知事定例記者会見(2012年8月3日)

平成24年8月3日(木)午前10時~
県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約76分) ※MPEG4形式

  

1 川中香緒里選手への「県民栄誉賞」授与 

●知事

 皆さまおはようございます。連日猛暑でありまして、熱中症の患者の数も、搬送者、去年を超えるというような事態であります。今日も大変に暑い日が続きます。くれぐれも健康管理にご注意をいただきたいと思いますし、農業等への被害が心配をされますので、今後、我々としても万全の態勢と言いますか、臨機応変な対応をやっていきたいというふうに思います。その猛暑が日本で続く中、イギリスでは熱戦が続いております。大変に嬉しいニュースが飛び込みました。川中香織里選手はじめ、アーチェリーの日本女子団体で見事に銅メダルを獲得したということであります。[鳥取県出身]メダリストとなりますと20年ぶりの快挙でございまして、鳥取県民皆で喜びを分かち合いたいというふうに思います。当然ながら、これから帰国をされて再びふるさとの鳥取県琴浦町を訪ねる、そういう機会があろうかと思います。ご本人とはまだ何の相談もしているわけではございませんけれども、我々として川中選手の頑張りに応えたいなと思います。

 非常に厳しい練習を積み重ねて何百本も毎日矢を放って、体を鍛え直し、あの栄冠を手にされたわけであります。残念ながら個人戦では[ベランジェール・]シュー[選手]に惜敗するということになりましたけれども、まだまだ20歳で若い選手でございますので、今後の活躍も十分に期待されるのではないかなと思います。教育委員会といろいろ話をしておりますが、この度のメダリスト、銅メダル獲得に対しまして、県民栄誉賞を贈らせていただきたいと思います。今、事務的な手続きを進めておりますけれども、教育委員会側にも確認をさせていただき、私の考え方を申し上げましたが、特段異論もないようでございますし、問題ないと思います。ぜひ帰郷の際には、こうした県民栄誉賞の授与など、そうしたお祝いをさせていただきたいなというふうに思います。

 お祝いと言えば書道ガールズ、鳥取東高の生徒が四国[中央市]で開かれました[第5回]書道パフォーマンス甲子園[記念大会(全国高等学校書道パフォーマンス選手権大会)]で初優勝を遂げられました。私も鳥取東高のチームと何度もお会いをいたしておりますし、海外との交流行事も含めまして、そういう書道パフォーマンス、拝見をさせていただいておりますが、若者らしい独創性と言いますか、活き活きとした躍動感、それを皆で呼吸を合わせて楽しみながらやっている。しかも、字がまた美しいんですね、今回は「飛翔」という字を書かれたわけでありますが、少し薄い墨を使われまして、空間の中に飛び出していくような、そんな装いを工夫をされたんだというふうに思います。そうしたいろんな活躍がありまして、ついこの間は、今、インターハイが開かれ始めましたけれども、重量挙げでの第2位というような快挙もございましたし、暑い夏ではありますけども、そうした朗報をこれからも期待を申し上げたいと思います。



2 「国際まんが博」明日開幕 

●知事

 その喜びが続く中で、鳥取県ではまんが王国とっとりの黎明のときを迎えようとしております。明日[8月4日]、まさに国際まんが博が開幕することになります。すでに先行して[国府町万葉歴史館の]安彦良和[原画]展や[日南町美術館の私の]八月十五日展など数々のイベントが始まってきておりますけども、とっとりまんがドリームワールドの開幕が東部、[鳥取市]布勢の[県民]体育館から始まることになります。このドリームワールドでありますが、駐車場につきましては[鳥取市立]世紀小学校、それから[鳥取県立]緑風高校、これを提供することになっております。これらの駐車場、また鳥取駅からも無料のシャトルバスが通うことになりますので、ぜひ県内外のかたがた、国内外のかたがたにご利用いただければというふうに思います。ただ、この行事だけではございません。同時にいくつもの国際まんが博イベントが始まります。例えば、鳥取空港の国際会館では国際まんが[作品]展が開幕をします。それから鳥取砂丘におきましても、サンドパルのところで鳥取県内の漫画家の先生がた、モチーフにしました砂像が展示が始まるということになります。また、中部のかつての運転免許試験場があったところでございますが、そちらを利用しまして巨大迷路が登場します。「[巨大迷路で」少年探偵団を探せ]と、そういうイベントでございまして、コナン通りの散策と併せてお楽しみいただけるのではないかと思います。
 
 また、西部の方では「[ゲゲゲの鬼太郎]妖怪の森」がスタートをすることになります。私もプレビューを先般させていただきましたけれども、それの感じで言いますと、本当におどろおどろしい世界が鬼太郎ファミリーの手によって出来上がったなというように思います。近くにあります妖怪倉庫、あるいは水木しげる記念館、また水木しげるロードと併せてお楽しみをいただければと思います。また、この国際まんが博自体は、こういうような県内の周遊を楽しんでいただきながら、いろんなところでまんが王国ぶりを感じていただくというイベントでございます。水木ロード、また、コナン通りの一帯、わらべ館、[鳥取]砂丘だとかそうしたところも含めて全県が会場になるという趣向でございます。それを記念する意味で、今日は新しい谷口ジロー列車が走り始めるということになりまして、もう間もなく京都の方で出発式がございますし、夕方には鳥取駅に到着をすることになります。これは谷口ジローバージョンというように銘打ちまして、そこに美しい、谷口ジロー先生独特の鳥取の風景、あるいはドラマチックな漫画のシーンを載せまして、例えば海水浴の様子だとか、学生服を着て昔の時分に戻っていく、そんな漫画の一説を倉吉の白壁土蔵群のところで感じさせる。つまり、京都から関西経て、そして鳥取や倉吉を目指す、そういう旅を演出する、そういう仕立て方の絵になっております。これを多くの皆さまに今年度いっぱい楽しんでいただけるようにいたしたいと考えております。

 また、昨日[8月2日]はJR[西日本]の横山[佳史]米子支社長と話をさせていただきまして、その他の取り組みについても話合いをいたしました。鬼太郎列車がございます。[JR]境線でありますけども、もう2両増やすとすべて妖怪列車ということになるということでございまして、これ、地元からも強い要望がございました。そういう境港市や観光協会のご意見も踏まえて、そういう妖怪列車化を図ろうと、あと2両追加しようということにさせていただきまして、その内容について昨日話し合いました。コンセプトとしては、妖怪の鬼太郎ファミリーが賑やかに列車を盛り上げるという趣向でのものでありますが、1両は砂かけ婆、もう1両は子泣き爺を先頭に配しまして、今までの猫娘や鬼太郎、ねずみ男、そうしたものだけでなくて新しいキャラクターを配してやろうと、こんなようなことでございます。そういう意味で、境線も強化をされますし、コナン列車も含めて鉄道の旅もお楽しみいただけるんではないかなと考えております。

