知事定例記者会見(2020年10月13日)

令和2年10月13日(木)午前10時~
 講堂(県庁1階)

録画配信 知事記者会見動画(約98分) ※MPEG4形式

  

1 菅新政権における令和3年度予算編成など 

●知事

 皆様、おはようございます。鳥取県の9月定例県議会が終了をいたしました。青少年健全育成条例あるいは和牛の保護や振興に関する条例などが成立をし、新型コロナ[ウイルス感染症]対策あるいは災害対策はじめ、数多くの[9月補正]予算が成立をいたしました。こうしたことを踏まえまして、いよいよ年度の後半に入ってきますが、国全体の動きとしても菅[義偉]新[内閣]総理[大臣]が誕生したわけであり、新たな政権の下での予算編成がこれから本格化してくるということになろうかと思います。私どももそれに呼応しながら新年度以降を見据えてウィズコロナ、アフターコロナ、そのための動きを、加速をしていかなければならないところであります。


 そういうような意味で、このたびの概算要求の中で幾つかあらわれてきたことがございます。我々非常に気にしていますのは、地方全体の財政フレームであります。これにつきましては政府の概算要求段階におきましては、地方交付税においては4,000億円の減、16兆2,000億円という概算要求になっています。他方で、臨時財政特例債、これにつきましては3兆7,000億円増の6兆8,000億円となっております。この両者あいまって実質的な地方交付税と言われるものになります。その額は今年度対比で新年度分は3兆3,000億円の増ということになります。これは税収減が大きく出ているところであるからでありますが、我々としては交付税と税収と合わせた地方一般財源ベースで本県もしっかりとその配分が受けられるようにすることが今、新型コロナ対策に向かおうとしている予算編成の要になろうかと思います。


 そういう意味でこうしたことを、そうした地方交付税の総額、一般財源総額の確保、本県への配分に向けまして、あさって東京のほうで、総務省のほうに早速、新政権下での要望、初要望をさせていただこうと考えております。これに併せまして、地方の代表として新型コロナ[ウイルス感染症対策]分科会も開催されますので、そちらのほうにも出席をさせていただくことになります。様々なテーマが恐らくあるのだと思いますが、今のこうした状況を踏まえてのGOTOキャンペーンをはじめとした経済社会の対策、それから、新型コロナの拡大を防いでいく意味で繁華街の在り方、これに対策をとっていく必要があるとか、そうした議論を従来から分科会でやっておりまして、私どもも今、インフルエンザと新型コロナ、これが両方起こってくるデュアル[二重の]パンデミック[世界的大流行]と言われる状況に対する地方としての今の悩み、体制の整備に当たっての課題なども発言をしてくる必要があるかなと考えております。





2 大雨による災害の復旧 

●知事

 また、9月の県議会で成立をしました予算との関係では、特に災害復旧のことがございました。これにつきましては、北谷川の緊急砂防事業については測量を終えたところでありまして、速やかにその後着手に入ることにいたしておりますし、また、今週に入りまして三朝中線という県道の再開、応急復旧ということもできあがりました。今、あと、佐治の中の県道が1つまだ不通箇所がございまして、これの復旧も明日か近日中には行おうというふうに今、応急復旧工事を進めているところでありますし、併せまして今回被害を受けられました、例えば水路であるとか、林道であるだとか順次対策を取る。それから、きのこの生産農家の支援、これもその生産農家さん、生産者の方と対話をしながら今後のフレームを作ってまいりたいというふうに考えております。



3 鳥取県の令和3年度当初予算の編成 

●知事

 こういうようなことなど、今回の予算で組まれたこと、今、その執行を図ろうとしているところであります。その上で、今後、年度後半、いよいよ当初予算編成に向かっていくわけでありますが、来週の月曜日、本県としてもキックオフの予算編成会議を開催をさせていただき、政策の戦略を練る、政策戦略の会議もスタートをさせていただきます。



4 デジタル化、行政改革の推進 

●知事

 今、菅[義偉]内閣が当面している大きなテーマとして、例えばデジタル化ということがあります。これは昨日本県からも出席をいたしましたが、デジタル化のプロジェクトチーム、対策本部が全国知事会に立ち上がりまして、その対応をとっていこうということにさせていただいているところであります。こういうことに関連をして、行政改革を河野[太郎内閣府特命担当]大臣も巻きを入れて今、進めようとされているわけでありまして、こうした動きは私ども鳥取県としても基本的に歓迎すべき方向性だろうというふうに考えております。そこで、我々としてもこの国の動きを横睨みをしながら、鳥取県独自でもこうした行政システムの改革を図り、デジタルトランスフォーメーション[情報通信技術の浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるという考え方]に寄与していこうと、そういう動きをスタートさせていきたいと思います。


 そういう意味で1つ、菅政権発足時から私どものほうで、いろいろと庁内の調査をさせていただき、今その最終的な状況の取りまとめが終わりまして、本日ここに鳥取県庁ハンコ手続き廃止宣言を行わせていただこうと考えております。もちろん実印であるとか、また、様々なハンコ文化、これを否定するものではありません。むしろ住民の皆様、企業の皆様が本県にいろんなものを提出するときのハンコの手続き、これが無駄といいますか、手間になります。また、電子申請を活発化させていきたい、そういうときにもそのハンコというものが言わば邪魔になるという面もあります。併せまして役所の中でもハンコ文化というのは長く続いてきました。こうしたものをやめようということで、大号令をかけさせていただいて、鳥取県は進めてきたわけでありますが、現在に至りまして最後の詰めをやって、この廃止宣言に結びつけさせていただいたところであります。


 従来の状況なども含めてでございますけども、ハンコというもの、これを手続上廃止していくことで県民の利便性の向上ができる。電子申請なども含めて気軽に簡便に申請が可能になりますし、県庁の中でもいわゆるスタンプラリーと言われる状況がどこの役所でもあるんですが、そうしたものを廃止をしたり、テレワークなどを進める際にも、こうした庁内でのハンコ使用などは言わば障害になることがあります。それで、私どもとしては鳥取県庁のほうのハンコの手続きを見直してきたところであります。例えば県独自で県民の皆様が県に提出する書類でありますが、平成23年にハンコという印というのが様式上あっても、自署、自分で署名されればハンコは不要ですよというように改めさせていただくことといたしておりまして、押印の省略を始めてきたところであります。


 また、電子申請も、近年どんどん増やしてきておりまして、特に市町村とも共同の電子申請のプラットフォームを作り、税であるとか、各種の申請を電子申請化するようにしようと。併せてクレジットカード決済なども導入をしまして増やしてきているところでございます。これもこれからてこ入れをして、さらに広げていく必要があるだろうと。それで、そういう際にはもちろんハンコというのは、いらないということになります。


 また、県のほうから県民の皆様に文書を出すときに言わば公印をつくわけですね、それで、この公印につきましても、電子公印というのを、これ平成21年から始めてきているところでありますし、公印の刷り込みなども多様化させていただいております。そして、公印を省略するというのを昨年度公印省略を原則としますよっていうふうに書かせていただいたところであります。そういうことと併せまして、電子決裁を導入して、内部の意思決定をハンコなしで進めるようにやってきたところであります。ただ、若干、やはり役所仕事の常でありましょうか、こういうようなことでやってきましたが、まだハンコが一部事実上残っていたことがあります。例えば表彰状ですね、表彰状にハンコを押す。それでまた決裁も取ってハンコを押すわけでありますが、こういうものもやめてしまえばいいと。公印の刷り込みだとか、あるいは場合によっては電子公印だとか、こうした技術を使えばできるようになりますので、今後はそういうように改めさせていただくことにいたしました。


 ただ、国が法令で、どうしてもこの適用を求めている場合がありまして、今、河野大臣が各省庁に照会をしていますし、法務省では婚姻届や離婚届についてのハンコ省略ということを打ち出しておられますが、国の法令等でどうしても残るもの、これは県としてはどうしようもないところがあります。または契約で相手方同意してお互いハンコを押すの、やめましょうとなれば、それはそれで結構でありますけども、ただ、ハンコを押すということで契約お互いに進めている場合もあります。それで、そういうような場合にはこれはちょっと適応できない、国の民法等の法令の関係もございますし、契約自由の原則に基づいて、そういうふうにされているという、民法上の秩序の問題もありますので、そうした我々でコントロールできないところは適用範囲外ということになりますが、それ以外は全てハンコ手続きは廃止をさせていただこうということにいたしました。


