このたび、周辺のモニタリングポストの欠測があったということでございますけれども、当社が敷地境界付近に6基ほどモニタリングポストを設置しておりますけれども、この設備につきましては、伝送系の多様化、あるいは電源の強化、そういったことを行っているという状況にございます。
 次に、3点目、こちらは、継続的な安全性向上に関する回答となります。
 島根原子力発電所におきましては、様々な安全対策を強化しておりまして、そういった設備面での対策はもとより、引き続き人的な対応の充実、強化も図ってまいる所存でございます。また、安全文化につきましても、その監視、評価を行う新たに設置をしました社長直属の組織によりまして、そういった安全文化の監視を行っていくということとしてございます。
 最後、4点目となります。こちらは、屋内退避や避難の完全実施に向けてどのような対策を考えているのかということについてとなっております。
 当社としましては、まずもって、屋内退避や避難を必要とするような災害が発生しないように、安全性の向上に努めてまいりますけれども、それでも万が一の緊急時の際には、鳥取県さんとも原子力防災に係ります協定といったものを締結させていただいております。そういったものに基づきまして、避難退域時検査をはじめとした対応を事業者としても最大限対応をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 まず、この資料につきましては、以上となりますけれども、続きまして、別添の4-2というものがございますので、こちらで、能登半島地震を踏まえた島根原子力発電所の確認結果について御説明をさせていただきます。パワーポイント資料となってございます。
 1ページ目をお願いいたします。この資料でございますけれども、今年のお正月に能登半島地震が発生をいたしまして、北陸電力の志賀原子力発電所におきまして発生した事象一つ一つに対する島根原子力発電所2号機の状況を整理したものとなっております。志賀原子力発電所におきましては、安全上問題となる被害は確認されていないと承知しておりまして、島根原子力発電所の安全も現在進めています安全対策によりまして確保できるというふうに考えております。また、能登半島地震による志賀原子力発電所への影響につきましての検証結果につきましては、島根原子力発電所の安全性に影響を及ぼす喫緊の課題はないというふうに確認をしておるところでございますけれども、安全性のさらなる向上を図っていく観点から、自主的な取組として適切に対応してまいる所存でございます。
 ページをめくっていただきますと、2ページ、3ページにわたりまして、これから説明いたします項目が目次として整理をされておりますけれども、この中から主立ったものを御説明させていただければと思います。
 まずは、4ページをお願いいたします。こちらは、地震による揺れの項目となっております。一番左側に志賀原子力発電所におけます状況を整理しております。まず、志賀原子力発電所でございますけれども、記載のとおり、実際に建物の原子炉建物地下階で399ガルという揺れが観測されています。その一方で、北陸電力による揺れの想定ですけれども、こちらが当時は600ガルということで想定がされていまして、これに耐え得るように、きちっと耐震補強等が既にされていたという状況でございます。ですから、北陸電力の志賀原子力発電所におきましても、安全上重要な機器に何か損傷があったといったことはなかったというふうな報告が出ているところでございます。なお、北陸電力につきましては、この600ガルという想定を1,000に引き上げて、今審査を受けているといった状況にございます。一方、島根2号機の状況が真ん中の欄になります。揺れの想定は820ガルということになってございます。なお、これまでの過去の地震の島根原子力発電所の実測値でございますけれども、一番大きなものでは、2000年の鳥取県西部地震の際に観測された34ガルというふうになってございます。一番右側の欄には、事業者の検証結果という欄となってございまして、先ほども申しましたとおり、地震、津波に関する地震動・津波評価の見直しを要する喫緊の課題はないというふうに整理をしてございますけれども、活断層の連動等のメカニズム、そういったものにつきましては、引き続き情報収集を継続し、新たな知見に対しても適切に対応するというふうな対応をしていく所存でございます。
 続きまして、ページを飛ばしまして、6ページをお願いいたします。こちらは、連動に関する事項となっています。志賀原子力発電所では、96キロという断層の長さと評価をされて審査を受けていたところ、今回の地震規模からは150キロメートル程度といった報告があった状況にございます。島根の2号機の欄でございますけれども、39キロという断層、宍道断層の長さ39キロでございますけれども、その東の端、西の端につきましては、音波探査、ボーリング調査等、しっかりと調査をいたしまして、審査のほうで説明をして、合格をいただいているというような状況にございます。なお、さらに、東の沖合のほうには、鳥取沖西部断層といったものがございますけれども、この間につきましても、音波探査等によりまして、連動しないというふうに評価をしているというところでございます。
 続きまして、8ページをお願いします。8ページは、海水面の動きということで、津波関連でございます。志賀原子力発電所では、3メートルの水位上昇、その後の調査で、約4メートルであるといったことが分かってございますけれども、いずれにしましても、発電所の敷地高さや、さらにその上に防潮堤、そういったものが設置されていることで、発電所の設備への影響はなかったということでございます。島根2号機につきましても、高いほうが津波11.9メートル、引き波のほうが低いものでマイナス6.5メートルといった想定をしているところでございます。こういった想定に対しまして、15メートル高さの防波壁、あるいは、より深いところから冷却のための海水をくみ上げることができる、そういった設備対応をしておりまして、安全性を確保しているという状況にございます。