 とっとりまんがドリームワールドの開幕を告げる、その1つの行事として、もちろん島根県の溝口[善兵衛]知事もお越しになったり、多彩なかたがたが開会式に訪れていただきますけども、トリンドル玲奈さんにもお越しをいただくようにいたしました。鳥取のまんが王国としては王女にご就任をされたわけでございまして、その当日の朝、開会式の前にお国入りのイベントをやろうということであります。[トットリンドル]王女が階段を下りてくる中で、会場に集まった国民と言いますか、聴衆の皆さん、観衆の皆さんと一緒に、皆で写真を撮ると、それを漫画風に撮ると、こんなような趣向でお国入りイベントをやろうということにいたしております。それを終了したあと、開会式ということになりますが、とっとりまんがドリームワールド、今日[8月3日]は内覧会を報道機関向けに予定をさせていただいております。何せ、入場料無料でございますので、多くのかたに、気軽に、夏休みということもありますし、訪ねていただければと思います。

 地元の作家の3先生、巨匠だけでなくて、スティッチも10周年という記念で、随分張り切ったイベントになっています。また、5,000冊の漫画を手にとって読めるようにすると、県内の書店のかたにも協力していただいて実現した企画でありますが、普段ですとビニールカバーを被っているというのが今の常でありますが、皆で手にとって読んでいただけるというものであります。また、京都精華大学のチームと協力をしながら、竹宮恵子先生など、少女マンガの世界のコーナーもございます。忘れてはならないのは、被災地の復興を我々は応援したいという気持ちを、今回のイベントの中でも出させていただいております。多くのかたがたに協力していただき、チャリティを募るということをいたしますが、[宮城県]石巻[市]にございます石ノ森萬画館が被災をしました。津波に襲われまして、現在も開館できていないという状況でございます。

 漫画家の先生がた、里中満智子先生、ちばてつや先生はじめ、皆さんから、何とかこの一連の国際まんが博や[国際マンガ]サミットの中で応援をしようという、そういうご意見が出され、私も大賛成でございまして、ぜひやろうということになりました。実は、鳥取県は石巻市に被災者の避難所の立ち上げ、あるいはヘリコプターの派遣、保健師の派遣、いろんなことをやりましたし、災害ボランティアの皆さんには、その石ノ森萬画館の片付けにも行っていただいております。そういうご縁の深い石ノ森萬画館を応援するプロジェクトも、このドリームワールドの中で展開をしようとしております。これは、石ノ森萬画館の方も全面協力するということで、お互いに絆を結び合いながら、被災地の復興にこの国際まんが博がお役立ちできるような、そういうイベントにしていきたいというふうに考えております。

 また、周遊型でありますので、普通のイベントとは違いまして、いくつかの周遊のための取り組みをやろうとしております。例えば、ゴールドビザというものをご購入いただくと、これ1,500円で大人はチケットが買えるわけでありますが、これで都合4,000円分のチケットになると。例えば、水木しげる記念館だとか、青山剛昌ふるさと館だとか、わらべ館だとか、あるいは[とっとり]花回廊だとか、そうしたところの共通券になりまして、5日間の間ですね、フリーパスで回ることができるということになります。また、この王国のパスポートも作りまして、その優待パスポートとしてお配りをするわけでありますが、これを持ってきていただきますと、いろんな観光施設や売店等で割引などの特典が受けられるというものでございます。これがゴールドビザと言われるものでございまして、こちらの方に、これ、何かハンコを押してありますが、これを1,500円でご購入いただきますと、こういう6ヶ所の施設を自由に回ることができるというお得なチケットであります。

 また、これがまんが王国優待パスポート、「まん優パス」というふうに呼んでおりますが、さまざまな施設、観光施設など、このように割引チケットなどが付けてございまして、これを持ってきていただくと、いろいろワイドな優待を受けられるというものであります。また、周遊型のイベントでございますので、スタンプラリーを楽しんでいただこうということでございまして、こうやってスタンプを、いろんなところを回って集めていただきますと、その集めた数に応じまして、豪華賞品がゲットできると、こういうものでございます。今回のまんが博は、県内、今、実は東京だとか、九州などに観光客が随分流れている状況がございますので、何とか山陰に、隣の神話博[しまね]と合わせて興味を持っていただき、訪れていただくようにしたいと、こういう思いでございますので、漫画のドリームワールドだけでなくて、多くのイベントを、140もございますので、楽しんでいただこうというふうに考えております。

 これに併せて、いろいろと交通等でも動きが出てまいりました。昨日は[上海]吉祥航空の第1便が来ましたし、それに合わせまして、趙[宏亮]総裁とも、私も懇談をさせていただきました。ぜひ、今後も続けていくように努力しようではありませんかと、このような話し合いをしたところでございます。趙総裁と最後にお話をしたときに、今回のお客さまの、来られたお客さまのアンケートを取ることにしたいと、それによりまして、好評かどうかということはあると思いますので、今後の商品造成が可能かどうか、その辺も見極めたいと。それから鳥取の知名度がまだまだ中国の方で足りないということがございます。これは協力しながら、知名度アップをやっていく必要があるだろうということでございます。いろいろと課題はありますけども、今回の国際まんが博の期間中だからこそできる、このようなチャーターフライト等が出てきております。このチャンスを活かせるかどうかっていうのが、私たち地域のチャレンジなんだと思います。活かすことができれば、今後につながっていく国際リゾート化に向けての大きな弾みにもなり得るというふうに感じました。

 実は、昨日降りて来られたお客さま、例えば、[名探偵]コナンに会いたいという声が聞かれました。実は100人ほどのお客さまが来たわけでありますが、すべてのいろんなコースに分かれますけども、すべてのコースに水木しげるロードと青山剛昌ふるさと館が入っています。また、意外に思われるかもしれませんが浦富海岸、これも中国のかたに好評だったようでございまして、これも必ず入っています。その他、いろいろとあるわけでありますが、課題も見えるところがございまして、例えば、やっぱり[大阪の]心斎橋なんかに行っちゃうわけですね、買物は向こうでということにどうもなっている感じもございまして、やはり我々も受け入れ態勢、きちんと作っていかないと海外のお客さまにお金を落としていただくというと語弊があるかもしれませんが、地元のいろんな資源を活用してもらって、地元経済にも波及効果がもっともっと出るということになるんじゃないかなと思います。また、クルーズ船が回って来るとか、8月6日にも「クラブ・ハーモニー」が来るということもこざいますし、いろいろとおもしろい展開が出てきているというふうに思います。


 


3 国への要請活動 

●知事

 7月の30、31[日]と東京の方に行ってまいりました。目的は国への要請活動、県としてのものもございましたし、それから全国知事会としての来るべき総選挙に向けた要請活動、これもやりました。日本再生十二箇条というふうに銘打ちまして、これを各政党に提示をさせていただきました。意見交換をしました。また、県独自では、原発の問題など関係大臣等に要請活動をしましたし、それからハイウェーを目指すミッシングリンク[高規格幹線道路の未整備区間]の解消を目指す10県知事会としても民主党の議[員]連[盟]とともに活動しまして、国土交通大臣、それから財務大臣、また輿石[東民主党]幹事長に要請活動をしました。ミッシングリンクにつきましては、非常に感触はよくお話を聞いていただけたんではないかなと思います。原発などについては細野[豪志原子力行政担当]大臣を訪ねました。2つのお立場があったと思いますが、原発担当大臣としてお会いをいただきまして、我々の方から周辺地域の悩みを申し上げ、財源の問題だとか、それから周辺地域の意見を聞きながらことを進めていく、そういう姿勢だとか、いろいろと強く要請活動をさせていただきました。

