知事定例記者会見(2015年8月27日)

平成27年8月27日(木)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約75分) ※MPEG4形式

  

1 台風15号の影響 

●知事

 皆さま、おはようございます。この度、本県も含めまして、日本の西の方に被害をもたらしております台風15号でございますが、温帯低気圧となり、日本海の方に行っているわけでございます。この被害の状況、まだ集計中でございまして、特に農業被害、今農繁期であって、十分な集計ができているわけではございませんが、県内でも強い風が吹きました。大山におきまして[風速]23m/sの風、また米子で24.4m/sの風が吹いたことが観測をされ、さらに、雨で言えば若桜町で60ミリ/ℓを超える雨量が、計測をされるなど、それぞれのところに大きな気候変動をもたらしました。ただ、幸いなことに公共施設、道路や河川等そうしたものに対する被害はなく、人的被害もなく人家について屋根等ですね、ごく限定的なかたちでの被害の発生があったり、あるいは倒木で[国道]431[号]が一時危険がございまして、通行を遮断したりというようなことがございましたけれども、大きな被害には至らなかったのは、幸いであったかもしれません。

ただ、1つちょっとタイミングが悪かったなと残念なのは、梨のちょうど収穫期を迎えてこれからというときに、この風が特に[県]西[部]の方等で吹いたことがございまして、全県的に落下被害、梨についての落下被害が認められます。特に西の方でその被害の状況はございます。ただ、現在集計しておりますけれども、平成19年など、度重ねて台風で、落下被害がこの秋に起きますが、今回はそれに比べると限定的なものに止まったのではないかなというふうには見込んでおります。さらにネギであるとかあるいは飼料用の作物であるとか、そうしたところでの被害状況もございまして、私も昨日[8月26日]大山町の方、お伺いをして事情を聞いたところでございます。これからちょっと今、農家もお忙しい時期でありますが、そうしたことが落ち着いてきて被害の状況が見えてきたら、例えば農業共済であるとか、無利子融資であるとか、そうした手段を駆使しまして対策に当たっていくことになろうかと思いますし、また、こういうことが必要だということが現場からございましたら、柔軟に対応してまいりたいと思います。




2 「シバガス」の危険ドラッグ規制 

●知事

今、世上、少し社会問題化されてきておりますのがシバガス[SIVAGUS]という製品でございまして、これは吸引をする、風船に入れて吸引をして、それで多幸感と言いますけれども、幸せな感覚を味わうというものでありまして、今、第2の危険ドラッグではないかというふうに言われ始めて、報道も始まっています。イギリスなど、海外でも被害事例も出始めております。これ、中身は、これは普通にも使用するというか、工業用とかあるいは医療用等でも成分的には使われるものではあるんですけれども、これが販売をされているわけでございまして、自転車のタイヤを膨らます用途だとか、そういう名目で売られているわけでございますが、これについて放置していくのはいかがなものかと、こういう議論も高まってきているところでございます。これについて、本県としては危険ドラッグを取締まる薬物取締の条例[鳥取県薬物の濫用の防止に関する条例]がございまして、これに基づいて本県としては知事指定候補薬物、とすることを決めました。そういう意味で取締まりの対象ということに本県としてはいたしてまいりたいと思います。

現実には、現在県内販売されたという報告があったり、あるいは吸引によってこういうことが起こったという報告があるわけではないですが、世界的にも報道がされていて、国内でもインターネット等我々もパトロールをしておりますけれども、販売されている形跡もございまして、当方としても対策をとる必要があるというふうに判断をいたしました。この度、この知事指定候補薬物にするにあたりまして、薬物取締条例に基づいて専門家の知見もお伺いをいたしまして、この候補薬物と、することにつきまして賛同を専門家からも得たところでございます。これからそうした適用がございますと、これを販売しようという事業者は県内の者に販売しようとしますと、それは取締りの対象ということになります。また、こうしたことで危険薬物というふうに考えられる側面もあろうかと思います。関係法令の適用も出てくることになろうかと思います。今後粛々と対策を進めさせていただきたいと思います。




3 9月補正予算編成の概要 

●知事

今、予算の編成作業に入りまして、9月補正予算の現在、積み上げを行っているところであります。1つひとつ積み上げていきますと、トータルで約30億円規模になろうかなと思います。30億円前後ぐらいですかね。今、最終的な集計、精査をしているところでございます。これについては先般も記者会見のときに話題になりましたけれども、ジャマイカのチームからも指摘がございました布勢[総合]運動公園、コカ・コーラウエストスポーツパークをバリアフリー化するとともに機能強化するその事業として2億円余り、2億3,000万円ぐらいになるかもしれませんが、2億円を超える対策になろうかと思います。いろいろと関係者と調査を至急させていただきましたが、トラックを全面にわたりまして手入れをする、張り替えるべきところを張り替えていくということで対策を取る必要があるかなと。そのときに、張り替えながら機能も調査をして、問題がないかどうかを点検しながらということになりますが、これをパラリンピックの前段階の審査になります日本パラ陸上の[鳥取]大会に間に合うように考えております。

先週関係者等もお伺いをしましたけれども、特に車イスの競争になりますとカーブを切るときのデコボコというものがあると心配だというような声がございます。今若干そういう摩耗によりまして、経年劣化によりましてそういうちょっと不整合なところもあるということを改めて確認をいたしましたので、その辺も対策を取る必要があります。また、ジャマイカのチームのように健常者の陸上競技の場合ですと、むしろストレートな部分、直線の部分のこの不整合についても気になるそうでございまして、その辺も含めてということになりますと全面的に対策を取る必要があるかな。それからあと、バリアフリー対策として段差をなくすとか、手すりを付けるとか諸対策を入れていきますと2億3,000万[円]ぐらいになるかなというふうに弾いてきたところでございます。最終的によく詰めをしてまいりたいと思っております。

