令和8年2月10日(火)、とりぎん文化会館において約50名のご参加をいただき、「令和7年度林業試験場研究成果報告会」を開催しました。
鳥取市教育委員会事務局文化財課 岡垣主任(建築技師)から特別講演をいただき、その後、林業試験場の研究員2名が日頃の研究成果を発表しました。
また、各研究員が行っている研究課題についてポスター発表を行いました。
ご来場いただいた皆様と活発な意見交換を行い、活気のある有意義な成果報告会になりました。
(要旨集PDF)
【特別講演】
「鳥取城の復元 -鳥取城大手中ノ御門「表門と渡櫓門」-」
講師:鳥取市教育委員会事務局文化財課 主任(建築技師) 岡垣 頼和 氏
同氏は、遺跡の発掘や復元など主に建築考古学的研究に従事し、県内の国史跡や国重要文化財の保存修理工事に携わっておられます。
本講演では、市が策定した「史跡鳥取城跡附太閤ヶ平保存整備基本計画」において、その第一段階となる表門、渡櫓門の復元工事について説明していただきました。
復元には、古写真や絵図、文献、発掘跡により、当時の実際の寸法を解析して、江戸時代の城郭建築の再現に挑まれました。さらに、専門家による時代考証・技術指導を重ね、当時と同じ木材料を調達、加工する苦労も説明されました。
来場者からは、新技術の開発や普及が進む中で、昔ながらの工法や風合いを再現することも重要だと再認識される方もおられ、大変興味深かったという意見が多く聞かれました。
【研究成果報告】研究員による最新の研究成果の報告を行いました。
1.「人工乾燥における前処理の影響 ~桟木痕と変形について~」
木材利用研究室 主任研究員 佐々木 裕介
木材を人工乾燥させる際、材料の乾燥を促すため、材料間に桟木と呼ばれる棒状の角材を挟んで乾燥させるが、多くの場合、桟木との接触面に桟木の痕である「桟木痕」が生じてしまう。この桟木痕はモルダー加工で表面を数ミリ削っても取り除くことができず、製品クレームの原因となっている。
林業試験場では、ラミナ等の薄手の板材を乾燥させる際、桟木痕が残りにくい人工乾燥手法を研究しており、今回は人工乾燥前の前処理による桟木痕、変形への影響について調査した結果を報告しました。
木材乾燥の必要性や「桟木痕」の発生等、知らなかった方が多く、勉強になりましたという感想が寄せられました。
2.「耕作放棄地に植栽されたセンダンの成長と土壌」森林管理研究室 研究員 園田 茉央
農業従事者数の減少などにより耕作放棄地は増加傾向にあり、公益的機能の低下、病虫害や獣害の発生要因となり、周辺環境に悪影響を及ぼす恐れがある。耕作放棄地の活用方法の一つとしてセンダン等を植栽する林地化が進められているが、成長不良や活着不良が発生している場所も存在する。
今回の研究発表は、過去5年以内にセンダンを植栽した耕作放棄地を対象とし、土壌条件に着目し植栽木の生育との関係について調査した結果を報告しました。
調査結果に関心を持たれた方が多く、活発な意見交換がされました。
成果報告会の開催>
上月試験場長の挨拶>
岡垣主任(建築技師)の特別講演>
佐々木主任研究員の研究成果報告>
園田研究員の研究成果報告>
ポスター発表>
【研究成果報告の動画】
下記のURLをクリックすると動画が再生されます。
なお、本動画内容の再配布・転載等はご遠慮してください。
《配信期間》
令和8年2月24日(火)~令和8年3月31日(火)
1.「人工乾燥における前処理の影響 ~桟木痕と変形について~」
木材利用研究室 主任研究員 佐々木 裕介
>https://youtu.be/q6yiRg7168Q
2.「耕作放棄地に植栽されたセンダンの成長と土壌」
森林管理研究室 研究員 園田 茉央
>https://youtu.be/5MZ621O8CHA