 これに向けて、例えば(鳥取県)公印規程というのがあります。それから文書管理規程(鳥取県文書の管理に関する規定)であるとか、そうした一連の規則も、これも速やかに改正をすることにいたします。今日をもちましてこういうハンコ手続きというのは本県としては廃止をし、それで新たな行政スタイルというのをつくっていくことに結びつけたいと思います。そういう観点で、予算編成と同時並行で新たな行政様式を確立するプロジェクトを始めさせていただこうと思います。今の新型コロナの中で非接触型、リモートというのもキーワードになってきました。それからやはり今、政府のほうも始めていますが、役所の無駄をなくそうということを改めて点検しようということでありまして、政府が見直せば我々現場のほうもその分見直しの事務が広がるわけであります。


 そういうことと横睨みしながら進めていくこともありますし、また本県独自で、こうした新たな行政様式、これを検討することを全庁的に進めてまいりたいと思います。1つにはデジタルトランスフォーメーション、電子申請の利用促進でデジタル化を検討していきましょうと、それで、今、電子申請システムは幅広く行うようになってきていますが、それをアプリケーションとしても拡大をしていき、実際には県民の皆様に使っていただくことも必要でありまして、そういうPRも積極的にさせていただきたいというふうに思います。恐らくこのリモートワークなどには慣れてきたこのコロナの状況の中で、こういう電子申請のスタイルというのは広がるチャンスだろうと思います。私どももシステムを準備して待ち受けているのもございますので、積極的にこれを進めていこうというのが、例えば1つのポイントになろうかと思います。


 また、役所仕事の象徴のようなとこで会計処理の関係がございまして、そこで結構ペーパーワークや手続があります。それで、これも指定金融機関といろいろと話合いもして、実践的に会計事務を効率化をして無駄をなくしていく、スムーズに決済が進むようにするということを進めたいと思います。例えば、お役所というのはこういうことをやるんですけども、別にうちの県だけでなくて、よその地方自治体でもそうでありますが、例えば何か補助事業等をやりまして、最初に補助事業の採択をするわけですね。その後、実際に補助事業が完了します。あるいは工事が終わります。そうしたときに請求書っていうのを役所に出してくださいってやるんですね。それで、その請求書を出してもらって、それで、こちらは支出手続ということをやって、それで、相手方のほうにお金を交付をすると、そういうような手続がございます。


 そこでその請求書っていうのは、じゃあ、果たしているのかどうかっていうことですね。一連の手続きの中で既に補助申請なり、工事の執行始めたところで、こういうような出来高があれば払いますよという約束ができているわけです。それで、あとはその状況を確認して支払うのを行政側がやればいいだけのことでありまして、請求書という手続自体を基本的に止められるんでないだろうかと。それで、そうすると業者さんだとか、あるいは申請者のほうにも手間が省けますし、それを審査するわけで県庁職員のほうの負担も軽くなる、お互いにそうした働き方改革にもつながるわけであります。


 そうした意味でこういう会計事務の効率化なども1つのポイントとしてあるのではないかと、ここに結構な行[政改]革の山もあると思っております。そのほかに遠隔リモート、非接触などに、今、Society5.0のプロジェクトも走らせていますが、そうしたことを進めていけないだろうかということであります。それで、月曜日[10月19日]に予算編成会議をやりますが、そのときにこの新たな行政様式確立プロジェクトのプロジェクトチームを発足をさせまして、予算編成作業と連動しながら、こういう業務の洗い直し、これを進めてまいりたいと思います。それで、令和3年度予算の編成に反映をさせてまいりたいと考えております。


 こういうような予算の編成作業、それに伴う行財政改革、これを徹底的に本県としても進めてまいりたいと思いますが、予算の大きな柱になりますのはやはり新型コロナ対策になろうかと思います。それで、これにつきましてこの秋、徐々に紅葉が進み始めましたけれども、この秋から冬にかけてが恐らく新型コロナ対策の正念場になろうかと思います。これまで第1波、第2波、本県も曲がりなりにも経験をいたしましたし、クラスターも初めて発生をするということもありました。ただ、幸いにして県民の皆様や事業者の皆様の御協力、御理解を賜りまして全国でも最小レベルに感染を抑え込んでくることができました。感謝を申し上げたいと思います。


鳥取県庁ハンコ手続廃止宣言(PDF) 新たな行政様式確立プロジェクト(PDF)



5 新型コロナ警報の見直し 

●知事

  

 これを生かしながら経験を踏まえて、これからの本格シーズンに備える必要があります。実は私ども新型コロナ警報を鳥取県独自に作らせていただきました。その後、国のほうでは[新型コロナウイルス感染症対策]分科会でステージ3、ステージ4という注意すべき段階の設定がございました。また、各県もいろいろと動いてきておりまして、こういう警報等のあり方をこの機会に一旦見直しておく必要があるかなと思います。現場のほうで市町村など、やはり警報が出ると例えば修学旅行やめてしまうとかいうこともございまして、それはちょっとどうかなという声も上がったのも事実であります。ですから、警報は実質的に本当の意味のアラーム、つまり医療体制あるいは感染の広がりで注意しなきゃいけない状況になったときに厳格化といいますか、そこの要件の見直しをしたらどうだろうかということがあります。特別警報も同じであります。


 また、本県ずっとこれやってきましたけれども、東中西、やはりそれぞれでこのコロナの感染が広がるという状況が見えてきました。東中西全部一気に広がってしまうというよりはもっと地域性がある。ですから、東部、中部、西部、それぞれに則した、こういう新型コロナ警報に改めたほうが実情に則しているんではないだろうか、このような観点から今回見直しをしようということであります。具体的には、従来注意報は、これは実際に行動制限をかけたりするものではなくて、予防に注意しましょうとか、医療体制を、あるいは保健所体制のてこ入れを始めましょうという、そういうシンボルなんですが、この注意報は従来どこかで1人いたら全県ということでありましたが、東部、中部、西部それぞれで、お1人出たらそのときに東部で、中部で、西部でというように実態に即して改めようと思います。


 また、警報、特別警報につきましては、従来と同じように、東部3人、中部2人、西部3人という他の県よりもかなり厳しい基準としてここは設定をさせていただいてはどうだろうか。また、これと併せて病床の基準、従来50%超というのを特別警報のときにやっていましたけれども、警報で圏域ごとに稼動率15%、また、特別警報は圏域ごとに50%と、圏域に着目をしながら稼働率を、特に警報には15%というものを新たに設定をするということにいたします。それで、実は特別警報の50%というのは、国全体でやっているステージ4の段階と考え方は一緒であります。ステージ3、これは国のほうで設定しているのでは25%でございまして、それよりも15%で早めにアラームを鳴らす、警報を出す、こういうようにさせていただいてはどうだろうか、こういうようにしたところでございます。


 ですから、全国よりは厳しい水準は維持しながらも、実態に即して直していこう。それであと、市町村なんかからもよく御意見が出ていましたのは、終わりの時期が今一つはっきりしないということであります。そこでこの人数のところなどは1週間ごとに、1週間当たりで見させていただいて、この基準を下回った時点でこの要件が満たされなくなったというふうに扱うと。それで、こういうようにすることで、解除を、こうした上の2つの要件が両方満たされているかどうか、これを見て、ある意味機械的に解除を決めていくことにさせていただいてはどうかと思います。


 従来は漠然とですけども、大体2週間ぐらいこの注意報、警報っていうのは持続させるということでやっておりましたけれども、大体1週間ぐらいでその危険度は大幅に下がるということも、これまで経験的に分かってきましたので、1週間を単位として考えることにさせていただきたいと思います。それから、併せまして10月6日には田村[憲久]厚生労働大臣と全国知事会として協議をさせていただき、このインフルエンザと同時に起こる場合を想定をした国のほうの感染症の指定基準、この政令につきましての見直しで議論をさせていただきました。


 それで、当時私のほうから、実態として多くのところは、まずはベッドに入ってもらうと。それで軽傷や無症状者もそういうようにするのが実務であると。そこで卒業してホテルに移ってもらうということをやっている、そんな県があったりしますけれども、基本はそっちなんだと。それで、大都市で病床がひっ迫しているところで、最初から在宅だとか、ホテルということが起こってきているわけでありまして、それを全国に広げるのは感染症対策としては得策でないということを強調させていただいたわけであります。