また、現在ですね、アユが不漁だということがございます。原因が実は完全には分かっているわけではございませんが、現象として起きておりますのは遡上してくるアユ、これが急減しているということでございます。例えば1級河川日野川もアユの名所ではあるわけではありますが、この遡上の状況は昨年[平成26年]に比べると100分の1くらいに激減をしているということでございます。これ、実は日野川にも限らず鳥取県の3大河川もそうでありますし、それから実は日本海側は広くそういう状況が見られます。本県に限らず島根県もそうですし、また北陸だとかそういうふうに日本海側全体にわたりましてアユの遡上が少なく、極端に減ってしまってそれが漁獲に影響をしているという状況がございます。これは、今シーズンはもう終わりかけていまして、今さらアユが遡上するようにするというわけにもなりませんで、ですからこの原因をよく調査をする必要があるだろうと。

それで9月の補正予算でその状況を調査をする予算を100万[円]程度、90万[円]強用意をさせていただこうかなと思っております。今いろいろ言われている分析の中では、片方でイワシが捕れているんですね。それでこのイワシが捕食をすると、アユの子どもを。それが海から遡上するわけでありますから、それで海から遡上するアユが減ってしまった原因かもしれない。まだ、かもしれないでございまして、その原因をまずは究明する必要があるので、こうしたメカニズムですね、一体アユの生態系でなにが起こっているのか、それを9月の補正予算の中で調査をする、予算計上をしたいと考えております。

この他にもいろいろと各般にわたりまして、観光対策だとか産業対策だとかそうしたことも進めていきたいと思います。先般スイカ農家の皆さん、今年度[平成27年度]はスイカはまずまずでありましたが、厳密に言えば前年[平成26年]よりもちょっとこう売上げ等が少し落ちる、そういう意味で足踏み的な感じですかね、去年[平成26年]は非常に良かったもんですから。そんな内容でありましたけれども、やはりハウス栽培を強化しなければいけないというスイカ農家の思いも強うございまして、その低コスト化のハウス導入、これが国の事業だと中山間地しかできないものでありますので、県として平場のところ、スイカを普通に作っているようなところなどですね、スイカに限りませんけども、いろんな作物が対象となりますが、そういう平場でも低コストのハウスを作るその応援をしようというふうに考えておりまして、まずは単年度事業で、今年度[平成27年度]やってみようと、市町村と合せて3分の2の助成をしてそうした低コストハウスの導入を加速しようということです。

これは鳥取県として農業を強くするために低コスト農業を進める、そのためにはハウスの値段が結構コストとしてかかっていて農家負担になっていたものでありますから、その農家負担が減るように中山間地でも平場でもこういうふうにハウスを作ると安く上がりますよという実証試験をしてまいりました。それがだいたいまとまってきましたので、これを普及させていこうというような趣旨でございます。こんなようなことで私どもとしても対策を取っていければと思っております。




4 二十世紀梨、新甘泉等の販売開始とPR 

●知事

いよいよ梨の季節になってまいりました。これにつきましては27日の大阪での解禁、さらに29日は東京市場でもというふうに、順次二十世紀梨が解禁をされていくことになります。県としてもこうした我が県のシンボルでもあります梨の販売促進に力を入れていきたいと思います。二十世紀梨、今シーズンは農家の顔もほころんでおりまして、糖度平均で11.1度という非常に高めの数値になっていますし、また玉太りとしても過去2番目ぐらいの大玉に仕上がってきているということもございまして、非常にいい具合ではないかなと期待も集まっています。これからマーケットがどういうふうに評価をしてくれるのか、それが気になるところではありますけれども、ぜひおいしい鳥取の梨を知っていただき、それをまた食していただきまして、今シーズン産地も頑張ったことを応援していただきたいというふうに思います。

また、この二十世紀梨と併せまして、新甘泉でありますとか、なつひめ、秋栄といった新品種がございます。こういう新品種も単価が二十世紀梨よりも高く、農家としても今、徐々に普及が広まってきているところでございます。これを応援していくために、いろんな手立てを講じていこうということでございます。具体的には例年やっておりますけれども、大阪圏の百貨店でありますとか、いろんなところで試食販売等のデモンストレーションをしていくことになりますが、私も宝塚阪急の方に参りまして販売促進をしていくことにいたしております。また、名古屋でとっとりっちという鳥取の展示即売会、これをJRの構内にあります[ジェイアール名古屋]タカシマヤ、今、松坂屋と並びまして中京圏では急速に伸びてきた百貨店でございますけども、そちらの方でとっとりっちという展示即売会を開催をしようということでございます。そこで鳥取の魅力を観光だとかも含めて売り込みたいという目論みでありまして、タカシマヤさんとも協調が取れました。具体的には毎月こうしたことをやっていこうと、今回は梨が中心ということでありますけども、梨だけではなくて例えば特産品のいろんなものも含めて販売をしていくわけでありますが、鳥取は、例えばカニがあったり、柿があったりということがありますので、何回かこう波状的に、毎月のようにそういうとっとりっちというイベントを打っていこうということにいたしておりまして、今回その皮切りとして梨を1つの中心に据えながらの展示即売会、物産展をやっていこうということになりました。

また併せて、新甘泉という梨、非常に評価も高く、マーケットでも需要が広がってきているんですが、まだ一般の認知度が必ずしも高いわけではない。そこでまた明日[8月28日]ですね、JRの東京駅八重洲口におきまして、新甘泉の、梨の新甘泉のPRイベントを行いたいと思います。新幹線の駅で新甘泉をPRするということでございまして、鉄道おたくと言われるかたも交えながらお話をしてアピールをしてまいりたいと考えております。こんなようなことなどいろいろと今後展開を図ってまいりますし、海外にも売り込みを強めていこうということにいたしているところでございます。




5 ELGツアーズ袁文英董事総経理との面談結果 

●知事

昨日[8月26日]は香港のEGL[ツアーズ]の袁[文英]社長と会談させていただきました。その後、島根県の方にも行かれましてスピーチをされたり、いろいろと動かれたわけでございます。昨日[8月26日]ですね、10月21日~12月20日までいよいよ16回にわたるチャーター便が飛んでくるということが決まりまして、大変に関係者に感謝を申し上げたいと思います。この上はこのチャーターフライト、チャーターツアーを成功させまして、それを定期便化していく足掛かりにしていきたいと思います。袁社長も昨日[8月26日]、送客という面におきましてこういう定期便化の構想に協力をしていくというお話がございましたし、ある程度自信ものぞかせておられました。我々としても、こうした香港側の旅行需要を的確に捉えて、今後動いてまいりたいと考えております。こういうようなさまざま観光の魅力、これを我々としても売り出していくことになろうかと思います。



