知事定例記者会見(2018年7月9日)

平成30年7月9日(月)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約80分) ※MPEG4形式

  

1 7月5日からの豪雨災害 

●知事


 皆さん、おはようございます。この度は大変な豪雨が西日本を中心に襲いました。本県も[大雨]特別警報が発令をされるなど集中的な雨に見舞われまして、被災地に大変な被害、爪あとが残った格好となっております。今回の豪雨災害、全国で、今、報道されているところなど、88名の方の尊い命が失われました。また、行方不明の方も多数に上っています。その88名のうちの54名は中国地方でございまして、この中国地方、比較的そうした豪雨災害が少ないとも言われてきたところでありますが、九州や四国以上に、この中国地方の被害が目立っているところであります。本県は人的被害はございませんでしたけれども、家屋におきまして1棟の一部損壊がございまして、さらに床下、床上の浸水被害100棟以上に上っている状況がございます。こういうような大変な被害がございまして、このたびの災害においてお亡くなりになられました方のご冥福をお祈り申し上げたいと思いますし、また、お悔やみを申し上げたいと思います。


 さらに今回、被災されて大変なご苦労を背負われている皆様方に対しまして心よりのお見舞いを申し上げる次第でございます。私自身もこの特別警報に際しまして、全庁挙げてこれに取り組むことを、指示をさせていただき、[鳥取県]災害対策本部を設置しておりました。今朝、各市町でも災害対策本部が解除されてきましたので本県としても注意体制に移行したところでありますけれども、今後も被害状況の把握をしていかなければなりませんし、対策を急いでいかなければならないところでございます。今、[被災]状況を見て歩かせていただきましたが、一昨日[7月7日]は若桜町の方の吉川であるとか、淵見であるとか、そうした状況を拝見し、また、昨日[7月8日]も[智頭町]福原、[国道]373号沿いとか、また、[智頭町]八河谷でございますとか、そうした災害の状況を、拝見をさせていただき、八頭町で[吉田英人]町長さんともお会いをし、[八頭町]用呂などで河川の損壊、堤防の損壊などの甚大な被害があると、こういうお話もお伺いしました。


 ネギの畑、岸本さん、藤田さんの畑[鳥取市袋河原の白ネギほ場]の方にも参りまして冠水被害も拝見をさせていただきました。実は昨日[7月8日]、一昨日[7月7日]と広島県の湯﨑[英彦]知事やそれから岡山県の伊原木[隆太]知事、また関西広域連合の関係で井戸[敏三]兵庫県知事とも電話で何回か相次いでお話をさせていただいております。また、山口県の村岡[嗣政]知事とも連絡を取らせていただくなど各方面と、今、相談をさせていただいております。今回の豪雨災害は中国地方全体が大きな被害に遭いました。中国[地方]5県それぞれに浸水被害、あるいは土砂崩れ、道路の損壊等々公共施設被害が広がると同時に、また、今なお救出活動が続いております倉敷市の真備町など,人命にかかわるような重大な被害が中国地方で集中的に発生をしているわけであります。そこで中国地方全体として政府に対して救援活動、それから災害復興の支援などを求めていかなければなりませんし、また、合わせて中国地方域内での総合支援の促進、さらに関西広域連合からの災害の受援、こうしたことなど圏域を越えた、そうした支援活動、災害復興へ向けた道筋づくり、これを至急やらなきゃいけないということに見解が一致をしてきたところであります。


 そこで、今、中国地方[知事会]の会長県、湯﨑知事の方から、こういうとりまとめについて幹事役を鳥取県の方で担ってもらいたいと、こういうお話があり、私も中国地方の皆さんから鳥取県中部地震のときに大変なご支援をいただいたわけでもあり、そのときのノウハウも私どもに残っていることもあり、鳥取県が、その支援の連携のセンター機能をさせていただきましょうと、こういうことになりました。具体的に鳥取県としても昨日、岡山県に災害関連のリエゾンといわれる連絡調整員をまず派遣をしまして、さらに、今、先遣隊、これ、例えば保健師の活動であるとか、避難所の活動であるとか、家屋の被害認定であるとか、そうした活動を今後していくことを見越しながら、私どもの方でまずは先遣隊を派遣させていただいたところでございます。


 さらにその状況を見て中国各県、そして関西広域連合での支援、こうしたことを我々としても動かしていこうということであります。広島[県]の方には山口県からリエゾンを派遣していただいておりまして、山口県の村岡知事とも話をしましたが、中国5県一体となってこの難局を乗りきっていこうと、こういう話し合いをさせていただいたところであります。また、鳥取県内の状況でありますけども、今回は通常ないような雨量が降っています。智頭[町]であるとか、[鳥取市]佐治[町]であるとか、そうしたところで前代未聞の雨量が観測されていまして、智頭[町]の境を越えた八頭[町]の大江あたりも同様でございます。それで、この大規模な雨の関係で河川がかなり暴れたという状況がありまして、その河川が暴れたことに伴って道路等がやられたり、ライフライン、これは下水道とか、そうしたものも破損をしたりという被害状況がございます。


 また、各地で農地の冠水でありますとか、そうしたことがありまして、今、これ集計を急いでいますけども、田畑の被害、これも見られるのではないだろうか。また、観光客の関係でございますけども、観光にわざわざお見えになったお客様、残念ながら交通が途絶をしました。それによりまして影響を受けてこちらにお泊りになるという、そういうことを余儀なくされたところであります。この週末にかけまして、結局お泊まりにならざるを得なかった方もいらっしゃったことで、土曜日あたりはお客様が増えたのと減ったのと、とんとんぐらいでありましたけれども、昨日ぐらいですと、キャンセルがかなり上回ってきています。そういうようなことで、今後も含めてそうした観光客の動向に影響しないだろうか、この辺が深く懸念される状況になってきております。


 また、交通が途絶したことから物流が止まるなどもございまして、商工関係への影響も懸念されるところでございます。こうしたことから特にインフラストラクチャー[公共施設]関係が、今回まとまった復旧事業が必要ではないかと思われます。当面、我々が急がなければなりませんのは不通箇所ないし、今、通行制限をかけている箇所の交通開放でございます。例えば[国道]373号でいいますと、あれに沿って流れております千代川がかなり暴れました。それで、その関係で洗掘といわれる現象ですけども、川の水がこう曲がるときに岸壁にぶつかるわけであります。それで、ぶつかってそこを破壊をして掘り込んでいくわけですね。これによりまして道路の路面まで含めて陥没をしたり、また、[路面の]下がない、そういう空洞状態を作っていくということになります。この被害がゲリラ的に数箇所発生をしたという状況であります。それでまずは通行を確保しようと、昨日[7月8日]も[智頭町]八河谷の方にまいりましたときに、せめて、バスが通れるくらいの道路幅をとってもらいたいというようなこともございました。したがいまして、ちょっとその通行の支障となるような構造物を撤去したりあるいは鉄板をひく、幅を広げるとか、さらに空洞となったところなど、この岸壁をもう一度守るために土のうを積んだり、こういうことで応急的な復旧工事を急ぐ必要がございます。これによって、明日[7月10日]、明後日[7月11日]ぐらいまでには何とか開通できるように頑張っていきたいと。