 続きましては、11ページをお願いいたします。こちらは、地震による隆起についてでございます。能登半島の北部におきまして、隆起が3~4メートルということでございましたが、志賀原子力発電所の敷地におきましては、4センチ、あるいは12センチ程度、そういった変動というふうになってございます。この隆起につきましても、審査の中で確認がされておりまして、島根2号機は34センチの隆起というふうに評価をしております。こういった隆起に併せまして、引き波が来たときの海水、そういったときにも海水をくみ上げることができるかといったことにつきましても、きちっと設備対応ができているというような状況にございます。また、こういった隆起は、敷地の全体で一様に生じるというものでございますので、発電所内部での移動、そういったアクセスに支障を生じるようなおそれはないというふうに考えてございます。この隆起に関しましては、万が一の地震の発生を考慮しまして、4メートルの地盤隆起が発生するといったことを仮定しまして、当社を含む各社は、代替の場所での海水の取水が可能であるのか、そういった訓練を実施している。当社もこれから実施をするというところでございます。
 続きましては、ページを飛ばしまして、16ページをお願いいたします。16ページ、17ページには、外部電源の説明となっております。志賀原子力発電所におきましては、5回線がありましたけれども、変圧器が故障することによりまして、2回線が使えなくなりました。ただ、残る3回線によりまして、電源が確保され、安全な状態が維持されているという状況にございます。この状況、5回線を確保しているというのは、島根原子力発電所の2号機も同じ状況でございます。事業者の検証結果、一番右側の欄でございますけれども、このように、5回線を確保、多重性を確保するというふうに呼んでおりますけれども、こういった多重性によりまして、外部電源の全喪失と、そういった事態を回避することができましたので、多重性の確保は地震に対しても有効であるというふうに認識をしているところでございます。
 次の17ページには、発電所の構内に設けております耐震性を高めた非常用ディーゼル発電機、あるいは、さらなるバックアップ電源、そういったものについて説明となっております。こちらは、志賀原子力発電所も島根2号機も同じようになっておりまして、さらに当社の場合で申しますと、一部、受電設備につきましては、自主的に耐震性を高めた、そういった設備も設けているという状況にございます。
 続きまして、20ページをお願いいたします。こちらは、変圧器から油が漏れた事象についてでございます。志賀原子力発電所で油が漏れましたけれども、囲いの内側に変圧器というものが設置をされておりますので、外部への影響はなかったということでございます。この状況は、島根2号機も同じでございまして、油入りの変圧器を使っておりますけれども、防油堤という囲いの中に設置をすることで、外に影響のないようにという対応をしているところでございます。なお、志賀原子力発電所の変圧器は、油のレベルが下がった状態で電源が入ったままであったといったことで、結果、故障をしたということがございました。こういった機能喪失、そういったものを回避するという観点から、絶縁の油が漏れた際の変圧器の停止手順、そういったものを整備するということとしておりまして、当社も今準備をしているという状況にございます。
 続きましては、少し飛びまして、26ページをお願いいたします。26ページは、非常用ディーゼル発電機が試運転中に停止をしたといった事象が志賀原子力発電所でございました。これは、保安確認のためにディーゼル発電機の試運転をしたところ、止まったといったことでございまして、原因としましては、ディーゼル発電機の出力を上げにくい状態になってあったという状態で、電気の逆流防止のための安全装置が作動したといったものでございました。島根2号機におきましては、同じように、安全装置のための逆電力の安全装置がついておりますけれども、時間内に出力が上昇可能なように、保護動作の時間に余裕を持たせた設計としているところでございます。この点につきましては、業界を挙げまして、より確実な運転操作手順になるように、見直しをするということとしてございます。
 この資料の最後には、27ページをお願いしたいと思います。こちらは、燃料プールから床面への水の飛散、地震の揺れによるものでございます。志賀原子力発電所では、プールからの水が周りの床面に跳ねましたけれども、その水の量は、12メートル深さのプールに対しまして、1ミリ程度のプール水位の低下量、そういった水の飛散があったといった状況でございまして、冷却機能に影響はないといったものでございました。島根2号機につきましても、基準地震動、そういった強い地震が発生した場合には、燃料プールからの水がぴちゃぴちゃと跳ねるといったことが想定されますけれども、冷却機能に影響はないといったことを確認しているという状況にございます。
 そのほか、たくさん項目がございますけれども、資料に記載をしているとおりでございまして、説明のほうは割愛をさせていただければと思います。
 続きまして、別添4-3という1枚物の資料がございます。こちらは、島根2号機で現在実施をしております安全対策工事の実施状況について説明するものでございます。
 全体としまして、この安全対策工事は終盤を迎えているという状況に今ございます。表、裏に64項目の安全対策工事が列記されておりますけれども、7月末の時点で、このうち56項目の工事が完了しているという状況にございます。一番右側の欄に実施済みと書いてあるものがそのものでございます。残る8項目につきましても、おおむね主要な設備の据付けはできているという状況になっております。
 引き続き安全を最優先に残りの作業を進めてまいります。そして、使用前事業者検査ということで、設計及び工事計画の認可で確認された性能のとおりにきちっと現場の設備ができているか、一つ一つ確認をしながら進めていき、また、規制委員会による使用前確認、そういったものにも対応をしてまいる所存でございます。
 別添4-3については以上でございます。
 それでは、すみません、最後になります。別添の4-4を使いまして、事前にいただいておりました質問事項への御回答をさせていただければと思っております。
 なお、これからの質問事項(1)から始まっておりますけれども、御回答の欄に、当社からの回答を記載させていただいておりますので、また、こちらのほうも御覧をいただきながら、説明をさせていただきたいと思います。
 まずは、(1)番でございます。こちらは、先ほども少し説明をしましたけれども、島根原子力発電所の外部電源の信頼性について、志賀原発と比較してどうかといったことでございますけれども、外部電源は、志賀原子力発電所と同様に、5回線、変圧器を経由して受電をしているという系統をしております。志賀原子力発電所と同じように多重化をしているというところでございますし、加えまして、1、2、3号機がございますけれども、その横に連携をして電力を融通すると、そういったような対策も取っているといったところが島根原子力発電所でございます。また、電圧の違う送電線があるのですけれども、そのうち一番電圧の低い66キロボルトといった受電系統につきましては、地震があった後の早期の復旧に期待できることから、この66キロボルトの受電系統につきましては、実施対策としまして、耐震性を高めた受電設備を新たに設置しております。さような点から地震に対して、より頑健な受電系統になっているというふうに考えてございます。
