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平成21年10月27日交渉

平成21年度賃金・労働条件要求書等に対する交渉の概要

 

○日時 平成21年10月27日(火)14時~17時45分

○場所 第22会議室(第二庁舎4階)

○出席者 県:行財政改革局給与室  松田室長、金澤筆頭主幹、岡本副主幹

                  前田副主幹、山田主事

教育委員会教育総務課 田中課長、吉野主幹、小椋副主幹

企業局経営企画課   山本課長、山添課長補佐

病院局総務課     嶋田病院局長兼総務課長、細川課長補佐

県職労:片山執行委員長、山中書記長、谷田書記次長 他

現企労:青木執行委員長代行            他

(県教組、高教組、非常勤組合との合同交渉)

   ●要求書(PDF:84KB)     ●回答書(PDF:10KB) 

<概要>

【要求書に対する県の考え方】

組合:14日に提出した要求書について、昨日回答書をいただき、折衝で説明も受けたが、再度、個別に説明があれば伺いたい。

県:ポイントについて基本的な考え方を説明させていただく。

  要求項目一、二の給与改定については、従来の考え方と同様に人事委員会勧告を尊重して対応したいということである。

  地方公務員法に定められた人事委員会勧告制度を基本とした給与制度があり、県としては、地方公務員法からも、従来どおりこの法律に基づいてなされた勧告を最大限尊重するという姿勢に変更はない。

    本年度の勧告についても、国、他県の動向、県内の民間の状況、本県の給与制度の見直し等も総合的に勘案して勧告をされたものであり、その内容についても否定すべき理由はない。従って、勧告どおり実施することが適当と判断したものである。

    また、要求項目二のうち、係長を行政職4級に格付けすることについて若干補足すると、係長は本来行政職3級の職であり、変更すべきとは判断されないことから、現行どおり取り扱いたいと考えている。

    次に、要求項目三の休暇制度についてである。子の看護休暇については、基本的には法律の規定にあわせて改定したいと考えているが、対象範囲については、人事委員会の報告において「国や他県の取扱いを勘案して、拡充に向けて検討する必要がある」とされていること等を考慮し、拡充に向けて検討したいと考えている。

    その他の休暇制度については、現行どおり取り扱いたいと考えている。

    なお、要求項目三のうち、(7)の年次有給休暇の取得については、昨年までの実績において特定事業主行動計画に定めた目標が達成できていない状況であり、引き続き取得促進に向けて環境作りなどに取り組んでいきたいと考えている。

    次に、要求項目四の職場環境改善についてである。

    時間外勤務は、近年実績が増加している状況にあるのは事実である。その理由には色々な要因が積み重なっているものと想定されるが、過重な時間外労働は、職員の健康、家庭生活及び社会生活に重大な影響を与えるものである。時間外勤務の縮減は重要であり、引き続き力を入れて取り組まなければならない課題であると認識している。

  なお、要求中、定数の配分については、これまでも組織の見直しにあわせて点検しているところであるが、今後も業務量も勘案しながら点検していきたいと考えている。

    また、メンタル、セクハラ、パワハラの発生防止については、知事部局においては、所属への出前講座、管理監督者への研修等により意識啓発を行ってきたところであるが、引き続き対応していきたい。

    次に、要求項目五の非常勤職員、臨時的任用職員の労働条件についてである。県業務は多岐にわたっており、複雑、多様な行政ニーズに対応するため、業務の内容に応じて、必要と考えられるところに非常勤職員、臨時的任用職員としての任用を行って対応しているところである。それぞれの立場、役割において県行政の推進に貢献していただいていると認識しており、労働条件の設定に当たっては適用される法令の規定等を踏まえ、地方公務員制度の枠内で、どのような条件が適当かを検討し設定している。今後も、必要な見直しは行うとともに、法令を踏まえて対応していきたいと考えている。

    以上、考え方のポイントを説明させていただいた。

  双方の考えには隔たりもあると思うが、誠意を持って組合と交渉を行わせていただき、合意を得た上で必要な事項については議会に提案して判断をいただきたいと考えており、是非ともご理解とご協力をよろしくお願いしたい。

 

組合:今年度の人事委員会勧告について、どのように評価をしているか。

県:先ほどの説明と重複するが、人事委員会が国、他県、民間、本県の給与見直し等も配慮してなされた勧告であり、具体的に妥当性がない、あるいは不適当といえる部分はないと考えている。

  したがって、勧告を尊重して勧告どおり実施したいと考えているものである。

組合:例えば、今年の4月1日の時点で、民間企業では一時帰休が昨年とは桁違いに増えた。自宅待機でその間は賃金が払われないということが23%の事業所で行われ、その分、公務員給与と比較される民間賃金の数字が例年より低くなっていると組合は考えているが、このような点はどう評価しているか。