 まだ不通箇所、今、通行制限かけて緊急車両とか、地元車両は通れるようにしました。これを活用して生活の支障がないところまでもってきていますけども、ただ、まだ不便が残りますし、一般車両の課題もございますので、まずはその応急復旧による交通確保、これを急ぎたいというところであります。また、河川につきましても危険箇所、こちらの方の応急復旧がこれも急がれるところでございます。土砂崩壊の状況も各所に発生をいたしました。この土砂崩れの箇所についてはとりあえず安定化させるような、そういう応急措置を施す必要がありまして、これも順次、今、進めているところでございます。


 ただ、このインフラストラクチャーについては、これは当面の補修でございますので、これを安全な状態にしっかり戻していくには、やはり災害復旧工事が急がれるわけであります。こうしたことがかなり多くあるのではないかと思われます。


 また、商工関係の融資[災害等緊急対策資金]、これをやる必要があると、今、[年]1.43[%]の災害時の特例の融資がありますけども、これを発動させる必要があるのではないだろうか。それで、その際に、これまでの台風災害などでやっておりましたけども、市町村とも協調しながら利子負担を減らしていくと、そういう特別の融資制度、こういうものも考える必要があるのではないだろうか。


 また、農林関係につきましては林道や作業道の被害がかなり多く発生しています。こうしたことに対する対策の費用、それから農地についてはネギやアスパラガス、この辺は東部で作付けが多いところでありますけども、そうしたものにつきまして、特別防除[病害虫の駆除]、やはり水が引いた後、やはり消毒といいますか、防除をしなきゃいけないわけであります。これが緊急に必要になりますので、きのうもJAの幹部の方とお話をしましたけれども、そうしたJAとも協力をし、地元とも協力をしながらその防除を速やかにやるための措置、こういうことも必要であります。


 さらに、この度、避難所の方は、昨夜[7月8日夜]では伯耆町の福祉施設[に入所されているかたが自主避難されていた]関係などがございましたけれども、ほぼ、昨日[7月8日]は解消に向かったところでございました。しかしながら、20万人の避難を呼びかけるということもございまして、過去ないほど避難者がございました。それで、鳥取県としては災害救助法をいち早く適用しようということで、この特別警報が出た地域に災害救助法を適用させていただきました。これにより避難関係のこと、県の方で費用負担が必要になります。この避難関係の費用、これの予算措置もやはり必要になる。さまざま当面必要な経費がございまして、通常の災害ですと、予備費で対応するということでございましたけれども、鳥取県中部地震の時のようにやっぱり緊急の補正予算をやはりつくる必要があるのではないだろうかと考えております。これをできれば明後日[7月11日]ぐらいまでに補正予算集計をさせていただき、そして、できるだけ早くこの補正予算を実行に移したいと思います。


 [稲田寿久県議会]議長をはじめ[県]議会の皆さんとも、今後しっかり協議をしなければなりませんが、手法としては、中部地震のときは専決予算を作成をしました。イレギュラーではありますけれども、それを各会派に説明をする、その上で専決をすると、こういう形でできるだけ早く予算措置をしようという工夫をさせていただきました。今回もそういうような前例もあり、ちょっと議会側とよく協議をさせていただきながら、できるだけ早く必要な予算を確保してまいりたいと思います。本格的な復旧作業というのはやはり国の方の協議を経て、それで、災害復旧工事をやっていくという手続きになるんでありましょうから、秋以降ということになろうかと思いますが、9月[県]議会が全部終わって可決をするのを待たずに執行すべきものも、執行したいものもやっぱりあると思います。やはり国の協議がまとまり次第やっていこうというものもございます。ざっと見て10億円ぐらいには、第一次的なそうした初動の予算というのを作って、それで、あと、足らざるところはまた9 月補正[予算]で積み込んでいくと、そんなような2段階での対策が適切ではないかなと今考えておりまして、予算担当部局や関係部局に、今、指示をしたところでございます。


 それから国に対して要望活動をしなければいけませんが、明日[7月10日]上京をして、国に対して要望活動しようと、今まだ日程を調整中でありますけれども、小此木[八郎]防災担当大臣でありますとか、齋藤[健]農林水産大臣でありますとか、それから県選出の国会議員の皆さんでありますとか、鳥取県の被害状況、それから中国地方全体の被害状況もご説明をしながら要望活動していこうと考えております。私もそうした中国地方全体の中で話し合いもしてまいりましたので、中国地方全体の要望も当然ながら、させていただく。その中国地方全体の要望としては人命救助等、こうした対応をぜひしっかりやってもらいたいということ、さらには激甚災害の指定をいち早くやっていただきたいこと、また、財源措置がかなり広島[県]、岡山[県]の状況を見ても莫大なものになると思われます。ですから、そうした財源措置をしっかりと取っていただきたいということ、また、生活再建に向けて、被災された方が多数に今回、中国地方全体及んでいます。そういう被災された方々への生活再建支援、これについてもやっていただきたいということ。こうしたことなど中国地方全体の要望を今、とりまとめ中でありまして、各県と今協議をさせていただいております。そうしたものを踏まえて、小此木防災担当大臣をはじめ、政府の関係部署に要望活動をしてまいりたいと思います。それであわせて鳥取県の制度改正要望ですね、これも6団体合同で行わせていただきたい、こういうふうに考えております。





2 大阪府北部を震源とする地震を受けたブロック塀の点検 

●知事

 県民の安全安心という観点では大阪[府]北部[を震源とする]地震の総括ということがあろうかと思います。それで、この大阪北部地震の支援活動につきましては、大阪府の方から鳥取県の支援については先週いっぱいで終了してよいということになりまして、7月6日に職員の災害応援隊が終了するので、これで、諸般にわたる支援活動は一応ピリオドを打たせていただきました。後は大阪府内で相互支援で乗り切ると、こういうお話を伺っています。