6 地方創生に関する動き 

●知事

それで、また、女性の創業支援をしていく、その意味でそうしたセミナーをこの8月の末~9月にかけまして東中西で行うことにいたしております。こういう産業振興について、さまざまなかたちで若者の定着、それから女性も活躍できる社会づくりを進めてまいります。そうした中心になるのは地方創生であろうかと思いますし、鳥取県でいう元気づくりであろうかと思います。昨日[8月26日]パブリックコメントも締切りを迎えました。また、鳥取創生チームの合同会議をやりまして、首長さんや経済会、さらに言論関係者、また、労働会、そうしたかたがたを交えまして話をいたしましたが、概ね今、県で進めている[鳥取県地方創生]総合戦略に対するご賛同が得られたところでございます。これから9月県議会で議論していただけるように全員協議会でお諮りをして、その総合戦略の考え方を議会側にもお示しをし、ご意見をいただくようにいたしたいと思います。それで、この9月、10月という秋のタイミングで全県、全市町村含めて取りまとめをしていく、そういう意味で鳥取県がその地方創生のムーブメントのリーディング役を果たしていこうということを考えております。



7 政府関係機関の地方移転に関する提案 

●知事

この地方創生については、政府機関の地方分散ということも入っております。8月の末に締切りを国側が設定しておりまして、私どもとしてもこれまでいろいろ関係者や庁内で議論をしてまいりました。その結果として3つの候補を提出をさせていただこうと思います。1つは、これは職業能力開発の大学校、これとタイアップをしたかたちで社会人のブラッシュアップをする。鳥取県として必要な航空産業だとか、そうした新しい産業分野もございますが、そうした人材育成が先に進むようなこと、これは国全体でもそうした人材育成を進めていかなければなりません。それで、その人材育成の拠点となるようなところを鳥取県の方に開設をすると、その大学校の機能をこちらの方に一部移すということを考えております。

また、2つ目には果樹研究所と言いますが、これは農業・食品産業技術総合研究機構という機関がございまして、この果樹を研究する舞台の一部ですね、梨など鳥取県として先進性のある研究をしている分野がございます。こうした分野について農林[水産]省の方からこちらサイドの方へ移管をすると、農林[水産]省サイドから鳥取県の方に分散をするということでございまして、これも2番目の候補として提出をさせていただきたいと思います。あと、3番目の候補としては、これは統計、今、国勢調査を行おうとしていますけども、その統計センターがございます、政府の方の。その[独立行政法人]統計センターの機能の一部を鳥取県の方に移管できないかという働きかけをしてみようということでございます。その趣旨は、今、日本の中にいろんなリスクがあるというふうに言われていまして、そういうデータ、データを扱う統計の仕事もリスク分散をする必要があるのではないだろうか。その意味ではリスクの小さい鳥取県、これも1つの候補として考えられるのではないか、統計のデータ分析等、そうしたことは東京でなくても鳥取県など地方でもできるはずでございまして、そういう分析産業などを考えれば、地方に移転する余地はあるんではないかと、こんなようなコンセプトで国の方に地方機関移転の候補として申請をさせていただきたいと思います。
ただ、今、我々もいろいろと話合いを始めたりしていますけれども、必ずしも簡単にご理解得られるわけではなくて、それで、国の方もハードルを上げて地方移管には地方側の対応が必要だとかいろんな条件を付けてきておりまして、そう簡単なことではないとは思いますが、締切りも迫っておりますのでまずはこの3つの候補を国側の方に提出をさせていただきたいと思っております。




8 スポーツ振興の取組 

●知事

スポーツにつきましては、最近明るい話題が来ておりまして、全国の中学生の大会が開かれてきているわけでありますが、1,500m走であるとか、あるいは四種競技で第2位に入る等があったり、それから八頭中学校も女子ホッケーで成績を上げるということがございまして、私どもとしても明るい材料が見えてきたかなというふうに思っています。

今後もスポーツ強化をしていく必要があると思います。その意味で、今回ジャマイカのキャンプがこちらの方に来られましたけれども、私どもとしても非常にスポーツリゾートとして売り込む成果もあったかなというふうに思っておりまして、これからぜひそうしたホストシティ、ホストタウンとしてこれから秋に向けて、これも国の方に働きかけをしていく、手を挙げていく時期に入ってまいりますが、具体化を進めてスポーツ振興も果たしてまいりたいというふうに考えているところでございます。




9 今週末のイベント 

●知事

これから夏休みも終わろうとしておりますけれども、8月の28日、明日ですね、明日は事前のメディア向けのイベントということになっていますが、29日から東京の方の三井記念美術館で三徳山[三佛寺]など、「蔵王権現と修験の秘宝」の展覧会が始まります。それで、私も明日はそのプレイベントと言いますか、メディア向けの観覧に参画をさせていただこうということにいたしておりまして、米田[良中]住職や三朝の[吉田秀光]町長さん共々にお伺いをいたすことにいたしております。
また、[8月29日]土曜日には大阪におきまして、関西ファンの集いが実施をされます。これについて私どもとしても当然ながら参画をさせていただきまして、しっかりと梨の季節、鳥取の特産を売り込んだり、これから蟹取県のウエルカニキャンペーンが9月1日から始まりますが、その売り込みを図ってまいりたいと思います。




10 県立高校におけるパソコンのマルウェア感染 

●知事

なお、昨日[8月26日]、私の方でも明らかになってきたことでありますが、鳥取中央育英高校でウィルス感染が認められたということがございました。これについては、今、緊急対策を取ってきております。まず、その当該ネットワークがあるんですが、鳥取中央育英高校を初め、県内の高校を結んでいるインターネットのネットワークのところからは、ここからは遮断をして隔離をいたしました。それから感染が認められるパソコンは初期化をして、それで対策をとらせていただきました。まだ、今、ウィルスの特定を進めようとしてセキュリティの専門家と話しながら、今、その特定を急いでいるところでございますが、いわゆる情報漏洩型、ああいうタイプのウィルスではないのではないかと思われます。