 また、併せて、これは環境大臣の立場になると思いますが、米子市の災害廃棄物問題、この受け入れについても話し合いをさせていただきました。災害廃棄物につきましては、近々環境省としての考え方をとりまとめると、こういうお話がございました。私の方からは、今のように中途半端な状況で置かれると、[米子]市議会の中も意見が伯仲をしたり、それから住民の皆さんにも返っていろいろとご心配をかけるようなことになると。ですから、はっきりしてもらった方がいいんじゃないだろうかということも含めて申し上げました。環境省としては、考え方をとりまとめたら鳥取県の方に、もちろん米子市がありますから米子市、そして、鳥取県の方にも来られると思いますが、その状況について説明に来るということでございますので、今月なんらかのアクションがあるのではないかなという感触を持ちました。

 原子力の関係では、そのように大臣の方に申し上げまして、これからは環境省の外局で原子力規制委員会、[原子力]規制庁ができるので予算要求も含めてトータルで自分の方でしっかりやっていくと。できるだけ要望に答えられるように頑張ると、こういうお話がございました。今日、中国電力がストレステストの第1次評価を国に提出するというお話が来ております。実は、我々まだその内容を知らされておりません。そのストレステストの第1次評価を国に提出をするということと、こういうような項目がありますよということのお知らせはありましたけれども、内容についてはまだ知らされておりませんで、我々としては、それを早急に鳥取県側にも説明するようにというふうに申しております。私としてはあまり急ぐ必要はないんではないかなと、それは、原子力規制庁、それから規制委員会が今まだ人選で、民主党内でも異論が出るとか、もちろん自民党等も含めた野党との協議も、言わば止まった状態があると、この規制庁やその委員会の方でどういう新しい安全基準を示すかというのは、これから出てくるんだと思います。

 今回のことは、これはこれまでの協定、これはもちろん島根県も含めてだと思いますが、協定として出すのはいけんとか、いいとかいうことに、権限上なっておりませんので、国と事業者との間のやりとりだというふうに、これは冷静に受け止めるべきだと思いますが、これから、[東京電力]福島第一原発[の]事故原因を踏まえて、きちんとした基準を国が作るべきであります。それに基づいて、冷静に判断をしながら適用していくということが必要でございます。そういうようなことをやりながら、地元の意見も踏まえて、地元というのは、我々周辺地域も含めて、コンセンサス[合意形成]を得ながら進めていただきたいと、この辺も我々としては強く思っております。これは、この考え方は随時中国電力側にも申し上げてきております。今回、そうしたストレステスト、第1次評価を提出するということでありますが、これは国と事業者の間のやりとりというふうに受け止めますが、ぜひ冷静で科学的知見に基づき、しかも地域のコンセンサスを得ながら、丁寧に進めていくと、そういうことを求めていきたいというふうに思います。そういうようなことで、先般、国の方に数々提言活動、要請活動してまいりました。



4 最近の経済状況と経営サポートセンターの開所 

●知事

 今、足元の経済状況が厳しいわけでございまして、シャープが5,000人の人員削減を発表するという衝撃が走りました。シャープさんは早川創業者のご意向もありまして、基本的にはそういう人員整理は行わないということで、スタンスをとってきた会社でありましただけに、非常にそれほどやっぱり今の日本経済厳しいのかなというふうに思います。特に、今、鳥取県も改善がなかなか見られないところでございまして、今までいろんな企業立地、地元企業の拡張を推奨してまいりました。実はこの7月末の段階で、そういう誘致、あるいは地元企業の拡大案件で1,000人を超える規模になりました。去年、一昨年、それまでと違って随分頑張ったわけでありますが、だいたい年度通じても600人程度、600人を超える水準でございまして、今の段階で1,000人を超えるというのは大変に、我々にとっても励みになる状況ではないかと思います。ただ、まだ一里塚でございますので、現下の経済状況を踏まえて、さらに手を打っていかなければなりません。

 幸いにして、国の方で、[総合]特区の指定の見込みが立ちました。この8月9日に鳥取県西部の新しい地域特区のエンジンを掛けるために関係者に集まっていただきまして、委員会[鳥取県地域活性化総合特区推進協議会]を開こうということにいたしております。それから、近々、恐らく国からの正式な伝達式のようなことがあろうかと思います。こういうようなことをいろいろとやりながら進めていく必要があろうかと思います。さらに地元企業で経営に苦しんでいる、なかなかもう一度浮上していくのは大変だという企業さんも数多くございます。その意味でサポートする体制を一段と強化しようと考えておりまして、6月県議会で関連の議案を出しておりましたが、可決成立しました。8月の7日に、そのサポートのための新組織[鳥取県経営サポートセンター]を鳥取商工会議所の中に、これ、全県レベルの組織でありますが、作ろうということになりました。こういうようなことを通じまして、なんとかはずみをつけて、もう1度時計の針を回してみたいというふうに思います。



5 鳥取市東デイサービスセンターの事故への対応 

●知事

 残念な事件がいくつかございました。1つは鳥取市東デイサービスセンターで、かけがえのない命を失うという痛ましい事故がありました。昨日[8月2日]県としても、[鳥取]市と合同で監査に入りました。実は警察の捜査が始まっておりまして、いろんなものが押収をされておりまして、十分監査し尽くせるという環境ではなかったわけではありますけれども、いくつか課題と言いますか、ポイントとして見えてきたものがあります。今、これちょっと捜査がこれから進みましてどうなるか分かりませんけれども、例えば、1つ今、事故原因の1つとして懸念されていますのは、フラッパーと呼ばれる車に、ここに車いすを乗せてこれを持ち上げて車内へ誘導するわけでありますが、非常にこういうふうに持ってくるもんですから、車いすが弾みで落ちることがあります。そういう危険があるわけでありまして、ここにこう、フラップさせまして、飛行機の垂直尾翼とかああいうところについているやつと同じでありますが、ストッパーをつけるわけです。これがちゃんと上がっていたのかどうかと、この辺がこれからの捜査の焦点になるんじゃないかと思います。