 それで教訓として残されましたのはブロック塀のことであります。このブロック塀につきましては、県有施設では30カ所補修等補強が必要なことがわかりました。それを除却したり、補修したりということをやっていかなければいけません。また、県道の沿線を調べさせていただいて、99カ所ですね、これは民地の問題になりますけども、安全が懸念される、そういう箇所が見つかったところでございます。それで、学校、あるいは通学路、これも今、市町村も含めて点検[している]、最後の段階に入ってきているところでございます。こうした安全対策も9月補正[予算]の中でブロック塀対策を入れていく必要があるかなと思っております。当然ながら今、現有予算で回していますけれども、設計や方針をまとめた上で執行していく、そういう関係予算、また、本県としてやはりブロック塀に対する助成制度を検討すべきじゃないだろうか。今回の地震でクローズアップされた課題でもあり、今、危険な建物の除却等に対して助成制度はありますけども、ブロック塀についての助成制度がないところでございます。


 これについても市町村とも今後協議をしながら考えていかなきゃいけませんけれども、最大20万円程度の支援措置というのを考えてはどうだろうかと思います。こうしたことで民地におけるブロック塀の除却なり、補修なり、そうしたことが進められて、通学路の安全等が確保される、そうしたことを県としても応援をしていく必要があるのではないだろうかということです。ですから、自ら直すものと合わせて民間への支援を検討して、それを計上していったりすると大体1億円ぐらいになるかもしれませんけれども、そうした規模感で、これからブロック塀の安全対策、これを図っていかなければなりません。





3 日米韓外相会談 

●知事

 昨日[7月8日]は日米韓によります外相会議[日米韓外相会合]が開かれまして、[マイク・]ポンペオ[アメリカ合衆国]国務長官や康京和(カン・ギョンファ)[韓国]外務大臣を交えて、河野[太郎 外務]大臣が話し合いをされました。その中で我が国の安全については非核化のこと、それから中距離、短距離も含めた[弾道]ミサイルのこと、そうしたことに対して制裁措置を、これを解除しないで非核化を要求していくことなどが話し合われたところであり、この3名からコメントも出たところであります。これについて北朝鮮が反発をしているわけでありますけども、ポンペオ長官はアメリカのことを強盗というのであれば、これは国連で決めている話なので、全世界が強盗だというようなことで反論してみせたり、最近もいろんなやり取りがあります。その中でポンペオ長官が拉致問題にも米朝間で、今回の協議で言及したという話がありました。


 私どもは[伊木隆司]米子市長と共同で7月6日に要請活動に上がりました。そのとき、田中[良生 内閣府]副大臣にも申し上げたところでありますが、ぜひそうした救援、救出を図っていただきたい。我々としてはマニュアルもつくって受け入れ準備をしているということを申し上げたところであります。この拉致問題の解決を含めて、こうした課題が解決をすることを願うところでございます。

 また、原子力安全対策につきましては、[中国電力]島根原[子力]発[電所]3号機の課題、これ、結局[6月定例]議会終了までに結論は出ないまま持ち越しになっているところであります。米子市議会が7月12日から開会するというふうにお伺いをしておりまして、米子市側の議論も見なければいけませんし、境港市の状況も見ていかなければなりません。我々としては同時並行で原子力安全顧問、専門家の検討委員会[第2回原子力安全顧問会議]を7月13日に開催をすることにいたしております。今後も[島根原子力発電所の]周辺2 市としっかり協議をしながら、この問題について検討を深めてまいりたいと思います。





4 エアソウル運航本数の減増 

●知事

 このたびエアソウル[株式会社]の[曺 圭英(チョ・ギュヨン)]社長さんがお見えになりまして、[機材整備の関係で、10月27日までは]週3便に減便されるものの一転して、10月28日からは週6便化するということが示されました。ぎりぎりの攻防であったわけでございますけども、一時的には週3便化されますけども、鳥取側の情熱というのに応えて米子ソウル便[週]6便化の対象路線にしましょうということでありまして、地方路線でごくごく限定的ながら6便化されるところに、むしろ選別をされたということであります。私たちとしては、この期待に応えて搭乗率を向上させていかなければなりません。まさに経済界、観光業界、皆さんと一体となってエアソウルも共同しながらそれを進めていくことになります。


 当面6月補正[予算]で成立した利用促進の予算もありますし、もちろん当初予算のものもございます。例えば、今、検討作業に入りましたのは、女子旅という動画がございまして、これがつい先ごろ[6月]作成したんですが、[2週間で]140万回再生される韓国向けの動画でヒットしています。それで、これをもとにしまして、旅行商品を組んでいく、そのようなプロモーションをやってはどうだろうか。また、韓国のNAVER(ネイバー)という[インター]ネットにおけるパワーブロガー[影響力の大きいブロガー]、これによる情報発信を支援していく。また、岡山県北部などエアソウルの新しいターゲットに入り得るところ、そうしたところに向けるPR活動を強化することなどを検討しはじめたところでありますけども、こうしたこと等を協議していく意味で今月[7月]中に、私どもの方から職員を派遣しまして、国内における観光プロモーションもあせて行うということにさせていただきたいと思っております。





5 GTI地方協力委員会、バーモント州姉妹提携など 

●知事

 また、7月13、14日と、GTI、広域図們江開発計画の地方[協力]委員会を開催します。これを鳥取県で行うこととなります。そこで環日本海時代を睨んだDBSクルーズフェリーを活用したルートづくりなどを我々は提起したいと思いますし、また、DBSクルーズフェリー10周年記念式典を7月14日に行いますが、これにも[委員のかたがたに]参加をしてもらって認識を深めていただこうと考えております。このGTIでありますけども、このたびは経済産業省や外務省からも参加をしていただけることになりました。また、各国の大使に当たる総領事ですね、中国、韓国、ロシア[、モンゴル(代理出席)]からも参加をいただけることになりました。また、モンゴル[ドルノド県]の[ミャグマルスレン・バダムスレン]知事を初め、関係地域の担当者が集まることになります。ぜひ、よりよい会議をしていければと思います。


 また、私自身アメリカとの関係づくりで、このたびバーモント州の方に参りまして、向こうの[フィル・]スコット知事と姉妹提携の締結をする運びとなります。また、その後、全米知事会議[サマーミーティング]に参画をさせていただき、全米知事会議の皆さんに日本に来ていただいて日米知事フォーラムを復活させる、この働きかけを最終盤となりますが、してまいることになりました。そのようなことで海外へのプロモーションということがあろうかと思います。