ログと言われますパソコンの履歴等も調べておりますけれども、今のところ、データが流出したというような情報はございません。むしろ、こういうウィルスがあるんだなというふうに私も驚いたわけでありますが、身代金要求型のウィルスというのが今あるそうでございまして、拡張子と言われる、要はアイコンが見えなくなる、つまりパソコンが使えなくなる。それで、それを解除するためには身代金を出せというようなタイプのウィルスがあるそうでありまして、どちらかというとそっちの方かもしれません。

いずれにいたしましても、通常のウィルス対策では引っかかってこないタイプのウィルスだったようでございます。今、その原因特定を進めておりますし、それとともに遮断をして広がらないようにという対策は取らせていただきました。なお、県庁の方には、その波及は今のところない見込みでございまして、由良の中、鳥取中央育英高校の中という、今、限定的な状況で封じ込めを図ってきているところでございます。いずれにいたしましても、こういういろいろ新手のウィルスも現れたりするものでございますし、データセキュリティ等の議論も今世上で起こってきている最中でございますので、今日直ちに各方面に対策の徹底を改めて求めることといたしたところでございます。私の方からは以上です。




11 政府機関の地方移転候補の選定について 

●知事

○山陰中央新報 桝井映志 記者

 政府機関の地方移転のことでお尋ねです。最初、候補として検討しておられた水産研究所を止めて統計センターを入れられたのはなぜかというのをもう少し伺ってもいいでしょうか。


●知事

 水産[総合研究センター水産工学研究所]については、船舶技術のようなところをターゲットにしようということで調査を進めて我々もいたんですけども、そのためにはかなり施設整備のお金がかかるそうなんですね。それで、国がそれを出しながらこっちに移転したらいいじゃないかということをだいぶこちらから持ちかけたんですが、先方はそういう気はさらさらないようでございまして、どうもその地方移転は、要は、もう丸がかりで地方がやるならぐらいの、それは担当省庁にもよるんでしょうけども、そういう役所も中にはあるところでございまして、少々我々としても、今これ出して、それでじゃああとどういうメリットがあるかなというところまで考えますと、今回、そちらは見送る方が得策かなと。他方で、実はこれ水面下でも検討はしていたんですが、なかなかこれもハードルが高いと思われますけども、締切りということでもありますので、統計センターも、これも地方にあってもおかしくないだろうという問題提起の意味で提出をさせていただこうと思っております。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 続けてすみません。果樹研についてはよく分かるんですけど、例えば1つは職業能力の関係の分なんか、鳥取にあった方がええんだっていう理屈をどういうふうに組み立てておられるか伺っていいですか。


●知事

 要は東日本に、今、[高齢・生涯・求職者雇用支援機構]職業能力開発総合大学校があるんで、それだけでいいですかということですよね。特に今、先端技術人材、これがやはり我が国の国際的な競争力の基礎条件になるところだと思います。それで、それを育てていくという意味で、言わばその大学校の大学院的な大学院そのものではないですけども、大学院的な機能としてオープンなかたちで人材を育成するようなそういう機関があってもいいんではないだろうかと。それで、我々も県有の施設であるとか、それから県内の企業さんの施設、協力いただける先も、話も始めておりましてある程度の蓋然性を持って、可能なコンセプトではないかというところだと思っております。先程、例えば航空機器産業のお話を申し上げましたけれども、事ほど左様にいろんなこう技術人材を求められるわけであります。我が県の場合だけに限れば、今まで電気関係のいろんな技術を持ったかたがたはいらっしゃいました。あるいは縫製関係とかそういうかたがたもいらっしゃるんですが、そういう物作りの技術として、そういう航空機器産業そうしたところに当たれるような人材がいるかというと、残念ながらそうでもないわけです。これ、我が県に限らずどこの地域でも同じような需要はあるはずでございまして、関西圏の一角にもなっておりますし、中四国地方や九州へのアクセス等も考えて鳥取もそういう西日本に1つ拠点を持っていただく候補になり得るんではないかなと、こういうことで、今、働きかけようとしているところであります。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 この職業能力の分が実現しますと、企業誘致という意味では非常にいい材料になるんではないかなと思うんですけども。


●知事

 我々としては、そうした人材育成の拠点があるというのは、1つのアピールポイントにはなろうかなというふうには考えておりまして、そうした意味でこうした構想を今まで検討してきたところであります。ただ、これ、これからまずはエントリーですから、エントリーシートを書いてエントリーすると、それでそこから先、まだこれから長い道程があって、果たしてこれが国と話がつくかどうか、その辺は不透明なところはあると思います。私ども地方側としてはこういう地方移転、せっかく地方創生の1つのツールとして始めたわけでありますから、政府も各省庁の縦割りの都合でなくて、国全体のことあるいは地方創生の意義を考えて胸襟を開いた態度を求めたいと思っております。




12 自治体連携による政府機関移転の働きかけについて 

●知事

○日本経済新聞 船越純一 記者

 関連するんですが、関東にあるものをバックアップ的に西日本の方に持ってくるっていうのを1つの論理に立てられましたけども、これですと、例えば関西広域連合ですとか、例えば果樹研究所でしたら岡山県と共同でタックを組んだりとか、そういった動きっていうのはご検討されているんですか。


●知事

 今現実には各都道府県だとかそうした自治体レベルで、今そうしたエントリーをしておりまして、中国ブロックで共同してというところはまだございません。関西広域連合も1つの自治体でありますので構想的にはあり得るかと思いますが、結局やっかいなのは、一定程度地元の物心両面、特に物ですね、そうした協力が必要だぐらいのことが書いてありまして、それで、そうした国の方針からしますとその辺の負担関係と、それから立地する地域の直接のメリットから考えますと共同作業は若干難しいかなというふうに思いますね。ですから単独で今回3つ手を挙げるということにいたしました。