 田村大臣からは政令の中でそこは書かせてもらうと。それで、そうした取扱い、まず軽症でも、無症状でも、ベッドに入る取扱いっていうのはぜひやってもらっていいという明言もいただきました。また、2類[感染症]から5類[感染症]という、そういう報道もなされているけども、これもどうなのかと。それで、これについても大臣のほうから5類に落とすということは決してしないと。これはあらゆる機会で、それは大臣としても述べていくと、こういうことをおっしゃっていました。したがいまして、我々地方団体のほうで危惧していたことは基本的に解除された、クリアになったと思います。


鳥取県版新型コロナ警報の見直し(PDF)



6 感染症対策専門人材の養成 

●知事


 ですから、我々としては胸を張って従来の方針どおり、無症状者、軽症者であっても最初に病院に入っていただく、そういう体制をとってまいりたいと思います。そういう意味で、この稼働の前提としての病床の確保、313というのは変えずにまいりたいというふうに考えております。そして、その体制をつくる上で、最近課題になっておりますのは感染症対策ができる専門医の養成ということであります。実は、日本感染症学会のほうでは全国知事会をはじめ、政府等に最近要望されてきていまして、この養成の講座をつくるべきだという議論を提起されています。そこで本県としても都道府県としては初めて11月から臨床感染症学講座これを寄附講座、鳥取県の方で資金を拠出して運営するそういう人材育成システムとしてスタートさせることにいたします。このたび、鳥取大学[高次感染症センター長]千酌[浩樹]先生をはじめ関係者と合意がなされまして、今月の28日に調印式を行う、それで11月1日からスタートするということで御了解をいただきました。これは令和6年までこの養成を続けていこうと、令和6年の3月までですね、そういうことでこの[臨床]感染症学の人材育成ということを進めることにいたしました。私ども、なかなかこうした人材の面の薄いところがありますので、その辺をこうしたことで補うことができればというふうに考えております。

鳥取大学に寄附講座を設置(PDF)



7 事業者向け経済支援など 

●知事


 また、経済社会の回復を図らなければいけません。現在、制度融資では1,500億円、制度融資の実行になりました。これは近隣県等とも比べて突出して多い額になっていますし、その原因は、本県は制度融資の限度額を膨らましたり、また、条件を有利にし、また、4月の末から国は制度を始めましたけど、その前から無利子、保証料なしの制度を始めていて、こういう実態があります。これが結局離職者を減らしたり、倒産を食い止めてきた大きな要因になっていると。先般も観光関係者の会合で、この点は非常に評価をいただきました。ぜひこれは今後てこ入れをしていきたいと思います。


 また、そういう中で、最近ちょっと議論になっているのは家賃補助ですね、家賃支援の制度を国がつくったんですけども、これがなかなかお金がくるまで時間がかかっているようであります。こういうところにも制度融資を本県としても活用してもらうように、関係者にも呼びかけをさせていただきたいと思います。融資枠はしっかりととってそうした様々な支援を受けられる体制をつくってまいりたいと思います。また、再スタートの応援補助金も10億円規模になりましたし、食のみやこであるとか、あるいは危機突破等の各種補助金も非常に増えてきておりますし、生活支援、生活福祉資金も10億円規模までやってまいりました。今後もそうした支援対策を十全にやっていきたというふうに思います。


 そういう中、GoToトラベル[事業]が今いろいろと話題になっているわけでありますけども、この恩恵というのは確かに観光地で出てきたと思います。私自身も今週末、大阪[市]の道頓堀のほうに参りまして、観光関係者と一緒にGoToトラベルの利用など働きかけをしたり、鳥取県の物産のPRをさせていただくことにいたしております。





8 GoToEatキャンペーン 

●知事

 

 それと併せて、注目されるのは、GoToイート[キャンペーン事業]になってこようかと思います。これがいよいよ11月の初旬からスタートする方向で、今、事業者の皆様が御尽力されているところであります。その制度の執行の内容が分かってきまして、本県は50億円規模になるということであります。この人口規模で50億円というと、かなりの大型の飲食店支援になります。これを活用しない手はないだろうというふうに考えたところであります。


 そういう意味で、この8,000円で1万円のプレミアム食事券が買えるというものなんですけども、10月の後半、下旬からお店の登録を始めると。このお店の登録が始まりますと、GoToトラベルの地域クーポンにも連動していきますので、GoToトラベルの地域クーポンも使えるようになってくると。食事券も11月の初め頃から配布をしようというように、今、事業者の方でも頑張っていただいています。私ども鳥取県の方では、条件を事業者にも御理解をいただき、付けさせていただきました。協賛店に登録することが最低条件であり、それから新登録システム[とっとり新型コロナ対策安心登録システム]、これを活用していただく。また、感染予防対策を進めるための[鳥取県新型コロナ対策]認証事業所[の認定取得]を目指していただく、こういうことを要件として、全国の要件にプラスをしていただくことにいたしております。


 それと併せまして、GoToイートをできるだけ活用していただけるように、例えば飲食店での食事だとか、店舗の写真をSNSへ投稿していただく、あるいは安心登録システムで実際にLINEなどで、スマホで読み取っていただいて、そのお店に行ったということを登録をしていただく、こういうことを進めていただくプレゼントキャンペーンをやらせていただき、これで食のみやこ鳥取のアピール、活用、振興を図っていけないだろうか。GoToイートと連動することによって事業効果を出していけるんではないかと、こういうように今、目論んでいるところであります。こういうことも含めまして、来週の月曜日[10月19日]に、GoToイート推進会議を事業者と県やあるいは商工団体等で発足させていただきまして、これから効果的にこの事業を促進をしていけるように応援をしてまいりたいと思います。庁内チームをつくったり、「おいしい楽しい行ってみ隊」、そういうことと連動させて幅広く使用を呼びかけてまいりたいと思います。


鳥取県でのGo To Eatキャンペーンの開始(PDF)



9 「ワールドマスターズゲームズ2021関西」延期報道、東京五輪・パラリンピック聖火リレー 

●知事

 

 さて、スポーツの関係では、関西ワールドマスターズゲームズが最近報道もなされるようになってきました。実は先般、その関係者の会議が開かれたときに、鳥取県としては延期もやむなしではないか、それでむしろ良い大会を1年遅れで実現するほうが良いのではないかという意見を私どものほうからは申し上げたところであります。これは今月の[10月]28日に関西ワールドマスターズゲームズの理事会が開催されることになっていまして、そこで最終決定をされるわけでありますが、我々としては結果、いかなる結果にせよ、我々としてはそれに従って準備を進めてまいりたいというふうに考えております。


 それで、また、オリンピック・パラリンピックの聖火リレー、これも実施をされることとなりました。これについては、本県は5月の21、22日にオリンピックの聖火リレーを行う。そして8月の12日~16日にパラリンピックについても聖火のイベントを行うことになりました。これを誠実に、効果的に実施して、また新型コロナ対策も進めていくために今週16日に実行委員会を、開催をさせていただき、多くの方々にインターネット等も通じながら御覧をいただいたり、また、コロナ対策を片方で進めていくという意味で、どういうような安全な形での推進が図れるのか、これを早急に話し合うテ-ブルを立ち上げたいというふうに考えているところでございます。





10 鳥取・広島両県知事会議 

●知事

 
 それでまた、来週の20日の日には[湯崎英彦]広島県知事と両県知事会議を開催することといたします。新型コロナ対策での協力事業、これをどう展開していくのか、これと関連してやはり観光の足回りを考えていこうと。それで、お互いに隣接をしておりますので、しかも全国で見るとまだ感染が広がっているスピードの遅いところであります。そういう意味で周遊観光などを進めていくためにし、例えばサイクリングが活用できないかとか、また、妖怪というモチーフ、これを使えないかとか、こうしたことで近隣観光、マイクロツーリズムも含めた促進策を話し合ってまいりたいと考えております。こういうことなどこれから年度後半、いよいよ始まりましたけれども、本県としても新型コロナと、いわば共存をしながら、また、闘いながら気を引き締めてこの時期を県民の皆様と一緒に乗り越えてまいりたいと考えております。私のほうからは以上です。



11 鳥取県庁ハンコ手続廃止宣言 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 各社、質問ありましたらどうぞ。