6 水木しげるロードリニューアル 

●知事

 観光では、この度、水木しげるロードがリニューアルをされることになります。その水木しげるロードのリニューアル式典など[水木しげるロードリニューアル大作戦]、[7月]14日に開催をされますし、また、この機会に鳥取県を売り込んでいく意味でアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」のスポンサーになり、その関係で鳥取県、大山や境港がアニメの中でも登場するという運びになりました。ぜひ、いろいろとにぎわいを鳥取県の方でも、この時期、つくっていければというふうに考えております。



7 障がい者の文化・スポーツの振興 

●知事

 この度、締め切りをさせていただきました手話パフォーマンス甲子園でありますけれども、62チーム65校の参加となりまして、過去最多に並ぶ格好になりました。大変に注目も集まってきたと思います。新規の参加校も増えていますし、県内からの参加校も新しいところもございます。


 このようなこととあわせて、今日[7月9日]は障がい者スポーツの拠点をつくることを日本財団とともに発表をすることになりました。[鳥取市]布勢のコカ・コーラボトラーズジャパンスポーツパークに今後設置をされることとなります。また、障がい者の芸術文化についてでありますが、6月[13日]に障がい者芸術文化を振興する法律[障害者による文化芸術活動の推進に関する法律]が制定をされました。本県としても全国に先がけて鳥取県の計画をつくることにいたしたいと思います。できれば年内[平成30年内]、早ければ秋ごろとかそうしたことで、これまでの実績がありますのでそれをとりまとめていくことで作成に向かってまいりたいと思います。障がいを知り、共に生きる鳥取県、そういう意味で障がい者のかたが生き生きと暮らせる、そうした社会をつくってまいりたいと思います。私の方からは以上です。





8 災害を受けた補正予算編成 

○共同通信社 仲野智揮 記者


 それでは、各社質問のある方はどうぞ。


○日本海新聞 今岡浩明 記者


 先ほど、予算措置の話が豪雨に関連してですね、予算措置のお話出ましたけど、ざっと10億円ほど必要ではないかという見積もりでよろしいでしょうか。


●知事


 正直、昨日[7月8日]から作業に入っているところであります。ちょっととりまとめ[まで]まだ時間かかりますので、1億[円]、2億[円]という数億規模ではなくて、10億[円]という規模感ぐらいには最終的にはなるのではないかなと思います。ただ、これ、全部じゃなくて9月補正[予算]でももちろんやっていくことになろうかと思います。ただ、初動でこの夏に、夏から秋にかけてできるだけ早く動かしていくものが必要ですし、先ほど申しましたように、今回、避難所で結構[被災者の]受け入れの数も膨らみました。そういう災害救援の経費等もございます。それから、今回の災害を踏まえて緊急に対処しなければならないような、課題も見えてきたかなと思います。そうしたことで私どもの方でいろいろと今、事業の積上げをしていこうとしていまして、週が明けて今日[7月9日]から本格的にまた作業に入れると思いますけども、できれば今週中[7月9日の週]に動けるようにはしたいなと思って、ちょっと議会側とよく協議をしていきたいと、そういうことでありまして、10億[円]という規模ではまだございませんけど、1億[円]、2億[円]、3億[円]というような規模ではない。


○日本海新聞 今岡浩明 記者


 聞き方を変えますけれども、規模ありきではなくて、急ぐ分野として、今、どういったものが念頭にあるのかというのを聞かせていただきたいと思います。


●知事


 やはり農業でいえば防除対策、これは至急やらなければいけません。水が引いたところで対策を打たなければなりません。農家も動き始めますので、こういうことは速やかにやらなければ、予算措置が必要であります。それから、商工関係の金融措置、これもやはり急がれるところでありますし、応急復旧、これはもう既に進行中でありますけども、予算にも限りがありますので速やかに、今、補正をしておく必要があるのではないかと思っております。その他にもいろいろと急ぐものがございますので、そうすると9月補正[予算]を待っていては住民の皆さんの懸命の被災から立ち直ろうという、そういう思いに応えられないのではないかなと思いますので、我々としては可及的速やかにそうした財政的裏打ちもある行動に移れる基盤を整えたいということであります。


○日本海新聞 今岡浩明 記者


 繰り返しになりますが、応急復旧というのは例えば河川ですとか、道路の被害の対応というところですか。


●知事


 そうですね。そういう治山事業、それから河川事業、あるいは道路事業、こうしたところで既に被災箇所がございまして、残念ながら、今なお交通に不便を生じている状況でございます。ですから、まずは応急復旧をやって安全を確保するということだと思っています。いろいろと今も工夫をしていまして、例えば国土交通省さんに特別の了解を得て普段は出入りできない鳥取[自動車]道の福原パーキングエリアから[国道]373[号]の方面に町道等を経由して行けるようにその許可をもらいました。これによって緊急車両や地元関係車両、こうしたところは通行が、そちらも経由して可能になっているんですけれども、ただ、そういう工夫だけでは追いつかないものですから、まずは当面走れるような措置というのをやっぱり急がなければいけないと思いますね。


○日本海新聞 北尾雄一 記者


 関連してお伺いしますけども、専決処分を念頭に置いているということでしたけども、中部地震の例でいきますと議会と相談した上で議運(議会運営委員会)を開いてそこで説明をするということだったんですけど、今回もそういうようなことで、今、議会と相談されているのか。


●知事


 議会と、今、相談を始めておりますけども、議会側のお立場もあると思いますので、しっかり協議をした上でと思っております。前例としてそういう専決予算という形で執行に入らせていただいた例もございまして、そういうことも念頭に置いて協議させていただいているというのが現状正直なところでございます。ただ、通常の専決予算とかとは違いまして、議会側にもちゃんと聞き取っていただけるように、前回の例[鳥取県中部地震を受けた予算専決処分]もございますけども、各会派と協議をした上で専決決定をするというようなやり方もあるのではないかなと思っています。


○日本海新聞 北尾雄一 記者


 議会との協議が整えば、知事としては週内にも専決処分したいというご意向でしょうか。


●知事


 そうですね。専決処分についてご意見もいろいろあろうかと思いますが、もちろん臨時議会を召集するという手もあるんですけども、前の[鳥取県]中部地震の例もございますので、その辺も視野に入れて、今、お話し合いをさせていただいているということです。


○日本海新聞 北尾雄一 記者


 それから、結構大きな額が必要になりますが、これに関する財源についてはどういうふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。


●知事


 この財源は、これはもう、今、現状こうでありますので、とにかく工面をしてやっていくという以外ないわけでございます。[平成29年度からの]繰越金なども底をついておりますけれども、そうしたものを充用していくとかになります。しかし、私どもの願いとしては今回中国地方全体として[国への]要請活動ありますけども、やはり激甚災害などの国の抜本的な財政支援措置というのが、私どもは適切な状況ではないかなと思っていまして、そういうものがあればそれを活用しながら財源をつくっていくということだと思っています。
 