 続きましては、(2)番と(3)番につきまして、併せて御説明をさせていただきます。万が一の緊急時の際、事業者としての最大限の対応についての御回答となります。原子力防災に関します協力協定、これを結ばせていただいておりますけれども、避難退域時検査のほか、放射線関係の緊急時モニタリングや避難等に際しての支援、物資の供給、避難所の運営支援、そういったものにつきまして、誠意を持って対応させていただければというふうに考えてございます。(2)番と(3)番につきましては、以上でございます。
 続きまして、(4)番でございますけれども、今御説明しました内容につきまして、鳥取県さんと交渉できる余地はあるのかといった御質問となってございます。今、原子力防災に関する協力協定につきましては、かねて当社が鳥取県ほかと協議をさせていただいた上で、協議が調ったものを協定という形で確認させていただいたものとなっているところでございます。現時点で、鳥取県との何らか交渉等の想定といったものは想定をしておりませんけれども、安全協定に基づきまして、内容変更等のお申出がございましたら、協議を行うということとしてございます。
 続きまして、(5)番は、事故は起こり得るものとの立場に立って準備が行われているのか、事故発生時の補償体制といったことについての御回答となります。こちらは、当社としましても、事故は起こり得るものといった前提の下、発電所の安全確保に万全を期しているところでございます。万が一の際には、事業者は損害の全額を賠償するといったことが、これは法律にも定められているところでございます。また、福島の事故の大規模な損害発生を踏まえまして、また別の法律が成立をしているところでございますけれども、最大1,200億円の賠償措置額を超える部分につきましても、こちらは、原子力事業者相互扶助のそういった取組によりまして、支払いに対応できる仕組みを構築していると、そういった状況にございますが、何よりも事故を起こさないといったことで努めてまいりたいというふうに考えてございます。
 続きまして、(6)番、電気料金の見込みにつきまして、原子力の稼働、非稼働についてということでございます。電気料金につきましては、当社は、昨年度見直しをさせていただいているところでございます。この中で、島根2号機はもう再稼働しているという仮定で、再稼働のメリットを先取りする形で、電気料金の改定をさせていただいているところでございます。具体的には、これは、原子力が稼働しますと、化石燃料費の削減効果、こういったものが多うございますので、そういったものを考慮しまして、1キロワットアワー当たり1円弱の低減、そういったものを電気料金のほうに既に反映させていただいているという状況にございます。今後も低廉で安定した電気の供給をというふうに考えているところでございますけれども、電気料金の見直しにつきましては、今後の収支、財務の状況等を勘案していく必要がございまして、現時点で電気料金の方向性について申し上げられる状況にはございません。
 続きましては、当社は、志賀原発の安全性が確保されているというふうに言っていますけれども、(7)番には、志賀原発が稼働休止中であったことを考慮しての発言かと、(8)番には、もし稼働していたらシミュレーションをしてはどうかといった御質問でございますけれども、志賀原子力発電所につきましては、現在運転停止中でございますけれども、原子炉を止める、冷やす、閉じ込める、そういった機能をはじめ、安全上重要な機器の被害は確認されていないというふうに承知をしているところでございます。また、稼働していたということに関しまして、仮定の話については、なかなか回答いたしかねるところでございますが、いずれにしましても、他社に関する内容でありますので、当社からの回答は控えさせていただきたいと思います。
 続きましては、燃料プールに関する御質問の回答でございます。(9)番、燃料プールが壊れて、さらに水位が低下した場合にはどうするのかといった点についてでございます。燃料プールにまず接続する配管といったものがございますけれども、そういったものが破損をした場合にでも、サイフォンブレーク配管ということで、一定程度水位が下がりますと空気を吸い込んで、その水位の低下が止まると、そういった設備を設置して、水位の低下を防いでいるといった状況にございます。また、このプール本体自身が壊れた場合といった形になりましても、漏えい解消に対して、ステンレス鋼板を貼り付けて、漏えいを緩和する、そういった対策を整備していると、そういった状況にもございます。また、さらには、燃料プール建物の外から注水を実施するということで、プールの水位を維持すると、そういった対応を取っているという状況にございます。なお、それでも燃料プールの水位が低下をするといった場合には、プールの中の燃料の損傷に至るおそれがありますので、こういった場合には、プールに向かって放水砲を打ち放って、放射性物資の拡散抑制対策、そういったものも準備をするということとしてございます。
 続きまして、燃料プールの関係ですけれども、今、大量送水車を使って水を入れるといったふうに説明をしましたけれども、その大量送水車の寄りつきとか、地震で道路が寸断されたり、通行困難になったりするのではないかと、そういったことについての回答となります。宍道断層が仮に活動した場合に、発電所付近では、全体的に2センチ程度の沈降というふうに評価をしておりますけれども、どこか部分的に段差が発生するといったおそれはございません。また、地下にダクトがあるような場所につきましても、補強があらかじめしてありまして、そういった段差のできないような対策をしているといったところでございますし、それでも万が一段差が発生するといった場合には、段差を解消するような重機を準備しておりますので、そういったもので通行性を確保するといった対応を取っているところでございます。
 (11)番目には、燃料プールの燃料ですね、こちらの冷却は大丈夫なのかといったことでございますけれども、ポンプが停止をして、冷却が止まりましても、1、2号機ともになりますが、温度の上昇は緩やかで、水温は100度に到達しないといったことを別途確認しているという状況にございます。

