令和6年度附議案

平成27年6月定例県議会付議案に対する知事提案理由説明要旨

平成27年6月定例県議会付議案に対する知事提案理由説明要旨

 本定例県議会に提案いたしました諸議案の説明に当たり、新たな4年の県政に向けて所信の一端を申し述べさせていただきます。

我が国は、人口・経済の一極集中や少子高齢化を背景に日本の浮沈を左右する局面を迎えようとしています。人々が安心して生活を営み、生き生きと働き、次代を担う子供たちを産み育てられる社会環境を作り出すことによって、活力あふれる地方創生に向かって大きく舵を切り始めています。
本県は、この動きに先んじて鳥取の未来を創り出すべく「みんなで やらいや 未来づくり」を推進してまいりました。その結果、全国初の手話言語条例の制定や県内への移住者増大、出生率向上など、人口最少県である鳥取県でも全国をリードする力が芽生えてきました。この上は、我が国が直面する課題に地方から果敢に挑戦し、県民の皆様や鳥取県議会の皆様と手を携え、「鳥取の元気づくり」を断行し、鳥取を変え、鳥取から世の中を、この国を変えてまいります。

第一に「人を元気に」します。
「子育て王国とっとり」の発展を期し、安心して子育てできる環境整備を推し進めることにより、合計特殊出生率引上げを目指すほか、高齢者の健康を増進しつつ、その知恵や技術を役立てる地域づくりを進めます。また、女性が輝く社会に向けた職場環境づくりなどを行うとともに、障がい者と健常者の共生社会の歩みを一層進めます。さらに、教育改革を行い未来を担う子どもたちの知力・体力・生きる力の向上を図るとともに、県内でスポーツやアートの花を咲かせます。

第二に、「産業と雇用を元気に」します。
近未来型産業の創造や地元企業の経営革新を進め、就業環境の改善、人材育成等に対する支援を積極的に行うほか、起業や事業承継を支援するとともに、4年間で新規正規雇用1万人を創出します。併せて、障がい者雇用も新たに1千人創出します。
また、食のみやこ鳥取県の農林水産業を発展させるため、特産品振興やブランド化、県産品の輸出拡大や6次産業化など、食のみやこ鳥取県フードバレー戦略を展開します。
さらに、境港の貨客船ターミナル整備を進めることなどにより、本県の北東アジアゲートウェー機能の強化を図り、観光や経済の拠点化を目指します。

 第三に、「まちを元気に」します。
 さらなる移住定住施策を展開し、4年間で4千人のIJUターンを取り込むプロジェクトを推進します。
 ミッシングリンクをつなげる高速道路の整備促進や県内2空港の空の駅化など、地域の発展基盤を整備するほか、土砂災害対策、原子力安全対策などの防災対策も進めます。
さらに、三徳山・三朝温泉日本遺産認定や大山開山1300年を契機とした地域の取組を応援するほか、JR豪華寝台列車の誘致、スポーツ合宿の招致など新たな地域活性化に果敢に挑戦します。

 こうした元気づくりを、「改革と絆」で推し進めます。
鳥取力創造運動などパートナーシップによる県政を発展させ、住民の力で地域を動かし元気をつくるため、とっとり創生支援センター等により、地域・住民・企業・団体等の活動を支援していきます。
暮らしを支える小さな拠点づくりなど、地域で支えあう体制整備を応援し、教育現場も含め県庁のカイゼン運動など改革を進め、平成30年度末までの間で基金300億円確保のほか、実質的借入を3000億円以下に減らすなど、健全な財政運営を実現します。

今後とも改革の手を緩めることなく、鳥取県から全国をリードすべく、県民の皆さまと一緒に「鳥取元気プロジェクト」を断行することをお誓い申し上げます。
どうか議員各位、県民の皆様方の深い御理解と御協力をお願い申し上げます。

 それでは、これより、本定例会に提案いたしました具体の諸議案につきまして、御説明いたします。

 今議会に提案いたしました議案は、
 予算関係3件
 条例関係10件
 その他の案件4件の合計17件であります。

 最初に、議案第1号 平成27年度鳥取県一般会計補正予算について御説明いたします。

 まず、「人を元気に」であります。
 市町村の意向を踏まえつつ、第3子以降の保育料無償化を全県で実施していくこととし、小児医療費助成については、来年4月より高校生まで拡充する準備に取りかかることといたします。
 女性が働きやすい職場環境づくりやキャリア形成支援を行い、女性が活躍する企業を増やしていくとともに、元気な高齢者が地域の担い手として活躍していただくため「いきいきサポ―トシニア人材バンク」を設置するほか、高齢者の経験や技能を活かしたビジネススタイル創出に向け、企業支援やシニアボランティア養成講座等を実施いたします。
 また、鳥取県独自のドクターヘリ導入について、関係機関と検討に着手するとともに、
県立博物館について、県民の意見を広くお聞きし、美術館を整備する場合の基本構想策定に取りかかります。


