令和6年度附議案

令和元年6月定例県議会付議案に対する知事提案理由説明要旨

 令和元年6月定例県議会付議案に対する知事提案理由説明要旨

 本定例県議会に提案いたしました諸議案の説明に当たり、まずもって、県議会議員各位とともにスタートを切るこれから4年間の県政を、県民の皆様と力を合わせ、地域と人々の発展・幸福の花開くものとなりますよう、一身を捧げて奮闘努力してまいりますことを、お誓い申し上げます。

 「令和」という新たな時代が幕を開けました。平成の三十年余は、我が国経済が高度成長から安定成長や停滞に変貌する中、大都市に人口や富が集中する一方、人々が追いまくられる毎日に疑問を感じ始めた時代であったとも言え、相次ぐ自然災害もあり、新たなライフスタイルを模索し始めた歳月でありました。幕を開けた令和の時代は、大都市中心の時代から地方がリードする時代へと転換しなければいけません。豊かな自然の中で人々が支え合う生き方が「令和」の時代のテーマとなるのであれば、鳥取県のような地方が力を発揮しうる、住みやすさといった新しい「幸せの形」やモノの大量生産・大量消費とは異なる「地域の活力」を主軸とする価値観に転換していく時代となり得るでしょう。既に地方創生の旗手として、鳥取からこの国を変えていくべく「鳥取の元気づくり」を推進してきた結果、移住者数が昨年2157人と過去最多の全国トップクラスとなり、外国人宿泊者数も平成19年の知事就任以来12倍となるとともに、本県発祥の手話言語条例が他県へ広がっていくなど、人口最少県である鳥取県が全国をリードする分野が生まれ始めています。これからの令和の時代、議員各位、県民の皆様と手を携え、鳥取県が、地方が、全国をリードし、ふるさと鳥取県から新たな時代にふさわしい「幸せの形」と「地域の活力」を創造してまいります。

 まず第一に、「安心新時代」を開きます。
 平成28年の鳥取県中部地震、昨年の西日本豪雨や台風24号など、本県は経験したことのない自然災害に見舞われ続けており、現在も広島でレベル4の避難勧告が出され、県内でも強い雨が降っている地域があります。これからなお一層地域一丸となって心一つに防災への備えを固めていかなければいけません。併せて、被災地域では「復旧」から「復興」・「福高」へと歩みを進め、ハード・ソフト両面にわたって安全・安心の地域を築いてまいります。
 また、健康や暮らしの安心も重要なテーマです。がん死亡率の抑制、認知症対策、地域包括ケア、医療的ケア児対策をはじめ、健康と命を守る医療・健康施策、ひきこもり支援も含めた福祉施策を展開し、安心の形を地域に根づかせてまいります。

 第二に、「しごと新時代」を創造します。
 技術革新や働き方改革などに対応して、産業・雇用も新たな時代を開かなければなりません。製造品出荷額9千億円や農業産出額9百億円を目指し、県内産業の成長を応援する支援をスタートさせ、起業・事業承継支援や知財教育を推進するとともに、交通アクセス向上をにらみ国際リゾートとして強力にアピールし、観光、建設分野なども含めた人材育成も図ります。
 また、農林水産業の生産拡大・所得向上に向けて、生産基盤の確立やブランド化、若手・後継者育成などに挑戦するとともに、商工分野や農林水産分野のスマート産業化を推し進めます。

 第三に、「ひと新時代」に乗り出します。
「子育て王国とっとり」や「あいサポート運動」などこれまで全国の先頭を切って進めてきた運動を更に前進させ、市町村等と協力しながら、全国の一歩先行く子育て支援やバリアフリー社会等を展開し、障がい者も高齢者も女性も子どもも、すべての県民が、お互いに「支え愛」の絆で結ばれながら、生き生きと活躍できる社会を創ります。
 また、子どもたちの能力を育む学校教育の充実を図るとともに、ふるさとを愛する若い力の育成や医療、福祉人材の育成を進め、東京オリンピック・パラリンピックや関西ワールドマスターズゲームズなどを通じて、人が輝く鳥取県を創ってまいります。

 第四に、「暮らし新時代」を築きます。
 ビジネス人材の移住支援や大学等との連携を展開するとともに、交流人口・関係人口の拡大を図り、4年間で移住者1万人達成を目指します。併せて、中山間地ビジネス支援や遠隔地高校通学助成など、中山間地の活性化を進めます。
 また、環境先進県として、プラゴミ削減をはじめ環境推進活動やリサイクル運動などを展開し、サイクリングや星取県など自然と調和したエコな暮らしを推進するとともに、生活困難者支援の充実を図り、工芸村、文化・芸術ネットワーク構築も含め、暮らしの新時代を地域に展開してまいります。

 第五に、「ふるさと新時代」を実現します。
 地方創生を積極的に展開し、ふるさと鳥取県の社会基盤や活力を、ジビエや農泊なども含め、地域の輝く可能性を活かして築いてまいります。ふるさと鳥取県の発展の基盤となる高速道路や鉄道・空港・港湾などの整備進捗を図り、まちなかの活性化や駅前周辺振興、地域生活交通の確立、航空路線・クルーズ船等の拡充を図ります。
 また、県民参画と現場主義に基づく県政改革を断行し、AI等の新技術活用も含めた県民サービス向上、健全財政の確立、PFIなどの民間とのパートナーシップ、山陰が1つとなる連携強化などに挑戦します。