13 政府機関の移転のメリットと実現可能性 

●知事

○山陰中央新報 桝井映志 記者

 続けて、地方移転のことですが、果樹研はとっても鳥取にぜひという根拠もはっきりしておってええと思うですけど、実際これが実現したらどういうようなメリットっていうんですか、いいことがあると思われますでしょうか。


●知事

 恐らく、私どもで先程申しましたように、いろんな地元での受入条件どうだっていうような交渉事が始まった場合、園芸試験場が鳥取県にはございます。それで、そこはそれ相当の設備もございますし、人材もおります。ここに国の人材がやって来られて、それで、一緒に共同研究をするということになれば、そういう新品種の改良等に弾みがつくというふうに思います。今までそれぞれバラバラにやっていたものがこちらの方に来て、地元の研究機関ともパートナーシップを組むというようなことが事実上できてくれば、それはメリットがあると思いますし、また我々の方でもその研究素材、研究の場所を提供するスペースなり、材料はあるということだと思っています。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 この3つの候補の中で知事として、例えば、特にこれに力を入れておるとか、これが実現の可能性が高いでないかっていうもの、もしおっしゃっても差し支えなければ。


●知事

 それはちょっとまだ分かりません。まずはエントリーをするということで3つ挙げさせていただきました。ただ、なかなかハードルの高いものもたくさんあるだろうと思います。統計なんかは200人だとか、結構な人間が動く材料になりますので、抵抗感は強いだろうなというふうには思いますが、やはりこのぐらいのことは地方に持っていってもおかしくないでしょうと、地方側の提案としてはそうしたことも必要かなと思って我々としてはエントリーをしようと思っております。そういう意味でやはりそれは難しさだとか、ハードルの高さっていうのはそれぞれにあろうかと思っています。




14 「ジバガス」の知事指定候補薬物への指定について 

●知事

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 すみません。シバガスの関係なんですが、これは改正された条例をもう一度読み返せば分かる話しかもしれませんけども、知事指定候補薬物とすることによって、結果的にどのような取締効果、抑制効果、抑止効果を知事としては含ませようとされているのかということと、それをされる、やはり危険だという知事のご認識に立たれた理由みたいなものをもう一度教えていただけませんてしょうか。


●知事

 これは報道で最近急速に取り上げられるようになっておりますが、海外で若者を中心に風船を膨らませて、そこで、陶酔状態に入るということでございます。それで、これ、要はかつてのシンナー遊びに似ているかもしれないなと見ていて思うわけですね。それで、そういうようなことでシンナーの方は取締対象に今薬物取締条例の方で入っておりますけども、青少年に対するさまざまな悪影響ということがございました。今回のも少なくともそのぐらいのことはあるだろうと。それで、さらに実際実験結果も公表されて報道され始めていますけども、マウスに投与をしたところ、投与というか、吸引させたところですね、このガスを、異常行動が見られるとか、急にパタリと動かなくなるとか、そうしたことも報道されていまして、実際、そうしたデータも我々としても収集をし、候補として知事指定していく手続きを考えていかなきゃいけない段階に入ったというふうに思っております。

それで、この知事指定候補薬物になりますと、指定されますと、要は流通ができなくなるということです。それで、県内の若者にこれを販売するということが規制対象に入ってきます。それで、いや、いや、これはそうした候補薬物にしちゃ困るということであれば、その事業者の方は我々の方に立証してこなきゃいけないというふうにしてあります。これは毒性がないとか、それから陶酔作用を起こさないだとか、それからどこで作っているかとか、それからどこに営業所があるかとか全部届出をしなければいけないということにいたしております。それで、これがたぶん抑止効果になるんですね、本当で医療用や工業用で使っている人たちは問題ないんですけども、そういう意味で、むしろそのアングラで潜ってやろうという人たちにはこれは足枷になるということでございます。そういうさまざまなその取締まりにつながるような、我々としても場合によってはそれで調査に入ったりということになりますので、そういう抑止効果につながるようなものは、知事指定候補薬物段階でも十分期待されますので、まずはその知事指定候補薬物とするのかなということです。

危険薬物の定義自体、本県の条例で、幻覚だとかそれから興奮だとか、陶酔だとか、そうした精神作用を及ぼす。さらに2番目には健康に害悪を及ぼす恐れがある。それで3番目には吸引だとか、あるいは注射等で、それを摂取投与する可能性があると、そういうものを危険薬物というふうにしておりまして、今の報道の状況を見ている限りこの危険薬物に該当する可能性はあるだろうと、今回のはその陶酔ですね、陶酔という精神作用でございますし、それから健康被害等も海外での報告例等もございますし、ああいうふうにバルーンで風船を膨らませて摂取をするというような形態、そういう意味で危険薬物としての可能性ありのものだろうというふうに認めまして、専門家ともよく協議をした結果ではありますが、知事指定候補薬物にすることを決めさせていただきました。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 医療用や工業用でせっせと販売するかた、販売したり購入される、販売されるかた、事業者についてもこれは届出が必要になってくるんでしょうか。それから、その専門家というのは具体的に、確かそういったかたを県が委嘱なりされていたと思いますけど。


●知事

 その辺は、そうしたかたがたをターゲットにしてやるものではないものですから、むしろ、アングラで販売しようとしている事業者に対するものだというふうにご理解いただければと思います。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 専門家というと具体的にはどういうかたですか。


●知事

 鳥取大学の先生とか、鳥取大学とあとどこでしょうね。2人いたと思います。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 県の薬物に関するアドバイザーのかたでしょうか。


●知事

 そうです、そうです。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 分かりました。


●知事

 手続き上そうしたアドバイザーの意見を聞いて定めるというふうにしておりまして、その手続きを踏んだということです。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 アドバイザーのお二人についてもこのシバガスというのはやはり危険薬物にあたるというご判断だったということですか。


●知事

 そうですね、たから、[知事指定]候補薬物にあたるという判断ですね。それは異論はなかったです。もしあれでしたら、詳細ですね、この後、担当部局の方から状況のご説明をさせていただきます。