○日本海新聞 北尾雄一 記者


 例えば激甚指定のエリアを中国全体に広げてもらうとか、そういったことも要望の中に入ってくるんでしょうか。


●知事


 激甚災害というのは法律上大きく分けて2つありまして、「本激」といわれる全国を通じて激甚災害に[指定]するパターンとそれから局地激甚災害、「局激」といわれるものでありますが、エリア限定でやる[指定する]ものであります。それで、さっきの中部地震だとかそういう場合は本激といいますと、全国的な被害の広がりということになりまして、やっぱりああいう地震だとなかなか本激というのは難しいと思いますね、多分今度の大阪[府]北部[を震源とする地震]なんかもそうだと思いますけども。それで局激でもやはり財政力の関係であるとか、それから被害額のカウントの仕方とか微妙なところで局激にいったりいかなかったりということがございます。ただ、今回はそうした何かこう微妙な判定手続きによるよりも本激といわれる全国を通じた災害で認定をするべきケースではないかなと思っておりまして、もしそうなれば本県もこれは対象になってくるというふうに見込んでおります。そういう意味で中国地方としてそうした激甚災害の速やかな認定というのを求めていきたいということです。





9 住宅復旧への支援 

○山陰中央新報 原田准吏 記者


 関連してですけども、住宅被害が100棟くらい発生をしております。床下浸水がもう中心なのかもしれませんけれども、これに対する支援というのは何か補正予算に入ってくるものっていうのはあるんでしょうか。


 

●知事


 基本的には私どもには住宅災害支援のスキーム[枠組]がありまして市町村との合意の上で運用しているスキームがあり、それにのってくれば対象となりますが、それ以外のところは、実は市町村の方で災害見舞金制度などももっておられるところが結構広くございます。そうしたものが1つ中心になるかなと思います。ただ、今回ちょっと例外的なケースとして清水川排水機場のところがございまして、あれは今まだ原因の最終的な究明はしていますけれども、ポンプの不具合があったということもあり、これは鳥取市と鳥取県と共同しながら対処していこうと、今、話し合いをしておりまして、そういういわば、こういう清水川対策というものも補正予算の中で考えていくのかなと思っています。





10 ボランティア等による支援 

○日本海テレビ 前田俊博 記者


 昨日視察なさったときに、いわゆる住宅の後片付けなんかボランティア隊みたいなもの作ってはどうかというご提案も、近いようなことをおしゃっていましたけど、その辺について何か経緯について。


●知事


 はい。今、私どもちょっと被災地にも昨日[7月8日]職員が入ったりしてやってもらった、例えば職員災害応援隊的なやつですね、あるいはこれどこかの部局で出ていく、例えば県土整備部だとかそういうことも含めて、今ちょっとお話ももっていってはいるんですが、まだ確定したものではございません。昨日[7月8日]もわりとやっぱり私どもは地方部なもんですから、大都市部とちょっと違うのはどんどんご近所やご親戚集まられて片づけが始まってきておりまして、ちょっとその辺市町村側の状況もみながら、そうしたボランティアの対応は考えていく必要があるかなと思います。あと、これ早晩課題になると思われますのは、大規模な被災地域がございまして、広島[県]や岡山[県]のような所、そうした所も、まだ今、救命活動の真っ最中でありますけども、これから状況に応じてボランティアの呼びかけが始まるんではないかなと思われます。この辺、県社[会福祉]協[議会]さんとも共同しながらそうした派遣ということも考える必要があるかなと思っています。





11 中国地方、関西広域での広域応援体制 

○中国新聞 小畑浩 記者


 中国地方知事会としてということになるのかどうかですけれども、鳥取がセンター機能という話をおっしゃっていましたけれども、具体的にどんな形で中国5県の中で鳥取がセンター機能を果たしていくのかというところ。


●知事


 昨日[7月8日]も湯﨑知事、湯﨑知事が今、中国地方知事会長ですけども、例えば域内での職員の相互応援ですね、例えば市町村レベルだとか、そうしたことがまずあっていいんじゃないかなというお話もありました。そんなことも今捉えていますし、それから、これから重層的に発生するわけですね、今、まず救命活動がありまして、今、鳥取県も連日岡山[県]にヘリコプターを向こうの方へ持っていきまして、本県の偵察とかも本来あり得るんですけども、今、岡山[県]の方にもっていって、それで、岡山[県]で[倉敷市]真備[町]の救援活動等に当たっているわけですね。こうしたこと今、中国各県やっているとこなんですが、この事態が落ち着いてくると例えば避難所の設営とか、それからまた保健師等の手配とか、それから家屋の被害認定調査、これは湯﨑知事なども非常に関心を寄せていまして、そうしたことなどかなりの人員が必要になってくる。この辺を中国地方の中でそれぞれ被災したんですけども、被災のあり方がちょっと違うところがあります。本県の場合ですと、家屋被害の件数は恐らく限定的になるでしょう。その代り公共土木施設被害はやっぱりかなりあるんですね、同じ雨が降っていますんで、被害はやっぱり甚大なんですけど、ただ、それが、堤防決壊が大幅に広がったかどうかということですね。それで、浸水域がいっきに広がった地域は家屋被害が多いわけです。そうすると本県の方の家屋被害認定などの要員をそうした地域の方に、被災県ではありますけども、回すことはできますし、このようなお互いの相身互いでの融通ということは当然あり得るわけで、それを相互に調整することを一つはやるということですね。


 それから昨日[7月8日]、兵庫県の井戸知事と二度話をさせていただいていますが、関西広域連合としては[中国地方各県を]支援をしようという呼びかけをしていただきまして、それで、それを中国各県の知事とも協議をさせていただいて、じゃあ、受け入れていきましょうということでありますが、遠くからいらっしゃいますので、例えば家屋調査の職員を何名用意してくださいと、それで、そういうことを関西広域連合に伝えるわけですね。それで、関西広域連合の中で、何県から何人、何県から何人と、それをまた市町村とも相談して集めてくると、このようなやり方をやっていくわけです。それで、この辺のセンター機能も関西広域連合と調整も鳥取県でやってくれないかと、これ、今度は井戸知事の方から、関西広域連合長から頼まれていまして、それで、そちらの方のセンター機能も合わせて私どもの方でやっていこうということです。