  一時帰休は勧告制度の中では考慮しないというのがこれまでの制度だということは承知しているが、制度としてではなく、県として妥当と考えるか聞きたい。

県:今言われるような部分は確かにある。

  公民比較における比較方法に対しては、今のような点に限らず、不況の中で職を失った方や製造業で製造に携わっている方は比較対象に入っていないこと、また、企業規模50人以上の企業のみと比較しているなど、様々な意見、批判、議論があることは事実である。

  しかし、公民比較とそれに基づく勧告は人事委員会の権限である。人事委員会も、議論はあっただろうが、その結果、現段階では現行の比較方法を変える理由はないと判断して勧告されたものである。それに対して強いて否定すべきとは考えていない。

  また、公民比較の方法の見直しについては、一つ一つの部分ではなく、全体として考えるべきものと考えている。

組合:勧告を否定しろと言っているのではない。勧告が制度としてあるのは事実であり、当局も組合も勧告を変更しろという権限はない。

  勧告を受けた立場として、勤務時間が減って賃金が下がった者と勤務時間が減っていない者を比較するのはおかしいと思わないか、どう評価しているのかと聞いている。

  勧告はこの情勢の中で淡々と出してきた数字であり、正確性を欠いていると考えるが、どうかと聞いている。

県:ご指摘の点を含め、公民比較の比較方法について、全く違和感がないというつもりはない。意見や批判もあることは事実であり、よりよい比較方法は人事委員会においてもさらに検証、検討されるべきものと考える。

  しかし、今年度の勧告について不適当とは考えない。また、比較方法の検証、検討についても、一部だけを取り上げるのではなく、全体的に考えなくてはいけないと考える。

組合:県当局に労務管理の主体性があるかどうかを聞いている。

  比較のやり方は人事委員会の権限。それが独立性ということ。それを受けてどう判断しているかという入口の話をしている。

  勧告が出ました、だから尊重します、ではなく、勧告が出たら中身を分析して、尊重しながら組合と協議する、そうではないのか。人事委員会が勧告を出したから丸呑みするというのは違う。

県:その点はおかしいとはいわないが、県は、今年度の人事委員会勧告について、否定すべき要素はなく勧告どおり実施したいということである。

組合:これで最後だが、人事委員会勧告を見て、違和感はどこにもないということか。

県:違和感というのが、妥当性を欠き、勧告の内容を見直さなくてはならないということであれば、そういうことはない。

組合:勧告を受けた当局としてそうなら、そうですか、としかいいようがない。

 

 

【一 賃金改善要求について】

組合:今年度の勧告について、なぜ勧告どおり実施したいと思うのか。勧告制度だからか。

県:勧告制度だから、というだけではない。

  今年度の勧告の内容について検討した結果、現段階で妥当性を欠き、不適当だと言えるものはないと考えているからである。

組合:昨年度は、勧告と実施内容が少し変わったが、それも踏まえた上で、県はこの度の交渉では最後まで△0.8%の引下げで変わらないということか。

県:昨年度は、労使で互いに意見を交わし、勧告の趣旨の範囲内で、最終的に一部調整も行ったところである。

  現時点で労使それぞれの考え方が違うことは事実であり、交渉する中で双方とも一切考えが変わらなければ合意はあり得ない。

  可能な限り、労使が合意した上で県議会の判断を仰ぎたいということでこうして交渉しており、その中で意見を交わすと考えている。

  一般論として、交渉の中で修正すべき部分がはっきりすれば修正する必要はあろう。絶対に今のままで、修正には一切応じないという姿勢ではない。

 

組合:今年4月のラスパイレス指数は、どのくらいになる見込みか。

県:現段階の試算結果では95.3程度である。

組合:労務管理の主体として、95.3という数値をどう考えているか。

県:昨年の給与改定が△3.5%の引下げだったこと等から、それくらいになるとは予測していた。国家公務員給与との比較として低いのは事実であるが、給与制度の見直しや、人事委員会勧告に基づく改定を実施してきた結果と認識している。

組合:やむを得ない、ということか。国家公務員給与より5ポイント低い現状は妥当だというのか。

組合:以前、ラスパイレス指数が100をオーバーしていたときには、少しでも100を超えてはいけないということで見直されてきた。それが、95になったら、低いのが当たり前だというのか。

県:国家公務員給与だけでなく県内民間給与の状況も踏まえた勧告であり、やむをえないと考えている。

組合:ラスパイレス指数は、役職の整備状況によっても変わる。

  いわゆる「わたり」を廃止した際、「わたり」廃止後の給与制度、人事管理制度について、国家公務員2種(大卒程度)及び3種(高卒程度)との均衡が図れることを目標に設計していく、均衡の目安は、国家公務員2種及び3種の水準でラスパイレス指数100とする、という労使合意はどうなったのか。