 ただ、いずれにいたしましても、その辺に非常に見落としがちなことと言いますか、これ、本来やるべきなんですが、やらなきゃいけないことなんですが、そういうところが漏れがあってはいけないところに漏れがあったということは、今後ないようにしていかなきゃならない。この辺だとか、あるいはマニュアルですね、鳥取福祉会の方で十分なマニュアルがあったかどうかと、この辺については、昨日[8月2日]監査に入りましたけれども、十分とは言えないというように我々は判断しております。従いまして、そういう安全のための命を守る、処遇者を守るという、身体を守るという、そういうためのマニュアルなど必要な事項を緊急に県内の施設に通知をすることにいたしたいと思います。さらにそうした、どういうふうにしたらこういう事故が今後防げるのかということ、その辺を専門家のかたにも入っていただきまして、我々としてもガイドラインを改めて、今までも当然ながら指導してまいりましたけれども、県としてもガイドラインのようなものを改めて作成をして、それで県内の各施設に徹底をしていくということをいたしたいと思います。事故が生じてすぐに、とりあえず緊急点検を各施設に呼びかけましたけれども、監査の状況もございますので、この際、緊急通知を示達をさせていただきたいというふうに思います。

 それから、日南町で油流出事故がございました。これにつきましては健康被害等広がりのある状況ではないと思いますけども、原因をいろいろ調べてみますと、本来使う必要のない、そういう排水管が放ったままになっていたと。それで、これが誤って使用されたこともあって、今回の油流出事故につながったということでありまして、これを速やかに撤去をするとか、それから施設としての体制を見直すとか、その辺を病院側の方に当該機関の方へ、施設の方に求めることにいたしたいと考えております。

 いよいよお盆も近くなってまいりましたけれども、ぜひ「国際まんが博」も始まります。隣の県の島根の「神話博[しまね]」もございますので、皆さまにおかれましては、思いっきりあまり滅多にないこの夏をお楽しみいただきたいと思います。私の方からは以上です。



6 川中香緒里選手への「県民栄誉賞」授与 

○読売新聞 野口英彦 記者

 県民栄誉賞の関係でちょっと確認させていただきます。県民栄誉賞の授与した、これ正式に決まったということでいいんでしょうか。


●知事

 決めます。


○読売新聞 野口英彦 記者

 何か、手続き、会議のようなものはないんでしょうか。


●知事

 いや。私は会議の必要はないと思います。手続きとしては、疑義があるような場合に、そういう審査の会議を徴集するということもあるんですけども、今回はそのメダリストですから明らかだと私は思います。それで、県教育委員会も同意見でありますので、もう、[県民]栄誉賞を差し上げようと思います。


○読売新聞 野口英彦 記者

 実際の授与の日程とかは、どのような予定でしょうか。


●知事

 これはご本人[の日程]が最優先でありますので、ご本人が無理のない故郷に帰る日取りがあろうかなと思いますので、その辺を楽しみにしがら、今後ご相談していきたいと思います。


○読売新聞 野口英彦 記者

 例えば8月中とか、そういった目途はありますでしょうか。


●知事

 ちょっとまだそこまで伺っていません。まだオリンピックも佳境でございまして、皆さままだそれどころじゃないんじゃないかなと思いますので、落ち着いた頃に、そのようにさせていただきたいと思います。


○読売新聞 野口英彦 記者

 もし、知事がご存じであれば、前回はどなたに差し上げたことがあったんでしょうか。


●知事

 男子マラソンの森下[広一]選手です、[バルセロナオリンピック]銀メダル。1992年ですか、平成7年ですかね。


○読売新聞 野口英彦 記者

 県民栄誉賞、じゃ、その森下さん以来ということで。


●知事

 平成4年ですか、失礼しました、はい。


○読売新聞 野口英彦 記者

 森下さん以来ということに。


●知事

 そうですね、はい。



7 鳥取市東デイサービスセンターの事故への対応 

○山陰中央新報 桝井 映志 記者

 車いすの転落事故のことでお訊ねしようと思ってですが、先程お話しの中で鳥取福祉会のマニュアルが十分でなかったと、県としては判断しておるというのは、指摘されたのは具体的にどういうところが、十分でないと見たんでしょうか。


●知事

 安全に、荷物ではありませんので人間を輸送するときに、そういうフラッパーをきちんとやるとか、点検した上で発車をするとか、作動させる、このリフトを作動させるだとか、そういうことだと思います。今まだ捜査が進んでおりまして、具体的にどういう事実関係かということは確定できないんですけども、ただ、いろいろそういう基本的な安全に関わるところのマニュアルについて、まだちょっと十分でないというように我々としては判断をいたしております。その辺の是正を求めていく必要があると思います、行政的には。


○山陰中央新報 桝井 映志 記者

 あの件でフリッパーというのは、きちんとなっておったかどうかというのは、おっしゃったように捜査中の内容なんで言えないというか、分からないのかもしれんですけども、それをされたということをきちんと確認した上で操作するというようなことがマニュアルに定められてなかったんですね。


●知事

 そうですね。例えば、そういうことも含めて、誤解のないように申し上げますと、どこの施設でもそれ、当たり前です。自動でフラッパーが上がる車もありますが、手動で上げる車もあります。ただ、いずれにせよ、それがないと、言わば車止めがないと非常に危険ですよね。その辺は、やっているからいいじゃないかということもあるかもしれませんけども、やはり共通理解として、少なくとも人命に関わるような事故が起き得るということでありますので、今後ちゃんとしたマニュアル化などをしていく必要があるだろうと。これは実はそのフラッパーの点だけではありません。その他のことも含めて、その施設、鳥取福祉会側の対応の是正を今後求めていくことになろうかと思います。


○時事通信 小出 秀 記者

 ちょっと関連しまして、そのフラッパーを上げるといったのは法律かなんかによって義務づけられているものになるんでしょうか。


●知事

 それはちょっと確認してみますけども、もし必要でしたら後程また、この鳥取福祉会関係で担当部局、昨日監査に行きましたので、その状況も含めて[県政記者]クラブの方にご説明したいと思います。


○時事通信 小出 秀 記者

 あるいは県の方針として、今後、そういった痛ましい事故が発生したことを受けて、県として条例を改正して何かをやっていくとか、そういったお考えまではありますでしょうか。


●知事

 これは基本的にはそういう介護保険法の体系がございまして、その中で当然ながら安全基準と言いますか、安全な処遇ということ、安全なサービスの提供とか、基本的なことが定められていまして、あと多くは運用の問題ではないかなと思います。条例で書くべきことがあるかどうかは点検する必要はあるとは思いますが、まだ事案の解明が十分進んでおりませんので、警察の捜査の進捗とも合わせて、仮に必要であればその条例についても考えますが、今のところはそういう当該施設等の行政処分的なやり取りということで進めたいと思っています。


○日本海新聞 北尾 雄一 記者

 フラッパー自体の場合はマニュアルがなかった、県は確認できなかったということですか。


●知事

 十分でなかったと。


○日本海新聞 北尾 雄一 記者

 十分ではない


●知事

 はい。


○日本海新聞 北尾 雄一 記者

 あるのは。


●知事

 一定のものはあります。


○日本海新聞 北尾 雄一 記者

 一定のものはあるけど、十分ではない。


●知事

 はい。


○日本海新聞 北尾 雄一 記者

 それから、他の施設についても緊急点検と言いますか、緊急通知を今後するということですか。


●知事

 はい。


○日本海新聞 北尾 雄一 記者

 監査ということではなくて通知という。


●知事

 そうですね、今回の事故は、ちょっとまだこれ警察の捜査の進展を待たなければなりませんが、初歩的な段階のものかもしれません。我々としてはその初歩的な段階の事故が発生しないように、まずは緊急通知を行うということであります。


