令和6年度附議案

令和4年2月定例県議会付議案に対する知事提案理由説明要旨

令和4年2月定例県議会付議案に対する知事提案理由説明要旨

 これより、本議会に提案いたしました諸議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 今議会に提案いたしました議案は、
予算関係   32件
条例関係   16件
その他の案件 24件 の 合計 72件であります。

 まず初めに、議案第1号 令和4年度鳥取県一般会計予算についてご説明申し上げます。

 新型コロナウイルスは、オミクロン株の世界的蔓延による第6波に突入し、本県においても年明けからオミクロン株との闘いが続き、1月28日をピークに一旦抑制傾向となりましたが、現在2月の連休の影響等によるリバウンド傾向が見られ、昨日は西部で過去最大規模の子どもの施設での集団感染が判明するなど、計178名の新規陽性者となりました。こうした情勢から鳥取市と合同チームを設けるなど、緊張感をもって精力的に「鳥取方式」による迅速な積極的疫学調査等の特別対策を実行しているところです。オミクロン株の特性を踏まえながら、在宅療養支援体制の充実、宿泊療養施設の増設、臨時医療施設の設置などにより医療提供体制を更に強化するとともに、教育委員会等の協働による「感染拡大防止特命チーム」を編成し農業改良普及員はじめ幅広く県職員を投入するなど保健所機能の確保・拡大を図るなど、全国を覆い尽くすオミクロン株感染急拡大に迅速かつ機動的に立ち向かうことにより、今のところ感染爆発というべき一気に感染が急上昇し続ける事態は回避しつつ、全国最少レベルの感染者数にとどまっております。議員各位、県民、医療関係者、事業者、市町村の皆様のご協力に心より感謝申し上げます。今後とも、無料検査実施延長やワクチン3回目接種加速化も含め感染拡大防止に努め、令和4年度もいかなるウイルスや感染の波にも耐えられるよう、安心の医療提供体制構築と強力な感染防止対策により、全力で県民の皆様の命と健康を守り抜いていく決意であります。
 他方、コロナ禍の長期化により地域経済や県民の暮らしも甚大な影響を受けており、令和4年度はコロナを乗り越える回復と飛躍の1年とするため、社会・経済活動を力強く軌道に乗せていくことが求められます。このような中、新型コロナ前後における東京都からの人口移動増加率は鳥取県が全国第1位となるなど、コロナを契機として働き方や暮らし、人々の価値観は確実に変化しており、今こそ豊かな自然や人の絆に象徴される本県の強みを活かして、副業・兼業やワーケーションのさらなる推進、30人学級はじめ「子育て王国」の拡充、脱炭素化やデジタル化など時代の潮流をとらえた産業振興・人材育成など、ポストコロナを展望し新たな時代の鳥取県を切り拓く施策を強力に進めてまいります。
 令和4年度は、コロナ前水準への県税収入回復を見込むとともに、本県の要望活動の成果である「地域社会再生事業費」を含め今年度を上回る地方交付税額を確保できる見通しですが、臨時財政対策債大幅減額など楽観できない財政状況が続くと考えられます。しかしながら、総力を挙げて新型コロナを乗り越え希望ある新たなステージに鳥取県を飛躍させるという至上命題を果たすためには、知事職就任以降最大規模となることも躊躇することなく思い切った当初予算を編成すべきと判断しました。議員各位の御理解を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、県民の皆様とのお約束である財政健全化確保に向けた「財政誘導目標」につきましては、「財政調整型基金の確保」、「実質的な県債残高の抑制」、「プライマリーバランスの黒字」の達成に道筋をつけることができ、将来世代への負担抑制を果たしながら次の任期へ引き継げる公算となりましたことをご報告いたします。

 それでは、令和4年度当初予算案の概要につきまして、御説明申し上げます。

 第一に、「命と健康を守り抜く」についてであります。
 新型コロナ医療機関の設備整備や入院病床確保、メディカルチェックセンターや臨時医療施設の運営、安心して在宅療養できるサポート体制の整備など、必要な医療提供体制を確立するとともに、積極的検査、保健師経験者配置、「受診相談センター」設置など、保健所機能をなお一層現場主義で強化してまいります。また、高齢者施設をはじめ社会福祉施設等が行う感染防止対策への支援やワクチン接種の加速化、飲食店等の「新型コロナ安心対策認証店」制度の充実など、感染防止対策を一層徹底するとともに、感染症専門人材の育成を図ります。
 併せて、大幅に改善したがん死亡率のさらなる減少に向けて、新たに県営職域がん検診を実施するなど総合的ながん対策を推進するとともに、鳥取大学医学部附属病院に腎センターを設置するほか、ICTを活用した認知症予防など健康づくりを積極的に展開してまいります。