県:その合意には変更はない。

組合:それで今は、ラスパイレス指数は95でいいというのか。県は方針を変えたのか。労使合意に基づきラスパイレス指数を100に近づけるという思いはないのか。100を目指すならば努力すべきである。そのための具体的な施策はあるのか。

県:必要な役職の整備、各種手当の見直しなどいろいろな施策は考えられる。しかし、県民に説明できるものでなくてはならない。

組合:今回の組合の要求は、約束でラスパイレス指数100に近づけるための要求である。100を超えるための要求ではない。それに対して、何とかしなくてはならないという思いがあるなら、独自の評価をしてもらわないといけない。せっかく組合が提案したところに近づけないと合意はない。

組合:「わたり」廃止のときは、国家公務員2種と3種でラスパイレス指数を100に近づけようという合意だった。しかし、そのような数字は存在しないと思う。それならば今の、国家公務員1種を含むラスパイレス比較によるしかない。

  「わたり」廃止時の労使合意は生きていること。それを目指すという認識は共通であること。それに向かって、今後とも努力はしてもらえるということについては、いいか。

県:それについては、今いわれたとおりでいい。

 

 

【二 賃金制度改善要求について】

組合:係長級の職員について、鳥取県だけ行政職給料表3級どまりとなっている。

  総務省が都道府県に示した表では確かに係長は3級となっているが、国の管区機関、県単位の出先機関、中国5県のうち鳥取県を除く4県、県内4市とも係長は行政職4級までである。

県:直接確認したが、中国5県のうち、本県を含む3県では係長は行政職3級までである。

組合:当局がそう聞いたということはわかった。

  各県の、行政職4級に昇格する平均年齢はいくつか。鳥取県は、「わたり」を廃止し、行政職4級への昇格は任用のみによっている。その場合、4級に昇格する平均年齢は、「わたり」のようなことをしている場合より低くなるのではないかと考えている。

  仮に鳥取県と他県の、行政職4級に昇格する平均年齢が5歳違うとしたら、その5歳の差は何なのか。他県より職務が軽いのか。

  地方公務員法は賃金のみ均衡を図るとはいっていない。制度も含めて、しっかり調べてほしい。

  また、国の係長についても、ラスパイレス指数の試算値を出したときに、どの年齢階層が国との差が大きくなっていたか、データを提供してもらいたい。

県:試算値計算時のデータを確認し提供する。

 

【三(1)子の看護休暇について】

組合:子の看護休暇の見直しは実施するのに、なぜ回答書に実施すると書かないのか。

県:人事委員会規則事項なので、県としては実施する方向で話をするということである。

組合:人事委員会も、実施すると言っていたのではないか。

県:人事委員会に確認したところ、二つの要素がある。

  法律に準じたものは実施するが、対象範囲を拡大することについては、検討すると聞いている。

組合:県が回答書にはっきり書けない事情はわかった。

  子の看護休暇については、子ども1人当たり5日、上限は年10日、中学校就学前まで拡大ということで、人事委員会が了解すれば、実施してもらえるということで承知してよいか。

県:よい。

 

【三(3)盆休暇について】

組合:盆休暇については以前から要求している。滋賀県が実施している例がある。要求の趣旨は、経費の節減である。

  県庁舎の、1日の夏季の光熱水費はいくらか。

県:確認の上回答する。

組合:滋賀県では、盆休暇で1日300万円の節減効果と聞いている。3日で900万円になる。

  賃金の改善を要求しているが、県の財政も財源が大変なのはわかる。

  盆にどれだけの職員が出てきているか。県民も盆に県庁が開いているなんて誰も思っていない。

県:必ずしもそうとは言えないのではないか。

組合:交代制の職場では、盆が休みでなくても仕方がない。病院も、緊急もあるだろうが、盆は患者が少ないのではないか。

病院局:患者は少なくなるが、入院患者対応のための夜勤体制は必要。

組合:本当に、真面目に考えてみませんか、ということである。

  休みを増やしましょう、というだけでは県民の理解は得られない。どうしたら経費を節減できるか。県民に理解してもらう方向で対応してほしい。

県:データの確認などはしてみたい。

組合:滋賀県では盆は県庁を閉庁とし、休日出勤も普段以上に厳しく事前申請の許可制を徹底していると聞いている。

  そんな試みはあってもいいのではないか。それが次の要求である年休の取得促進や時間外勤務の縮減にもつながる。

 

 