 地方こそこの国を変える力があります。ふるさと鳥取県から令和の時代にふさわしい「幸せの形」と「地域の活力」を創造するため、令和を開くこれからの4年間、新たな未来への礎づくりに挑戦する決意であります。
どうか議員各位、県民の皆様の御理解と御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 それでは、本定例会に提案いたしました諸議案につきまして御説明いたします。

 今議会に提案いたしました議案は、             
  予算関係 2件                 
  条例関係 8件
    その他の案件 2件  の合計12件であります。

 最初に、議案第1号 令和元年度鳥取県一般会計補正予算(第1号)について御説明いたします。

 まず、「安心新時代」へのチャレンジであります。
 西日本豪雨など全国的に多発している近年の水害等の実情に鑑み、河川内の樹木伐採、河道掘削、ため池の改修、流木災害対策等を行うほか、聴覚障がい者等のための「Net119緊急通報システム」導入を支援いたします。
 また、がん死亡率抑制に向けて専門技術向上やがん検診受診勧奨を行うとともに、骨髄ドナーに対する支援制度を創設いたします。さらに、不登校児等のICT活用による在宅学習を支援し、とっとりひきこもり生活支援センター強化などひきこもり支援を充実することといたします。

 次に、「しごと新時代」へのチャレンジであります。
 「企業の成長への挑戦」を応援するため、自動車・バイオ・食品・観光などの産業分野や技術革新・生産性向上・働き方改革等への挑戦を促す新たな支援制度を創設するほか、ビジネス人材移住支援制度をスタートさせ、首都圏等でセミナーや現地交流会を開催します。
 また、優良な種子の安定生産に向け、拠点整備、技術向上、人材育成に取り組み、新たにデビューする「星空舞」のブランド確立を図るため、PRや販路開拓を実施し、農業へのICT導入、森林クラウドシステム、海況予測システムなど、スマート農林水産業へと舵を切ります。さらに、皆伐再造林を新たに進めていくこととし、作業コストの低減や原木流通実態調査、モデル林づくりに取り組みます。

 次に、「ひと新時代」へのチャレンジであります。
 全国の一歩先行く子育て支援を実現するため、市町村や関係団体と連携し、子育て支援のあり方を検討する組織を設けるとともに、児童相談所の機能強化のため弁護士や医師等から助言を得る体制を整備します。
 また、児童・生徒の英語力向上対策を導入するほか、思考力・判断力・表現力強化をはじめとした高大接続改革対策などを展開します。併せて、県内企業紹介冊子や仕事体験ツアーなど、ふるさと教育を推進します。
 さらに、医療的ケア児のサポート体制づくり、障がい者スポーツ支援人材の育成、ロービジョンケア対策など、共生社会の実現へ鳥取県が時代の先端を開いてまいります。

 次に、「暮らし新時代」へのチャレンジであります。
 「関係人口」拡大に向け、受入プログラムの策定やワークショップ開催等に乗り出すほか、学生のIJUターン促進に資する「ふるさと登録」導入や県内就職試験交通費助成など、移住・定住促進策を推進します。
また、中山間地での多様な主体と連携した生活・買物支援を展開するとともに、万葉集ゆかりの地であることを活かし「令和」観光を後押しするほか、サイクリングルート整備や「星取県」ならではの観光振興を進めます。
 さらに、プラゴミ削減運動や県内企業の脱プラスチック支援を行い、県立美術館の整備・運営へのPFI導入について、事業者選定へと歩を進めてまいります。

 最後に、「ふるさと新時代」へのチャレンジであります。
 令和新時代を担う若者を主体とした地域づくりや、クラウドファンディング活用を支援するとともに、地域の実情に応じた新たな地域交通体系の検討に着手し、市町村が行う地域交通体系再編計画策定支援、バス路線番号設定、タクシー助成導入により、地域の足の確保と利便性向上を図ります。
 また、国際航空便の就航支援や誘客プロモーションを展開するとともに、「麒麟のまち」シンポジウムや「青谷人」の弥生時代復顔模型製作など、歴史と文化のふるさとづくりに乗り出します。さらに、「みどりの愛護」のつどいの成果を引き継ぎ、緑化に係るインストラクター派遣、緑化団体交流、モデル園地整備を進めてまいります。

 以上の結果、今回の補正予算の総額は312億7千万円余となり、補正後の予算の総額は、3,495億5千万円余となるものであります。 

 次に、補正予算以外の主な議案につきまして御説明いたします。

 議案第3号 鳥取県立美術館の設置等に関する条例につきましては、県立美術館の倉吉市設置及び管理などについての必要事項を定めるとともに、県内全体にその設置の効果がもたらされるよう美術関係のネットワークを設けることを定めるものであります。

 議案第9号 鳥取県産業成長応援条例につきましては、本県産業の成長に向けた企業の投資活動を促進し、県内産業の高度化、生産性向上を図り、県内経済の活性化や働き方改革に資するよう、新たな支援制度を創設するものであります。

 議案第10号 鳥取県農作物種子条例につきましては、米・大豆等の優良な種子を安定的に供給していくため、県が行う優良品種の選定、原種・原原種の生産、ほ場審査及び種子の生産・普及のほか、必要な財政措置等について定めるものであります。

 議案第11号 鳥取県行政組織条例及び鳥取県総合事務所等設置条例の一部を改正する条例につきましては、令和の新たな時代を創造する県政を展開し、交流人口の拡大や中山間地対策、子育て・「人財」育成を推進するため、「令和新時代創造本部」、「交流人口拡大本部」等を設置いたします。

 以上、今回提案した付議案につきまして、その概要を御説明いたしました。

 よろしく御審議のほどお願いいたします。

  

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