○NHK 小山晋士 記者


 NHKの小山です。県庁のハンコ手続廃止宣言の件です。改めまして国も河野大臣が言っているようにハンコ手続廃止を進めるということではあるんですけど、改めてそのメリット、どう捉えているかということと、あと、やっぱり一般の市民だと、やっぱり行政サービスというと市町村が中心になっていくと思いますが、もちろん当然県としてやることはやってきたと思うんですが、市町村に対して何かメッセージとか、そういうのってございますでしょうか。


●知事


 これにつきましては、やはり県民サービスの向上というのが一番だと思います。その意味で1つには県民の皆様にハンコ[の押印]を求めないということを徹底をしていこうと。ハンコを求めないことで、いわばハンコを持ち歩かないと申請ができないとか、わざわざ役所まで持って行かないといけない、場合によっては郵送しなきゃいけない、そうしたことから解放されるわけであります。デジタル化と組み合わさっていく流れの中で大きな利便性の向上になるのではないかと思います。また、行政のスピードを上げたり、また、効率化によりまして、いわば県民負担を広い意味で軽減していくことにもつながる行財政改革、こういうことにもつながっていくわけでありまして、県庁の中でも無駄にハンコを押さないということを徹底していこうと。


 このハンコを押さないということとハンコを求めないという2つのモチーフ[題材]でこの運動を展開していきたいと思います。市町村の皆様にも御参考にしていただけるように、例えば市町村長との会議の席などで、県の取組も紹介をさせていただいたりしていこうと思いますし、実は市町村と共同でデジタルトランスフォーメーション、システムづくりを本県の場合は独自にやっております。そうしたところでの電子申請システムをはじめとしたクラウドなど、そうした構築の中でこういうハンコ手続の解消というのも市町村と共同して進めていけると考えているところであります。こんなような意味でいろいろと大きなメリットがあるのではないかというふうに考えております。


 私どもも今回[整理を]やってみて、改めてまだ若干[ハンコの押印事務が]残っていることに気がつきました。わざわざ表彰状1枚1枚ハンコを押さなくてもいいんじゃないかとか、それから中には実印を求めている、そういう申請[書類]もあります。それも代理人とかそういうレベルでも求めたり、代理申請とか、ちょっとその辺はやはり旧来の役所[的に対応している]部分が残っていたんだと思います。この辺も今回、実は昨日[10月12日]庁内会議を開催をしましてなくしていくことで、これはもう号令をかけさせていただき、これで本県は完全になくなってくるということになろうかと思います。国のほうが、あとは国の申請手続きなど改善を図ってくれれば役所の中でもその辺は解消されてくるだろうと思います。





12 鳥取県庁のハンコ廃止の状況、ハンコ廃止に伴う本人確認 

○中国新聞 小畑浩 記者


 すいません。中国新聞の小畑です。関連してなんですけれども、まず1つは、実は既にかなりの部分でハンコは廃止されているというところなんですけれども、この辺りは今になって国のほうでハンコを廃止って言われたんで話題になっているところではあるんですけれども、この辺のその効率化の進展具合は、、鳥取県は全国の中でどれぐらいの位置づけにあるというふうに受け止められているかということと、あと、電子化、電子化というふうになってくると、やはり偽造ですとか、本人確認ですとか、そういうところの課題も出てくると思うんですけど、その辺りはどのようにクリアしていくと考えていらっしゃるのかお願いします。


●知事


 これについてはいろんなシステム改革も進んできておりますので、そういう意味で本人認証手続き、これも電子認証が今普及をしてきております。また、恐らく今後マイナンバーカードをはじめとした様々な本人の確認手続きというのは広がってくるというふうに思います。私どもの行政の窓口現場でやっておりますけども、結局ハンコついてあるから、それで絶対これが[本人からの]申請なんだっていうのは、実は疑わしいとこもあるわけですね。どちらかというと、これ例えば銀行の銀行印ありますよね、あれなんかは民法とか、商法の世界でどう理解されているかというと、[銀行の責任が]免責されるということです。仮にそれで[本人以外の者が]お金を引き下ろしてしまった。そうすると、本人は、いや、そんなもの下ろしてないと言われても、ハンコが出ています。それで、銀行側が免責をされると、そういう効果があるというふうに言われているわけであります。


 ですから、これ、結局それからもお分かりのように、実は本人認証が確実になるという手続きというよりは、どちらかというと役所側の都合でハンコを押してもらって、ハンコをもらったんで、もうこれで我々は信用したんですよと、だから、問題があってもあなたのせいですよというようなことのための手続きっていう、裏返した部分もあると思うんですね。ですから、見直していくことで大抵のものはできるということは経験的には分かりました。したがいまして、平成23年に私どもは自署があれば[押印がなくても]それでいいというふうに一切合財やめてしまったということもございます。もちろん、ハンコを押してくださって出されている方、おとめするわけでもありませんので、そういう方はそういう方で結構なんですけど、ハンコついてないから帰ってくださいということはしないということですね。これはやはり行政サービスとしてはそちらのほうが上だろうというふうに考えたわけです。


 それから公印につきましても、電子公印をスタートさせたりして、順次システムを整えてきておりますので、恐らく全国では早いほうだと思いますが、実は霞ヶ関[中央省庁]が遅かっただろうと思うんですね。仲間の知事と話をしても、今頃こんなこと言っているなという知事もいまして、私もその1人ですけど、ですから、最後のだめを今回押しに行ったわけです。やっぱり若干残っていまして、例えば実印を必要とする場合はハンコを押してもらって出してくれというふうに県の規程でなっています。これ今度、廃止することにいたします。


 それで、そういう数少ないところがあるんですが、一つ一つ聞いていますと、実印を押してもらうほど必要がないんですよね。ですから、それはやはり長い間のそれぞれの部局の慣習でなされていたに過ぎないところがありまして、わざわざその実印証明を取ってきてもらって、証明書の手数料を役場に払ってもらうなんて必要は多分ないわけでありまして、それはやっぱり私どものほうで、そういう規程を変更して実印というのは求めないというようにすればいいわけであります。


 それで、あとは例えば県内でも進めてきたところなんですが、これも恐らく予想はされていると思いますけど、ハンコを押すって結構大変でありまして、私も若い頃やたらハンコを押したもんでありますが、その公印をつくというものを電子公印に切り替える。これは順次システムも作って進めるわけですね。ですから、例えば、今、納税通知書をはじめとした税関係は全部電子公印で本県はやっているわけであります。こういうようなことをやることで、あっという間に手間が省けて、働き方改革にもなるわけですね。ですから、やはりハンコ文化をなくせということでは決してないんですけれども、少なくともお役所手続きとしては、そこは廃止出来るのではないかというふうに考えまして、これまでも進めてきたところです。


 今回、そうした一部残っていた実印[の押印]だとか、あるいは表彰状のハンコだとかそういうものもやめてしまうということでこれからはいこうということにさせていただいております。





13 国に求める行政改革 

○時事通信 今泉悠 記者


 すいません。時事通信の今泉です。ハンコにちょっと関連してなんですけれども、今、国のほうの行革の目玉としてハンコがあるわけですが、県としてはもう既に始められて、大分、先を進んでいると思うんですけれども、むしろ、ハンコ以外に国のほうでこういう行革をやってほしいと、そのハンコは手堅いところだと思うんですが、その切り込んでほしい部分っていうのはいかがでしょうか。


●知事


 やはり様々な規制がかかってきていまして、そういう規制改革はやはり国のほうでも積極的にやっていただきたいと思います。例えば、補助申請等も、結構、国のほうの仕組みの中で私どもも動いているところがありまして、あの書類、この書類、みんな持ってこないといけないとやるわけですね。その典型だったのは、例えば持続化給付金であるとか、それから雇用調整助成金のようなものでありまして、その書類を集めようとするのを断念して補助申請をやめてしまう、これは本末転倒だと思うんですね。そうした書類自体の見直しや手続き自体の簡素化、これはかなり切り込めるはずでありますので、政府としてもやっていただきたいと思います。


 ただ、「隗より始めよ」でございますが、私どもも今回そういう「新たな行政様式確立プロジェクト」を立ち上げまして、まさにそうした見直しをもう一度点検を始めさせていただき、予算編成時期までに直すべきところを洗い出してまいりたいと思います。





