【報告】山陰海岸ジオパークみんなでおしゃべり2(令和元年12月19日開催)

【開催報告】山陰海岸ジオパークみんなでおしゃべり2
最新研究発表と地域資源を活用した俺たちのガイドツーリズム

 山陰海岸ジオパークの研究の最前線を地域の方々に知っていたくとともに、地域資源を活用した稼ぎ方や地域の盛り上げ方等について、現場で活躍しているガイド、アクティビティ事業者、ゲストハウス経営者等様々なゲストを交えて、みんなで気軽に語り合うフォーラムを開催しました。
 山陰海岸ジオパークエリア内外で活動するガイド、観光関係者、行政職員、大学生、大学教員など、多様な方々に参加いただき、活発に議論が交わされました。
 それぞれの発表に対して様々な質問をいただきましたが、当日は時間の都合上、ごく一部しかお答えできなかったので、ここに回答を載せています。

日時

令和元年12月19日(木) 9時45分から16時まで

会場

鳥取大学広報センター内 コミュニティーデザインラボ(鳥取市湖山町南4丁目101)

主催

鳥取県、鳥取大学 (共催:山陰海岸ジオパーク推進協議会)

参加者

63名(ガイド、観光関係者、行政関係者、大学生、大学教員等)

ファシリテーター

大岩根尚 氏


 

合同会社むすひパートナーCEO。地質学、海洋地質学を学び、環境学の博士号を取得。その後、国立極地研究所に勤務し南極内陸部の地質調査に参加し、鹿児島県三島村の地球科学専門員に転身。三島村を退職後、三島村硫黄島に合同会社むすひを設立。パートナーCEOとして観光ガイドや人材研修などをビジネスとして展開している。

 


 

内容

1 山陰海岸ジオパークの研究発表、アクティティ事業でのジオパーク活動

(1)2018年7月西日本豪雨において千代川・八東川で見られた護岸崩壊の一要因(鳥取大学農学部 小玉芳敬教授)

<参加者の感想>
・市民が川の仕組みを学ぶ機会を多くつくれると良いと思いました。知らない人が多いはず!
・河川の整備どこまで必要か?きちんと検討すべきと思った。

<質問への回答>→PDFファイル(110KB)

(2)駟馳山・立岩山のできかた~石の調べかた~(山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館 金山恭子学芸員補)

<参加者の感想>
・厚さ0.03 mmの薄片にするのが大変そうだと思った!!
・山の成り立ちを岩から探れるのはおもしろい。

<質問への回答>→PDFファイル(125KB)

(3)海洋生物調査から見えてきた浦富海岸の知られざる海生き物たち(山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館 太田悠造学芸員)

<参加者の感想>
・生物相調査がそんなにされていないことにおどろいた。
・山陰の海から新種の生物が出てきてすごいと思った。

<質問への回答>→PDFファイル(870KB)

(4)鳥取県東部岩美町の花崗岩類の新知見(鳥取大学農学部 菅森義晃講師)

<参加者の感想>
・身近なところに断層があることを初めて知った。
・フィリピン海プレートとつなげて語れるというのが面白いと思いました。

<質問への回答>→PDFファイル(774KB)

(5)山陰海岸ジオパークでの遊びをここでしかできない体験に~GEO×アクティビティプロジェクト~(山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館 金山恭子学芸員補、Develop Surf & Sea 山下明男代表)

<参加者の感想>
・研究者、行政、ガイドが協力して物語をさがして虎の巻を作ったり、ツアーに実際に活かしていくのはとても素晴らしい取り組みだと思います!今後の経過も報告聞きたいです。
・山陰海岸ジオパークで学術的な勉強会を実施して、専門的な知識の共有化をしてはどうかな?

<質問への回答>→PDFファイル(93KB)

(6)衣笠山に露出する地層と岩石:二つの時期の火山活動(鳥取大学農学部3年生の学生さん2名)

<参加者の感想>
・スライド作りがうまい。発表内容を暗記してすらすら言えてすごい!

<質問への回答>→PDFファイル (92KB)

(7)隠岐郡西ノ島の外浜の地形美と海水浴場の危機(鳥取大学地域学部3年生&農学部3年生の学生さん)

<参加者の感想>
・地形の変化や人々の暮らしを記録して残しておくことが大事だと思いました。

<質問への回答>→PDFファイル (89KB)

2 選ばれるジオガイドとお客様づくり

西谷香奈 氏


株式会社グローバルスポーツクラブ代表取締役。伊豆大島ジオパーク推進委員。森林インストラクター。伊豆大島在住30年の伊豆大島の名物ガイドとして、ジオツアーで生計を立てるプロガイド。その楽しいガイディングにはファンも多い。


<参加者の感想>
・ツアーを受ける人のことを考えてたくさん準備してくれるガイドさんは本当にすごいと思いました。ぜひ、伊豆大島に行ってガイドを受けてみたいです!
・ジオパークに携わる一人としてガイドさんは誰にでも理解できるような説明をすることができるスキルが特に大事だと思いました。
・ツアーガイドと教員の仕事って共通点あるなぁ。相手の気づきを大切にする。
・そこに暮らす"人"のためのジオパークなんだと改めて思いました。
・やりたいことで生きていく苦労もありそうですが、悔いの無い生き方にとても共感しました。

<質問への回答>→PDFファイル(151KB)

