田尻先生の体験談:

私は初期研修医1年目を鳥取大学病院で内科を中心にローテートし、2年目の研修に鳥取県立中央病院での研修を選択しました。その中で神経内科を2ヶ月間研修しました。後期研修医の立場ではありませんが、当時の初期研修で感じたこと等を中心に述べさせていただきます。
当時、どういった内科学の分野を自分の専門にするか悩み悶々としていた日々でしたが、私は同院神経内科の研修をする中で同分野を自分の生業にする決心をしました。恥ずかしながら研修前は学生時代を含めろくに勉強しておらず、ありがちな『神経内科は難解な分野』とだけ捉え、敬遠していました。それが研修の中で患者さんの診察を行い、病巣を考え、診断のための検査を行い診断に至り、治療を行い、ケアをするという一連の指導を受ける中で神経内科臨床の面白さを感じはじめた変化がありました。
さらに神経内科は、患者さんと(1)実際に話し(症状だけではなく、その人の生活、人となりも含めて家族とも話します。)、(2)実際に触り(神経診察は患者さんに直接触れることが一番多い内科分野ではないでしょうか、『触る』ことは所見をとる意義だけでなく様々な意味で大事なことと思います。)、(3)長く関わる(プライマリからターミナルまで一貫して患者さんの人生に関わることも多いです。神経難病はまだ数多くあるなかで、我々の出来ることは単純にガイドラインにのっていることだけではないのでは。)ことの多い内科分野であると気付き教えていただきました。神経内科は古の医学の発展において欠かすことのなかったこの一連のプロセスを今も色濃く残しており、そうした医師としての根本的臨床力を培う最たる分野である、という魅力を感じ専門とする決断をしました。
患者さんの声を聴く、患者さんから学ばせてもらう、と当時の指導医からは言葉をいただき、その後の医師としての経験を積む中での羅針盤として現在も医業に取り組んでいます。この言葉の実践、研修する場として鳥取県立中央病院神経内科は十分な環境が整っていると思います。今後、県中病院の研修を選択してくれる先生方が仲間として共に学べることを楽しみにしています。

 初期研修1年目 鳥取大学医学部附属病院 
 初期研修2年目 鳥取県立中央病院 
 後期研修1年目 鳥取大学神経内科 
 後期研修2年目 鳥取大学救急災害科 10月~山陰労災病院神経内科 
 後期研修3年目 山陰労災病院神経内科 
 後期研修4年目 鳥取大学神経内科 大学院生
 2015年、日本神経学会専門医合格
 現在に至る(現在医師7年間をすごし8年目です) 

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