適正な経理処理の確保に向けたコンプライアンスの再徹底に関する取組状況について[県立学校(追加調査)]

 第1回調査結果(9月9日県教育委員会報告)において追加調査が必要とした件について、必要な調査・確認を行った。
  

1 調査期間

 9月10日(木)~10月24日(金)

2 調査対象

 鳥取中央育英高等学校
 ・県費外会計「緑風寮自販機会計」

3 調査方法

 当該校における自動販売機の設置に係る行政財産設置許可及び管理委託契約等関係書類の調査、確認を行うとともに、当該校を通じて清涼飲料取扱業者に対する必要な聞き取りを行った。 

4 調査結果

(1)会計の概要

 会計名:『緑風寮自販機会計』
  • 緑風寮内に設置された自動販売機に係る手数料を取り扱う会計である。(平成3年9月銀行口座開設)
  • 県立学校における自動販売機(清涼飲料水等)については、平成17年度から設置方法が見直され、県費会計に切り替えられた。(公募制実施、手数料徴収なし)
  • このため、平成17年度以降の会計収入としては、手数料収入はなくなり、平成16年度以前の手数料の積立金に係る利息収入のみとなっている。
    支出としては、寮内の貴重品ロッカー設置、球技大会開催費など寮生の福利厚生関係に充てられている。

 

 平成16年度末残額   504,074円(手数料積立金)
 平成17~19年度収入   3,581円(預金利息)
 平成17~19年度支出 259,620円(寮内福利厚生費)
 平成20年度繰越額   248,035円

(2)自動販売機設置の概要

  1. 設置時期  平成3年7月頃と推測
     設置時期の確実な記録は確認できなかったが、緑風寮竣工(平成3年3月)、生徒入寮(平成3年4月)、銀行口座開設(平成3年9月)の時期から推測した。
     
  2. 設置者(行政財産設置許可を受けた者)
    ア 設置~平成16年度以前
      平成12年度以前 鳥取県立由良育英高等学校緑風寮保護者会
      現存している平成6年度以降の行政財産使用許可関連文書により確認した。それ以前のものは関係者からの聞き取りにより推測した。
      平成13年度以降 清涼飲料取扱業者
     
    イ 平成17年度以降(公募選考)
      清涼飲料取扱業者(平成16年度以前の業者とは別業者)
     
  3. 行政財産設置許可に係る使用料
    ア 設置~平成16年度以前  減免あり
      平成12年度以前 鳥取県立由良育英高等学校緑風寮保護者会  全免
      平成13年度以降 清涼飲料取扱業者  半免
     
    イ 平成17年度以降  減免なし
     
  4. 手数料徴収に係る事務処理
    ア 設置~平成16年度以前  手数料徴収あり
     ○確認文書
      学校内の保存文書を確認したが、寮内設置の自動販売機に係る取り決めの内容が分かる契約書等の存在は確認できなかった。当時の業者にも聞取りしたが、関係書類の存在は確認できなかった。
      このため、手数料徴収について、寮保護者会、業者及び学校間の明確な関係は確認できなかった。
     
     ○手数料率
      『緑風寮自販機会計』の銀行口座への手数料の振込金額からみて、手数料率は売上金額の10%であったと推測される。
     
     ○手数料の徴収
     ・『緑風寮自販機会計』銀行口座の開設時期からみて、自動販売機の設置当初から手数料が支払われている。
      このことから、手数料徴収に関する文書の存在は確認できないものの、最初に自動販売機の設置許可を受けた寮保護者会に対して、業者から手数料が支払われていたものと考えられる。
     ・平成13年度以降は、清涼飲料取扱業者が直接設置許可を受けていたが、設置期間中、銀行口座に手数料の支払いが続いている。
      このことから、手数料徴収に関する寮保護者会、業者及び学校間の関係は、寮保護者会が設置者であった当時と同様の状態のままであったと推測される。
     ・手数料の管理は(通帳・印鑑管理)は、自動販売機設置当初から寮保護者会に代わって学校が行っている。
     
    イ 平成17年度以降  手数料なし
      県立学校における自動販売機の設置方法が公募制に見直しされ、手数料は徴集されていない。(手数料徴収がないため、より安価な販売が期待されている。)
  5.  設置時期の確実な記録は確認できなかったが、緑風寮竣工(平成3年3月)、生徒入寮(平成3年4月)、銀行口座開設(平成3年9月)の時期から推測した。 ア 設置~平成16年度以前   平成12年度以前 鳥取県立由良育英高等学校緑風寮保護者会   現存している平成6年度以降の行政財産使用許可関連文書により確認した。それ以前のものは関係者からの聞き取りにより推測した。   平成13年度以降 清涼飲料取扱業者 イ 平成17年度以降(公募選考)   清涼飲料取扱業者(平成16年度以前の業者とは別業者)  ア 設置~平成16年度以前  減免あり   平成12年度以前 鳥取県立由良育英高等学校緑風寮保護者会  全免   平成13年度以降 清涼飲料取扱業者  半免   イ 平成17年度以降  減免なし   ア 設置~平成16年度以前  手数料徴収あり  ○確認文書   学校内の保存文書を確認したが、寮内設置の自動販売機に係る取り決めの内容が分かる契約書等の存在は確認できなかった。当時の業者にも聞取りしたが、関係書類の存在は確認できなかった。  このため、手数料徴収について、寮保護者会、業者及び学校間の明確な関係は確認できなかった。    ○手数料率   『緑風寮自販機会計』の銀行口座への手数料の振込金額からみて、手数料率は売上金額の10%であったと推測される。    ○手数料の徴収  ・『緑風寮自販機会計』銀行口座の開設時期からみて、自動販売機の設置当初から手数料が支払われている。   このことから、手数料徴収に関する文書の存在は確認できないものの、最初に自動販売機の設置許可を受けた寮保護者会に対して、業者から手数料が支払われていたものと考えられる。  ・平成13年度以降は、清涼飲料取扱業者が直接設置許可を受けていたが、設置期間中、銀行口座に手数料の支払いが続いている。   このことから、手数料徴収に関する寮保護者会、業者及び学校間の関係は、寮保護者会が設置者であった当時と同様の状態のままであったと推測される。  ・手数料の管理は(通帳・印鑑管理)は、自動販売機設置当初から寮保護者会に代わって学校が行っている。   イ 平成17年度以降  手数料なし   県立学校における自動販売機の設置方法が公募制に見直しされ、手数料は徴集されていない。(手数料徴収がないため、より安価な販売が期待されている。)

(3)その他

 『緑風寮自販機会計』からの支出は、寮内の貴重品ロッカー設置、球技大会開催費など寮生の福利厚生関係に充てられている。
 一方、緑風寮にかかる県費外会計としては、別に『入寮費会計』も存在しているが、その支出は寮内の清掃や寮生の福利厚生関係に充てられているなど、両会計の支出内容は類似したものとなっている状況である。
 今後、『緑風寮自販機会計』は、利息以外の収入が見込めないことから、寮生の福利厚生を目的とした会計類の整理統合が必要となっている。

5 今後の対応

(1)『緑風寮自販機会計』残金の有効活用

 会計残金については、自動販売機の設置当初の寮保護者会、業者及び学校間の関係から判断して、公金として県に収入する必要はないものと考える。
  このため、寮保護者会の意向を踏まえた上で、学校内県費外会計等検討委員会において寮内の福利厚生に資するよう有効活用方法を検討することとする。

(2)緑風寮に関する県費外会計の整理統合

 今後の『緑風寮自販機会計』については、類似した支出目的をもった他の寮会計との整理統合を検討することとする。
  

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