【三(7)年次有給休暇の取得促進について】

組合:年休の取得自体は、増えているのか、減っているのか。推移は整理しているか。

県:この3年間では0.2日ずつ減っている。

組合:なぜ減るのか。反面、時間外勤務は増えている。

  回答書の書き方に難癖をつけても仕方がないが、「今後とも年休を積極的に取得できる環境づくり、雰囲気づくりについて引き続き各所属長等に対し働きかけていきたい」とあるが、これまで働きかけてきて、年休の取得が減ってきている。つまり効果が無い。

  具体的に効果をあげないといけないという認識があるか。

県:今までどおりの取組だけではいけないと思っている。

  年休の取得が減っている要因の分析は困難であるが、時間外勤務との関係でいえば、余裕がなくなっているということはある。

もし、休暇がとりにくい雰囲気があるというのであれば、年休取得促進の通知に当たっても、例えば記念日のような機会に休暇をとるなど、具体的に通知することも大事だと思う。時間外勤務の縮減とも絡めて取り組んでいきたい。

組合:年休の取得状況は、部局(任命権者)ごとに違いがあるか。

県:知事部局は、年間の取得目標が12日で、昨年の実績は10.8日である。

病院局:病院局は、実績は8.3日である。H16年度の実績である9.2日を1日増やすこと(10.2日)が目標であるが、減っている状況である。

  職員数は増やしているので、業務は多少軽くなるかと思っているが、実際には時間外も増えている。ローテーション勤務外での委員会活動等による時間外も結構多い。そのため、委員会活動は1時間以内にしようとの声かけも行っているが、医療の高度化や集中化もあり、なかなか難しい面があることは事実である。

教委:教育委員会は、目標が15日で、実績は、今、手元に数字がない。

企業局:目標は12日。実績は、今数字がない。

組合:教委、企業局の実績については、後ほど提供をお願いしたい。

  他の県では、特別休暇にするとよく取得されるという話を聞く。

  40歳になったら5日間年休を、と言われてもとれない。しかし、5日間の特別休暇となると、各県ともなぜか取得するらしい。違いは自分もよくわからないが。

  年休のままでは、このままひたすら病気への道。時間外勤務は別として、休ませなくてはと思うならば検討してほしい。

県:特別休暇となると国や他県、県内民間の状況もあり、県民の理解が得られない。

  むしろ、年休取得促進の取組をやっていかなければと考えている。

組合:当局から職員に休めとプロパガンダをしても、「ここまで仕事をさせておいて、うるさい」と感じられるだけ。その感覚が変わるのが、特別休暇として休みが提供されること。

  そうでないと意識は変わらない。休めといわれても、「それなら仕事を減らしてくれ」で、皆が無視する。

  取得できなかった夏休みを翌年に繰り越す等の考えもあってもいいのではないか。今までどおりの発想では、きっと何も変わらない。

県:今すぐ特別休暇を作ることに県民の理解を得ることは難しいが、工夫を考えていくのはよい。

組合:国や他県の調査はするのか。

県:他県等とも情報交換は行う。他県の状況を調べて、参考になるやり方があれば参考にしたい。

組合:特定事業主行動計画の目標は、自らが課した目標である。それが自ら実施して10.8日だったというのはおかしい。

  目標が12日だというなら何とかしなくては、結局とりあえずの目標だったのかと皆が思う。その繰り返しが、計画を意味の無いものにする。

  今のやり方では年休の取得は増えない。知事部局も大変だが、他部局も大変。しかし、大変なところほど何とかしないと人材が流出する。

 

【四(1)時間外勤務について】

組合員:回答書の「過重な時間外勤務は、職員の健康、家庭生活及び社会生活に重大な影響」は、枕詞にしか聞こえない。

  長時間、過重労働で体を壊すのを本当に見ているのか。当局はどこまでわかっているのかが感じられない。「重大な影響」とはどんなことか。本当に放置できないという思いがあるのか。

組合:休職者が増えている。その認識、回答を聞きたい。

県:必ずしも全ての事例を把握しているわけではないが、実績として時間外勤務が増えていることは事実である。

  その結果、職員の健康や家庭が犠牲になることもあり得るので、縮減に力を入れて取り組みたいと考えている。

組合員:具体的にそういう人が浮かんでいるか。自分たちのほうが多く働いている、倒れる奴が弱いんだと思っているのではないか。だからこんな回答になる。やる気が感じられない。

  実際に働いている人に対する責任感、具体的なものが感じられない。

  具体的に何をしているのか。一般論で何もしていないのではないか。

県:時間外勤務の縮減は徹底していかなければいけないと考えている。

  これまでも時間外勤務が多い所属ごとのヒアリングなどを実施してきたが、十分とはいえないので、どの所属に時間外の多い人がいるか等も把握して、個別指導も行っている。また、今年度は上半期が増加傾向にあったので、再度徹底ということで、部局長連絡会議を開催し、時間外勤務は所属長のマネジメントの問題であることを徹底して、各部局で昨年度より減らすよう、申合せを行ったところである。