15 布施総合運動公園のバリアフリー改修と陸上競技場トラック舗装の改修について 

○毎日新聞 真下信幸 記者

 すいませんけども、布勢の陸上競技場についてなんですけども、これは以前の知事会見の場で、日本パラ陸上に向けたバリアフリー化の話があったかと思うんですけども、それに加えて、陸上競技場の舗装を張り替えるということなんでしょうか。それで、張り替えるのは一部ということなのか、それとも全面的にもう張り替えてしまうということなんでしょうか。


●知事

 はい。これ、実はパラ関係者、パラ陸上関係者ともお話をしながらいろいろとこう改修箇所を特定をしてきて作業をしてきたんですが、今回、先般、記者会見でもご指摘いただきましたけれども、実際今度は世界一流のチームのアスリートであるジャマイカチームがやって来まして、それで今回それを使ってみていただいたところ、スモールアスペクトではあるけれども、小さな側面ではあるけれども、今のこのトラックに若干トラブルがあると、困難な状況があるというお話をされていました。それを我々としても、また改めて調査をさせていただきまして、やはり従来の案に加えて舗装をやりかえるということが必要だろうと。それで、工期的な問題もありますので、実はいろんな使いかたしています。例えば鳥取マラソンだとか、いろんな競技が既に予定されていますから、そういうものとの端境期でどういう調整ができるかも含めて、いろいろ議論を重ねた結果でありますけども、基本は全面張り替えをすると、それをまた、今回やろうではないかと、それで、その分やっぱり事業費が嵩みまして2億3,000万程にあの膨れてきたということであります。ただ、これいずれまた東京オリンピック、パラリンピックの前に、例えばジャマイカチームが来て下さるかどうかというところを我々は期待していますけども、そうした海外からのキャンプの呼び込みだとか、大きな大会が今後あそこでできるということになったとき、また、これ、検定を受けなければいけないですね、陸上競技に使えるという。そういう検定のタイミングなんかも考えますと、いずれはしなきゃいけない改修なんです。ですから、このいずれはしなきゃいけない改修を今、日本パラ陸上を前にして、前倒しで今やってしまうというのがトータルコストとして得策ではないかということで判断をいたしまして、2億3,000万[円]程になったということですね。


○毎日新聞 真下信幸 記者

 今、現状、あそこの舗装はオリンピックで使われる会場と同じ舗装材が使われているかと思うんですけども、今後張り替えるものに関しても、そういったものを使うというふうな考えですか。


●知事

 具体的にはスーパーXと呼ばれる最先端の舗装材が使われていまして、これが北京のスタジアムもそうだったと思います。そういうのが実は国内にあんまりないんですね。というか、鳥取の最大のアピールポイントでもございました。従いまして、従来のこの方式を踏襲していくのがベターだろうと思っています。


○毎日新聞 真下信幸 記者

 それともう1点、以前、パラ陸連のかたが来られた際に、室内上のサブトラックというんですかね、室内練習場の方の舗装もちょっとかなり傷んでいるんじゃないかなという話もあったかと思うんですけども、メインのトラック以外にも、あそこの練習場もかなり練習施設としては有益なものかと思うんですけども、そこの張り替えに関しても、今後検討していくのかそれも含まれているのか。


●知事

 そこも含めています。パラ陸上の関係者ともお話をして、その室内練習場のところの改修必要箇所、それから、例えば投てき競技なんかのときの車いすの固定方法、それから外回りですね、車いすの選手もそうですし、普通のジョギングをしているかたもいらっしゃるんですが、外回りでこう練習路なんかもありますけども、そういうところも含めて改修の必要なところは改修を今回していこうということでございます。





16 地方創生の取組と中央政府の縦割行政について 


○時事通信 平野実季 記者

 すいません。先程、国の機関の地方移転のことで縦割りの都合ではなくというような話をされていましたが、以前にも知事はこういう地方創生を進める中でそういう縦割りの都合ではないということを訴えてこられたかと思うんですけども、今、国と折衝などをする中でやはりそれはまだ強く残っているというか、それでまた、特にどういった点でというのがもしあれば教えていただきたい。


●知事

 やはり、事の本質は地方創生と地方分権を車の両輪で回しながら、この国のシステムを変えていくことだと思うんです。それで、その意味で政府機関の地方分散というのは試金石になろうと思っております。ただ、役所のかたがたにとって、やはり今いる、働いている場所が失われること、これ、洋の東西を問わず官僚組織の常でありますけども、非常な抵抗感がやっぱりあるんですね。それで、そういうものを打破していく必要があります。それで、理屈をつけるのは非常に簡単でありまして、こんな問題がある、こんな問題がある、だから今のままでいいというのは役所が非常に得意な分野でして、そのためなら100ページ、200ページ簡単に論文も書いちゃうわけでありますけども、そういうことを止めさせなきゃいけないんですね、それはだから政治的な意思決定だと思います。それで、我が国は中央に、東京に全てが集中している。それで、それを分散させることによってこの国のあり方を変えるんだという決意で臨まれるということでありますから、そうであれば地方分権あるいは地方創生の観点で国の中枢として各省庁に黙っとれと、そういうのも大義があるということでそれを言わば政府内で、なぎ倒してでもやってもらうと、そういう力量が問われているんだろうと思うんです。

それがなければ基本的には慣性の法則のように、今いるところに止まると、そういう力学が働いてしまう危険が非常にあるだろうと。だから非常に難しい、地方分散というのは難しい課題だと思います。同じことは地方分権についてもありまして、9月の2日ですかね、中央分権改革推進会議の会合が開かれて私も出席をいたしまして、知事会代表として発言をしてまいりますけども、今その分権推進のいろんな改善項目をとりあえず内閣府として取りまとめて、それを各省庁に投げるという仲介役をしたわけです。前回、昨年の例でいけば、ほぼこうできませんという回答が寄せられると。おそらく今度行くと同じことが繰り返されると思います。それを今度はじゃあ元に戻して、いや、こういうような観点から考えればこれはもう地方に移譲した方がいいとか、この規制は緩和した方がいいとか、そういうことになる。それを去年一生懸命やって最終的には打率が上がってきたと言いましたけれども、その地方分権改革の実玉が、実際できた項目ができてきて、農地改革もその1つとして、もうできないといったものがひっくり返った例でありました。