◎安田委員長
 井田さん、ちょっと申し上げます。質疑の時間を確保したいもので、重要な項目に絞って御説明いただければ、あとは文言でいただいておりますので、よろしくお願いいたします。

●井田参考人
 はい、分かりました。
 それでは、次、(12)番も、今、変圧器の耐震性といった話でございますので、ちょっと話が重複する部分がございますので、私からの説明は以上とさせていただきたいと思います。回答につきましては、全て書面のほうに記載をさせていただいているところでございます。

◎安田委員長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について、委員の皆さん、委員外議員の皆さんから質疑があればお願いしたいと思いますが、先ほど説明もありましたが、本日の新聞記事にありましたプルサーマル発電と、今回の2号機の再稼働は関係なく、再稼働時にはMOX燃料を使用しないということでよろしいですね。

●三村参考人
 はい、委員長の言われたとおり、今回の再稼働では通常のウラン燃料を採用して起動したいと考えてございます。

◎安田委員長
 それでは、本日の議題に限っての質疑としていただくように皆様にはお願いを申し上げます。
 なお、質問が説明内容の範囲を超えている場合、答弁は不要ですので、その範囲を超えていると判断されましたら、参考人はその旨をお答えくださいますようお願いいたします。
 それでは、質問がある方。

○東田委員
 回答書の3に記載されております安全文化の取組についてお伺いいたしたいと思っております。
 その中で、安全文化の強化をするために、社長直属の組織を設置するという具合に記載がございますけれども、その狙いと効果を教えていただきたいと思います。また、多くの協力社員がいらっしゃると思うのですけれども、そういう方々への安全文化の浸透をいかに行うか、以上2点について教えていただきたいと思います。