 ちなみに四国への関西広域連合の応援については徳島県が仲介役を果たすということになりまして、私どもが中国地方の仲介役を果たしながら中国地方全体での人員の融通を図っていくと、こういうことで広域応援を後ろ支えしていく、そういう意味でのセンター機能であります。それで、また湯﨑知事が特別警報が出た日から私の方におっしゃっておられましたのは、やはりこれちょっと1県ではもたないと、ですから全国知事会や政府の応援を求めなきゃいけないと、それで、そういう意味で要請活動などが必要だということでありまして、そういう要請活動など広域のとりまとめ、この辺を本県の方でやるような方向で今、動いているわけでありまして、具体的にも明日[7月10日]、要請活動を行っていきたいと思います。





12 補正予算の内容 

○朝日新聞 横山翼 記者


 予算措置のところで避難関係の費用っておっしゃったのは、具体的にどういったものになるんでしょうか。


●知事


 避難所の費用ですね、食料品だとか。


○朝日新聞 横山翼 記者


 その避難所で捌けた部分というのか、今回、提供した部分を補うための費用。


●知事


 いや、避難所の費用自体が災害救助法で適用になりますと、県の方の費用負担が発生してまいります。したがいまして、市町村の方はある意味安心して避難所が設営できるというか、そういう仕組みです。ですから、その辺は私どもの財源手当が必要になりますので、災害救助法適用関係と合わせてそうした費用負担が発生したということです。





13 今回の災害対応への所感 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 今回ですね、避難指示とか避難勧告20万人以上に上ったわけですけれども、幸い人的な被害というのは確認されない。それで、ちょっと知事の見解ということになるとは思うんですけれども、これはたまたまそうなったのか、それともやっぱり県とか市町村がこれまで積み上げてきたものがうまく機能したのかっていうこと、どういうふうな受け止めでしょうか。


●知事


 私も今回市長さん、町長さん等といろいろと話をこの数日やってまいりましたけども、本当に人命が失われなかったことは我々幸運だったなと思います。実は紙一重だったと思います。どこの集落で伺いましても、今まで聞いたことのないようなゴロンゴロンという音がしたとか、それから川の暴れ方も初めてだったとか、恐ろしかった、こういうお話でありまして県内東部を中心に中西部含めて特別警報という名前に相応しいような雨がやっぱり我々に襲いかかったわけであります。それで、土砂災害も各所で発生をしたわけであり、それで、私ども鳥取県の場合は、特に中山間地は山に張り付いて家があるんですね。そういう形態の所が多ございまして、いわば紙一重で助かったということだと思います。


 それから、今回特別警報と合わせて、県でも命を守る行動をというふうに呼びかけをさせていただいて、それで初めて避難所にやって来たという、そういうかたも多くありました。ですから、今までの避難よりもかなり数が膨らんでいますし、そういう意味では特別警報の効果はあったのかなと思います。そして、あと地域でやはり助け合って避難所へいこうということを誘い合っていただいたとか消防団の活動なども機能していましたし、こうしたことである意味鳥取県の強みが発揮されたのかなと思います。公共施設の被害を見ますと、これまでちょっと、過去の台風等ではないような壊れ方をしていまして相当厳しいものがございましたけれども、ただ、これを乗り切ることができたこと、県民の皆さんのそれぞれの行動に感謝を申し上げたいと思います。





14 智頭町における交通遮断 

○山陰放送 日野彰紀 記者


 今回も智頭町は、幹線道路が通行止めになって陸の孤島化いたしました。大雪のときにも指摘されていたことですけれども、そういった交通の遮断が災害対策を進める上でその支障になるという考え方もあると思いますけれども、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。


●知事


 それは非常に我々もボトルネック[隘路]でございまして、特に最近の雨の降り方等は尋常でないんですね、集中豪雨型でありまして、たびたびこうしたことが発生をすると。それで、今回の特別警報発令の雨では、実は鳥取県自体が陸の孤島になってしまったと、[国道]53号[市瀬トンネル付近]が閉鎖されましたし、鳥取自動車道、[国道]373[号]も使えなくなったことはもとより、[国道]29号線、これもようやく昨夜[7月8日の夜]ですかね、通行が確保されましたけれども、[国道]9号線も実は鳥取県内は動けても向こうへ行って但馬の方で切れてしまい、山陰近畿道、あちらの方の経路も同じように兵庫県側で切れてしまうと。それで、そういうようなことで実は鳥取県自体が袋の鼠になってしまったタイミングがございました、今までちょっとあり得ないことでしたね。それで、当然ながら物資の輸送だとか、それから仮に自衛隊要請していた場合のその自衛隊などの救援部隊の入り方などにも影響したと思います。


 こういうようなことで災害対策としては非常に難しい局面がございました。それで、私ども今回はちょっと思い切ったことですけども、実は鳥取[自動車]道封鎖していましたけども、雨量計のデータ[の基準超え]で封鎖していたという面があったものですから、職員を数十名智頭の方に送り込んで、それで、それから智頭町に居住している職員がいますんでね、それに智頭町に行きたくても行けない智頭町の職員も結構鳥取市内に住んでいたりします。そういうのもまとめて[智頭町に]連れていったり、そういうことで災害対応に当たる人員の確保などを初動段階で、特別警報の初動段階でさせていただいたりしたことがございました。これは[寺谷誠一郎 智頭]町長から非常に助かったという話がございました。こうしたいろいろな工夫をして、今回は乗り切りましたけれども、ただ将来的には少なくとも [国道]53号とか今のように頻繁に止まる体制は決して望ましくないと思います。


 今、国の方に申し上げておりますのは、[国道]53号市瀬トンネルの出口がボトルネックなんですが、ここは上からこう土砂が落ちてきます。それで、これ[大雨]のたびに閉鎖をするということでやむを得ないんですけども、いっそこの[国道]53号のここにシェルターをかけてしまって、土砂が落ちていくような状況が上部にあったとしても通行は確保するというやり方ができないかということで、今その方向で整備も進められてきておりまして、この[国道]53号のボトルネック問題が解消すればこういう恒常的な陸の孤島状態というのは若干改善されるんではないかなというふうに思っています。いずれにいたしましても、私どもまだやはり道路交通網などの整備が遅れている面がございまして、[鳥取自動車道の]4車線化等も含めて智頭町など谷筋ですね、この辺の交通強化というのはやっぱり課題になっていると思います。





15 エアソウル利用促進対策 

○山陰中央新報 原田准吏 記者


 別件なんですけれども、エアソウルの関係で6便化、10月冬ダイヤで6便化ということになりましたけれども、先ほど今回の豪雨のことやら、それから大阪北部地震のブロック塀のことやら、9月補正で対応されるというふうにおっしゃられましたけれども、エアソウルについては当初予算と6月補正だという話があったんですが、9月補正で何かエアソウルの関係のこと、やられる予定、特にありますでしょうか。


