防災・危機管理情報


レモン彗星が接近中! New!

レモン彗星(9月30日撮影)

レモン彗星の位置

 レモン彗星が接近しています。

 レモン彗星は、2025年1月3日に米アリゾナ州のレモン山天文台の観測で発見された新しい彗星です。日本でも10月上旬から中旬にかけて、未明から明け方の北東の空で観測可能になると言われています。

 写真(右横)は、星空案内人の森山清史さん(星取県のお隣、島根県在住)が9月30日の明け方に撮影されたレモン彗星の写真です。鮮やかな緑色が特徴的です。彗星の尾もしっかり見えます。右下の画像のとおり、位置は「やまねこ座」のすぐ近くです。

 レモン彗星は10月中旬ごろには4等級程度まで明るくなるとの予想もあります。夕方は北西から西の方角の低空に、明け方であれば北東の低空に見え、光害の少ない、暗い場所であれば肉眼でも観測できる可能性があります。(星取県民のみなさんチャンスです!)

 レモン彗星の地球最接近の日は、10月21日前後とのことです。10月21日は新月で月明かりがなく、彗星の観測がしやすく、さらにこの日は、オリオン座流星群の極大日です。(流れ星とレモン彗星の共演が見えるかも!?)

 専門家によると、彗星の明るさや見え方を予想するのはとても難しいそうですが、彗星の接近は貴重な機会です。ぜひ夜空を見上げ、宇宙のはるか彼方(かなた)からやってきたレモン彗星を探してみてください。

 

【画像提供:森山清史さん(9月30日撮影)】

江戸時代は星取藩! ~ 大ほうき星の出現(再掲)

 夜空にぼんやりと輝き、長い尾を引く彗星は、その姿から「ほうき星」と呼ばれてきました。不吉な前兆とされたこともあり、江戸時代の古文書にも、ほうき星に関する記述があります。

 以下に紹介するのは、『境港市史』所収の「門脇家文書」の一節です。

 文久元万延二酉五月箒星戌亥方ニあたりて、五月廿三日頃より出現、尾長誠ニ真空より南長々敷引張処、追々星も小く尾も短く相成、盆後迄ニ消しニ相成候、出懸ケ星大星光り強候処、次第ニ情溥く相成候

 (文久元年(万延2年)5月23日頃から、北西の空にほうき星が出現し、南に向けて長い尾を引っ張っていた。やがて星は小さくなり、尾も短くなって、盆の後には消えてしまった。出始めた頃はとても大きい星で光も強かったが、次第に薄くなっていった。)

 文久元年は1861年ですが、鳥取市さじアストロパークの織部隆明さんによると、この彗星は「テバット彗星」と考えられるとのこと。ちなみに、次に地球に近づくのは23世紀だそうです。

 電気のない江戸時代は、今よりも夜空が暗く、ほうき星は怪しく光って見えたことでしょう。当時の人々の驚きが目に浮かぶようです。

 江戸時代、鳥取藩は「星取藩」でした。

 出典:『境港市史』資料編, 境港市, 1989年3月
  

Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000