●井田参考人
 安全文化に関しましてお答えをいたします。この安全文化の醸成活動を長きにわたってやってきているところでございますけれども、さらに効果的に、よりよくするためにということで、数年前から安全文化につきましては、自ら監視、評価の活動といったことを始めたところでございます。このたび、保安規定のほうに、よりそういった安全文化の活動が効果的なものになるということを目的といたしまして、保安規定のほうにも、この組織を明記するとともに、これまでは、原子力を運営しておりました電源事業本部という組織の内部の者が安全文化の監視、評価の活動をしておりましたけれども、より客観的に独立性を高めた形で監視、評価ができるよう、電源事業本部の外から出しまして、社長直下の、直属のスタッフとして原子力部門の安全文化の監視、評価をするという形を取ることにいたしました。そして、そういった状況につきましては、社長のほうにも随時報告が上がって、必要なまた改善がすぐにできるような形を取っているといったところでございます。この新しい体制は、この7月から始まったところでございますけれども、またしっかりと結果のほうをこれから出していかなければいけないなというふうに考えているというところでございます。
 2点目は、協力会社への安全文化の浸透といったことでございます。島根原子力発電所は、中国電力の人間だけでは運営は決してできなくて、協力会社の皆様の協力の下に運営をしているというふうに認識してございます。これも安全文化につきましても、我々、中国電力だけではなくて、協力会社の皆さんにも活動をお願い、仕事を、いろんな工事とか委託とかをお願いするのに併せて、安全文化の育成活動みたいなものをお願いしております。中国電力の安全文化の担当者から協力会社のほうにも出向いて、安全文化の取組についての意見交換をしたりとか、あるいは、アドバイスをしたり、こういったところをもう少し伸ばしたほうがいいのではないですか、そういった取組をしているところでございます。我々は、毎年アンケートということで、自らの胸に手を当てて安全文化の振り返りを毎年やっておりますけれども、協力会社の皆様にも同じ内容のアンケートを取って、強いところ、弱いところ、そういったものを認識し、アドバイスをしながら、お互いに高め合っているというような状況にございます。こちらも引き続き少しずつやり方も工夫をしながら、高めていきたいというふうに考えてございます。

○福浜議員
 細かい説明ありがとうございました。特に志賀原発との比較について、現在分かっている教訓のところを踏まえて、比較された別添の4-2は非常に不安が随分解消できたなというふうには思っているのですけれども、その辺り、11ページの、ちょっと確認させてください。仮に宍道断層は、横ずれ断層のため、志賀というか、能登半島とは違って、そんなに沈降、隆起は少ないというふうに書いてあります。その上で、あえて4メートルの地盤隆起発生を仮定してということで机上検討された結果、問題なかったというふうに書いてあるのですけれども、すみません、これは、素人的に見ると、上から2つ目の丸ポツで、水位低下は最大マイナス6.5メートル、これは引き波を入れての数字だと思いますが、この6.5メートルに4メートル足すと10.5メートルになるので、取水可能8.32よりも高くなるのではないというか、それをオーバーするのではないかというふうに見られるのですけれども、すみません、解釈が違っていればごめんなさい。今後、実施訓練をされるという場合に、どの程度の引き波を想定してされるのかというところの確認をさせてください。

●井田参考人
 お答えをいたします。
 別添の4-2の資料の11ページの真ん中の欄、上から2つ目のポツについての説明をさせていただきます。海水の取水の訓練、そういったものは、常設の固定したポンプではなくて、可搬型でぽとんと落とすことができる、いわゆる水中ポンプというイメージですけれども、そういったもので代替の場所から4メートルの隆起があっても海水の取水ができるようにと、そういった想定の訓練でございます。

○福浜議員
 分かりました。つまりマイナス8.32というのは常設のもので取水ができるものであって、可搬ではないという認識でよろしいでしょうか。

●井田参考人
 はい。こちらの説明は、34センチの地盤の隆起と、引き波が重なったときに、マイナス6.5メートルになりますけれども、そうした場合にも、常設のポンプがあって、それはマイナス8.3メートルまで、ちょうど上の10ページに、その対策工事のイメージがあるのですけれども、より深いところから海水をくみ上げることができるような対策を別途取っているといった状況にございます。

○福浜議員
 ありがとうございました。

○市谷議員
 ちょっと原子炉の安全対策についてお尋ねします。
 この島根原発2号機が再稼働ということになりますと、福島原発第一原発と同じ沸騰水型ということで、初めて、この福島原発事故以降の沸騰水型の原子炉の稼働ということになるのですが、この沸騰水型のものについては、重力に逆らって制御棒を刺すということで、福島でも能登でも、原発でも、非常にこれまで制御棒が脱落するというようなことがあったのですけれども、そういうことの防止策というのがちゃんと取られているのかどうか、それから、島根原発2号機は35年たっていて、更新の40年にもう近づいていて、しかも、12年以上、動いていないのですけれども、その原子炉の劣化対策ですね、それはどうなっているのかというのをお尋ねします。