3 地元を巻き込んだ外国人にウケルローカルツアー

工忠照幸 氏


旅行会社MATA TABI代表、里山ゲストハウス クチュール代表。19歳から7年間世界をバックパッカーとして2周し、帰国後はホテルマンや海外添乗員を経験。37歳の時に京都府綾部市に移住し、ゲストハウスや地域の人材をローカルガイドとして活用する旅行会社を運営しながら、通訳案内士としても活動する。


<参加者の感想>
・世界を見てきた中でのゲストハウスの経営、色々な経験はとても大切だと思いました。私ももっと経験していきたいです。
・農家民泊など短期間に多くの人を仲間に入れることはすごいと思いました。何気ない自然を魅力地として磨くセンスもすごいと思いました。
・行動力が成功に繋がっていると感じました。レールに乗ることだけに拘らず、自分の気持ちややりたいことをかなえるために努力するひたむきさに感動しました。
・お話をお伺いして、経歴に驚きました。会社が突然倒産したりと、端から見たら大変だったらと思うのにそれが「良かった経験」といえるのがすごく素敵な価値観だなと思いました。今、私は悩んでいることがあるので工忠さんからいろんな話を聞いて刺激を受けたいなと思いました。
・帰る時は友達、次来るときは友達を訪れる。素敵だなと思いました。

<質問への回答>→PDFファイル(792KB)

 4 みんなでおしゃべりタイム

参加者からの質問をいくつか取り上げ、発表者が答えました。また、地域資源を活用して稼ぐ方法などをみんなで意見を出し合いました。

 

参加者の声(アンケート)

(1)1日を通して印象に残ったこと、気づいたこと、見えてきたこと等

  • 地域の魅力は人づくりから始まる。何でも無い自然、人が財産となる。(ガイド)
  • 地形にあまり興味が無かったのですが、その道を究めた人の話を聞くと、楽しく聞けて興味がわいてきました。(ガイド)
  • 有償ガイドを目指すにあたり、西谷さんの活動は参考になりました。(ガイド)
  • 様々な取組みをしている人がいることにびっくり。その人達に出会えたことに感謝。若い人たちにと繋がれたことも良かった。今後もこのような会があればうれしく思います。(ガイド)
  • 専門的な勉強会。例えば地質、岩石、生物、自然環境がテーマ別で開催してはどうか。(ガイド)
  • ガイドをして地域の魅力を伝えていくときに、元々県外から来た人の方がその地域の魅力に気づけることを知った。また、ジオパークの研究者がガイドに学術的知識を伝えていることに感心した。(学生)
  • 地学は高校で選択する人が少ないこともあって、とっつきづらい部分がある。しかし、スポーツや生物、歴史などを連携させることで知って欲しいという想いが見えた。午後の講演者の方は人との交流を自身の研鑽、地域の還元するのがうまいなと感じた。(学生)
  • 今まで考えたことのなかったガイドの視点を考えることが出来ました。これから行う研究をジオパークの発展に活かしたいと強く思ったし、山陰海岸ジオパークの人々が楽しくガイドできる環境になればいいなと思いました。(学生)
  • 科学が間に入れば文句が出にくいという言葉が印象に残りました。これから社会に出て働いていく上で人に信用され頼られるような人になるために、自分の見る世界が広がって、楽しく生きていくためにも幅広い知識を身につけていかなければ行けないと思いました。(学生)
  • 自然との付き合いに多くの感銘を受けた。(大学教員)

(2)山陰海岸ジオパークや地域の活動にあなたがもっと関わりやすくなるためには?

  • 地域の人の顔を知ること、みんなと話す機会が楽しく有意義。
  • 希望(アクティビティガイド)
  • お金を稼ぐことも大切だけど、自分に出来ることや人を巻き込む活動も必要。(ガイド)
  • 行政や地元がうまく連携を取れる情報の共有化が出来ればさらに盛り上がるのではないかと思う。(ガイド)
  • ガイドを利用したことがない人たちにガイドを利用いただくPR方法をもっと知りたい。(ガイド)
  • このような場にたくさん顔を出すことが人脈を作りやすくなると感じた。(行政)
  • 鳥取エリアだけでなく、兵庫、京丹後エリアのことも知らなければいけない。活動されている方々に会いに行きたい。(行政)
  • テーブル会議では中々聞けないことが多いので、情報共有を気軽に出来るカフェ形式の場があることは、より関わりを深くすることが出来ると思いました。もっとたくさん開催して頂きたいです。(観光)
  • 日本国民の地学の知識の向上が必要な気がします。(ジオパークの)知名度向上。(学生)
  • 一般の人の視点で見るとやはりどうしても知る機会が少ないのかなと思います。今日のような交流イベントを開いても関係者しか来ないのが現状だと思います。話を聞いたら行きたくなる魅力がたくさんあるので、SNSなど今にあった効果的な発信方法で是非みんなに知れ渡ればいいなと思います。(学生)
  • 1年間で複数回関わりが持てるようなプロジェクトがあると参加しやすいと感じしました。(学生)
  • 専門知識がなくても分かりやすく、興味を引くようなイベントがあると関わりやすくなります。(学生)
  • 地元の人には気づかない良さを再発見出来るような視点。(研究者)

ご協力いただいた方々

鳥取大学の学生の方には、みんなの付箋を貼るホワイトボードをデコレーションしていただきました。おかげで楽しい雰囲気をつくることができました。ご協力ありがとうございました!

 

  

最後に本ページの担当課    鳥取県 生活環境部 自然共生社会局 山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館
   住所  〒681-0001
            鳥取県岩美郡岩美町牧谷1794-4
   (施設の利用に関する問合せ)
  電話  0857-73-14450857-73-1445    
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