14 表彰状への押印 

○日本海新聞 濱田匡史 記者


 すいません。日本海新聞濱田です。知事、ハンコの脱ハンコ手続きに関してなんですけども、先ほどハンコがまだ残っている例として表彰状への押印という話がありました。行政の効率化とか、そういう側面で取りあえずハンコを押す機会をなくせというのは理解できるんですけども、受けとる側の気持ちからしたら、一生に1度もらえるかどうか分からない表彰状がハンコもついてないっていうのはちょっと感情的にありがたみが減るんじゃないかなと思うんですけど、そういう一律でやってしまうことと情緒の面で分けてハンコ文化のよさっていうのを切り分けて考えるということは、今、考えていらっしゃらないですか。


●知事


 それはちょっとまた皆さんのお考えも聞いて、そういう文化としてハンコが欲しいという方にはそれは私どもも対応してまいりたいと思います。それは、要は規程としては廃止をしますけれども、サービスとしてハンコが見たいという方はちょっとかすれ具合のあるハンコを押してさしあげるということもあるかなというふうに思います。ただ、実は最近我々も経験したんですけども、食のみやこの応援補助金をつくりました。あれをできるだけ早く飲食店にお金をお届けしたいということで、通常ですと公印をついて補助金交付決定とかをやるんですが、全部公印やめて出したんですね。文句は1つもこなかったです。やっぱりお金がくればいいわけでありまして、別にハンコが欲しいわけではないということなんだろうと思うんです。結構、行政の仕組みってこういうのがあって、何かみんな何となくハンコを押さないと正式じゃないと思っているところがあるんですけども、補助金であれば補助金交付決定のハンコ[を押印した文書]よりも、補助金のお金のほうが大事であります。


 表彰状も表彰されるということ自体が残るわけでありますし、当然ながら記録は未来永劫輝くものでありますので、その印影がどうかというのをつぶさに鑑定してみて、これは本物だというところまで果たして求められる方がどれほどいらっしゃるかなということだと思います。ただ、もちろんそれはお気持ちもありましょうから、そのお気持ちに従って私どもも丁寧に対応してまいりたいと思います。





15 新型コロナ警報の見直し 

○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 日本海新聞の岡ですけど、新型コロナ警報の見直しの件でちょっとお尋ねしたいんですけど、今回、社会と経済活動との両立を図るっていう意味で見直しを行うとあるんですけど、これまでの基準で両立を図る上で何か不合理な点があったのかどうかっていうのをちょっとお聞きしたいんですけど、それで、それが今回の見直しによって改善できる効果があるのかどうかっていう点についてはどうでしょうか。


●知事


 実は私ども1つの住民の皆様の気持ちの持ち方の観点で、この新型コロナ警報っていうのを考えておったわけでありまして、だんだん感染が広がってくると、それに併せて注意するレベルを上げていただくと。それが基本的な警報の考え方でありました。併せまして、医療体制を整備をする、それから保健所の体制を強化をする。言わばギアを上げていく。そのギアとしてこの警報の区分というのを考えていたわけです。そちらはそちらで機能するようになっていたわけでございますけれども、ただ、これ実際スタートしてみますと、先般、米子[市]のほうで公立学校が修学旅行やめてしまったということがございました。


 これはやっぱり警報が出るとそういうのをやめるっていうルールをつくられたようであります。これは決して悪いこととも言えないんですよね、子供たちの安全を考えてつくられるものだろうと思いますし、そういうときに、こういう公的な警報というものをやっぱり援用される傾向があるということでありまして、これはそこに限らず、市町村によっては非常に早めにあらゆるものをやめていくっていうスイッチになっている。そういう自治体も見受けられます。


 ですから、今回これを見直すのと併せまして、そういう市町村向けにもちょっと説明をきちんとさせていただいて、そのレベルの仕分けのことを再検討いただくのかなと思いますけども、そういうことになるので、本当に例えば警報という言葉のイメージからして、これちょっと場合によってはちょっと行事やめてもええかなというぐらいのところに、この警報というレベルはそろえさせていただいて、この注意報というのは注意をあらかじめ前広にやっていただくということで、こちらは割と広めにとっておくと。それで、これちょっと分かりにくいかもしれないんですけども、実は医療体制の問題と連動していまして、圏域ごとの病床の状況で、これがある程度埋まり始めるというところで、それでこの人数要件と重なって、それで発動されるという仕組みになっています。ですから、恐らく従来はこの上のほう[新規陽性患者数]だけだったので、下のこの部分[現時点確保病床稼働率]が、ここの部分が警報で今回加わっておりますので、この警報の発動時期が恐らく遅れると思います、従来よりは。そのときはこういう医療的な状況が出てきたときでありますので、本当の意味で警戒感を強めなきゃいけない時期だということだと思います。従来はこの人数要件だけでありましたので、今回、7月、8月頃、皆さんも御経験されたと思うんですが、結構あっという間に中部[圏域]で2人とか[警報発令基準を]超えてしまうわけですよね、そういうことだけで警報になってしまうのではなくて、病床の状況なども入れてやっていくと。


 例えば病床の状況ですと、そうですね、大体東部・西部だと10床ぐらい埋まっても、まだ[病床稼働率は]15%の範囲内です。ですから、そういうようなことで考えていただくと、この間の東部で10床とか、西部で10床とか、ああいうクラスターレベルのものが起こって、かなり急速にベッド[病床]が埋まった。あるいは累積的にベッドが埋まってきた。そういうようなときが重なってこないとこれは動かない[警報発令とはならない]ことになると思います。その意味で、地域で結構この基準を使っておられるところも、ある程度実体に応じたような形にそのままこうスライドいくんじゃないかなと思っていまして、その辺を考えて経済社会への影響が過度に生じないように実態に応じた修正をさせていただくと、こういう趣旨でございます。





16 鳥取県内における現在の新型コロナウイルスの感染動向 

○山陰放送 日野彰紀 記者


 BSSの日野です。新型コロナウイルスの陽性者の確認は、先月の中旬以降、鳥取県内ではない状況です。また、PCR検査の検査件数自体が先週では2回ほどゼロという日もありました。県内の感染については収まってきていると言えるのでしょうか。それとも、これからまたインフルエンザとの同時流行も見越してやはり警戒を緩めてはいけない、どのような御認識でしょうか。


●知事


 現状は、現在、実情としては県内での感染は見られないと考えてよいと思います。これは専門家の先生方とも見解は一致しておるところであります。ただ、実は毎日私ども検査をさせていただいておりますけれども、やはり心配な事例というのはたくさんあります。例えば、他県で陽性になった方と接触がある方がこちらで、例えば熱があるとか、そういう方は少なくないです。それで、なぜか知らないですけど今のところは全部陰性で終わっているので、たまたま県内には広がっていないと確認できるわけでありますが、そういうような形でいつ感染が再発してもおかしくないだろうと思っています。


 現在は、全国の状況を見ますと北海道や沖縄[県]が、少し感染が広がっているようなところがありますが、あとは増えたり減ったりの繰り返しになっています。特に感染者が出ない地域が全国の都道府県の半分ぐらいに近づいているところでありまして、恐らく日本全体としては一種のなぎのような状態に入り始めたのかもしれません。または地域によっては予断を許さない状況が続いているということなんだと思うんです。他方で世界を見渡してみますと、このたび、イギリスが社会制約の見直しを行うとか、スペインもそういう状況にあるとか、また、インドやブラジルといった新興国での感染が止まらないで、現在、30万人、一日30万人を超える新規感染者数になっていまして、最高を記録しているわけです。


 こういうように世界中で見ますと、実は今、流行の再拡大期にありまして、以前、ヨーロッパでわーっと流行が広がった後、[令和2年]3月以降、日本でも第一波がやってきたということになりましたので、ここは決して気を緩めるときではないだろうと思います。ただ、幸い、現在、本県は感染者がいらっしゃらない状況であり、病床のほうも順次退院をされまして、使われているのは2床だけです。ですから、そういう余裕があるときに先ほど体制づくりのお話申し上げましたが、体制づくりをしっかりと整えていく必要があるだろうと思っております。昨日[10月12日]は中部の医師会の皆様と対話をさせていただき、今日[10月13日]は東部の医師会と対話をすることにいたしておりまして、10月中に11月以降に備えたインフルエンザと同時流行に耐えられる体制づくりをそうした診療所の皆さんとも共同してつくってまいりたいと思います。