組合:極端に時間外勤務が多い人は把握できるのか。

県:健康管理については、毎月、福利厚生室にデータを出しており、同室より面接指導を行っている。

組合:時間外勤務が多いまま減らず、その原因が業務にある場合はどうか。

県:個別に所属に確認を行っている。

組合:個別指導の例数は。

県:今年では数例である。

組合:個別の認識や個人の顔は、知事部局ではある程度押さえているようだが、他部局はどうか。

  病院局はICカードによるタイムレコーダーを導入したが、教育委員会はまだなのではないか。

教委:ICカードは予算要求はしたが予算がつかなかったもの。

組合:教育委員会も客観的な管理の必要性は認識しているということでよいか。

教委:教員には、給与上は時間外勤務の取扱はないが、これまでも勤務の把握には取り組んでいる。

  ただ、県費負担教職員の場合は、組織も違いなかなか難しいということはある。

組合:高校も早期にICカードのようなものを導入したいという考えはあるか。

教委:ICカードシステムは、手当や休暇など他のシステムと連動するので、全体設計の中で、状況が整えば導入したい。

組合:引き続き予算要求はしてもらいたい。必要に応じ、校長会で指導のようなこともしてほしい。

教委:周知については、引き続き努力したい。

組合:実態として時間外勤務が減っていない。「引き続き」では時間外勤務は増えるばかりである。

  仕事をしているやり方が悪いのか、仕事のやらせ方が悪いのか、人が足らないのか。要因はどれだと考えているか。

組合:感覚でよいので、優先順位を3つ並べてみてほしい。

県:今年は、新型インフルエンザや経済・雇用対策関連が増えていることは否定できない。

  仕事のやり方や人の数の話もあるが、それぞれがどれくらい影響しているかは分析が難しいのが実態。

組合:突発的な業務はいつでも起きているだろうが、それを引き合いに出しても解決はしない。

  景気対策や、雇用対策も以前は給与カットまでしてやってきた。そういうものを行政は抱えている。

組合:病院も時間外勤務が増えている。知事部局では、水曜日はノー残業デーとする通知がある。

  病院局も、水曜日に日勤であれば直ぐに帰るように、水曜日は会議をもたないように局長の通知をお願いしたい。

病院局:病院局としても病院における時間外勤務の状況や縮減への取組は承知している。患者さんがいるので難しい面はあるが、会議を持たないなどは病院の意見を聞いて考えてみたい。

組合:他の部局はどうなのか。

教委:教育委員会事務局については、今言われたような業務の増ということもあると思う。

組合:「今後も引き続き」というが、増加中の取組では減らない。別の観点でないと減らない。だから、減らす気がない、死ぬまで働けということだと、皆言っている。

  具体的にどうするか、目標があって近づかない限り信用しないと言っている。

 

組合:回答書中「組織及び定数に関することは管理及び運営に関する事項である」というのは組合も承知している。定数を増やせといっているのではない。時間外勤務増の原因が人員減と業務過多だから、人員を増やせと要求しているだけである。

 

組合:回答書にある「事業の棚卸し」とは、いわゆる「事業仕分け」とはどう違うのか。世間でいう「事業仕分け」は、本県財政課が既に行っている一件審査と概ね同様のことであり、これは本県ではほぼ進んでいる。

県:この度はそれとは別に、プロジェクトチームで行財政改革局、財政課も含めて一緒に、県として、必要性を含めて検討するという取組である。その事業をやるか、やるとしてもその中身を、併せて検討するものである。

組合:知事は、組合が知事に要求していることが理解できていない。

  鳥取県の場合、事業仕分けは前知事の時代から進んできた。組合が要求したのは、事業を遂行するに当たり、無駄な仕事を洗い出してくれということ。そうでないと仕事は減らない。事業はやめられない。

