1. 防災倉庫の整備について(防災局)
  2. 医薬品の備蓄体制について(防災局、福祉保健部、病院局)
  3. 環境学術研究振興事業について(総務部)
  4. 産業界のニーズに応じた人材育成等について(商工労働部)
  5. 農業従事者の高齢化対策について(農林水産部)
  6. 土木施設の維持管理への住民参画について(県土整備部)
  7. 鳥取港の利用促進について(県土整備部)
  8. 県立高校屋上緑化事業の検証について(教育委員会)
  9. 企業局の将来に向けての経営について(企業局)
 
 決算審査特別委員会として、付託を受けた議案を認定するに当たり、検討又は改善を要する事項のうち、口頭指摘の申し渡しを行います。

 第1点目は、防災倉庫の整備についてであります。
鳥取県地域防災計画に基づき、主たる防災倉庫を東・中・西部の各圏域ごとに整備することが予定されており、平成17年度までに東部、西部圏域の倉庫整備が終了したところであります。
しかし、中部圏域については、未利用県有施設を中心に、候補施設を選定中でありますが、耐震性等の理由から具体化に至っていない状況であります。
 中部圏域の実態を踏まえ、選定対象を県有施設以外にも拡大するなど、早期整備に向けた方策を検討すべきであります。

 第2点目は、医薬品の備蓄体制についてであります。
災害応急対策として、総合事務所福祉保健局には医薬品が備蓄されているところであります。
 しかし、有効期限の経過した医薬品の取り扱いも考慮すると、少なくとも県立病院と近距離にある福祉保健局については、経済性、効率性の観点から県立病院でランニング備蓄、すなわち有効期限が近づいたものを一般診療用として払い出し、その払い出したものを補充する備蓄方式に切り替えるなど、備蓄体制の役割分担を再検討すべきであります。


 第3点目は、環境学術研究振興事業についてであります。
 平成14年度決算審査特別委員会の指摘を踏まえ、研究助成の選考段階から産業界との連携を図るなど、研究成果の実用化、施策化に向けた改善が図られており、特許出願に繋がる事例も出始めていますが、全体的には、まだ成果が十分とはいえない状況であります。
 高等教育機関別の過去の採択比率にとらわれず、施策化・実用化につながりうる研究を重点的に採択していくなど、事業のあり方を抜本的に検討すべきであります。

 第4点目は、産業界のニーズに応じた人材育成等についてであります。
企業進出、また、企業の成長において人材は重要な要素の一つであるとされています。高度、専門的な知識・技術を持った有能な人材の県外流出及び県内での人材育成の遅れは、県経済において大きな損失であります。
 本県においては人材育成事業、就職支援事業を行っているところでありますが、分野によっては雇用のミスマッチが問題視されているところもあり、県内企業の発展や、企業誘致を進めるに当たっての障害となっています。
 現在不足している人材、及びこれから必要となると予測される人材の把握に努め、行政のみならず高校、大学等の教育機関と連携して人材の育成及び人材流出の歯止め対策を講じるべきであります。

 第5点目は、農業従事者の高齢化対策についてであります。
現在、本県では4人に1人が高齢者でありますが、10年後には3.5人に1人が高齢者となること、さらに農業従事者の70%が高齢者となることが予測されています。
 県は国の方針に従い、担い手への支援、産地の維持拡大や地産地消への支援、また農地の集積・保全活動への支援等の事業を行うことにより、農家や後継者の育成、農業の組織化や効率的な生産を目指しているところですが、高齢化による農業生産の低下を防止し、将来の農業生産の維持を図るため、県の現在及び将来の農業状況を踏まえて県独自の農業施策を行なうべきであります。

 6点目は、土木施設の維持管理への住民参画についてであります。
 河川、道路などの土木施設における除草、植栽剪定、除雪などの維持管理については、ボランティア団体などの主体的な参画を積極的に促進する必要があります。
 そのため、ボランティア団体に対する奨励金による支援や保険料等の県負担、歩道除雪への支援の拡充などにより住民参画が促進されている面は一定の評価ができます。  しかし、ボランティア団体については新規登録があるものの、高齢化等により登録取り消しや休眠状態の団体も増加しており、活動団体数は近年横ばいの状態であります。
 地元の河川、道路などに一番身近なボランティア団体が維持管理に主体的に関わることができるよう草刈機の貸し出しなど、住民ニーズにあった制度の充実を検討し、既存団体の活性化を図るとともに、新規登録団体の掘り起こしに向けて制度を一層周知すべきであります。

 第7点目は、鳥取港の利用促進についてであります。
鳥取港の取扱貨物は中国等からの砂利・石材などの建設資材が中心であり、近年の公共事業の縮小の影響を受け、平成17年は41.2万トンと、平成12年ピーク時の173.5万トンの約4分の1に減少しています。
 鳥取港の利用促進のため、鳥取港振興会が中心となって、ポートセールスなどに努められていますが、後背地に鳥取港を利用する企業が少ないため、効果が見受けられない状況であります。
 しかし、平成21年度には中国横断自動車道姫路鳥取線も鳥取インターチェンジまで供用予定であり、通行料金が無料ということもあって物流の流れが活発化してくることも予想されます。
 この機会を捉えて、この高速道路を積極的にPRし、岡山県北部、京阪神からの積み荷の確保を図るとともに、地元鳥取市とも連携をし、鳥取港を利用する大型貨物を取り扱う企業の誘致を積極的に促進するため、立地企業への支援制度の充実を早急に検討すべきであります。

 第8点目は、県立高校屋上緑化事業の検証についてであります。
県立高校屋上緑化事業については、県立高校への冷房設備の導入と合わせ、省エネ対策の一環として、平成16年度は米子西高等学校に、平成17年度には、鳥取中央育英高等学校に、さらに最終年度の平成18年度は鳥取養護学校において実施され、合計で約1,217万円をかけて整備されたところであります。
 屋上緑化事業の目的である、夏季における校舎内の室温上昇抑制、冬季における保温効果については、いずれも1℃の効果があったと報告されていますが、費用対効果の観点から、平成18年度事業を実施する前に十分な検証を行うべきであったと考えます。
 また、屋上緑化事業を実施したモデル校においては、緑化の効果について十分に検証し、その結果を広く情報提供するとともに、今後、積極的に環境教育の取組みを行うべきであります。

 最後は、企業局の将来に向けての経営についてであります。
企業局では将来のあるべき姿を検討された結果、引き続き電気事業等既存の事業を実施していく方向を打ち出されました。
 しかし、埋立事業や鳥取地区工業用水事業等の厳しい現実を踏まえ、独立採算が原則の地方公営企業として、赤字を出さないで将来成り立っていけるように、計画に具体性を持たせて、毎年度、成果を厳しく検証していくべきであります。

 以上で口頭指摘の申し渡しを終わります。
  

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