福祉の心構え、日々業務に
ユニバーサルデザインタクシー(UDタクシー)がまだ珍しい存在だった約3年前からUDタクシーのハンドルを握る。
50歳を目前に仕事を探していた時、UDタクシードライバーの募集が目に入った。「幅広い仕事ができて、やりがいがありそう。セダンタイプではない車両もいい」とピンときて応募した。
採用後に受けた研修で、ユニバーサル社会の考え方から車いすの扱い方など福祉の在り方を学んだ。「高齢者や障がい者、子どもに妊婦さん、どのお客さまも相手の立場に立って接する。そうした考え方はすっと受け止められた」。鳥取観光コンベンション協会の認定資格「鳥取観光マイスター」でもある。観光客へのおもてなしの心は福祉の心構えと通じる部分も多く、日々の業務に欠かせない。
県内全域で進む高齢化は市街地でも容赦ない。買い物や通院時のわずかな徒歩も難しい高齢者にとって、自宅の玄関から用事先の玄関まで送り届ける需要は高い。そんな機会が日々増え、公共交通の一つとしてタクシーが担う役割を感じる日々だ。おととし2月の大雪時は「こんな時こそいつも以上に役に立てる」と早朝から出勤。ひっきりなしに乗客を目的地に送り続けた。
女性ドライバーで喜ばれることも多い。買い物時に店内に付き添うと、「商品選びや献立に関する話題がしやすい」と言われる。細やかな気遣いなど、女性が活躍できる余地がとてもある業界だと実感している。「毎日楽しい。体力が続く限りは続けたい仕事」と笑顔いっぱいだ。
【写真説明】鳥取観光マイスターの資格を持つ竹内さん
[平成31年3月10日(日)日本海新聞掲載]