○NHK 月岡 信行 記者

 通知はもう近々。


●知事

 ちょっとそれもじゃあ後でまた担当部局の方からお話ししたいと思いますが、速やかに。昨日[8月2日]、監査に入りましたので、今日以降、早ければ今日ということになりますが、速やかに行いたいと思います。


○山陰中央新報 桝井 映志 記者

 初歩的な段階のものというのは、初歩的な不備という意味と理解して、初歩的なミスというか、意味というか。


●知事

 だから、ちょっと、先程も1つの例で申しましたが、まだ事案の解明が進んでいませんので、例えばこうフラッパーが、今回の事故原因はともかくとして、これは必ず上げなきゃならないものでして、これを改めて通知をすると、そういうことです。



8 政府の今後のエネルギー政策・原発比率 

○中国新聞 川崎 崇史 記者

 中国新聞の川崎です。ちょっと政府の原発比率3案についてちょっと知事のお考えを伺いたいんですけども、現在のところ、0%、15%、3つ目に20から25%という案が出て、月末までに最終結論が出るということですけれども、知事としてはどの案を支持されて、その理由もちょっと併せて、もしよろしければお伺いしていいですか。


●知事

 私としては、これは国民的議論を経て、エネルギー政策全般を確定させていくというか、コンセンサスを得て行くわけでありまして、今、公聴会などの手続は進めておられますが、広く意見を聞きながらやっていただければと思います。だから、3つの選択肢の中で私はこの案が良いというものではありませんが、繰り返しこうした場などで申し上げていますように、中長期的にはやっぱりエネルギーシフト[転換]を起こさなければならないと思います。原子力発電には一定のリスクがあるもんだと、今までの安全神話が崩れたことは間違いがございません。それに代わって再生可能エネルギーの技術革新を起こしていかなければならない。そうして安定的で、ある程度コストも一定のコストでできるようなそういうエネルギーのポートフォリオ[分散投資]を国全体で実現していかなきゃいけないと思います。ですから、現在の水準よりは、こうエネルギーシフトで原発[比率]を落としていくということを想定すべきだと思いますが、今の3つの選択肢については、私としてはあえてこれが良いということを申し上げません。


○中国新聞 川崎 崇史 記者

 それについて、原発については、なくす、減らす、維持するということについては知事としてはその減らすという方向が良いのではないかと。


●知事

 減らすです。ただ、そのパーセントがどのぐらいかとか、いろんなことがあると思いますので、それについては幅広い議論が必要だと思います。



9 島根原発2号機のストレステスト(1次評価)提出 

○山陰中央新報 桝井 映志 記者

原発のことで今日もお話の中にあった、中国電力はもう国に出すという話の分ですが、知事の考えとしては、急ぐ必要はないと思う云々ってお話がありましたけども、これは意味としては新しい安全基準ができてから出せばいいのに、何で今このタイミングで出すんだという、ちょっと。


●知事

それは先程申しましたように。我々の権限を超えるところですので、事業者と国との間のやり取りですよね。その1プロセスだというふうに受け止めます。ただ、現在は[原子力安全・]保安院ですよね、それで、それいずれ改組して、原子力規制委員会、[原子力]規制庁になるわけでありまして、結局はそこの判断待たなければ、そのストレステストの審査っていうのができないのではないかなというふうに思いますし、保安院の方が審査が甘そうだから今のうちに出してやれということであれば、それはもってのほかだと思います。多分中国電力さんがそういう考え方ではなくて、簡単に出すんじゃないかな、淡々とできあがったんで出しますということではないかなと思います。ですから、私としては冷静に、事業者と国との間のプロセスとして受け止めたいと思います。


○山陰中央新報 桝井 映志 記者

そのストレステストを提出するという連絡は、これいつごろ県にあったんでしょうか。


●知事

昨日の夕方ですかね。ただ、それは本当に、何て言うか、枠組みだけの話で。出しますよっていう意思表示と、それからこういう項目がありますよっていうようなもんでございまして、こういうような結果なのでストレステストの結論が出ましたよっていうところは、我々は昨日の段階では教えてもらっていません。それで、国に提出したあとでお知らせしますということを言って、向こうは帰っておられます。


○山陰中央新報 桝井 映志 記者

提出は今日だというのは、いつどういうかたちで知事の方に。


●知事

先程聞きました。


○山陰中央新報 桝井 映志 記者

中国電力さんから直接にあったんですか。


●知事

内部的に、昨日の段階で今日[8月3日]出す見込みだというようなお話があった。
今朝になって具体的に、今日国の方に提出するというお話だと思いますけどね、これ、多分皆さんの方がよくご存知なのかもしれません。私は昨日の段階では近々出すと言っていたんですけれども、どうも今朝になっては、今日ということだったと思いますが。


○読売新聞 野口 英彦 記者

ストレステストと再稼働の関係ですけども、ストレステストは耐震性について純粋に技術的な面から検討を加えるものだと思うんですが、まだ原発に関する両県の避難計画は、まだがっちりしたものができていないという段階で、そのあたりのことを踏まえて再稼働への見解と言いますか、それをお願いいたします。


●知事

私は、先般野田[佳彦]総理が示された3つの基準というのは正直、ストンと納得しないところがあるんです。第一の緊急にやるべきところと、それからストレステストのところの第二の基準で、また第三の基準としては計画さえ作っていればいいですよという、そういう基準でありまして、[関西電力]大飯原発を再稼働させるための基準かなというぐらいに思います。ただ、本来は、新しく[原子力規制委員会に]就任する可能性が取り沙汰されている田中[俊一]さんがおっしゃっておられるように、もっとやっぱり厳密にこの問題考えなきゃいけないというのが正直なところだと思うんですね。おそらくこれ期待を込めて申し上げれば、規制委員会、規制庁という新しい体制になった場合に、従来とは違ったもっと厳格な安全の考え方、基準の考え方が出てくるんではないかなと思います。

ですから、今回そのストレステストの1次評価が出て、これで大きく前進するとか、そういうようなことではないだろうと思います。まだ、国の方の基準がそもそもどうなるかっていうことが今後出てきて、そして島根原発、今回第2号機なんですが、2号機のところについてはどういうふうにあてはまるかと、その中でストレステストの1次評価どういうふうに、安全の観点では評価されるのかと、その辺は今後のことではないかなと思います。私としては慎重に推移を見たいと思います。


○記読売新聞 野口 英彦 記者

ストレステストを指示した菅[直人]内閣の頃と、今と違うのは、事故調、4つの事故調の報告書が出ているということですね、そういった知見もやっぱり踏まえて考えるべきだとお考えでしょうか。


