令和2年度建設業で働く女性技術者による意見交換会開催

 性別を問わず誰もが働くことができ、活躍できる建設業界を目指して、県内の業界で働く女性技術者同士が交流を深め、建設産業の魅力や課題、働きやすい職場環境の実現に向けた取組について意見交換を行う、「建設業で働く女性技術者による意見交換会」を、以下のとおり開催しました。

1 日時  令和2年10月30日(金)午後1時~4時
2 場所  (意見交換) 鳥取県中部総合事務所
      ※現場見学 国道313号(倉吉関金道路)橋梁上部工事〔倉吉市内〕
3 出席者  一般社団法人鳥取県土木施工管理技士会女性会員、鳥取県女性土木技師 

       (計約20名)
4 概要
 【意見交換】
● 就職先として現場を選ばなかった理由(技士会技術者→県技師)
・ 就職にあたって現場体験をしたが慣れるのに大変だった。体力的に厳しいと感じた。
・ 就職氷河期初期。業界は男性を求めていた。公務員であればペーパー試験ができれば採用してもらえ、入ってからも働きやすいのかなと思った。
・ 親が公務員で、「県は設計から現場仕事まで幅広く経験できる」と聞いていた。
● 現場技術者の仕事を見て感じること
・ 自分にできないと思うことが多い。工程調整しつつ、段取り良く指示しながら仕事を進めるのはなかなか厳しい(県)。
・ 重たい荷物を一人でもっていたり、「体力的に厳しい」と感じる(県)。
● 職場環境等、もう少し変えたほうが良いと感じる点など
・ 最初は男性が多くてとっつきにくかったが、徐々に話しかけてもらったりして働きやすくなった(技)。
・ 会社のバックアップ体制により、仕事と育児との両立ができた。会社と家族の理解が大切(技)。
・ そのときどきの人間関係によるところも大きい(県)。
・ 「どんどん休んで良い」と言ってもらえる。早く帰ることもできるし、働きやすい(県)。
・ 「時間に都合をつけてほしい」との条件でこの業界に入った。自由に休めるし、働きやすい。仕事で男女の差を感じたことはない(技)。
・ 20年前に声をかけてもらってこの業界(塗装)に入ったが、当時は子育てしながらの仕事は大変だった。10年たって仕事を極める楽しみも覚えたり、現在では働きやすくなっている。女性も増えた(技)。
・ 今の会社は7年目。社長も一緒に現場に出る人で、働きにくいと感じたことはない。トイレの配慮もしてもらえたり、いいところだと思っている(技)。
● 業界の魅力向上に向けた取組について
・ 男性の偏見が、女性を働きにくくさせている。男性の意識を変える講習会等が必要だと思っている(技)。
・ 本人の関心、興味による。当人が「(建設業の仕事を)やりたい」という気持ちがあれば、困難があってもやっていくものだ(技)。
・ 小さな会社で、若い作業員が来てくれない、来ても長く続かない等、大きな課題。子どもに建設業の魅力を伝えられない(技)。

 意見交換会の様子(JPG 958KB)

※ 意見交換終了後、県発注道路橋梁工事の現場(倉吉市内)を見学。
〇 説明者 県中部総合事務所、日本ピーエス・打吹建設JV(受注者)の担当者
・ 高架橋上部構造の軽量化を図る円筒型枠の工法が採用される
・ 径間ごとに約400立米のコンクリートが使用されている
・ 現在は別の現場に異動してしまったが、女性技術者も関わっていた
・ コロナ対策として、検温やアルコール消毒の徹底。その他、安全訓練や各種会議は、屋外で実施
・ 径間ごとに1サイクルとして工事の流れをつかみ、今回は2回目以降は技量も向上し、円滑な施工につながる
・ 現場近くの小学校の通学時間を避けた工程を組んでいるため、一日の就業時間は遅くなるが、地元住民の生活を最優先に工事施工を進める
・ (参加者から質問に)コンクリート打設時の悪天候は頭が痛い問題だが、予備日を設定することで対応している。

 現場見学の様子⑴(JPG 980KB)

 現場見学の様子⑵(JPG 1189KB)

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