 第二に、「ポストコロナの産業・雇用へ」についてであります。
 コロナ禍で苦闘する県内企業の資金ニーズに即した期日一括返済融資を創設することとし、民間専門機関等と連携した事業承継や新規ビジネスモデルを支援するとともに、企業・雇用サポートチームの相談体制強化、デジタル人材となる高校生の「スーパー工業士」認定など、ポストコロナ時代に向けた産業・雇用創出を進めてまいります。加えて、コロナ禍からの脱却を目指し、割引キャンペーンなど観光や貸切バスの緊急支援を行うとともに、業種・地域を問わず切れ目なく「オミクロン株影響対策緊急応援金」を支給するなど、事業者支援によるセーフティネットを構築してまいります。
 また、デジタル化などの新産業創造に向け新たな設備投資を支援するほか、鳥取砂丘の「月面環境実証の拠点化」、次世代車・水素関連技術の製品開発等に対する企業支援、自治体初のバーチャルショールーム開設などを進めます。
 更に、農林水産業につきましても、スマート農林業の実装化を進め、米価下落対策として水田農業の収益性向上等を図り、県産乾燥材の設備導入等への支援、全国和牛能力共進会対策、境港市場2号上屋供用開始を契機とした県産魚PRなどを展開してまいります。
 
 第三に、「ポストコロナのふるさとへ」についてであります。
 コロナを契機とした新たな人の流れを引き込むため、兼業・副業マッチングやファミリーワーケーション全県展開などを推進し、若者県内就職や本県への本社機能移転を支援します。また、本県ならではの旅の提供や「スナバ国パスポート」発行、「とっとり弥生の王国」の整備・PR、こどもの国リニューアルや鳥取砂丘西側整備などに踏み切ります。
 また、全国初となる小学校全学年30人学級化に着手することとし、県・市町村一体の学力向上対策、国際バカロレア校・県立夜間中学の開校準備、ICT教育拡充を進め、パリのオリ・パラに向けた選手強化や県立美術館建設促進など、未来を彩る人財づくりを展開します。 
 さらに、ヤングケアラー支援強化、きこえない・きこえにくい子や医療的ケア児の支援センター等の拠点整備、子育て応援パスポート電子アプリ化、全国に先駆けた児童相談所への「アドボカシー制度」導入など、「子育て王国とっとり」の発展を目指します。また、「障がい者情報アクセスモデル県」づくり、強度行動障がい者受入施設支援、とっとりユニバーサルデザイン認証制度創設、「日本女性会議」開催など、一人ひとりが大切にされる社会を構築してまいります。

 最後に、「安心安全・エコライフ」についてであります。
 国の省エネ基準を上回る本県独自の健康省エネ住宅の新築・改修に対する助成金を設けるほか、屋根貸しによる太陽光発電導入や照明LED化、企業への再生エネルギー導入を推進します。加えて、非住宅木造建築への県産材利用促進、皆伐再造林の残材のバイオマス発電利用促進、二酸化炭素を1.5倍吸収する「エリートツリー」供給体制構築など、脱炭素社会の実現を目指します。
 また、都道府県初となるSDGs企業認証制度を導入し融資創設やマッチングを行うとともに、事業者連携による資源循環支援や鳥取型MaaSの推進、空き家の除却・利活用支援を進めてまいります。
 さらには、岩美道路全線開通に向けた整備進捗を図り、通学路の安全対策、鳥取空港の滑走路拡張、河川の樹木伐採や県管理河川の樋門電動化などを展開します。加えて、住民との協働による流域治水対策、広域避難モデル事業、盛土等安全確保システムの開発など、安心安全のふるさとへの備えをしっかり整えてまいります。

 これらの事業に必要な歳出を積極的に計上いたしました結果、令和4年度当初予算案の総額は3,640億5百万円余となるものであります。

 次に、議案第22号 令和3年度鳥取県一般会計補正予算(第10号)につきましては、第3セクター鉄道運行支援、生活福祉資金緊急貸付の増枠、新型コロナ対応企業支援のための基金積み増しなど、所要の精査をいたしました結果、94億3千7百万円余増額することとし、補正後の令和3年度予算総額は4,354億7千3百万円余となるものであります。

 引き続き、予算関係以外の主な議案につきまして、御説明いたします。

 議案第33号 鳥取県基金条例の一部改正につきましては、臨時財政対策債の償還に必要な財源を確保し財政健全運営に資するための基金と令和6年度ねんりんピック開催経費に充てるための基金を、新たに設置しようとするものであります。

 議案第70号 鳥取県福祉のまちづくり条例の一部改正につきましては、車いす使用者、聴覚障がい者、高齢者等が使用するエレベーターやトイレなど、より一層利用者に配慮した環境整備が進展するよう基準を見直すとともに、基準適合義務が課される建築物の規模を引き下げようとするものであります。

 以上、今回提案いたしました付議案につきまして、その概要を御説明いたしました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

  

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