◎安田委員長
 では、そこまでお願いします。

●三村参考人
 まず最初の制御棒の挿入等でございます。おっしゃられているのは、既に再稼働を果たしている加圧水型が制御棒が上から挿入されるのに対して、当社を含めた沸騰水型、BWRについては、制御棒が下から挿入される、そういった機構の違いを指しておっしゃられているというふうに認識をしてございます。制御棒の挿入性につきましては、上から、下から、それぞれ制御機構は、もともとの設計思想で違いますけれども、その性能については、特段技術的に差があるというものではございませんし、また、制御棒の挿入性の関係で、特に今回の新規制基準においても、新規制基準の基準地震動、この大きな揺れによってもきちっと定められた秒数で制御棒が挿入されるということを確認、評価して、国の審査を受けてございます。特段沸騰水型だから、特に何か技術的に差異があるというふうには考えてございませんし、また、今回の規制基準の対応でもしっかりその制御棒の挿入性については確認をしているというところでございます。
 また、2点目の高経年化に関する御質問でございます。おっしゃったとおり、平成元年、1989年の営業運転開始の島根2号は30年を経過してございます。法律が昨年変わったのですけれども、昔の法律におきましても、高経年化、PLMということで、30年を超えたときに、それ以降、運転して大丈夫ですかというものをしっかり評価して、国の認可を受けてくださいという評価手法がございまして、先日、その昔からある法律に基づいて、島根2号につきましては、30年超えの運転をして、最終的には評価はいろんな評価項目は60年を想定するような運転で、いろんな中性子が飛んできたり、そういった仕様を想定しても、運転上問題ないと。それから、先ほどお話にもありましたように、何か部品が劣化をして、それが発電所の運用管理に問題があるか、そういった観点でもしっかり国の基準がございますので、それに基づいた評価をして、先日、その旧法に基づく高経年化に対する認可は受けてございます。ちょうど法律が変わりまして、来年の6月ぐらいまでに、また新しい法律に基づいて、30年超えの評価をし直すという必要がございまして、今はその対応についてはしてございます。その中でも、基本的には旧法に基づく対応で終わっていると思ってございますけれども、新しい法律に基づく国の規制委員会、規制庁のしっかりした確認を受けて、認可をいただきたいというふうに考えてございます。これは、あくまで30年を超えて運転するということで、また新しい法律では、次に40年を超えるときにまた次の運転期間、本当に次の10年、大丈夫かというような評価は別途必要になりますので、現時点でまだその段階にはなっていないという状況でございます。

◎安田委員長
 では、市谷議員、あと1問。

○市谷議員
 すみません、その原子炉が基準地震動3、820ガルで守られるというお話がさっきありましたけれども、志賀原発は600から1,000ガルに引き上げて、熊本地震が1,580、東日本大震災は2,933ガルと、1,000ガル超えの基準地震動の地震の発動がたくさん増えているのですね。そういう中で、こういう1,000ガルを超えたところと、島根原発2号機の820ガルって、何か比較して、本当にこの基準地震動を上げなくていいかどうか、検討されたのかどうか。それから、宍道断層と日本海沖F55断層の間にS28という断層があるのですけれども、図で見ましたけれども、これが動かないということは、どうやって確認されたのでしょうか。

●三村参考人
 最近、1,000ガルを超えるような地震が起きているということにつきましては、今回御質問にも事前でいただいてございましたように、今回、ナンバーでは(19)番のところに、大きな地震が観測されているけれども、それに対してどうかという内容がございます。文書でも回答してございますけれども、基本的に、島根の今設置をしてある岩盤は非常に硬質岩盤、硬い岩盤でございまして、それぞれいろんな大きい地震動を観測されている地盤、箇所につきましては、かなり軟らかい地盤、軟質の地盤での観測結果が多いというふうに認識をしてございます。基本的には、今回、島根はしっかりした硬質岩盤に設置をしてございますので、現在の基準地震動820ガル、ちょっと誤解を受けるとあれなのですけれども、この820ガルが一番最大、大きく揺れる揺れの想定として設定をしているわけではなくて、原子炉建物の一番下に相当するところでの地震の揺れ、一つの定義として基準地震動がございます。実際には建物2階、3階、4階といろんな原子炉建物、上の階もございますけれども、当然、下が820で揺れれば、それ以上の2階、3階は大きな揺れになります。それは全てコンピューターで計算をして、その建物の揺れ、床に相当する揺れの大きさに沿って、機械がきちっと据え付けられているか、壊れないか、そんな評価も実施をしてございますので、現時点では他地点の話のほう、1,000ガルを超えるというようなことと一律に比較をされるものではなく、しっかり設定をした基準地震動になっているというふうに考えてございます。
 連動等につきましては、前段で規制委員会、規制庁からの審査の中でもいろいろ説明があったかと思いますけれども、当社としては、必要な音波探査等、必要な地質地盤の探査、評価はした上で、今回の許可を受けているものというふうに認識をしてございます。