●知事

当然だと思いますね。今回よく言われるのは官邸がどういう役割を果たしたか、それがマイナスになったのかどうかとか、あるいは東京電力の内部の体制の問題はなかったか、第一原発サイトと第二原発サイトの違いはどういうことで生まれたのかとか、いろんなことが4つの事故調の中で、若干そのスタンスの差はありますけれども、明らかになってきていると。また、今後地震がどのように炉に影響を与えたのか、これはまだ調査が未了であるというような見解も出されています。そういう意味で今後、そういう新しい知見を基に、新しい基準を作る、それが素直な流れだと思います。


○記読売新聞 野口 英彦 記者

他の電力会社では、原発を稼働したいということを首脳が表明して批判を浴びるということもあったんですが、この時期にそういったストレステストの動きを提出するという動きについては、どうお考えでしょうか。


●知事

うーん、それは、先程申しましたように、事業者と国との間の1プロセスだと思いますので、淡々と受け止めるものかなと思います。実は、ストレステストの結果は各地で出ています。中国電力が全国に比べて遅い方だと思います。ですから、どういう内容かちょっとまだ聞いていませんけども、我々としても内容を精査させていただいて、中国電力の考え方もこの際、そういう調査結果が出るのであれば、よくよく研究させていただきたいと思います。


○記読売新聞 野口 英彦 記者

ストレステストの結果を県の原子力の委員会がありますね、その方で再度何か検証されたりするような考えはあるんでしょうか。


●知事

まだ本当にこれからずっとこう手続きがあると思うんですね。特に再稼働云々とかいうようなことに至ろうと思いますと、まだこれ出されたばっかりのことでありまして、これからまずは、その規制庁が発足をする。おそらくこれが重要なモメント[契機]だと思います。それで、そのあと、国の原子力行政が様変わりしてくる可能性があると、例えば40年廃炉の問題をどう考えるかとか、こういうところも今の政府の方針は、かなりそこを緩めたかたちになっていて、自民党も含めた与野党合意も背景にはその辺あるように、法案審査の過程では見えます。ただ、田中[俊一]さんは、今度[原子力規制]委員長になるかと取り沙汰されているかたは、福島のご出身ということもあるのかもしれませんが、40年廃炉については厳格に考えるべきだということをおっしゃっていると。それで、規制庁、規制委員会ができた場合に、これ独立した機関になりますので、政治家が何を言おうが、安全かどうか、専門家としてこういうふうに考えるんだよということを打ち出せるシステムになりますので、従来とは違った進め方が始まる可能性があると。

ですから、まずはその規制庁、規制委員会の発足というところが重要なモメントであって、それで、安全の基準作り何かがある。その中でUPZ[緊急時防護措置準備区域]という我々鳥取県の立場が明確になってくる。そのあと、国の方でストレステストも含めて、仮に再稼働させたいという事業者の意見が出てくれば、それを、審査をするということになる。それで、我々の方の審査も、こうした国の方の審査のあとか、あるいは同時か、あとかっていうことだと思います。その辺になるのは、多分材料は出てこないわけでありまして、判断の材料もないかもしれません。だから当面は、淡々とこう、今、事業者と国の間でプロセスが行われているのでそれを冷静に受け止めながら、内容を私たちなりに分析していくという段階かなあと思います。


○記読売新聞 野口 英彦 記者

確認ですけど、この今回のストレステストの提出について、知事としては再稼働に向けた意思の表れの1つと思われているのか、あるいは国から指示をされて、テストをするように、その結果、ただ答案を出してきたというだけに思っていらっしゃるのかどちらでしょうか。


●知事

うーん、その中間だと思いますね。後者が一番正直なところかもしれません。国がストレステストやれといったので、それに対する回答を出したというのが正直なとこかと思いますけども、ただ、今までの中国電力さんの動きを見ていると、その原子力発電所の稼働を睨んで動いておられるというようにも思えます。従って、その意味で淡々とではありますが、プロセスを進めようとされているというようにも見えます。


○日本海新聞 北尾 雄一 記者

知事がお聞きになっているのは、1号機、2号機両方とも、両方のストレステスト。


●知事

いや、2号機って聞いています。ちょっと内容までは見せてもらってないんです、僕ら、ほんとに。これは島根県もそうだと思います。まず、国に出すと。


○日本海新聞 北尾 雄一 記者

再稼働とか、安全性妥当というな内容だったかどうかっていうのも、まだ伝わってないっていうことですか。大きな概要って言いますか。


●知事

ええ、内容は分かりません。


○日本海新聞 北尾 雄一 記者

出すという情報だけですか。


●知事

ストレステストの第一次評価を出すと。



10 中国地方特定広域連合に係る動き 

○山陰中央新報 桝井 映志 記者

 中国広域連合のことでちょっと細かいことですけど1つ。来週の平井知事の日程を見ると知事ご自身は、例の前回言っておられた国に言いにいくという分にはお出かけにならんのかなと思うんですけど。


●知事

 それ岡山はどうなっているか分かんないんですが、岡山県が国とのセッティングをしようとされているんですね。それがまだ決まってないと僕は聞いています。それで、それが上手くセットできれば、あとこっちがタイミングが合えば行くということですけども、タイミングが合わなければ、ちょっと岡山の石井[正弘 中国地方知事会]会長にお任せをすると。


○読売新聞 野口 英彦 記者

 中国広域連合と関連するかもしれませんけども、山口県の知事選で山本[繁太郎]さんっていうかたが当選をされまして、それに対する所感と言いますか、あと山本さんとなにか以前、国[土]交[通]省におられたかたらしいんですが、なんか接触と言いますか、親交がおありだったりするんでしょうか。


●知事

 山本新知事の誕生をお祝い申し上げたいと思います。国土交通省で長く仕事をしてこられましたので、いろいろとこれからの日本のグランドデザイン作り、日本再生の戦略を具体的に提案できる、また実行に向けた活動を本格的に展開できるかたではないかなあとご期待を申し上げたいと思います。特にこれまで、深く仕事に関わったわけではありませんけども、なかなかの人物であるというふうにお伺いをいたしております。私としては、二井関成知事のこれまでの山口県政を継承するというふうにおっしゃっておられますので、中国広域連合設立に向けた、これまで、営々として、皆で呼吸を合わせてきたこの努力を評価していただきたいと思います。ぜひ、山口県におかれても中国広域連合の設立に向けた協議に積極的にご参画いただければありがたいと思います。



11 シャープの人員削減 

○日本海新聞 井上 昌之 記者

 今日はシャープの人員削減のこともありましたけども、鳥取県内の影響っていうのはどのようにお考えになっていましたでしょうか。


●知事

 そこはちょっと聞こえてきておりません。我々も報道で希望退職を募るというお話があって、あと、もちろんホンハイ[鴻海]ですか。台湾企業との絡んだ再編ということもその5,000の数字の中にはあるというふうにお聞きをいたしておりますが、詳細は分かりません。先般シャープの幹部のかたと親しくお話をする機会がございまして、私としては、米子シャープ、これをぜひ新しい、液晶は今回の人員削減のテーマにはなっているようなんですが、新しいその液晶分野を開く、そういう技術と人材を評価していただいて、ご活用を展開いただけないだろうかと強く申し上げました。シャープ側としては、そういう可能性も否定してはおられませんで、今回の5,000人の人員削減が本県の米子のシャープに影響するかどうかっていうのは、あまりちょっと今のところでは具体的な影響は見えない。ひょっとすると、むしろその米子シャープをきちっと温存してもらうという方向になるかもしれないなと、私は期待をいたしております。