●知事


 これはこれからまた韓国に職員を派遣して協議をしますけども、いろいろと対策の経費はそれは見込むべきものは見込んでいかなければいけないと思います。当初予算、それから6月補正、エアソウル以外の他のデスティネーション[行先]も入っていますので、ですからこれで十分かどうかはちょっと事情が変わりましたので、また今後検討したいと思っています。まず、手持ちの予算の中でできることをどんどんやっていかないと、先方は80%という目標を改めて提示されましたので、現在ちょっと足元の搭乗率がそんなによくないもんですから、この辺は対策が急がれると思っています。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 その80%ということなんですけれども、やはりその日本人の、こちらからのアウトバウンドのところが課題になってくるかと思うんですが、先ほどその岡山県北部へのPR活動というお話もありましたが、島根県との連携も含めて具体的にどういうふうにしてやっていかれるかというところ。


●知事


 先ほども若干ちょっと例を申し上げましたけれども、今、例えばアイデアとしては既にヒットしている動画サイト、これに連動した新たな旅行商品の造成といったこととか、それから例えば、これ韓国の旅行会社でその山陰行き、別に島根[県]も含めてなんですけども、山陰行きなどで活用できるものを売っているんですが、JRの山陰パス[ウェストレールパス]っていうのをつくったんですね。大体5,000円ぐらいで回れるというもの、こういうものなどをコアにして、それで誘客を促進をする。こうしたことも今直ちにできることじゃないかなという話し合いをしています。そのほかにも日本から韓国に行くお客さんを増やすということでも、エアソウルと共同して何かこう割引パスをつくるとかそういうようないろんなやり方が考えられます。今のプロモーション経費で当面やりますけども、9月にも、状況によってそれは補正[予算]等も十分あり得ると思っています。




16 今回の災害対応への所感 

○日本海テレビ 前田俊博 記者


 今回の水害っていうのは、これまでにないケースっていいますか、台風とまた違う形で、こういうこともこれからあろうかと思うんですけども、最初、対策本部立ち上げるときやっぱり、まず人命尊重ということを素早くおっしゃったと思うんですけども、今回こういう形で人命、人的被害なかったんですが、そういう面で今後のことも合わせて今回出された対応と今後についてそれをうまくやっていくために何か感じられることありますか。


●知事


 はい。今回の豪雨災害は南北に高気圧がせり出していく中に梅雨前線がありまして、この狭い範囲でうろうろしていった。それで、悪いことに、台風7号が通りすぎるときに巨大な積乱雲を置いていったり、湿った空気の塊を置いていった。これが梅雨前線を活発化させまして、通常ではあり得ないような豪雨災害が西日本中心に一円で発生したということであります。最悪のシナリオだったとは思うんですけども、こういうことが今後も起こらないとは限らない、これは自然現象の恐ろしさだと思います。ですから、今回のこの教訓を我々としてもフォローさせていただいて、今後の、例えば地域防災計画であるとか、避難計画であるとか、そうしたことに反映をさせていくこと、これはまた市町村とも防災の研究会などで協議をしてまいりたいと思います。今回ある意味、要は皆さん避難所の中にいてあまりうろうろしなかったものですから、外に出てけがをしたとかそうしたことを含めて人命、それから身体の安全には非常にいいところがございましたけれども、この辺やっぱり垂直避難も含めた避難の方法の徹底が、今回特別警報が発令されたこともあって、住民の皆様にも非常にご協力いただけたこと、これがあったと思うんですね。今後もこうしたいろいろな被害防止の方策ということ、減災ということ、これも今回の災害の中から今後に生かしていけることはたくさんあるというふうに思っています。


 今回市町村には初動で、これプッシュ型で物資を送って、避難所が膨れ上がっても大丈夫なように手当てをさせていただいたり、また、災害救助法の速やかな適用も後押しをしたんでないかなと思います。また人材ですね、従来リエゾンとして事務屋さんを送り込むわけでありますが、やはり被災箇所が即時に判定できるような技術者を、実は今回初めて送り込みました。こんなようなことなどでそれぞれの市町村も動きやすくなったんではないかなというふうにも思っています。よく総括をさせていただきたいと思います。


○日本海テレビ 前田俊博 記者


 これまで何度も災害を受けてきた鳥取県で、今回また教訓、雨バージョンの知見みたいのがあると思いますけど、特に災害対策本部のところで先ほどおっしゃった垂直避難、盛んに具体的にも知事おっしゃっていたんですけども、それやっぱりそういうのを今後に生かしていくというか、その辺やっぱり何かいいきっかけになるとお思いですか。


●知事


 そうですね、わりと九州や四国はある意味豪雨に[ある程度]慣れているところがありますけども、中国地方はどちらかというと、そうした地域ではないと住民の皆さんも考えていたんじゃないかなと思います。ただ、こういう被害が発生するそういう気象条件が今はあるんだなと、このことを今回学んでいただいた機会にはなったんじゃないかと思うんですね。そんな意味で特別警報が発令されたことは、ある意味そうした防災効果はあったんじゃないかなというふうに思っておりますが、これを今後にも、今後の防災行動にも生かしていかなければ意味がないと思います。したがいまして、地域防災計画やあるいはそうした避難計画などにも反映させることをまた市町村と協議してみたいなと思います。





17 吉成南地区における浸水被害への対応 

○NHK 吉村美智子 記者


 鳥取市の吉成の水没のことでちょっとお伺いしたいんですけども、現在、原因調査中というお話でしたが、現時点でどういったことが要因たと見ていらっしゃるかということと、あと、今後の対応についてもう少し詳しく教えてください。



●知事


 [鳥取市]吉成南地区、あそこは清水川もございまして、かねてから浸水が多いところでありまして今回結構床下[浸水]の方に被害が収まっていますが、もともと[鳥取市]福部[町]あたりと一緒で宅盤[宅地の地盤]を上げて家をつくられるそういう土地柄ということもございます。ただ、この浸水被害を防止するためにポンプで水を送り出すそういう設備がございまして、清水川の排水機場でございます。それで、今回もこの排水機場を稼動させておりました。それでこの排水機場は県で設営をしておりますが、鳥取市に委託をしてこれを運用しているというやり方になっています。いわば共同でやっているポンプ場ということかなと思います。今回、私どもの方に通報がございましたのは、[7月7日]午前4時ですけども、このポンプが動かなくなったということでございまして、それが冷却水が、予備のところからこう冷却水が入って落ちてしまって、それで普通ですとアラームが鳴るんですけども、このアラームが鳴らない、それで結局ポンプが動かなくなってしまった、こういう不具合があったということでございます。