  「事業の棚卸し」が、もし言われるような発想なら仕事は減らない。

県:事業をやめる部分があればやめる。予算のセクションだけでなく、他の目で見て、効率化も検討していこうということである。

組合:その認識なら、業務減を期待したのが間違いだった。知事に直接言う。機会を作ってもらえれば。

  業務量は増えて、時間外勤務は増えている。棚卸しはすればよい、期待はしないが。

  それで、時間外勤務が減らなかった場合は何か考えているか。

  来年の今頃に時間外勤務が減らなかったら人を増やしてくれるのか。我々はいつまで我慢すればよいのか。今日回答してもらいたい。来年3月までか。

県:いつまでとは申し上げられない。

組合:なぜ回答できないのか。いつまでにけりをつけるのか、ハッキリしてほしい。

  結果が保証できないのであれば、来年の人員削減は止めてもらいたい。

県:人員削減の影響は否定しないが、時間外勤務の増はそれだけが理由とはいえない。人を増やすことだけで解消することはできない。

組合:要求を変える。ここで返事でなくていいが、時間外勤務が増え、人が減っているのは事実。その中で人を減らすことはあり得ない。その確約を要求する。

  人を減らしたいなら時間外勤務縮減の努力をせよ。努力の成果はどこにあるのか。努力もせずに人を減らすのは認めない。

  今の要求については、持ち帰らずに拒否するということか。

県:そういうことではない。

組合:県は時間外勤務の縮減が必要といっている。努力しているといっている。しかし、結果に結びつかない以上、人員削減は不可能。その約束をしてもらいたいという要求。検討はしてもらえるのか。

県:話は伺った。この場で拒否するということではない。、持ち帰り検討したい。

組合:努力目標では意味が無い。事実として時間外勤務を減らす、年休取得率を増やす、達成されないのであれば代償措置が必要である。言っているのはそれだけ。時間外勤務が減らないなら人員削減は不可である。

 

 

【四(2)メンタル等の発生防止について】

組合:知事部局は相談体制を強化したとの回答であるが、他部局の取組はどうか。

病院局:セクハラ相談員に、パワハラに対する相談を加えたのは、知事部局と同じである。労使による委員会があり、その中で対応することとなるが、事後処理が中心的であり、防止対策については充分ではないと認識している。

教委:セクハラは福利室、パワハラは行政監察担当参事が対応している。

組合:いきなりヘルプラインなのか。ヘルプラインは、結構ハードルが高い。

病院局:今はそれほどでもない。

組合:しかし病院局はそれでもヘルプラインに加えて相談員を置いている。

組合:学校でも、パワハラによる精神疾患や退職事例がある。発生防止の具体策を求める。

  回答には、相談体制の強化とあるが、相談は当たり前である。それ以前に、発生防止の具体策を講じてほしい。何をしたら何のペナルティがあるなどの指針の作成を要望したい。

組合:組合にはパワハラの相談が2件あった。当局への相談件数は何件か。

県:相談員へのパワハラの相談は今のところない。

組合:なぜ当局に相談しにくいのか、考えてもらいたい。相談の体制は必要だが、起きてはならないということで考えてもらいたい。

  セクハラについてはある程度周知も進んだが、パワハラを重点的に理解を深めていく時期だと思う。

県:言われることに違和感はない。

組合:今後、パワハラを重点的に取り組むということで確認したい。

組合:相談がないのは指針がないからではないか。

  指針もないのにどう相談できるのか。どう判断するのか聞きたい。そもそもパワハラと認定できないのに相談に乗れるのか。

  だから指針が要る。はっきりしないことはあるが、パワハラに繋がる可能性のあるものはできる。それが予防。基づくものがないのになぜ相談ができるのか。

  部局ごとにでも指針を作ってほしい。学校現場の特殊性などもある。

県:指針については、既に検討は行っている。形はともかく、趣旨は踏まえて対応したい。

組合:いつ頃できる見込みなのか。

県:いつまで、というものはないが、他県のものも参考に検討している。どういうものがパワハラとなるのか、セクハラほど具体的になっていないこともあるが、研究しながら作っていきたい。

組合:年度中の話だとは思っている。組合も交えて議論をしてもらいたい。

 

【四(3)休職者の職場復帰支援策について】

組合:休職者の復職の際、何らかの短時間勤務制度があってもいいのではないか。

   育児等では短時間勤務制度がある。復職の際の馴化のための短時間勤務は作れないか。

   今は、本当に1日8時間勤務できるようにならないと復職できないという制度である。

県:現在でもリハビリ制度がある。休職期間中に、1日4時間、6時間と馴らしていって、8時間勤務で復職というシステムである。

組合:休職中のリハビリではなく、勤務の話をしている。リハビリで、その間給与を払ってくれればよいが、4時間しか勤務できないのであれば、4時間勤務して、その分給与を支給すべきではないか。

  4時間働いて、残る4時間は職務専念義務免除(有給)で、給与は満額というのは確かに難しいと思うが、4時間や6時間の勤務制度があった方がいいのではないか。見解は。

県:言われることは理解できないわけではないが、制度としてできるかと言われれば難しい。

  現行制度上、短時間勤務には制限がある。2年前、短時間勤務制度の運用弾力化を国に要望も行ったが、前向きな回答はなかった。

組合:考える気はないのかということ。短時間勤務制度として無理なことは組合も承知している。

  2年前から同じ回答である。国に要望してだめで、県として知恵をどう出すか。その気はあるのか。

県:現状では難しい。

組合:欠勤を組み入れたらできるのではないか。

  ただし、欠勤での運用は、クビにはしませんと太鼓判をおさなくてはできない。

  不安なく短時間の勤務ができるようにしてほしいというのが、一番の要求である。

 