○日本海新聞 井上 昌之 記者

 その米子シャープですけど、以前は、富士通ディスプレイテクノロジーズっていう会社からシャープに移ってという、いろんな経緯があったわけですけども、地元雇用を創出している大きな企業だと思うですけれども、状況が分からない中でも、いろんなチャンネルを開いて情報収集をされるとともに、すぐに県としての対応が取れる体制というのを取っていかないといけないと思うですが、このあたりはどうでしょうか。


●知事

 実は、シャープに本社を訪ねたいということで、アプローチはしているのですが、そういうこともあって先般、シャープ幹部のかたとお話しするチャンスをいただきました。いずれこういう話がくるかなと思いながら我々としても動いてきたところであります。そのときのシャープ幹部のお話は、私どもの方で、米子シャープの技術力、それから今の最先端液晶を拓こうとしている、その拠点であることなど、ご主張申し上げたのですが、先方の方もそこは理解しておられるというふうに受け止めました。ですから、これからどういうふうに展開をするかっていうのは情報収集しながら、臨機応変に対応していかなければならないと思いますが、鳥取県側の戦略としては、米子シャープをむしろ液晶ビジネスがシャープの中で変わるときの、むしろ拠点性を持った組織に位置付けていただきたいと、この辺が今後の我々の戦略だと思っています。


○日本海新聞 井上 昌之 記者

 王子製紙米子工場の方でも、今度、新しい技術というか、プラントとして稼働するっていうお話が、先般あったばかりなんですけども、そういったような感じでシャープの方も、ちょっと似たようなかたちで、残ってみてはどうだろうかというようなお話なのでしょうか、今の。


●知事

 そうですね。液晶にもいろんな液晶技術がございまして、シャープはその液晶の中でも、非常に精細な画像だとか、そういう技術をこの度開発をし、量産化する見込みを立てているわけです。それが、三重県の亀山の工場とタイアップしながら、ということになろうかと思いますが、米子シャープも、元は確かに小さいんですけども、それでも研究開発だとか、マザー工場的な役割だとか、そういう可能性はあると思っています。その辺を我々戦略的に、今シャープに売り込んでいるところであります。




12 総合事務所体制の見直し(素案) 

○日本海新聞 北尾 雄一 記者

 総合事務所の見直しについて伺いたいですが、先日、県政推進に向けた県組織のあり方検討会議で県庁を含む3か所に統合集約するというような事務局の大胆な案が示されたんですが、これに対して日野郡からは事実上の規模縮小という懸念の声も挙がっています。それについて、知事として、今後どのようにこの再編というのを進めていくお考えなのか、お聞かせください。


●知事

 これは、県庁自体の効率化、あるいはスピード、スピーディーに動けるようなことだとか、専門的な知見を発揮できるとか、そういう機能強化、そうしたことも冷静に組み合わせていく、そういう作業だと思っています。今、とりあえず出した素案なんですけども、素案というかたちでこれは事務局、事務方の案として委員会の方へ出させてもらいまして、専門的知見でまた評価をしていただいたり、アイディアを出していただいて、今後煮詰めていくということだと思います。当然ながら住民の皆さまの利便性を損なわないように工夫をしたり、それから専門家をむしろまとめることで機動力を発揮したりというようなことを組み合わせながらやって行くことになろうかと思います。

 市町村それから住民のご意見も充分聞きながら最終案をとりまとめて行くことにいたしておりまして、県としてこれで決めて独走するというものではありません。ただ、若干、誤解を招いているかなと思うんですが、例えば、八頭[町]の郡家にある建物ごと無くなってしまうというものでは、案自体なっておりません。日野もそうなんですけども、例えば、農林部局だとか、県土整備局だとか、当然ながら郡家で言えばハローワークがありますので、あれは県営で全国でも珍しいハローワークでありますが、そういうものを廃止しようということを申し上げているわけではありません。むしろ、例えば二重行政的なものを廃止するのであれば、東部は県庁もございますので、この本庁組織と合せて効率的にやり、むしろ専門人材を集約をして、いい仕事ができるようにするとか、いうことで応えていこうという趣旨でございます。ですから、その辺はまた市町村の方にも我々としても丁寧にご説明をし、懸念の点もご相談受けながら、最終的には共通の理解を得たゴールを作っていきたいと思います。


○山陰中央新報 桝井 映志 記者

 それに関連してですけども、西部の方のかたは昔から米子に副知事を置いてくれというような思いを持っておられる人もあるんですけども、知事の方でなんかそれについてお考えみたいのものはあるでしょうか。


●知事

 これは西部の総合事務所長が事実上、その役割を今、果たしつつあると思います。副知事をということ最近はあんまり聞かないですけども、以前は確かに、よく1つの政治的スローガンのように聞こえました。多分今、私、毎週西部に通っていますので、あんまりその辺は西部でも声が消えてきたのかもしれません。ただ、西部全体を見渡して、日野郡それから米子、境港地域も含めて、西部全体を見渡したようなポジションに、総合事務所長なんかを位置付けていくとか、いろいろとやり方は考えられようかなと思います。要は判断力とそれから決裁権をしっかり持った、そういう人がいて、何かこう鳥取が遠くて、その行政がスピード感を失うということにならないように、それが本旨だと思いますので、それに注意しながら、これから最終案づくりに向けていければと思います。


○日本海新聞 北尾 雄一 記者

 そうすると、例えば見直しの中で、権限とか、その予算とかそういったものの見直しということも含めて今後考えて行かれるんですか。


●知事

 そうですね。先般このことではなかったんですけども、例えば鳥取市と意見交換した際に、このことではないんですが、広域連合の絡みなんですけども、むしろその市の方に権限を移譲してもらうというようなことは、いろいろあっていいんじゃないかというようなお話が竹内市長からもございました。そのとおりだと思うんです。だから、そういう意味で、例えばある町に、うちの方の一定の人材をむしろ向こうに送って、向こうで仕事をしてもらうということだってあっていいと思うんですね。その方が窓口で全部処理できるということにもなります。地域によってはいろんなバリエーションで、最善の選択肢があろうかと思いますので、それを今回柔軟に考えていきたいと思います。


○日本海新聞 北尾 雄一 記者

 市町村によっても規模の差が大きくありますので、そのあたりは、じゃあ市町村にあったいろんな支援と言いますか、県政との関わりを考えていくということでよろしいでしょうか。