それで、今回ハローワーク等も含めて、そうした問題提起を改めて来週しなきゃいけないかなと思っています。こういうようなことがやはり国の縦割りの思考回路の中ではなってしまうわけでございまして、それを打破していくという意味では、その役所を守ろうとする縦割り心理を打開をしていかなければならない、それを強く政府に求めていきたいと思っております。




17 アユの不漁調査に関する他県との協力について 


○山陰放送 秦卓史 記者

 すいません。アユの不漁についてですけれども、知事おっしゃるように島根県並びに日本海側広くそういうような傾向が見られるということで、調査もされるということなんですが、知事が言われました調査ですが、これは他県との協力などは想定されているんでしょうか。


●知事

 ちょっとそこまで話できてませんで、ただ、自らの水先ですね、岸辺から要はアユの生態系に影響するような他の生態系等々の関連などを調べる必要があると。もちろん他県と同じような共同歩調が取れるような部分があれば協調していきますけど、今まだそこまで他県で動きが出てきておりませんで、少なくとも本県の問題ですから本県としてやってみたいと思います。それで、例えばそういうことで遡上がなかなか今の自然の中では残念ながら難しいということになってくれば、今度は放流の方のアユを増やすということになるわけですね。それで、実は本県の場合、放流用のアユはある程度作っていまして、そのウエイトを抑制しながら遡上のアユの方を期待して、全体としてアユ、アユ漁というものをやっているという部分がございまして、そのウエイトを変えることによって、アユの漁獲高を回復させると、3河川について。それができる可能性が出てくるわけです。ただ、原因が分かんないと、何が起こっているかが分からないと、今、いけないもんですから、少なくとも本県のアユが泳いでいるこの水先、こうしたところはターゲットとして調べる必要があり、それは本県の予算としてやる必要があるだろうと思っています。




18 鳥取創生チーム会議での議論を受けて 


○共同通信 杉原領 記者

すいません。昨日行った地方版総合戦略の会議についてなんですけれども、素案が出揃ってきて、知事の受け止めを伺いたいんですけれども、具体的な市町村名があれば挙げていただきたいんですが、こういうとこ、この市町村のこういうところは評価すべきだなという点と、あとはこういうとこはもう少し地方の特色を出した方がいいんじゃないかというふうに思った点などあれば教えていただけますでしょうか。


●知事

昨日はかなり率直な意見交換ができたんではないかなと思っております。全体の、全体的には、今、9月、10月というタイムラインを引いて、全県的に市町村の総合戦略をまとめよう、県もまとめようということで動いておりますが、そのタイムラインは、現実的な実現可能性が高まったと昨日は受け止めました。ただ、それに向けていろいろと各市町村の悩みもある、例えば三朝[町]の[吉田秀光]町長さんもおっしゃっていましたけれども、鳥取県の県民の特性かもしれませんが、何回か会合を開かないと本音でこれが必要だという話がなかなか出てこないと。だから、集落を一回りしただけでは終わんないということをおっしゃっていました。ただ、そうやって丁寧に、やはり住民の皆さまと意識合わせをしながら、総合戦略を作っていけば、それは将来的にも実行性のあるものになってくるだろうと思いますので、いいことではないかなというふうに思っております。

また、具体的にもいろいろと考えた末で、例えば伯耆町の森安[保]町長は、あそこは人口が増えたって言いました。あそこは米子の近郊で新興住宅地とかもあるんでしょう。そういうこともあってだと思いますが、正直申し上げて県外から割と大山の山麓のところを目指して移住してくる人もいるぐらいでございまして、子育て環境がいいということが謳い文句なんだと思います。それで、森安町長がおっしゃっていましたが、今までの政策が有効であればむしろその新規性を狙って、新しいものを無理、無理作るのではなくて、今あって効果があるものは膨らましていきたいというような方針が示されまして、0歳児の家庭保育、これを保育園に持ってくるのではなくて、家庭で保育をすると、それでそれに対する応援金を出すと。町の単独政策でありますけども、こういうものを続けていくとか、それからカフェのようなそういう交流の場を作るとか、そんなようなお話がございまして、やはりきちんと分析もされているんではないかなと思いました。また、湯梨浜町やそれから南部町からはCCRC[高齢者が移り住み、健康時から介護・医療が必要となる時期まで継続的なケアや生活支援サービス等を受けながら生涯学習や社会活動等に参加するような共同体]について具体的に進めていきたいという話があり、湯梨浜町の方では、町内の法人あるいは看護大学という環境、こうしたものを活かしていけるんではないかという、そういう見込みが示されたり、南部町もCCRCを作るにあたりまして、特徴的なターゲットを考えてやってみたいという話がございました。

ですから、全国的にみてもそれぞれの市町村、もちろん個性はあるでしょうけれども、具体性のあるものになり始めているんではないかなと受け止めましたし、また、住民の意見などを丁寧に聞いておられるんではないかなというような思いも感じました。足らざるところはこれからまた、順次少しずつ見えてくるのかもしれません。それで私どもとしても丁寧にフォローさせていただきながら、全市町村一緒にフィニッシュが切れるように、これは我々もサポートをしていきたいと思っております。




19 国の概算要求の中で注目する点について 


○日本海新聞 井上昌之 記者

すいません。来年度予算に向けた概算要求が今週末提出の締切りだと思うんですが、知事として注目されている点というのをいくつか教えていただけたらと思うんですけども。


●知事

やはり地方創生関連がどうなるのかということだと思います。新型交付金については正常1,080億といったような数字も出ておりますけども、これはちょっと議論が分かれるところだろうと思いますが、それと併せて地方交付税、これが決定的に重要だと思います。それで正直な話を申し上げれば、新型交付金がすごくこうクローズアップされていて、ちょっと世間が誤解しているんではないかと思うんですが、新型交付金でこう分捕り合戦をして、この新型交付金を使って地方創生ができるんだというちょっと錯覚があるようなんですが、私は年間1,000億、それが仮に年間2,000億になったとしても、ロットとしてはとってもそんなことではできないと思います。結局何かというと、地方がやはり自ら創意工夫で自分の政策を見直しながら意欲的にその新型交付金などで若干こう膨らましながら、それで地方創生に有効と思われる手立てを打っていくということだろうと思うんですね。