 

【五 非常勤職員、臨時的任用職員の労働条件改善について】

組合:本日の交渉も、非常勤組合は年休をとってきたが、職務専念義務免除は適用されないのか。

県:現在、職専免はないので休暇をとってもらうこととなる。

組合:職専免にできない法的根拠は何か。他県や国にもないのか。

 これまでの経緯なども調べて、きちんと整理してもらいたい。

 

組合:非常勤職員は県に必要か。

県:必要である。

組合:それは何のためにか。人減らしか、正職員の仕事を肩代わりさせるためか。

県:県行政を推進するためである。

組合:県は自分たちを必要だとはいうが、自分たちは自分を県の非常勤職員と思ったことはあっても公務員と思ったことはない。社会保障も、厚生年金も、雇用保険も、公務員の制度は適用されていない。

  その中で、なぜ県だけパートタイム労働法は適用されないのか。こんなおかしなことはない。

  県はパートタイム労働法で企業を指導する権限があるのではないか。それがお膝元では非常勤職員に育児休業も認めない。おかしくないか。

  県が率先してやっていくべきではないか。民間に指導するならまず、非常勤職員に育児休業を認めてもらいたい。そんなに育休を取る非常勤職員がいるか。それで県に支出が生じるわけでもない。雇用保険から回るだけである。

  法律上、国や県の非常勤職員がわざわざ育児休業の適用から外されていることを、おかしいとは言わないのか。官製ワーキングプアを放置するのか。

  それともコストカットのために非常勤職員にしているのか。

  非常勤職員には育児休業を認めないと法律に書いてあるのか。

県:規定されている。

組合:産んだらやめろというのか。民間なら大変なことだ。何とかしようという気持ちはないのか。運用でできるだろう。

組合:地方公務員育児休業法で、非常勤職員が対象から除外されていることは知っているが、対象とすることを禁止する条項はどこにあるのか。

県:法制担当を含めて法制上無理だと確認している。

組合:法律で可能なら、非常勤職員の育児休業制度を作る気はあるのか。

組合:要は、人は代わってもいいものなのかといういうことを言っている。

  非常勤職員のAさんならAさんという人が必要なのか、必要なのは非常勤職員で別にBさんでもいいのか、誰でもいいから必要なのか。

県:そういう趣旨ではない。

組合:育児休業だけでなく、大きな話として、事務補助以外の非常勤職員には事実上5年の自動更新がある。

県:「自動更新」という認識は違う。公務能率評定を実施し、再度の任用をしているものである。

組合:実態として、その職員にいてもらわなくては困るから、5年間更新の制度があるのだろう。

  代わりはいくらでもいる、と考えているのか、本来できるだけ長く、と考えているのか。

県:県行政に貢献という観点だけから言えば、いていただけるものはいていただいたほうがよいのは事実。

  再度の任用を、1年間ではなく、5年間までとしている趣旨もそうである。

組合:今こういう世の中で、非常勤にすればコストカットになる。そういうことを狙っているのか。

県:単純に正職員を減らして、その業務をそのまま非常勤職員にやってもらっているわけではない。

  単純な切替えではなく、業務を点検する中で、非常勤職員にやってもらった方がいいものには非常勤職員を任用している。

組合:コストカットだろう。

  それならある程度の労働基準、少なくとも民間の労働者に認められているものは認めてもよいのではないか。

  それほど大きな決断なのか。育児休業も手当金は国が払うので県にコストがかかるものではない。育児休業がたくさん出るようならそれはいいことだ。そういう考えはないのか。鳥取県は少子高齢化対策はしないのか。

組合:今の非常勤の仕事は、もとは正職員がしていた仕事ではないか。

県:正職員の業務を整理した上で、非常勤職員にやってもらった方がいいものには非常勤職員を任用している。単純に正職員を減らして、その業務をそのまま非常勤職員に任せているわけではない。

組合:非常勤職員の業務は、難しいものからそうでないものまでバラエティに富んでいると感じているが、結局は土日も年末年始も関わりなく、一時金も払わず、都合により公務員と、使い分けていることは事実。