17 感染症対策専門人材の確保・養成 

○共同通信 遠矢直樹 記者


 共同通信の遠矢です。寄附講座のことでちょっとお伺いしたいんですが、感染者の専門家が少ないというお話でしたが、少ないことで県内に第一波、第二波を迎えたときにどんな影響があったかということと、あと、人材の育成だけではなくて、鳥取県においてはその人材の確保、鳥取県に留めるということも重要だと思いますが、その辺りどういうふうにお考えでしょうか。


●知事


 それは非常に頭の痛い課題であります。本県、感染症につきましては幸い[鳥取大学医学部教授の]千酌[浩樹]先生をはじめとした専門家の方が鳥取大学等にいらっしゃいますし、実践、臨床で実務を積んでこられたお医者さんたちも当然いらっしゃいまして、そうした知見に支えられながら[感染]第一波、第二波を乗り切ってきたということでございました。その間、何か非常に困窮するような状況になったかというとそうではなかったと思います。それはやはり県民一丸となって感染を防いできた、それによりまして余力を今の体制の中で持つことができたに過ぎないと思います。


 ただ、これから長い目で見て、今回の新型コロナ[ウイルスの感染]もこれから再流行を迎えると言われていますし、これ以外の新たな感染症がさらに厳しい形で本県に襲いかかる可能性は決して否定できないわけであります。そういう意味で、こういう感染症の専門医、中核となるリーダーをつくっていくことはぜひとも小さな県だからこそ必要ではないかと思っています。大都市部では確かに患者さんも多いでしょうけれども、そうした専門の先生方もいろいろといらっしゃるわけでありまして、私自身も[政府の新型コロナウイルス感染症対策]分科会に出る立場になりましたが、こういう優秀な専門家が我が国には多数おられることを、実感をするわけです。ただ、本県に帰ってきてみますと、そういう方は数えるほどというのが実態でございまして、この彼我の差を感じるとやはり本県としてもてこ入れが必要だろうと、それで、1億2,000万[円]というかなり大きな寄附講座になりますけども、ただ、それはやはり県民の命と健康を守るためにも必要な投資ではないだろうかと御理解を求めてまいりたいというふうに思います。


 そうして、[専門人材の]定着については、これはまた別の問題が働くわけです。それで、私ども今、全国知事会でも主張させていただいていますのは、新型コロナのこの今の時期に、医療従事者、お医者さんの削減等につながるような、育成の抑制につながることはやめるべきだと主張しております。本県はこれも少し背伸びをしながら奨学金制度を対応しまして特別枠、臨時枠といった返済免除もある、そういう養成枠をつくらせていただき、他県出身者でも御利用いただけるチャンスをつくっております。こういうことで定着されるお医者さんの数も一定程度確保できるようになってきていますが、残念ながらその大都市の症例の多い病院だとか、お給料のことなどもあるんでしょうけれども、大都市に流れる、そういう若い方々というのも少なからずいらっしゃるのもまた事実であります。ですから、私どもとしてはそういうの、片方で奨学金制度をやったり、ドクターバンクをつくったりして県内での医師確保、これを何とか進めようとしているところであります。


 厚生労働省は、実は文部科学省と一緒になりましてこういう養成枠を縮小しようとしてきております。私どもは新型コロナ[ウイルスの感染]の状況がある中で、そういう縮小は認められないということを申し上げましたところ、8月でしたかね、厚労省も審議会を開催されまして当面は見送るということを打ち出しました。ただ、いずれ令和5年とか一定の時期になりますとまたぶり返すことになろうかと思います。私どもとしてはせっかく養成した方が定着できるように、またその数が十分確保できるように、こういう制度的な見直しについては再考を今後も求めていきたいと思います。


 また、そうした県内のお医者さんにも魅力を持っていただけるように、こういう寄付講座で、人材として育っていただけるような魅力ある講座をこしらえていったり、また、海外での研修の機会なども県としても支援させていただいたり、定着に努めてまいりたいと思います。





18 支え愛交通安全条例の効果、自転車乗車時のヘルメット着用 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 すいません。ちょっと話ががらっと変わって恐縮なんですけれども、交通安全の支え愛交通安全条例というのがあると思うんですけれども、その中でヘルメットの着用努力義務みたいな規定があると思うんですけれども、その県警のまとめた数字なんですけれども、制定前と制定後に事故に遭った人のヘルメットの着用率、自転車のですね、着用率を見るとほとんど変化がないということで、これについて、実際その条例の効果があったかどうかということと、それと別の団体がまとめた統計だと、鳥取県のヘルメットの着用率は全国で3位だけれども、2割にも実は満たないという状況が続いていると。それで、逆にいうと県が県民に対して十分に周知しているのかどうかっていうところの疑問点が湧くんですけども、ちょっといきなりの質問で恐縮ですけれど、お願いします。


●知事


 支え愛交通安全条例はそうした[自転車乗用時の]ヘルメット[着用]のこと、それからお年寄りの、最近ちょっと経産省のOBの方の問題が急浮上していますけども、お年寄りのその交通安全、運転も含めたですね、ということも盛り込みながら制定をさせていただいたわけでございまして、それに基づいて様々な助成事業などもスタートいたしました。高校生へのヘルメットなどの[購入費]助成とか、それからあと、交通安全対策で[乗用車の]ブレーキ等に付加する、そういう装置の支援事業だとか、そういうものを条例に基づいてやったところです。ですから、その条例によって自転車についてのヘルメット着用というのも学校での啓発事業なども進みまして一定程度はそうした広がりがある中で、先ほど御紹介あったヘルメット着用率も愛媛[県]等に次いで、全国3位まで上がってきているのも事実だろうと思います。


 それで大体、今、それでも6人に1人ぐらいという着用率でございますので、まだまだであろうというふうに考えます。ですから、今おっしゃるように、やはりこうした義務化されてきているということ、そのことを知っていただいたり、特に子供たちの着用ですね、これが地域においても課題になっておりますので、そうしたところをPRしていく必要があるだろうと思います。ヘルメットについて今年度は、実はモデル事業をやっていまして、米子高校で自分たちでこういうのが格好いいなというヘルメットを考えてもらって、それをモニターで1年生に着用してもらうと。こういう事業をやって、そうした学校ではヘルメットの着用率がぐっとこう上がったりしています。こうしたモデル事業などを今後も継続していくということは1つあると思います。また、市町村と共同してそういうヘルメット着用の促進策を図っていく、交通安全協会に働きかけて、その新しい取組としてヘルメット着用推進ということを呼びかけることなどがあると思います。


 当面、今やらなきゃいけないなと、今、関係部局にも話をしておりますのは、やはりあまり知られていないということもあるので、県政だよりとか、それから新聞広告の広報であるとか、テレビCMとか、そうしたところでヘルメット着用は義務化されていますよ、それでそれがあなたの命を守りますし、家族の幸せにつながりますよ、そういうようなメッセージをこの機会に改めて出していきたいというふうに思います。


 全国的にもこの自転車というものは見直されてきておりまして、これから大人も通勤で使われる方が恐らく増えてくるだろうと。特に新型コロナ[ウイルスの感染が拡大するよう]になりましたこの時代には、満員電車を避けて大都市では自転車通勤を選択されるという方も結構出てきています。体力づくりにも役立ちますし、いろいろとメリットが多い自転車でありますので、片方でサイクリングロードを、整備をしたりして観光促進も図りますが、もう片方で普段使いのこういう自転車の安全対策、これも強化をしてまいりたいと思います。





19 GoToトラベルキャンペーンの評価 

○毎日新聞 野原寛史 記者


 毎日新聞の野原です。GoToキャンペーンの件でお伺いします。GoToトラベルが始まって結構経ちますし、東京も解禁されてまたさらに拡大の動きがあると思いますけれども、これまでの県内経済などの影響であったり、これまでの段階の施策としての評価、それから感染対策や今後の国への求めることなど、もう少し詳しくお伺いしたいんですけども。


●知事


 GoToキャンペーンにつきましては、大切なのは感染症拡大防止と両立をさせながら、経済、社会を回していく知恵なんだろうというふうに思います。そういう意味で、分科会でもよく議論しているんですけども、GoToキャンペーンを通じて新しい生活様式の定着を図る、それは旅の形であったり、食事の方法であったりそういうこともやる機会として活用すべきだと私も考えております。そういう意味でどうだったかということからいえば、一定の成果は上げつつあるのかなと思います。