○尾崎議員
 回答や御説明ありがとうございました。
 大体納得いったところが多かったかなと思いますけれども、一つ、私が気になるのが、避難のところですね、最大限のことをしたいというふうにおっしゃってくださって、大変ありがたいなと思っておりますが、緊急時モニタリングとか、放射線防護対策施設の物資供給、これはおできになるのだろうと思いますが、避難行動要支援者等の避難等の支援、それから、避難所運営支援、これらに当たりましては、中国電力さんだけではできるものではなくて、ここにもありますように、関係自治体の訓練にも参加させていただくということが書いてありますが、これは自治体とのコミュニケーションが非常に必要だと思います。これまでにも訓練に参加されているのか、これからのことなのか。もし関係自治体等の訓練に参加されるということであれば、どのレベルの自治体の訓練に参加されるのかということをお聞かせください。

●井田参考人
 お答えいたします。
 避難行動要支援者さんのそういった避難に対する御支援ということでございますけれども、私たちも、ストレッチャー、あるいは車椅子、そういったもののまま車に乗っていただけるような車両ですね、そういったものもあらかじめ、50台規模となりますけれども、準備をさせていただいているところでございますし、また、そういったものを使って、島根県さん、鳥取県さんとの訓練にも参加をさせていただいているというような状況にございます。

◎安田委員長
 では、尾崎議員、あと1問。

○尾崎議員
 ありがとうございました。
 県レベルも必要と思いますが、米子市さんとか境港市でやはり住民レベルでの訓練というのは非常に大事かなと思います。その辺り、参加される予定はありますでしょうか。

●井田参考人
 そこのところにつきましても、今後、自治体様とも御相談の上、対応を進めていきたいというふうに考えてございますので、よろしくお願いいたします。

○尾崎議員
 よろしくお願いします。

○村上議員
 すみません、添付4-4の(5)、(6)の質問が私なのですけれども、鳥取県の常任委員会の資料において、知事の質問が安全性の認識はどうかと、これからの安全対策という2つの問いがあって、中国電力の社長から知事へ宛てての質問が、その片方にしか答えていない。安全性の認識はどうかということに答えていないように見えるということ、正式な回答ですらそうだということについては、非常に県民としては不安を覚える、こうなった経緯について、御認識があれば、まずお伺いしたいということが1点と……。

◎安田委員長
 1点ずつお願いします。

○村上議員
 では、1点、まず。

◎安田委員長
 お答えできますか。代表者が言っていることですからね。それは企業ですから、代表取締役がおっしゃっていることを、その部下の方々が答えるというのはできないのではないかと思いますけれども。

○村上議員
 鳥取県への中国電力の回答について、説明ができないということですか。

◎安田委員長
 いや、そうではない。

○村上議員
 そうですよ。だから、そういう一つ漏らした回答をしているということ、2つの問いに対して一つしか答えていないということについて、どうして説明ができないのですか。

◎安田委員長
 お答えできますか、三村さん。

●三村参考人
 当社としましては、御質問された内容にお答えをしているというつもりでの回答です。我々としては、安全性向上に終わりはないということで、技術的にいろいろ今回も新規制の対応をしましたけれども、それは、規制の対応だけではなくて、今日、途中で御説明させていただきました6万6,000の電源の設備とか、当社としてできることは自主的な対策であろうが、全て可能な範囲でやっていくという、これが当社の安全性に関する回答でございまして、その程度、どこまでだったら大丈夫かということでの回答というのはないと思っています。我々としては、常に高みを目指して一生懸命やるということしかないので、ちょっと直接的に安全の程度に対する答えができていないのかもしれませんけれども、基本的には我々の安全に対する姿勢はそういうことだと、まずは、そこは理解をいただければというふうに考えてございます。

○村上議員
 ありがとうございます。
 程度については、わざと答えていないというふうに私には聞こえましたけれども、そういうことなのかもしれませんが、ちょっと1点ずつ、次の質問をいかせていただきたいと思いますけれども、事故は起こり得るという前提でしていただいていると。我々としても、中国電力が原子力発電をするに当たって、事故リスクは周辺地域として、30キロ圏内なので、許容をせざるを得ない状況だという中で、私個人の感想も含めてしまいますけれども、立地自治体に比べて、鳥取県への配慮というものが、この回答の件も含めて、不信感というか、不十分ではないかなというふうに私自身は感想として思っております。ある種、電気料金についても、特段リスクは負えども差はない、鳥取県にメリットはないけれども、その事故リスクは当然あるわけで、事故リスクは負っているという中で、かなり不信感、島根と大分違うという、リスクはある程度負っている。そういう島根との中国電力さんからの支援を含めて、差があるなという認識ではおりますけれども、中国電力さんの鳥取県への支援の程度に対して、どういう認識か、教えていただければと思います。