  育児休業が認められていないのも事実。民間のパートは育休も取ることができるが、鳥取県だからもらえない。

  法的に可能であれば、非常勤職員の育児休業を措置するのか。

県:現状としては法律上認められないと考えている。また、具体の内容については、現時点で、仮定の話で「やる」とは言えない。

組合:些細なことはどうでもいい。

  本質として、都合の良い時だけ公務員としてあとは放り出すのは止めてもらいたい。せめて民間並みは適用してくれというのはわかる。

  法的に措置できるようになったら、非常勤職員の育児休業制度を作ってもらえるのか。

組合:県が民間よりあくどいことをしたらダメだろう。ならばできるようにしてくれ。

  育児休業給付金ももらえる方法はある。知っているか。

組合:パートタイム労働法違反を指導するのは誰か。

県:国である。

組合:県は使用者側である。もっと優しい使い方をしてほしい。

  できることは率先してやってほしい。民間は県がやっていないことはやらない。

県:公務員の労働条件については、民間の労働条件を誘導するという考え方もあるが、民間と比べて優遇することは県民の理解を得られないということもある。その両方を考えながらやっていくということがある。

組合:法制上の適用の問題ではない。

  パートタイム労働法ができた。なぜできたのか。パートタイムが、大変な仕事をさせられて、賃金は値切られている問題を背景に作られた。

  地方公務員は同法の対象から除かれているが、社会的要請である法をどう受け止めているのか。

県:社会的な要請があって法ができたものと認識している。

  地方公務員は適用除外ということはあるが、趣旨は尊重したいと考えている。

組合:県が独自でできることもいろいろある。知事は、ワークライフバランスを積極的に進めてもらうよう民間に働きかけていくと議会でも言っている。が、自分の下で働いている非常勤職員には関係ないのか。

  民間には言っておいて、自分の所は法の谷間だから仕方がないか、では筋が通らない。

県:できることはやっていきたい。

組合:法律は解釈だ。

県:法律上できないことはできない。

組合:いや、法律は解釈である。

組合:パートタイム労働法については、しっかり理解して、趣旨を尊重してもらいたい。同法には、賃金の決め方、中身によって職務を評価ということも書いてある。個別の整理はこれからもしていきたいと思っている。

  育休について、おかしいのはわかっていただけると思う。掛金を払っても手当金が出ないのはおかしい。

  是正方法があれば一生懸命考えるべき。育休を取らせても県はお金はかからない。

  どうにか作れないかというのと、作る気がないのは方向性が違う。法的に措置が可能であれば、するという考えでよいか。

県:法的にできるようになれば、作る方向で検討はする。

 

 

【まとめ】

組合:いただいた回答について、わからない部分は聞いた。また、要求した中身については話した。

  回答に対する県当局の考えは理解できないまでも伺った。

  これ以上こちらから言うことはない。当局として何かあるか。

県:要求項目一(2)の賃金改善で、なぜ行政職1~3級の給料は現に県内民間の給料より高いのに、行政職1、2級の給料は据置き、3級から5級の給料は引上げという要求なのか。

組合:組合員だから。それだけの観点。組合員の給料を、減額改定率を乗ずる前の、国の給料表(H18年4月1日適用)どおりの額に戻すということ。

県:行政職1級から3級の給料は県内民間の給与より高いにも関わらず、「組合員だから」では外向けに説明はできない。

組合:それは公務員の発想だから。民間なら、経営者が大幅賃金カットである。

県:賃金カットならそうだろうが、今回は給料表の改定についてであり、人事委員会も給料表自体がいびつになるという考えで一律の引下げを勧告されたものと理解している。

組合:一律に減額改定となると、行政職1級の給料額と連動する非常勤職員の報酬も自動的に下がるのか。

県:正職員の給料が下がるなら、報酬単価のうちそれをベースにするものは下がることになるのが基本だと考えている。

組合:行政職1、2級を据え置いて、3級を下げたら、給料月額が逆転する。2級と3級では、係長になっても給料があまり変わらない。それを踏まえ、妥当と思われる案を提案したのである。

 

組合:こちらの要求の内容は説明した。これ以上意見が変わることは今のところない。

  一定の根拠を持って、具体の提案をしているつもりである。その他に何かあるか。

県:我々もいただいた課題など持ち帰って検討、協議の上、第2回の交渉をもちたいと考えているが、ついては要求の趣旨について確認させていただきたい。

  係長を4級に格付けという要求だが、これは係長級の職員は全員が一律に4級まで昇格できるようにするということか、それとも、係長級職員について、職務に応じ一部4級まで昇格できる職を設けるということのいずれか。

組合:係長級の職員は全員が一律に4級まで昇格できるようにしてほしいということである。

組合:現時点では、2回目の交渉があるとは思っていない。今回お願いした宿題については、後で教えてもらえればよい。

  今の状況で、これだけの職員を一堂に揃えて交渉をやる必要性が認められない。

組合:県は、課題など持ち帰って検討、協議の上、第2回の交渉をもちたいという考えはあるのか。

県:持ち帰って整理、検討して引き続き折衝、交渉をさせていただきたい。

組合:儀礼的な交渉ならやめましょうという、それだけは言っておく。

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