 先般、旅館の皆様、東中西[部地区]の旅館の皆様と親しく意見交換をし、お考えを伺ったところでありますが、県の施策のほうでは先ほどの制度融資の評価とか、それから「♯WeLove鳥取キャンペーン」が良かったというようなお話がありました。それと併せて、GoToキャンペーンによってやはり旅館さん等は持ち直したと。今後10月、11月ぐらいの旅館の予約なども堅調なんだそうです。本県は何でかなということですけど、やっぱり新型コロナの一連の騒ぎの中でイメージがいいんだと思うんですね。そこに持ってきて、最近も鳥取砂丘のニュースがございましたけれども、ドライブナビの検索がありますけども、あのナビの検索で鳥取砂丘が全国2位に急上昇したと、ごぼう抜きで。やはりこのコロナの騒ぎの中でソーシャルディスタンス必ずとれる、しかも大自然の中で風もそこそこどころか結構吹いたりしまして、感染の恐れがあまりないような、少し羽を伸ばせるところ、そういうイメージが定着してんだと思うんですね。本県の場合はやはり鳥取砂丘に連動して、例えば三朝温泉の予約率なんかは決まってくるんです。


 そういう正の相関がございまして、やはりいいイメージの循環が出始めているというのもあると思います。現実にもGoToトラベル始まりまして、それで予約の伸びということでいきますと、中国5県で鳥取県が最も高いです。ですから、そういう意味で旅館さんもいいときはあまり声を上げないんですけども、正直大分持ち直してきているところがある。ただ、休みましたので、それを取り返すのはなかなか大変でありまして、このGoToトラベルが終わった後のことの心配を大分おっしゃっていました。ですから、そこは県のほうでもフォローアップ事業を考えなければいけないねというようなお話を申し上げたところでございます。


 ことほどさようでございまして、GoToイートもこれから始まりますが、鳥取県としてもあえて新型コロナ対策をやっているお店ということを、これで開拓していきたいと思いますし、お店にとってもそんな高いハードルではありませんので、この機会に安全対策を進めていただく。これをやはり観光地や飲食店街と一緒になってまちぐるみで進める、本県の安全・安心宣言などもございますので、こうしたことと連動させていくことでウィズコロナでの観光とか、それから経済の在り方、これを変えていく契機になればというふうに期待をいたしております。そういう意味でGoToキャンペーンにつきましては、難しい課題はありますが効果が出ているというふうに率直に申し上げたいと思います。


 ただ、それを進めるに当たりましては、1つには[全国]知事会でも何度か言って、最近、分科会や政府もそういうお話に動いてくださったところであるんですが、やはり基準を設けてGoToキャンペーンをやる時期とやらない時期と、それから地域がそれを機動的に選択していけるような環境づくり、これをやっていく必要があるだろうと思います。これから秋冬、どこでどういうふうに感染爆発が起こるか分かりません。そのときに漫然とやはりGoToキャンペーンを続けるのがいいのかどうか、私はそこは立ち止まるときは勇気を持って立ち止まるべきだと思っています。それをやるシステムをやはり早急に国としても確立していただく必要があるんじゃないか。例えばキャンセル料の問題とか必ず心配をされるわけであります。


 今一部のサイトで3,500円に制限をするとか、1回だけにするとかということで結構な混乱が起きている状況もあります。ですから、そういうものも飲み込みながらやっていくような仕組みづくりというのはやはり必要なんだろうと思うんですね。あともう1つは、やはり進めるに当たりまして円滑な執行だと思います。GoToトラベルも予算を使っているのは一割も満たないのに、なぜかサイト上で制限かかかるようになっているよと。この辺はやはりやり方としてもっと工夫ができるんではないかと思います。まだ試行錯誤をしながら制度を動かしていくというのは、私は差し支えないのではないかと思いますが、できるだけ混乱がないようにやはり運営側のほうでも十分に御配慮いただけるように国としても制度設計をすべきではないかと思います。





20 ハンコ廃止に伴う鳥取県内ハンコ店への影響と対応 

○NHK 本田美奈 記者


 NHKの本田と申します。ハンコ手続の廃止に関連してお尋ねします。お話の中でハンコ文化を否定するわけではないと知事がおっしゃいましたが、このハンコ手続の廃止により県内のハンコ店には少なからず影響が出てくることが想定されます。そうしたハンコ店に対しての文化を、ハンコ文化を守るという観点から今後どういうふうに支援をはじめとした対応をお考えか、お考えがあればお聞かせください。


●知事


 これは、実は鳥取県だけの問題ではなくて、恐らく世の中の進歩、進展と併せてこういうハンコだとか、今、リモートワークになってきていますけども、みんなで集まるオフィス、これ自体も減ってくる可能性があると思います。ただ、他方でそれを活用したり、楽しめる時代にもなるということだと思いますので、決して否定するばかりでもないんだろうと思います。ハンコにつきましては先ほども御意見がございましたけれども、やはりしっかりとハンコを見てみたいということもありましょうし、ものによってはそうした場面もあると思うんですね。例えば書道の落款であるとか、ああいうものは多分なくならないと思います。


 それから一部ですね、それこそ婚姻届、離婚届などでも議論がございますけれども、やはりあえてハンコを押したいという人はいらっしゃるでしょうし、それを否定するほどにまではやる必要もないだろと思います。私どもその辺は配慮をしながら進めていきたいというふうに思います。そうした前提で申し上げれば、ハンコがなくなることは多分ないと思うんですね。例えば配達してきた宅配の人にハンコを押したりというのは、これ多分業者のほうも簡便ですし、確かに渡しましたよというさっきの銀行と一緒ですけど、免責をされるという意味合いがありますので、そういう意味で我々ちゃんと不都合なく仕事しましたよっていうために、こういうシステムは残るのかなというふうにも思うんですけど、そういう意味で、例えばハンコが完全になくなるということは多分なかったりすると思いますし、実印みたいな制度というのも制度自体がなくなるわけではないと思います。


 その辺は、そういう意味で総量としてのハンコの需要が一気になくなるということではないんではないかと見ておりますが、そういう中でも、やはり業態転換などもあり得るんではないかなというふうにも思います。今、全国でも例えばハンコで印影が犬や猫のように見える、そういうデザイン志向のハンコなどが出てきたり、この辺はやっぱり遊びの話だと思うんですね。ちょっと自分の書いたものにそういうハンコを押して、それで自分なりのメッセージを出す1つの文化としてやっていくということはあると思うんですね。そういうような業態転換などについて[経営革新]制度、県版のものなどでしっかりと応援もしていきたいと思いますし、新型コロナ関連としても応援できるんではないかなというふうに思っております。


 いろいろとお困りごと等あれば、それには率直に御相談に応じてまいりたいと思いますが、片方で県民の利便性向上のためにこうした、とにかくハンコも持ってこないと先に進まないよというバリアになるようなことは、これは徹底してなくしていければと考えております。





21 鳥取県庁ハンコ手続廃止にかかるメッセージ出し方 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 それにちょっと関連してなんですけど、もう答え短くていいんですけれども、ハンコ手続廃止されるということを決定されるのはいいんですけれども、こういった記者会見の場で手続き廃止宣言というまでなると、非常に県民に与えるインパクトが大きくて、そのハンコ文化そのものがやっぱり当然縮小してしまうんじゃないかという声は当然あると思うんですけれども、先ほどもちょっとおっしゃられたと思いますけれども、その辺り簡単にどういうふうに考えておられるかっていうのを教えてください。


●知事


 ハンコ文化については冒頭から申し上げていますように、これをなくせという趣旨では全然ありません。したがいまして、ハンコ手続の廃止宣言という意味であり、また、鳥取県庁に限った話というふうに捉えていただければと思っております。その辺は我々もメッセージの出し方は注意をしてまいりたいと思いますが、やはり大切なのはやはり世の中のこうした進歩に応じて行政も生まれ変わっていかなきゃいけないことがあると思います。基本的には住民の皆様の利便性のため、それから効率化することによって働き方改革等にもつなげてそうした意味で社会変革につなげていく、そういう一助になるんではないかと思っております。本県の場合は既にハンコについては、手続としては簡素化を進めてきたところでありまして、あと、もうぎりぎり一歩のところ、それをこのたび仕上げてこれで手続としてはなくなりますよっていうことの宣言でございます。





