かなり古い漁業で、本県では宝暦5年(1755)には操業されていたものと見られる。急速に発展したのは昭和28年頃からで、この当時は漁船2隻を1統とするいわゆる2そうまき狩刺網漁法であった。その後、漁船の大型化と2隻を1経営体とする経営上の問題もあり、昭和40年頃から徐々に1そうまき刺へ転換し、現在に至る。
 ハマチは回遊魚であるため、本県地先への来遊は年変動が大きい。併せて、水塊配置(冷水と暖水の水温分布)により漁場形成の成否が左右される。したがって、その漁獲量は増減が激しく沿岸漁業経営に大きな影響を及ぼす。その漁獲を支える当該漁業は本県の重要漁業の1つである。

  • 漁期  ほぼ周年(盛漁期は4~6月、9~11月)
  • 漁獲物  ハマチ(ブリ)
  • 漁場  主に水深20~50メートル
  • 漁具の構造 漁具は固定式刺網漁業(ハマチ刺網)と同一の漁具を使用する。 なお、ハマチの大きさにより、主に2寸7~8分、3寸、3寸6~7分などを使い分ける。マルゴ級では4寸目も使用する。
  • 漁法 3~5トンの小型船で1~3人が従事する。一般に海面にできるハミ(魚群が水面へ餌を追い込み食み上がっている状態をいう)を目がけて船を走らせ投網するため、日の出から日没までの操業となる。
     投網は、魚群を見つけると、その移動方向を予測しながら、風向や潮流方向に関係なく図のように陸側から沖合へ向け投網を開始し、全速力で魚群を包み込むようにして陸側へ転針し投網を完了する。投網が終わると船を網の中へ入れ、全速力で旋回しながら魚群を威嚇し羅網させる。投網後10分程度で揚網を開始する。揚網は、船首に装備した巻揚機を使用して、打ち終わり側から揚網に取りかかり、網を船尾へ廻しながら罹った魚を取り外す。
  

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