 次に、「産業と雇用を元気に」であります。
地域経済の活性化に向け、企業の大都市からの拠点移転や中山間地ビジネス、外国からの投資を促すよう企業立地支援を拡充するとともに、鳥取県版経営革新総合対策事業を拡充し、県内中小企業支援を強化します。併せて、正規雇用1万人創造に向け、国の助成対象よりも拡げる県単独の非正規から正規への雇用転換支援制度の創設や、事業承継が行われる際の正規雇用奨励金制度創設など、雇用の質の改善を図ります。
障がい者の工賃向上や一般就労促進のため、障がい者を多数雇用する企業に対し、企業規模・雇用人数に応じた県独自の支援制度を創設します。また、全国初となる大量受注処理を可能とする共同作業所を設置するほか、水産加工においても共同加工場の設置・運営に対する支援を行います。
鳥取和牛の振興につきましては、新たに担い手等が繁殖雌牛の増頭を行う際の支援を行うとともに、県下の繁殖雌牛の産肉能力を遺伝子調査し、確実な選抜保留に繋げます。
きのこ王国とっとりを推進するため、農家所得の拡大に繋がる高品質生しいたけの生産拡大や、ホテル、料理店と連携したメニューづくりなどによりブランド化・消費拡大を図ることといたします。

 次に、「まちを元気に」であります。
 移住促進に向けて、首都圏などにおける移住定住情報発信強化を図るとともに、知識・経験が豊富なアクティブシニアの移住の受け皿として、市町村と連携しCCRCモデルプランの検討を行うことといたします。
 また、三徳山・三朝温泉が日本遺産に認定されたことから案内標識整備、東京や大阪でのPRなどを行うのみならず、秋以降の新たなウェルカニキャンペーンなど、国内外からの誘客に取り組みます。
 また、空港機能充実のため、鳥取砂丘コナン空港駐車場拡張に着手するほか、販売・飲食施設の試験開設や外国語での空港案内、両替機能、デジタルサイネージなどを進めます。

最後に、「改革と絆で元気に」であります。
 県内企業等の協力・出えんの下、鳥取県未来人材育成基金を創設し、他県よりも群を抜いた規模と内容で、人材不足が著しい県内企業等へ就職する大学生やIJUターンする若者等に対して一部奨学金の返還免除を実施し、人材確保を図ることといたします。
 また、中山間集落の暮らしを確保するための手段として、民間団体と連携しながら道の駅を拠点とした生活支援システムをモデル的に実施するほか、中山間集落でのスモールビジネスの仕組みを構築します。
 また、遊休施設等の利活用計画策定、次世代リーダー確保・育成のための支援、社会貢献活動に取り組む共生ホーム支援を行うとともに、高齢者、障がい者など、自力での移動手段がない方の買い物不便解消に取り組む市町村を支援します。

 以上の結果、今回の補正予算の総額は195億3千万円余となり、補正後の予算の総額は、3,531億円余となるものであります。 

 次に、補正予算以外の主な議案につきまして御説明いたします。

議案第7号 鳥取県行政組織条例の一部改正につきましては、平成27年度の組織改正に伴い、地方創生などを強力に推進する「元気づくり総本部」を設置するなど、県政課題解決のため組織改革を行うものであります。

議案第11号 鳥取県企業立地等事業助成条例の一部改正につきましては、中山間地への立地、大都市圏からの本社機能の移転等についての加算措置など、企業立地支援の拡充を行うものであります。

議案第12号 鳥取県立青少年社会教育施設の設置及び管理に関する条例の一部改正につきましては、大山青年の家及び船上山少年自然の家について、その管理事務に限って指定管理を導入しようとするものであります。

 議案第16号 鳥取県日野郡ふるさと広域連携協約の締結に関する協議につきましては、日南町、日野町及び江府町とそれぞれ連携協約を締結することにより、県と日野郡3町の連携協働を円滑かつ機動的に推進しようとするものであります。


 以上、今回提案した付議案につきまして、その概要を御説明いたしました。

 よろしく御審議のほどお願いいたします。

  

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