22 ナラ枯れ対策 

○共同通信 遠矢直樹 記者


 すいません。話は変わるんですが、ナラ枯れについてお伺いします。先般の議会でもナラ枯れに関する質問が出ていて、その中で知事が新年度に専門家を含めた会議を立ち上げるというお話されていました。これまでもその専門家の意見等踏まえて対応、対策を取ってこられたということでしたが、今回改めてそういった会議を立ち上げる意義と、あと、県、ナラ枯れ対策については平成19年結構前からもう対策協議会をつくってずっとやってきたわけですが、そういった見直しをこのタイミングで大分時間がたっているように感じますが、なぜこのタイミングで見直されるのかということを教えてください。


●知事


 ナラ枯れにつきましては、このたび[令和2年]9月補正[予算]の中で予算も確保しまして10月に入り、ナラ枯れの伐倒駆除を大山の環状道路の周辺で開始をしたところであります。紅葉時期の前に一定程度は伐倒駆除をしてしまってそれで撤去しておくというようなことを考えているわけであります。実は、このナラ枯れというのは非常に厄介なものでありまして、カシノナガキクイムシが集中的に攻撃をすることでナラ枯れが発生をします。恐らく木の健康と関係があるんではないかとも言われています。ですから、若い木よりもある程度年数がいった木に生じるというようなこともございます。


 実は東部から本県の場合は[カシノナガキクイムシが]入ったわけでありまして、それで薬剤注入とか、そうしたことから始めたわけでありますが、その後トラップを使うとか、それから防護シートを巻いて、それで虫の侵入とか、退出を抑止するとか、そういう対策を取り、伐倒駆除などもやってきたところであります。それで、実はそのたびそのたびに専門家とか、それから各地の知見なども入れて最新のやり方をやっているんですが、現状はなかなか止まらないと。これは自然が相手でありますので、結局遅らせることはできたのかもしれませんが、完全に食いとめることは残念ながらできなかったという実情です。実は我々ずっとフロントラインをつくっていまして、東部で起こっていたときは何とか中部に入れまいとやったわけですね。その境界線のところを、集中的に対策を取ったりしましたが、じわじわっと抜けていって蟻の一穴からまた今度は広がってしまう。それで大山は最終防衛戦だとか言っていたわけです、うちの担当者は。ところが大山の近くで、まずは琴浦[町と]の境で最初の被害が認められまして、それが大山に移らないようにということでトラップをやったりいろいろやったんですが、結果としては大山のほうに広がる。実は大山ところのミズナラっていうのがございまして、このミズナラはカシノナガキクイムシの被害が比較的顕著に出る樹種であります。


 そういうような特性もあって大山の場合は一気に広がってしまうことになるんですが、そこに気候の影響がたまさか生じまして、冬場が暖かいもんですから越冬して大分いってしまったと。ですから、駆除されていく本数は増えていても、その被害を受ける新たな本数のほうがかえって増えてしまう。その辺の相差がありまして今シーズンは残念ながら駆除は進めているんですけども、広がったというケースになりました。


 それで今までもいろいろとやってきたわけでありますけども、外部の専門家の御意見も改めて聞く機会が必要ではないだろか。それで、正直申し上げて県内でも実は意見が分かれています。どういう駆除の仕方いいのか、伐倒駆除などをやっぱりやっていくのがいいのか、それともやはりもうこれは自然摂理なのであまり触らないほうがいいという人も実はいるんですね。それで、現にカシノナガキクイムシの被害は東から西へ広がって来ていますが、東のほうはもう収まってきています。だから、新型コロナと一緒でいずれ免疫がついてしまうと、そこはもう後また元に戻りまして、また新たな植生が生まれ変わって始まってくると。もう自然な循環の中に置けばいいという議論がないわけではございませんで、最近そういう議論も出えてきているんですね、県内に。


 ですから、そうした様々な問題、議論の状況が生まれてきているのと、やはり技術をもう一度確かなものにして、力強くこのカシノナガキクイムシの繁殖を抑えていくというようなことを考えていかなければいけないと。それで今シーズンは、今この状況でありますので、取りあえず伐倒駆除をしっかりやって、被害木の撤去・除去を進め、拡大をある程度抑えることをやりますけども、これで完全ではありませんので、新年度改めて体制を立て直す必要があるんではないか、こういうふうに判断したところであります。





23 大阪都構想 

○時事通信 今泉悠 記者


 すいません。時事通信の今泉です。この関西広域連合の一員として、大阪都構想についてどのようにお考えか、すいません。お願いいたします。


●知事


 これにつきましては告示されまして投票手続きが始まりました。そういう意味で、私としては申し上げる立場ではないだろうと思います。基本的にはその結果に注目をし、見守らせていただきたいと思いますし、恐らく今回の住民の皆様の御判断は、これからの我が国における大都市行政、地方自治に一石を投じるものになるだろうと思います。そういう意味で悩ましい課題だと思いますが、しっかりと思いを巡らしていただき、また、関係者の間でもメリット、デメリット双方ですね、議論を戦わせていただきまして、後世に実りの多い投票結果になるよう祈っているところであります。私自身はあまり都構想というのは他人事とも思っていないところがございまして、もともと橋下徹[大阪]府知事のときに、本県にお見えになったことがございました。そのときに親しく意見交換を何人かの知事の間でやったとき、橋下徹[元]大阪府知事は、何でこう、道州制やらないかんのかというようなことで、やはり大阪府と大阪市と意見が別れてしまう、そういういうものが道州制なると解消されるんではないかと、こういうふうに議論をされたわけですね。それで、私が当時申し上げましたのは、道州制になって二層性になったところであっても、やはり今度新たな意見の対立というのは各階層間で生じるわけであるわけであります。


 もし、橋下知事が大阪府と市の間の意思決定、これを統一しようということであれば、これは東京府と東京市が合併をした東京都というのが参考になるんでないかと、当時そういうことを申し上げたところです。あの頃、橋下徹知事は、あまりそこ意識の中心になかったんじゃないかと思いますね。どういうことですか、みたいなことをいろいろと聞かれて、その当時の大都市再編のお話を申し上げたところであります。ちょっと得心されないようで、そうかなと言って帰られたんですけども、それからしばらくたったら、大阪都構想が立ち上がりまして、ちょっと私も責任の一端があるのかなと思わんでもないところもあるわけであります。


 いずれにいたしましても、そのときも議論をいたしましたが、非常にこの大都市問題というのは奥の深いものがございまして、いろんな私は地方自治の形態はあり得るだろうと思っています。だからこそそうした東京都の行政構造の御紹介も申し上げたところでありますし、当時申上げたのはカリフォルニア州のロサンゼルスも、ロサンゼルス市とロサンゼルス郡が合併をして、ロサンゼルス郡という広いところ、カウンティなんですが、カウンティとシティが合併をするという、そういうことをやっているんですね。これは実は大阪府と大阪市の一緒になっての都構想と実は一致するところでありまして、そういうのは、実は世界を見渡してみると、大都市の制度的発展の中では、実例は幾つもあるところであります。


 ですから、そういう意味で地方自治の多様化というのは私はあり得るんではないかと思っていまして、今回示される選択肢というのは非常に関心を持っているところであります。





24 菅首相による日本学術会議推薦会員の任命拒否  

○朝日新聞 矢田文 記者


 すいません。朝日新聞の矢田です。日本学術会議のことでちょっとお尋ねさせてください。会議のほうが推薦した6名を政権のほうが任命しなったという問題なんですけれども、野党のほうからも批判の声が多く挙がっていますが、知事としてはこの一連の問題について、どうお考えかというのをお聞かせいただけますでしょうか。


●知事


 これについては、やはり議論を尽くしていただく必要が出てきたんではないかなと思います。菅[義偉]内閣が発足をされまして、それで初めての国民的イシュー[論点]になったのかなというふうにみております。できるだけ透明性をもって議論に臨んでいただく必要があるのではないかなと。そういう意味で今回の御判断に至るそのプロセスなども今後議論されましょうし、また、正直申上げて、日本学術会議という存在自体が、国民の皆様の間で浸透しているわけではありません。どういう使命を持っていて、どういうような人選がなされているのか、それは、本来はどうあるべきなのか、その辺も含めてトータルの議論が必要になってきたのかなというふうに思います。そういう意味で、6人の任命云々だけでなくて、やはり大きな議論が必要なステージに今、移りつつあるんではないかなと考えておりまして、私どもとしても関心を持ってまいりたいと思います。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 そのほか、質問ありますでしょうか。じゃあ、終わります。ありがとうございました。


●知事


 ありがとうございました。





  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。

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