●三村参考人
 当社としましては、特に対外的な対応をさせていただいております島根原子力本部として、この2県6市の全ての自治体様と必要な対応は全て同じ対応をさせていただいているというふうに考えてございまして、当然、本日のような御説明に来させていただいているのもその一つでございましょうし、それから、いろいろな地域への説明会とかにつきましても、特に地元だからというような、そういった考えはございませんで、各地、境港等でもいろいろ公民館単位で説明会をさせていただいたり、自治体と呼んでいただいたりと、そういった活動的には、我々は特段、地域によって差異があるというふうには考えていないというのがまず1点でございます。もちろん財政的ないろいろなところは、先ほど内閣府とか、経済産業省とか、ちょっと我々、事業者として、ちょっと手がつけられることではないところは、致し方がないというか、我々でどうしようもできないところがございますけれども、我々、島根原子力本部、発電所の運用管理を皆様方に御理解いただくという活動につきましては、全て皆様方同じということで対応してございますので、そこは御理解いただければというふうに思います。

◎安田委員長
 村上議員、そこまで。

○山川議員
 鳥取県議会に対して、事前質問に対して、文書で回答をいただいたことは感謝します。ただ、宍道断層と鳥取沖断層の連動について、中電は、音波探査をされ、中電が調べたことに基づいて、原子力規制委員会が有効とされています。しかし、先ほど原子力規制委員会に絶対連動しないということはないですかということで聞きましたら、絶対ということはないという言質は取りました。そして、9月9日の安対協において、香川先生が宍道断層と鳥取沖断層のそれぞれの断層の同時期活動しているかを調べなければならない、ある意味、追加調査の必要性を指摘されたとも取れます。新たな知見を踏まえて、改めるところは改めないといけない、修正するところは修正されないといけないというふうな形を指摘されていましたが、これを踏まえた上で、中電としては、追加調査はされるのでしょうか、されないのでしょうか、お答えください。

●三村参考人
 前回の安全対策合同会議、それに先立ちます鳥取県の安全顧問の先生方での会議等におきましても、御意見はいろいろ出されたようでございますけれども、その場でも、今すぐに喫緊に見直す必要はないというふうな、そういった判断がなされているものと我々は判断をしてございます。また、今回の新規制基準に当たりまして、今回、当然、鳥取沖との連動というのは、我々も非常に注意深く調査する必要があるということで、音波探査もそうですけれども、重力異常の範囲ですとか、そういった様々な手法を用いて調査をしてございます。鳥取県の安全顧問からもございましたように、十二、三万年前以降の連動の痕跡がないということは確認されているというふうに先生も確認をされたという認識をしてございまして、我々もそこをきちっと説明できるだけの探査の結果を国に示すことができたので、国から許可が得られたというふうに判断をしてございます。ということで、現時点で、我々は追加で、また、鳥取沖との連動に関する追加調査をするという考えはございませんけれども、今日も全体の場で申しましたように、やはり地質地盤とか自然現象に関することについては、まだまだ分かっていないことは多数あると思います。今回は、国の機関ですとか、産総研とか、いろんな機関がございますけれども、そういったところがいろいろな今回の能登半島地震の分析等もなされていくと思いますので、それらを我々も注意深く注視しながら、必要なことは対応していきたいというふうに考えてございます。

○市谷議員
 冒頭、プルサーマルの話がありましたし、委員長のほうからも、MOX燃料を使わないということで、私もそうだと思いますが、ちょっとその関係での確認しておきたいのです。結局MOX燃料を使えないのも、六ヶ所村の再処理工場、これが以前、1号機の廃炉の計画のときに中国電力さんが2020年度の上半期に、これはかなりの高い確度で動くというお話だったと思うのですけれども、それが2年間延長になりました。そのことについて、きちんと説明いただきたいですし、要するに使用済核燃料を持っていって処理できないわけですから、2号機を再稼働したら、使用済燃料がプールにどんどんたまっていくということになるので、これは再稼働しないほうがいいのではないかなというふうに思いますし、それから、プルサーマル計画については、島根県のほうでは審査していますけれども、鳥取県は、安全協定上の位置づけが本当に遅くなりましたし、UPZという位置づけも遅くなりましたので、プルサーマル計画については、鳥取県では審査していないのですよ。ぜひとも審査をさせていただきたいと思いますけれども、お答えお願いします。

◎安田委員長
 答えられますか。

●三村参考人
 本日の会議では、御意見としてお伺いするということにさせていただきたいと思います。

◎安田委員長
 ほかに。
 それでは、予定されたお時間も過ぎましたことですので、中国電力様の意見聴取を終わりにしたいと思います。
 三村島根原子力本部長はじめ、中国電力の皆様、本日はお忙しい中に御対応いただきまして、本当にありがとうございました。
 では、以上をもちまして地域県土警察常任委員会を閉会いたします。

午後3時59分 閉会


 

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