●知事

 そうですね。先般も例えば政令市の市長さんとお話をしたとき、やっぱり政令市と府や県の間の行政領域随分重なる、その辺に無駄があるという話を盛んにされました。振り返ってみると、私たちにも同じようなことがあるかもしれません。市町村と県とそれからその県の中にも出先、本庁、それがさらにオーバーラップしてくるということでありまして、そこを一体化すれば、もっともっと早く、いい仕事ができるかもしれない。それで、例えば考えようによっては、ある程度市の方に分野を任せてしまって、その分は県はどちらかというと後ろからの下支え役に徹するようなやり方もあろうかと思うんですね。そういう意味で、いろんなバリエーションがあろうかと思います。そこは冷静な議論を市町村側や住民の皆さんともやっていきたいと思います。



13 看護師等養成機関をめぐる動き 

○日本海新聞 北尾 雄一 記者

 ここにきて看護師の養成機関の動きというのが出てきまして、先日看護連盟の方が、県それから議会の方に、県中部に大学を設置して、看護大学を公設民営で設置してほしいという要望がありました。一方で県東部、鳥取市では看護学校、専門学校の方の設置に向けた検討という動きもあります。それで、ちょっと2つの動きが今ダブっている格好になっているんですが、知事として、このあたりどのようにお考え持っていらっしゃるか、お聞かせいただきますでしょうか。


●知事

 私ども、それぞれとコミュニケーションを取りながらここにきておりまして、いろんなかたちで看護師の人材養成が、従来よりも飛躍的に進むことになれば、県全体として医療福祉にいい影響が出ると思います。従いまして、鳥取市のことで言えば、ここは学校法人誘致を学校法人なり、そういう専門学校かもしれませんが、誘致を考えておられると思いますが、それは県としても応援したいと思います。また、中部については、これは一部報道で、既存の学校法人の方で、そういう看護師養成ができるような、カリキュラムを作る可能性が出ていまして、我々も早速先方の方にお話を伺いに行きまして、一定の考え方をお伺いをしました。現実的なやり方で、そういう看護師養成、機能強化をしていくことができれば、これも中部全体にとってもいいことだろうと思います。それと併せて、県の方の看護師養成機関との調整だとか、再編もあるかもしれませんので、その辺は今のそういう東部や中部の動きを見ながら、看護師養成のあり方について一層検討してみたいと思います。


○日本海新聞 北尾 雄一 記者

 そうすると、双方の動きを県としても、今の時点ではバックアップしていくというか、


●知事

 バックアップしていく。


○日本海新聞 北尾 雄一 記者

 支援していくような格好でよろしいでしょうか。


●知事

 バックアップしていくと。ただ、バックアップの意味がなにかこう公設民営のように、ちょっと報道もありましたけども、そういう趣旨ではございません。むしろ地元の方で、地元と言うか、学校法人側でどういう考えがおありなのか、それを聞きながらサポートしていくということで臨んでいきたいと思います。


○日本海新聞 北尾 雄一 記者

 公設民営ということに関してはちょっとハードルが高いということ。


●知事

 [鳥取]環境大学と同じことを繰り返してはいかがだろうかという意見が当然出ると思いますね。ただ、無理のないそういうスキームがかければ、既存の学校法人の拡張とか、あるいは既存の施設の拡張ということで、ある程度のことはできるんじゃないかと思います。



14 各政党の公共投資強化の方針 

○読売新聞 野口 英彦 記者

 東京での要望活動の関係なんですが、日本再生十二箇条というのを訴えて、各党で訴えて、こられたということなんですが、その関連で、今、各党が防災、自民党であれば国土強靭化法案だという、公明党さんであれば、防災・減災ニューディールということで、公共投資への答申を打ち出しているんですが、これについてどう評価されてますでしょうか。


●知事

 私は今回の東日本大震災の反省を踏まえれば、まず1つには、その被災地域の復興を緊急に力強く進める必要がある、これで公共投資が発生する、それがまず当然だと思います。あと併せて、その反省を踏まえてリダンダンシー[災害時の代替手段]を国全体で確保していく、これに向けて重点的な公共投資を順位づけていくという作業は当然あってしかるべきだと思います。ですから、今の自民党の国土強靭化の計画とか、それから公明党さんも防災ニューディールということを訴えられたり、それで民主党さんも、先般輿石幹事長にも10県でミッシングリンクの関係でお伺いをしましたけれども、やはり民主党さんの方でも、そういう重点投資ということを考えていくんだと、こんなお話がございました。いずれもしかるべき方向性、そうあってなければならない方向性だと思いますので、私は一定評価しております。問題があるとすれば、その財源をどういうふうに考えるのか、この辺も今後きちんと議論をしていく必要があるかなと思います。


○読売新聞 野口 英彦 記者

 各党のその方針について、これはばらまきではないかという批判があるということについての所見をお伺いしたいのと、もう1つ、先程言った財源の関係ですね、消費増税をすると、それを社会保障費に充てると、そうすると今まで社会保障費に充てた分のお金が、言えば浮くようなかたちになるわけですね。それを国債の償置に充てるのか、あるいは公共事業とか、景気対策に充てるのかということで議論があるようなんですが、知事はどういうかたちが望ましいと思われますか。


●知事

 そこはいろんな解があると、解決策があると思います。例えば公共投資、ビジョンとしてはこういうビジョンで作りますということであっても、それを、じゃあ具体的にどういうタイミングで、どういうスピード感でやるかということで、公共投資と言うのは大分その額が変わってきます。例えば、景気が回復して、税収が増えてきたときに一生懸命やると、ただ方向性は今こうやって順位づけましょうというようなやり方も当然ながらあるわけでございまして、いろんな選択肢があるんじゃないかなと思います。それで、単なるばらまきというような議論ではなく、国土全体として何が優先されるべき事業とこれ考えていくのか。これを明らかにしていく必要があると思います。ミッシングリンク高速道路が欠けているところは、国家全体の損失だと思います。それ以外の道路づくりよりも、地域的には、むしろ私のところのような整備が遅れているところに偏在するかもしれませんが、そういうことをやってでもやっぱり国の欠けた部分を補っていく、その努力を政府あるいは与野党でやっていただく必要があると思います。


○読売新聞 野口 英彦 記者

 財源の、消費増税分の取扱ですが。


●知事

 それはいろんな選択肢があると思いますね。我々も県で予算編成しますけども、財源の工夫の仕方というのは無限にありますので、要は当てもないのにやってはいけませんけども、当てを作りながらやっていくことはいろいろと可能かなと思います。基本的には、今国債の信認が失われるんではないかという、そういう危機感から消費増税の議論もございますので、一定程度はそういう国の信用力の回復、そのための財政秩序の回復と言うことに、ある程度は割かなければならないと思いますね。ただ、それが例えば震災の公共投資に劣をするかどうかとか、その辺はやっぱり十分議論しなきゃいけないと思います。


○読売新聞 野口 英彦 記者

 よろしいでしょうか。じゃあ、では、ありがとうございました。


●知事

 どうもありがとうございました。


  

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