ですから、一般財源のベースになる地方交付税の重要性というのは、片方で本当は大きいんだと思うんです。また、それと併せて税収確保、こうしたことも入れて、交付税と税収の一般財源、その辺がどういうふうになるかということでありますが、片方で財務当局の方は、別枠加算の問題だとかいろいろとあげつらえまして、従来型の地方交付税ではないものにするんだということをいろいろとおっしゃるわけでありますが、その辺は1つ大きな影響を及ぼし得る焦点だと思っています。また、概算要求で直ちに明らかになるわけでありませんが、県内さはさりながらやはりインフラストラクチャー[社会基盤]の整備なども遅れておりまして、平成29年度を目指して、例えば鳥取西道路を開通をさせたいと地元も、今、強く願っているところでありますが、そういうものを確実にしていくためには28年度予算というものは大切であります。これは1つの例でありますけども、そういうような県の中に大きなインパクトがある事業予算の確保、これも重要なテーマではないかなと思っております。

それと制度改革的なことを含めていきますと、社会保障関係、これは介護についても改革という動きになりますし、それから、子育てについても、今、結婚対策のところもちゃんと取り上げようという議論が政府内で飛び出したり、それから、第3子以降の無償化等の保育料負担を緩和すべきではないか、こういう議論もされ始めていまして、この辺は先駆的に取り組んできた鳥取県として今まで身銭で頑張ってきたところです。どれだけ国の方からその辺のきちんとした支援が得られるようになるのか、それも注目点だと思っています。


○日本海新聞 井上昌之 記者

 新型交付金のこともおっしゃったわけなんですけども、これも全国的に懸念の声はあると思うんですが、地方創生の初年度だけこういった交付金を設けて、何年か経ったらなくなってしまう、あるいは縮小して、いわゆるはしごを外されたようなかたちになるっていう懸念はどうしても残ると思うんですけども、この点は恐らく全国知事会等を通じて国にも要望していかれると思うんですが、この点についての懸念とこれからどういう取組みをしていくかということについてお聞かせいただけますでしょうか。


●知事

 これは安定的な財源でなければならない。それから、それ相当の総額が必要だということは知事会の総意でありまして、これは引き続き国に訴えていくことになろうかと思います。国は5年間かけて地方創生をやるんだとおっしゃっていますから、少なくともその5年の間、定常的にそういう支援策がなければならないと思いますが、どういうかたちでその辺が担保されるのか、その辺も見極めなければいけないと思っております。特に市町村長さんとも本音の話もお伺いをしますが、それは多多ますます弁ずでありまして、多くの国のほうの財政措置もあり、進めるほうが地方側も見込みが立て易いわけでありますが、その辺の視界が曇らないように国は細心の注意とそれから未来を見据えた決断とを今後図っていくべきではないかなと思っています。




20 欧州向けの観客誘致事業について 


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 すいません。9月補正予算のことでお尋ねです。予算要求されておる事業の中にヨーロッパ向けの観光PRの事業があったと思うんですけど、これはまだ検討中ということになりますか。


●知事

 これは、今、検討を進めておりますが、例えばフランスを初めヨーロッパからのFAMツアー[旅行業者、マスコミ関係者等を対象とした視察ツアー]と言いますけども、そういう観光関係者やメディア等を呼び込む予算等を用意をしたり、売り込みを図っていく予算を検討しています。また、併せて食材をヨーロッパ市場に展開をしていく、そういう予算組み、これも向こうからシェフを呼んできて鳥取の食材を使ってもらう、こんなようなことも含めてやっていこうということでございますが、そうしたことで併せてヨーロッパ関係800万ほど、今、予算を検討させていただいているというかたちでありまして、今、精査はしておりますけども、一つの方向性を持って議論しています。


○日本海テレビ 川野卓郎 記者

 その他質問ありますでしょうか。




21 ブランド梨「新甘泉」の東京駅でのPRについて 


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 知事は東京で、東京駅で梨の新甘泉のPRをされるということですけど、その鉄道、呑み鉄タレントとして知られる六角精児さんを招いてのPRということでありますけども、改めてこの鉄道を絡めたPRの狙いと、何か明日知事として何かのフレーズで全国にアピールされようと思っていると思うんですけど、何かちょっとネタばらしの一部披露していただきたいですが。


●知事

 私も鉄道好き的に売り込んでまいりたいと思います。やっぱり新甘泉という梨、そのおいしさ、それから、そこの栽培技術ですね、これは日本一のものとなり得ると思います。そういう意味で超特急の新幹線のような、走る新幹線のようなそういう値打ちのあるものではないかと思っていまして、それを鉄道を愛するかたがたにも分かりやすいかたちでアピールできればなと思います。新甘泉という名前は海外の人にもやっぱり通用するんですね。コナンというキャラクターが通じるように、SHINKANSENというローマ字書きをした名前は少なくとも分かるわけですね。それで、これが我々としても大きなところだと思っています。ですから、これからも、今までいろんなものに乗っかってPRもしてまいりましたけども、新幹線に乗っかっていきたいと思います。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 新幹線が山陰は唯一といっていいほど全国でない地域ですけども、それを逆手にとって梨の新甘泉があるという、そういうPRをされるということでしょうか。


●知事

 ええ。これは常々申していますけど、1つのジョーク的に申し上げていますが、鳥取何年待っても新幹線、山陰新幹線がやって来ないので梨で作っちゃいましたと、そういうことをアピールしてまいりたいと思います。


○日本海テレビ 川野卓郎 記者

 他は質問よろしいでしょうか。では以上で定例会見を終わります。ありがとうございました。


●知事

 はい。どうもありがとうございました。



  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。

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