 それで、当日[7月7日]の状況としては[午前]6時過ぎにその運用を再開しているんですけども、私どもで国[土]交[通]省がポンプを持っていますので国交省に要請をさせていただき、そのポンプを設置したり、また、鳥取市側でも消防のポンプ、これを活用してもらったり、こういうものを組み合わせて一生懸命掻き出すということをやったわけですね。ただ、残念ながら間に合わないところがございまして浸水被害も起こってしまったということでございまして、この辺は多くの反省材料もありますし、住民の皆様にお詫びを申し上げたいと思います。


 もちろんポンプがなかりせばもっと大きな被害になっている地域なんですけども、ただ、ポンプがもっと適切に運用されていればそのブランクの時間がありますので、その分は少なくとも今回の水害の原因にはなっている面はあるかなと思います。この辺、実は6月の点検等も鳥取市の方でやっていたと6月か、6月かな、点検をやっていたという報告もこの週末受けておりまして、どこがどうなったのかちょっとまだわからないところがございますが、このポンプの不具合を正すことであったりとか、それから地元にこうしたことで大変、浸水被害というご迷惑をおかけいたしましたので、その対策であるとか、そうしたことも補正予算としてもやはり我々も考えなきゃいけないんじゃないかなと思います。今回のこの事象につきましては、謙虚に受け止めさせていただき、誠実に地元の皆さんとも対処させていただきたいと思います。昨日[7月8日]から県と鳥取市と共同して地元に入り、1軒1軒、今、お話し合いをさせていただいているということです。



○日本海新聞 北尾雄一 記者


 対策というのは、どういうことが想定されるんでしょうか。その補正で組む対策っていうのは具体的にどういうことが想定されるのか。



●知事


 そのポンプのことであるとか、それからちょっとこれまた鳥取市側ともよく相談してみないといけませんが、その被害に応じた住民の皆さんへの対策ということもあろうかと思います。ちょっとまだ詳細、これよく今後協議させていただきたいと思います。



○山陰中央新報 原田准吏 記者


 その不具合があったときに、午前4時の時に何か住民への周知は何かあったんでしょうか。



●知事


 それは住民、当時からその状況はわかっていたわけでありまして、何とかこれをくい止めようとしたということであります。ただ、浸水被害が起こり始めてしまったというのが現状でございました。ただ、正直[岡山県]真備[市]のようにもう胸まで浸かるとか、2階までとか、そういうことではございませんので、その辺は鳥取市の方でも安全対策を取られていたと思います。





18 大阪府北部を震源とする地震を受けた水道法改正 

○時事通信社 今泉悠 記者


 ちょっと話題変わるんですけれども、今回の大雨でインフラに影響が出たと思うんですが、大阪北部地震では水道に被害が大きく出まして、それは老朽化していたということがあったと思うんですけども、それ受けて先週の5日に水道法改正案が衆議院で可決されました。これ市町村単位とかではなくて、広域で水道経営していきましょうということと、あと、民間企業の参入を促すコンセッションですね、それが盛り込まれたものなんですが、こういった地震であるとか、大雨であるとか、そういう予想しなかったことが起こる中で水道インフラについてこういった方針が示された法案が衆議院で可決されたことを受けて、どのようにお考えか受け止めをお願いします。



●知事


 この度の豪雨災害でも、例えば智頭[町]の千代川の上流部の方では水道の取水施設のところでやはり[土砂に]埋まってしまいまして、それで今、水道が使えないという状況があるとか、また、水道管がやはり豪雨の関係等もあって使えないとか、これ下水道と一緒なんですけど、下水道も管路の問題やあるいは施設の課題、停電なども副作用を起こしましていろいろと複合的に、やはり上下水[道]のまだインフラが戻っていないところがございます。これ段々と老朽化も進んできているということもございますし、また、防災対策ももっと管理していかなきゃいけないということもあろうかと思います。それで、今回法律の方では広域的な水道の統合等が議論されているわけでありまして、実は本県もここ2年ほどだったかと思いますが、実は研究会を設置したしまして市町村に呼びかけてこういう水道の広域化の必要性等を、協議をし始めているところでございます。


 今回の法案、法律も同様の趣旨に立ったものだと思います。それで今、市町村側からいろいろとご意見も出ているんですけども、都会地とちょっと本県と若干違いがあるかもしれませんが、本県は、平成16年ごろ[市町村の]大合併があるわけですね。それで、水道事業がそれぞればらばらだったものをどう統合していくかということを、例えば鳥取市さんだとか、今、熱心に管路の問題だとかを始めているところでありまして、水道の統合等は今、市町村でようやくまとまるかどうかくらいまできていると。それで、ただ、もともと私ども中山間地が多いので、いわゆる上水道という大規模な人口エリア、これを対象とした水道事業のほかに簡易水道事業、あるいは水道専用施設といった小規模な事業が非常に多く立地をしているという状況もございます。ですから、それぞれで今までは運用していたものを今後どうするかというと結構都会地とは違って、エリアで、全部会計まとめてしまうということだけでもないところがございまして、この検討には恐らくまだ時間がかかるかなと思います。


 ただ、こういう防災等に国の方で目がいったということ、もともと今、管路の更新時期に入ってきていまして防災対策が水道、下水道も含めて非常に認識が市町村で深まっているところでありますので、今回の法律の意義はあるだろうと思います。それで、今、現に我々もそうした趣旨の検討を上水道それから下水道もそうなんですけども、始めておりますが、まだこうしたまとまる方向性というのが見えていない段階ということだと思っています。



○時事通信社 今泉悠 記者


 ちょっと追加で申し訳ございませんが、一方でその民間企業が参入するということで、その防災対策であるとか、そもそも経営が成り立たないんじゃないかというような指摘もあるんですが、そのあたりについてはどうでしょうか。



●知事


 これが、やはり両論ございまして、そこも含めて、今、市町村でも検討を始めることになると思います。ただ、正直申し上げて、先ほど申しましたようにまずは市町村合併をやって、それから約15年ぐらい。それで、この間にようやくそれぞれ市町村が水道会計のあり方を見直してきたというところでございまして、なかなか一足飛びに企業の方に全部任せてしまうとか、その前提がまだでききってないところがございますので、ちょっと都会地とは違うところがあるかなと思っています。



○共同通信社 仲野智揮 記者


 他にありますでしょか。では、以上です。ありがとうございました。



●知事


 ありがとうございました。




  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。

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